4Gにうつつを抜かしてました。ごめんなさい。
今回はテロス密林でドタバタするようです。
どうも、アビオルグです。お久しぶりです。中の人がドンドルマにやってきて遊び呆けてたので私たちの行動の把握が遅れてました。
(誠に申し訳ございません)
さてさて。今、私とイビルさんは前回の大惨事の解決のために通称『密林』正式名称『テロス密林』私たちにとっての通称『しょっちゅう枝が目に入って痛いとこ』に木材の回収に来ている。
人間にとっては背の高い木ばかりで、うっとおしいのは生い茂る草くらいなのだが、私たち竜の背丈となると実に目線が痛い。
しかもここの木々はなぜか知らないが異様なまでに修復が早く、折れたことに気がつかないレベルだ。なにかもうここの木は別の生命体なのではないだろうか。
ゲーム内のご都合主義?知らない話だ。
「人の背丈でも視野が酷いですね」
「密林ってくらいだからな」
「木材ならユクモの木が1番って聞いたことがあるんですがここので良いんですかね?」
『ユクモの木』というのはユクモ村という温泉の名所付近でしか採れない特別丈夫で尚且つ柔軟性の高い最高級の木材である。
より強固な物は『堅木』と言われ、人間たちの木造建築の強い味方である。生息地域が非常に狭いのが難点だが…
「生息地域が狭いしここからだとバカ遠いからなぁ…妥協するしかないんだろうさ。オレは流石にここからユクモには行って帰って来るなんてゴメンだ」
「まぁ、ですよね…」
「でもあの破片の山を片して家を再築する素材を集めればオレ達は晴れて自由だし、頑張れそうだ」
そう、ナズチさんの家の再築素材を集めれば私たちの借金はチャラになる。この条件なら自ずとやる気が出るという物だ。
ナズチさんは渋々と言った感じだったが、アルバさんもリルス様も疲労ブレスでぶっ倒れてるし私たちに頼らざるを得ない状況なのが私たちには幸いした。
「素材はどんなもの要求されてるんです?」
「木材なるたけ沢山、諸々の鉱石類…ラオシャンメロン?…に怪鳥の秘玉?それと…黒狼鳥の銀毛を沢山」
「え?」
「あと雌火竜の甲殻と砲丸どんぐり……何に使う気だこれ」
これは明らかに幾つかは商品として並べる気だろう。
特にラオシャンメロンはレア物だが、最高級の贈り物の品として親しまれている。私もたまたま見かけた際に食べたが実に美味だった。しかもデカイ。ただひたすらにデカイのだ。食べ応え抜群、味は最高とそれはもう最高級の贈り物というのも頷けるものだった。
採取に来たハンターが泣き喚きながら退散していったのも記憶にあるが見てないことにしている。この世は弱肉強食なのだ。アレは私が先に見つけたものなのだから。
しかし問題のものは他にも幾つかある。
「怪鳥の秘玉とか私たちにイャンクック狩れとでも言ってるんでしょうか」
「美味いよな。イャンクック」
「え?」
「え」
しまった。イビルさんの二つ名は『恐暴竜』通り名に至っては『生態系ブレイカー』やら『世界を喰らう胃袋』だということを忘れてた。
事実、この人は温厚な方だが野良恐暴竜(野良じゃないのが珍しいが)は狩場に突如現れてはそこら中に無様な骸を喰い散らかすまさに狩場の悪魔である。
そんな人が生態系においてそこまで上位ではないイャンクックを食したことがないという方が間違いだった。
「いや、美味いぞあれ。焼き鳥とかにしたらもっと美味かったのかもしれない」
「イャンクックの焼き鳥とかもはや面白い冗談ですよそれ」
火を吐く鳥の焼き鳥。うん、実に面白い。だが正直アレが食用だという話すら聞いたことがない。
巷では愛玩動物として大人気のプーギーは喰えると噂だが、イャンクックは聞いたことがない。人間には好まれない味でもしているのだろうか。というかプーギーを喰った輩がいるのだろうか。さらにひどい噂ではキングミートだとかいう武器として使われているとも聞くが、深く追求したくはない。
人間とはどこまでも残酷な生命である。私たちが言えたことでもないけれど。
「それはさておき…雌火竜の甲殻は…素材行商人さんから貰えますかね?問題は…あのキ○ガイの銀毛……」
「サラッとコードに引っかかるのやめろよお前」
「でもどうするんです?あの戦闘狂いの毛なんてそう簡単には……」
「まあ…だよなぁ……」
「秘玉とメロンは素材ゼニーオークションで私らの素材使って気合で落としましょう。問題は奴の毛です」
「噂では今密林に居るらしいんだがな。あの戦闘狂い」
「そう簡単に出会えるものじゃ…」
バサッバサッ……
「そう簡単に出会えるものじゃ…」
「おい、認めたくないのはわかるが目を背けて同じシーンやり直すな」
認めたくない。しかし今降りて来ている刺々しい黒紫色の甲殻に白銀の体毛を持ち、近縁種と思われるイャンクックとは打って違って攻撃的な形状の嘴に、リオレイアやリオレウスと見間違うような鋭利な翼爪と尻尾の棘。
そして何よりも印象的な生傷だらけの身体。歴戦の個体ほど傷を負っており、その分強いといわれるこの種において傷は強者の証でもある。
そう、今まさに目の前に現れた禍々しい鳥竜こそが『黒狼鳥 イャンガルルガ』である。
『キョェエエエエエエエエ!!!』
「いやぁぁぁあああああ!!!!」
「落ち着け!とりあえず殺すとなるとこっちも厳しいから毛だけ引っこ抜いてズラかるぞ!!」
「それもそれで難易度高いですね!?オトモアイルーにでもなるつもりですか!?」
「喰い千切るのが引っこ抜くになっただけだ!」
「そんな色々喰い千切りながら進撃してくるのどこかの巨人とイビルさんくらいですからね!!?」
「そんな巨人いんの!?大長老とか!?」
『ギャァオオオオオオオ!!』
「「あっづぅうううううう!!!」」
見事に焼かれた。人間なら即死だったかもしれない。竜で良かった。
しかしあの暴れ狂う化物の首元の体毛を引き抜くのはかなり骨が折れそうだ。というか無理なんじゃないか。
「うーん。牙折れそうで嫌なんだけどなぁ……」
「何する気です?」
「オレが下半身思いっきり噛んでるうちに毛ぇ引っこ抜けないか?」
「噛んで拘束できるものならいくらでもやってやりますよ」
「お、言ったな?見てろよ?」
「え?マジでやる気ですか?」
言うが早いか原型のイビルさんが口を思い切り開けてイャンガルルガに向かっていった。
物陰から、それも背後からの突然の恐暴竜とかいうどこぞのホラー映画も真っ青な展開に対応できるはずもなくあっけなく身体の一部が口の中に持っていかれる。
それを確認するや否や、イビルさんが思いきり顎を閉じた。
メギッ…バキバキバキバキ!!!!
『ぎょぇあああああああああああああああああああああああああ!!!!』
この世のものとは思えぬ絶叫だった。
甲殻はヒビ割れそこから鮮血が吹き出るというなんともショッキングな絵が私の目の前で起きている。
これは並の人が見れば一発でトラウマ確定だろう。
下半身を咥えられ、暴れるイャンガルルガになんとか近づき私は銀毛を根刮ぎ剥ぎ取り逃げた。本当に根刮ぎ採った。可哀想なくらいに。
途中振り向くと、イビルさんが思い切りイャンガルルガを放り投げ一目散に撤退してくるのが見え、その後ろから鬼の形相のイャンガルルガが迫っていたので私はもう2度と振り返らないと誓い全力でBCまで走り抜けた。
「し、死ぬかと思った…………」
「あいつやっぱり甲殻かってぇわ……歯が痛い」
「それを表面だけでも噛み砕くイビルさんはもはや化物ですよ」
「銀毛全部掻っ攫うお前は相当性格悪いと思うけどな」
つるっつるの首元のイャンガルルガは実にシュールだった。うん。スキンガルルガとして新しい種になれるだろう。
毛のある生物に対して特に怒り暴れるという設定にしたい。私たちは原型なら安泰だし素晴らしい。
「ま、まぁあとはドンドルマで気合で素材揃えましょう……」
「そーだな…とりあえずこの毛を持って帰るか…」
その日はヅラでも作るのかという量の銀毛を抱えて、私たちは帰りの船に乗り込んだ。
船長さんに奇怪な目で見られたが、気にすることはやめた。
明日はドンドルマでオークション戦争になるのでしっかり身体を休めようと思う。例の戦闘狂いの銀毛は想像以上に心地よい手触りで帰路は快適な眠りを楽しめた。