龍たちの日常のような非日常   作:むいちぃ

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ここから新しく考えていく話になります!
よろしくお願いします!


12話 突然会話から置いていかれるとどうしていいかわからなくなる現象には名前をつけるべきだと思う

どうもおはようございます。強制労働中のアビオルグです。

今は朝ごはんをちょうど食べ終えたところです。

 

「ふぅ・・・そろそろ開店しようか!」

 

食べ終えると一休みする間もなくナズチさんが開店を宣言した。うん、休みたい。正直凄く眠たくてあの腐れ祖龍に対する怒りが通常の倍の速度で沸いてくる。

それに、私達が接客なんてして本当に大丈夫だろうか。人間のものにはかなり疎いのに人間相手に商売ができるとは到底思えない。竜が来てくれればまだマシなほうだけどやっぱり難しいことには変わりない。

 

「あのー、本当に私達が接客なんてしても大丈夫でしょうか・・・」

「ん?ああ、大丈夫大丈夫。あまり人も来ないしね。来る人も変わり者とかたまたまとかが大半なんだ。」

「え?そうなんですか?こんなにいろいろあって便利なのにどうして・・・」

「わたしにあまり良い噂がないからさ。『あいつが狩り場に行くと持ち物がいつの間にか消える』ってね。事実だけど。」

「同情の余地ねぇな。」

「あははは、酷いなぁ~イビルちゃん。」

 

うん、確かにそれはしょうがないと思う。この人自分で秘薬とかはハンターから楠寝てるって言ってたもの。

 

「まぁ、誰も来ないってこともわりとよくあるから気楽にやってね。」

 

あぁ、それなら希望というかなんと言うかが見える気がする。人間に関わりが少ない私でも乗りきれ・・・・

 

ガラララー・・・

 

 

「こんにちは〜」

 

 

私の小さな希望は、僅か一秒で粉々に砕け散ったのでした。

 

「いらっしゃいませー。こんな早くから人が来るなんて珍しいこともあるものだねぇ。」

 

 

やってきたのは『ゆかた』とか言っただろうか。綺麗な色をした長めの布を使った服だ。イビルさんの故郷の方にあるユクモ村という村ではこの服が代表的な服だった気がする。

深い緑色の髪に、赤い目をした背の高めの女性だ。髪の色はまるで深い森のように優しい緑色をしている。

 

「あ、えっといらっしゃいませっ!」

 

「こんなところにお店があるなんて思わなかったわぁ。ところで何屋さんなのかしら?」

 

のんびりとした口調で話す、おっとりとした雰囲気の人なので私はとりあえず安心した。

というかイビルさん知らぬ間にいなくなって奥の方で商品整理してるからあとで引きずり戻しにいこう。

 

「うちは何でも屋だよお客さん。珍しいかもしれないけどねぇ」

 

「何でも屋…それは確かに珍しいかもしれないわ。ここには龍木とかもあるのかしら」

 

龍木、というと太古の龍木や神龍木などがある。かなりレア物だった覚えがあるし、このお店がいくら何でも屋と言ってもさすがに厳しい気がする代物だった。

 

「あの、龍木って結構レア物ですよね?ここにあるんですかそんなもの」

 

「アオちゃん甘くみてるなぁ?結構あるよ」

 

「私この店の品揃え怖くなってきました」

 

甘くみていた。まさかこんなあっさり出てくるものとは思わなかった。『ユクモの木』という堅くしなやかな木材は様々な地方に流通し始めているのは知っていたが龍木が流通してるなんて話は聞いたことがない。いや、ここだけだろうけども。

 

「まぁ!凄いわぁ。龍木集めるのなんてわたしくらいだしお店で取り扱うことなんてないと思ってたの」

 

いや、お客さん。普通は取り扱いませんよと突っ込みたい。

だって一応レアリティの高い素材だもの。普通は売られちゃいけないようなものなのに売ってるのはナズチさんが異常なだけだもの。

 

「あ、えっと龍木を集めて何に使うんですか?」

 

「ん、それはあたしも気になるねぇ。見たところハンターではないだろう?」

 

「ちょっと贅沢な家具にしたりするわねぇ」

 

龍木の家具…なにか神々しい気がする。私は恐れ多くて使うのためらいそうだ。

しかしハンターが武器に使うような木材だし、相当丈夫で尚且つ美しいものになるのだろう。私も木製のアクセサリー程度なら龍木で作ってみたい。お金、ないけど。

 

「あとは背中の新しい龍木や龍苔の肥料にしたりするのよぉ」

 

なるほどこれまた贅沢な肥料である。しかしそれで新しい龍木や龍苔が背中で…背中で?

 

「え?は?え、背中の、龍苔や龍木……?」

 

「なに驚いてんのさアオちゃん。背中に龍木やら龍苔があろうと……え?背中?」

 

ナズチさんまでもが珍しくテンパっている。いやだって背中に龍木やら龍苔が生えている的な意味合いのこと言われたらいくらなんでも困惑するだろう。

背中に苔が生えているようなやつ、モスとか呼ばれてるキノコ大好きの豚とイビルさんから聞いた尻尾がハンマーのような…えーっとなんだっけ。バベルボブルじゃなくて…ド、ドボクベイクじゃない……うん。なんか、そんな感じのやつしか見聞きしたことがない。

 

「あらぁ?気がついてると思ったのに、気がついてなかったのね。わたしも龍よ、龍。古龍種のね」

 

「背中に龍木やら龍苔をもつ古龍……あ、あぁ!ヤマツカミか!思い出したよ!」

 

「えええええ!?私ここ最近で古龍三種類も見てるんですけどこれなんなんですかね!?ミラの名を持つ者にも会うし私そろそろどうにかなりそうですよこれ!!」

 

ヤマツカミ、聞いたことがない名前だった。

古龍は大抵神出鬼没、しかも寿命が人とはもちろん、ほかの竜とも圧倒的に差があるので名の知られていない古龍は案外多いのだ。

 

「アオちゃんうるさい!目が覚めちゃったでしょー!」

 

「わぁリオンさん理不尽!!」

 

「リオン、何寝てんの締め上げるよ?」

 

「ごめんなさい許してください今から頑張ります…ってあれ?また古龍種が増えてるじゃん」

 

「あら、貴方はわかるのねぇ。貴方、神域にいた子でしょう?」

 

「そちらはいろんなところ放浪してる浮遊島だよね?こんなところに来るなんて風の導きとか?」

 

「この辺には餌になるような森もないしね。やっぱり気まぐれかい?」

 

「気まぐれよぉ。食事はあと数百年は取らなくても大丈夫そうですしねぇ」

 

はい、アビオルグです古龍トークついていけないです。

なんかいろいろ規模も違うし。餌が森ってどういうことなのとつっこむ気力もないくらいついていけないです。

今聞いた情報だけで言うと、ヤマツカミさんは森が食事で、数百年単位で一回程度しか食事しなくて大丈夫な風の向くまま気の向くままに空を旅する龍らしい。

なんだこのとんでもスペックは。これが古龍かと唖然とする。

 

「んで?なにか買って行くのかい?浮岳龍?」

 

「少し見せてもらってもいいかしら〜?」

 

「見ってて見ってて。ついでに是非買っていきなよ。お題は素材でもいいからさ」

 

「アオちゃーん。ちょっと案内してあげて〜」

 

「えっ!?あ、はいわかりましゅた!」

 

古龍トークの内容整理がつかないままグルグルと頭を回していた私は突然話を振られてテンパったが、なんとか内容を理解し、返事をした。若干かんだが。

 

「獰竜さん、よろしくね〜」

 

「わ、私のことも知ってたんですか!?あまりここ詳しく知らないですけど頑張りますね…」

 

 

 

そのあと、ヤマツカミさんは色々と見て回ってから観葉植物をいくつかと龍木の木粉をいくつか買ってくれた。

途中、いろんなところの話を聞かせてもらったがその中で特に気になったのはタンジアとかいう港の近くにある温泉の話だった。ユクモ村の温泉はそれはもう素晴らしかったのだが、他のところで温泉とはあまり聞いたことがなかった。

曰く、『変わった源泉を使った素敵な温泉』らしい。ここでの強制労働が終わったらそちらの方に行くのをイビルさんに相談してみよう。新大陸のほうに渡らなくてはいけないが、どうせ当てのない旅だし大丈夫だろう。

 

「楽しかったわぁ。ありがとうね、霞龍さん」

 

「いやいや。また来てよ浮岳龍?龍木はできるだけ仕入れとくからさ」

 

「楽しみにしてるわぁ。じゃあね〜」

 

ヤマツカミさんは手をふりながら人型のままスタスタと歩いて行った。

大量の植物をもって歩く姿は何か妙だったが、気にしないことにした。

 

「なんか、商品並べてたらびっくりするぐらい強い気配がしてビビったぞ…」

 

「古龍ですもん。というかさりげなく接客サボらないでくださいイビルさん。だから今回出番少ないんですよ」

 

「メタいこと言うな」

 

「久々に見たけどやっぱ雰囲気独特だねぇー浮岳龍は」

 

「ほら、まだまだ仕事あるんだから戻る戻る!」

 

「わ、わかりました!」

 

「へーい」

 

「はぁーい…」

 

 

本格的なお手伝いの1日目は、突然驚くようなことから始まったがおかげで今日は何が起きても驚くことはなさそうだった。

さぁ、借金返したら温泉に行こう。きっとこの前1人で入った時よりイビルさんと2人で行くのは楽しいはずだ。

そしてミラルーツさんをぶっとばそう計画のこともついでに心に誓い直した。

 

1日目、私頑張ります!

 

 




ヤマツカミさん。この先もきっとでてきます。
ミラ三神とアンノウン様も確実にでてきます。

よろしければ見守ってやってくださいませ!
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