仮面ライダージェイラー   作:人見知り

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第1錠 開かれる運命

第1錠 開かれる運命

 


 

この世界には様々な生き物がいる。

 

空を飛ぶもの、海を泳ぐもの、地を走るもの。

 

そして、忘れて去られた古きものオールダー………

 

 

 


 

 

時は夕暮れ、下校中の高校がちらほらと見える。

ぼっち下校中の高校の一人、鳥一 一とりいち はじめ。彼もまた、ありふれた高校生だ。

 

「綺麗な夕焼けだね。君と見られるなんて幸せだよ!」

 

……訂正。ちょっと……うん。それなりに普通ではないね。周囲にも引かれてる。

 

 

こほん。

そういったありふれた日常は素晴らしい。

 

……"何故か"って?

 

「なんだ、あれ?」

「空に裂け目?」

 

簡単に砕け散るからだよ。

 

 


 

 

空が割れて、何かが降り注いだ。

見に行ったら宝石が転がっていた!

 

佐藤の奴が先に拾って「交番に届ける」とか言っててウザかったけど、

あんだけボコせば大人しくなるだろ。

 

「それにしてもデカイな。ん?」

 

中に何かある? 琥珀ってやつか?

スマホのライトを当てながら宝石を弄ってると真っ二つに割れてしまった。

 

「ヤベっ」

…サイクロプス…

ペキ

 

価値が下がるよな?と思ったら何かにスマホが踏み割られた。

 

「ふざけんなよ! 弁償しろよ!弁償!」

 

ぶん殴るとゴムのような感触がした。見上げると巨大な目玉がこっちを見ている。

それは一つ目の化け物だった。

 

化け物が腕を振りかぶるのを横目で見ながら俺は逃げた。

ドシン…ドシン…とアイツが走る音が聞こえる。……そんなに速くない。どんどん遠ざかってるように聞こえる。

 

ふと振り返ると化け物が持っていた棍棒が迫ってきた。

投げつけられた、そう理解するときには身体からボキボキっと音がした。直後ドンっと壁に頭を打ちつけ、壁に縫い止められた。

「カハっ」

口から血がでた。死にたくない死にたくない「死にたく…ない」

 

俺は地面に落ちた。腹から下が無くなってるが、腕だけで這いずった。

這いずって…這いずって…人が居た。

アイツに押し付ければ助かる!

 

「おい! あそこに人間がいるぞ!」

 

苦しいが叫んだ。『ここさえどうにかすれば……』その一心で力を振り絞る。

 

「?」

 

化け物がアイツに気づいた。また腕振りかぶりながら駆け寄り始めた。

これで助かる!

 

ドシン…ドシン…

足音が近づいてから気がついた。化け物は俺の上を通るのだ。

 

ドシン…ドシン…

まだ跨がられれば助かる。もう少し進めば…

 

ドシン…ドシン…

ここなら…

 

ドシン…ドン!

嘘だろ…棍棒を投げた…歩幅がズレた……

嫌だ嫌だ嫌だ

 

ドシン…「嫌」ドシン…

 

ドシン…ドシン…

 

 


 

「…………」

「えっ何が? うぉっ!」

 

突然丸太が飛んできた。マイハニーが教えてくれなければ危なかった。

 

ドシン…ドシン…

 

単眼の巨人⁈  丸太はコイツのか。

勝てっこないし、三十六計逃げるに如かず!

 

「………………」

「逃げちゃダメと言われても」「……………………………………」

「無事な錠前?」

 

さっきの丸太をよく見ると、無数の鎖と幾つかの錠前が付いていた。南京錠とかじゃなくて、日本の蔵に付いてそうなやつだ。

何を持って無事なのか分からないくらい軒並み錆びついている。

 

とりあえず、「ハニーの言う事なら信じるさ」

 

1つ目を触ってみる。

穴はない。横にツマミがあったような痕跡はある。可動部なし。

2つ目はツマミはある。錆ついててびくともしない。

3つ目は動きそうだ。

ガチッ バキッ

 

丸太が巨大化し、鎖が弾け飛んだ。

「ぐッ」

錠前や鎖のカケラが皮膚を切り裂く。

「ぐはッ」

鎖だけ千切れた錠前に後頭部を殴られた。

 

「… ………………」

「謝らなくていいよ。アレにも効いてるし」

 

「GUOoooo!」

巨人が目を押さえて悶えている。

少しばかり強そうな見た目になっているから、目を見開く覚醒モーション直後にでもカケラが届いたんだろう。

 

「で、この錠前をどうすれば?」

俺の手には、俺の血に塗れた錠前がある。

 

「……………、…………………」

言われるがままに錠前を腰に翳すと、鎖で巻きついた。

そしてツマミを捻る。

 

 

『WARNING! WORKING!WARNING!』

 

 

繰り返される警告音と共に、錠前から無数の鎖が全身に巻き付く。外が見えないほど巻きつくと、急激に締まり、外が見えるようになった。

 

 

『JAILER!』

 

 

カーブミラーを見ると、鎖模様のメカニカルな何かが映っていた。

「これが俺?」

俺が首を傾げると、鏡の中のやつも首を傾げた。間違いなく俺だ。

 

「GUOoooo!」「ぐはッ」

 

そんなことをしてたら、巨人に殴られた。

けど、「痛…くない?」

 

「GUOoooo!」

「よっと」

 

追撃は避けたけど、どうしたら……

 

「………………………」

「手足の鎖? これか」

 

なんか手首に付いてると思ったら手枷みたいなのが付いてた。飛び出てる鎖を引っ張ると、どんどん出てくる。

 

十分に引き出してブンブン振り回してみる。

「せい!」

「GUo?」 パリン

 

跳ね返ってカーブミラー割っちゃった。しかも効いてないし…

そういえば、鞭とか鎖って難しい武器なんだっけ。

 

「GUOoooo!」

目をしょぼつかせてる巨人のアームハンマーを下がって避けながら、鎖を投げる。

「GUo?」

さっきより延ばした鎖は巨人の首に巻き付いた。

さて、ここからどうするか?

「…………………………」

「ツマミを捻って、キック?」

 

さて……マッチョなコイツに対してキックは怖いな。そうだ。

「鎖同士って繋がる?」

「……」

「よし。それなら!」

 

巨人の振り下ろしに合わせて腕を駆け上がり、もう一方の腕の鎖と巻きつけた鎖を繋ぐ。

「おっと!」

頭上の俺を掴もうとして鎖が掴まれた。

間一髪で避け、塀へ、屋根へと飛び移る。

 

「さあ、お縄につきな」

 

錠前のツマミを再び捻ると、ジャリジャリジャリと足枷から鎖が溢れ出し、渦を巻く。

 

「GUOoooo!」

 

巨人が鎖を引っ張るのに合わせて、屋根を蹴り跳躍。

両手枷で鎖を巻き取り加速。

そして、宙返りして蹴りつけた。

 

 

『JAILER! LOCK DOWN!』

 

 

鎖が巨人に何重にも巻き付いていく。錠前も無数に発生し、発生する度に巨人が弱っていく。

「Guoo……」

いつのまにか巨人が棍棒を持っていたが、鎖は容赦なく棍棒ごと巻き付いていく。

 

巨人の姿が見えないほど巻き付いたとき、青く強烈に光った。

「うとっと」

 

俺は巨人の居たところを通り過ぎて着地した。

コツン

「ん?」

 

頭に当たったものを拾った。

「青い宝石?」

「………………、…………」

「サイクロプス? 封印? ……成程?」

 

なんか見覚えある……

 

 


 

 

「ぎゃー!」

 

 

悲鳴が聞こえる。恐怖はまだ終わらない。

 




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