こっちあっち…いや逆だ?!×名探偵コナン×東方魔弾戦記~新・沈黙の15分~   作:Dr.クロ

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朝、起きた伊御達は雪だるまを作ったりしていた所、長い年月を寝ていた少年と出会う。


DETECTIVE.Ⅳ~目覚めのL/雪に散る命~

翌朝

 

真宵「おはにょ~~ふわ~」

 

姫「う~、寒いですね~」

 

つみき「……ねみゅい…」

 

部屋を出て挨拶する真宵達に榊もおはようと返す。

 

伊御「ん……」

 

京谷「めっちゃテンション低いな音無」

 

榊「伊御は寒いの苦手だからな」

 

凄い寝ぼけ眼で頭に猫を乗せてペンギンを抱き抱えている伊御に京谷はあらぁとなり、榊は苦笑する。

 

チルノ「おっはよー!」

 

レティ「おはよう」

 

勇儀「おっす!眠れたかい?」

 

続けてチルノ達も出てくる中、勇儀は昨日と打って変わって白のワイシャツに黄色の縁取りをされた赤いジャケットを纏い、茶色のジーパンを履いた服装になっていた。

 

元太「おぉ、カッコいい!」

 

園子「(着物越しじゃなくても分かる大きさだわホント)」

 

勇儀の服装に少年探偵団は感嘆の声をあげ、園子は主張しているお山に呆れ混じりに感心する。

 

正邪「おーい、大丈夫か伊御?」

 

バディア「まあこの寒さだからな」

 

そんな勇儀を横目に正邪は伊御に声をかける。

 

伊御「……寒い」

 

佳奈「寒いよね~」

 

元太「だったら雪合戦して体をあったかくしようぜ!」

 

光彦「今度は普通にですね!」

 

歩美「あ、良いかも!伊御お兄さんもやろうよ」

 

そんな伊御に元太や光彦、歩美が呼びかける。

 

伊御「…少し身体動かせば温かくなるか…」

 

つみき「どうせだし雪だるまも作ってみる?」

 

真宵「おー、それはいいんじゃね」

 

佳奈「大きいの作ろー!」

 

わーと外に出る元太達に伊御達も続く。

 

外ではみずきが雪かきをしていた。

 

姫「あ、みずきさんです」

 

咲「おはようございます」

 

みずき「おはよう。元気で良いわね」

 

先に飛び出していた元太達を見て笑うみずきにレティもそうですねと笑う。

 

佳奈「よいしょ、よいしょっと」

 

正邪「雪が多いから学校でやったよりも大きめの出来そうだな」

 

雪玉を転がしている佳奈を見ながら正邪は周りの雪を見て呟く。

 

姫「よいしょ…!ふー」

 

京谷「大丈夫か春野さん?」

 

咲「あんまり大きくし過ぎない方が良いわよ」

 

雪玉を転がして一息付く姫に京谷と咲が話しかける。

 

姫「え?そんなに大きくなってますか?」

 

京谷「そりゃああっちを見たらな……」

 

そう言ってある方を見る京谷に姫も見る。

 

そこには、自分よりも大きい雪玉を転がしているつみきの姿があった。

 

針妙丸「おっきい~」

 

正邪「凄いなこれ」

 

伊御「また大きいのを作ってるな……」

 

元太「うわすげぇ!」

 

光彦「凄いですつみきさん!」

 

歩美「凄い凄い!」

 

それには元太達がはしゃぐ中、コナンは気づく。

 

つみきが転がしている雪玉に人型の跡があるのだ。

 

コナン「あれ?つみきお姉ちゃん。なんか人の形の様な跡があるけど……」

 

つみき「……あれ」

 

真宵「」←あれ

 

問いに対して指さされた方を見ると、埋もれた真宵の姿があり、それかよ、とコナンは呆れる。

 

榊「真宵ィ!?」

 

バディア「(お約束のネタになってるのか;)」

 

それに榊は叫び、バディアはなんとも言えない顔で見ていると……

 

勇儀「おぉ、つみきもなかなか大きいのを作るね~」

 

そう言いながらつみきが作ってる以上に大きな雪玉を転がして勇儀が来る。

 

園子「そっちも限度あり過ぎ!?」

 

蘭「よ、良く押せましたね;」

 

勇儀「はっはっ!軽いもんさ!」

 

そのデカさにツッコミを入れる園子と頬を引き攣る蘭に勇儀は笑って返す。

 

伊御「(…今思ったんだけどコナンくんたちと会わせて大丈夫だったかな;)」

 

正邪「(ま、まあ、本人達が指摘して来ない限り良いんじゃね伊御;)」

 

笑っている勇儀を見て不安そうな伊御に正邪も困った顔で返す。

 

勇儀「つみき~おまえさんが作ったのこの上に乗せてみたら丁度良いんじゃないかい?」

 

つみき「…確かに」

 

提案につみきは大きさから良いかも、と同意する。

 

園子「いやいや、どう乗せるのよ;」

 

蘭「デカいよね;」

 

榊「そりゃもちろん」

 

佳奈「勇儀さん、おねがいしまーす!」

 

勇儀「はっはっ!こういうのは得意さね!」

 

そう言って勇儀はひょいとつみきの作った雪玉を軽々と持ち上げて、自分の作った雪玉に乗せる。

 

園子&蘭「」

 

元太「すげぇな勇儀の姉ちゃん」

 

光彦「ホント軽々と持ち上げますね」

 

正邪「あとは飾りを付けてっと」

 

絶句する園子と蘭と違い、探偵団は感嘆する中、肩かしてくれ、と言う正邪に伊御は分かったと返す。

 

伊御「これでいいか?」

 

正邪「もうちょっと右」

 

肩車した状態で確認する伊御は正邪の指示通りに足を延ばす。

 

正邪「…よし、できたぞ」

 

伊御「これで完成だな」

 

満足そうに頷く伊御と正邪に姫はわーと感嘆の声を漏らす。

 

姫「大きな雪だるまになりましたね~」

 

真宵「じゃねぇ」

 

バディア「ホントよぉく大きく作れたものだ」

 

元太「ようし!雪だるまをもっと作るぞ!」

 

光彦&歩美「おー!!」

 

巨大雪だるまに元太達は自分達はもっと作ろうと楽しく走る。

 

コナン「あいつ等、雪合戦のすっかり抜けてるな」

 

哀「ちょっとあなた達、そっちは誰かの敷地よ。入ったらダメでしょ」

 

それにコナンが呆れる隣で哀が注意する。

 

大丈夫だってと元太が雪かきで集められた方の雪を指さす。

 

元太「ここの雪を使うから入らねえよ」

 

佳奈「車が来ると危ないよー」

 

針妙丸「気を付けないと」

 

はぁい!と元気よく返す3人に元気は良いわね、と園子は呆れる。

 

伊御「元気ないよりある方が良いと思うな」

 

正邪「まぁ、そうだな。あんまり落ち込んでると調子が狂うしな」

 

そんな園子のに伊御はそう返し、正邪は頬を掻いて言う。

 

そうやってワイワイやっているとチルノは気づく。

 

丁度元太達が雪だるまを作っている所の家の窓からパジャマを着た伊御達より少し年下の少年がこちらを見ていたのを……

 

チルノ「ん?誰だ?」

 

レティ「あら?どうしたの?」

 

そんなチルノの視線に他のメンバーも少年に気づく。

 

歩美「おはよう!」

 

佳奈「そんな恰好で寒くないの?」

 

針妙丸「もしかして寝ていたのかな、それだったら起こしちゃったのかな」

 

自分を見ている伊御達に少年は口を開いてあ……と声を出そうとして少し驚いた様子で自分の喉を抑える。

 

勇儀「なんだい?自分の声に驚いた様な仕草をして」

 

伊御「?」

 

誰もが少年を見ていると少年は調子を確かめる様に声を何度か出した後……

 

少年「ぼ、ボクも……い、入れて、雪だるま作り、一緒に……」

 

たどたどしく言葉を紡ぐ。

 

元太「なんかおかしくねーかこの兄ちゃん……」

 

チルノ「良いぞー!」

 

針妙丸「ちょ、あっさり了承して良いの?」

 

訝しむ元太とは違い、あっさり了承するチルノに針妙丸は問う。

 

チルノ「え?だって元(・)太(・)た(・)ち(・)と(・)同(・)い(・)年(・)ぐ(・)ら(・)い(・)だ(・)ろ(・)あ(・)い(・)つ(・)?」

 

歩美「え?」

 

光彦「いやいや、あの人、ぱっと見中学生を卒業したてな位の人ですよ」

 

京谷「だ、だよな?」

 

正邪「……いや、まさか…」

 

チルノの口から出た言葉に誰もが戸惑う中、正邪はある考えに行き付いた所で少年の後ろからバシャ!と言う液体が落ちた音が響く。

 

なんだ?と伊御やコナン、勇儀は近づいて少年の横から覗き込むと冬美が驚いた様子で少年を凝視していた。

 

その足元には先ほどの音の元である湯桶が転がっていた。

 

コナン「冬美さん」

 

勇儀「冬美……ああ、チルノやレティから聞いた昨日の武藤って奴の同級生って元太を診てくれた女医さんだったかい?」

 

伊御「じゃあ此処って冬美さんの家…」

 

見られている冬美は少年しか見ておらず、涙を浮かべ……

 

冬美「冬馬!!」

 

少年へと抱き着き、冬馬、冬馬、と少年のと思われる名前を連呼しながら泣く。

 

少年「あれ?お、お母さん……?良かった……お、お(・)母(・)さ(・)ん(・)に(・)会(・)え(・)た(・)!!」

 

茫然としていた少年だったが冬美を見て嬉しそうに声をあげる。

 

勇儀「どういうこっちゃ?」

 

コナン「何か、事情があるっぽいね」

 

チルノ「?」

 

伊御「………」

 

そんな2人にコナンと伊御は真剣な顔で見続ける。

 

 

☆

 

 

少しして、ジープとパトカーが来て、駐在と医者の男性が冬美の自宅へ入るのと同時にみずきの連絡を受けて武藤、山尾、氷川が来る。

 

伊御は詳しいであろう武藤に話しかける。

 

伊御「あの武藤さん。今診て貰っている男の子って冬美さんの?」

 

武藤「ああ、立原冬馬。冬美の息子で今年で15歳になる……今日まで意識不明だったんだ」

 

キクヱ「意識不明…!?」

 

小五郎「何があったんですか?」

 

告げられた事にキクヱは驚き、小五郎は真剣な顔で聞く。

 

武藤「8年前のある朝、元の村からほど近い崖下の沢に転落して、頭から血を流して気を失っている所を発見されたんです……すぐに冬馬は麓の病院に運ばれて一命は取り留めたんですが……その日から今日まで8年、意識が戻らないままでした」

 

蘭「8年も!?」

 

レティ「そうなると当時は小学1年から2年に上がる前位で……」

 

榊「元太たちと同じくらいだな」

 

告げられた事に驚いていた伊御達は続けざまに告げられた事に驚く。

 

武藤「実は冬馬が意識不明になったその日は丁度、山(・)尾(・)が(・)轢(・)き(・)逃(・)げ(・)事(・)故(・)を(・)起(・)こ(・)し(・)た(・)日(・)で(・)も(・)あ(・)る(・)ん(・)で(・)す(・)」

 

小五郎「なんですって?」

 

京谷「スゲェ偶然だなそれ」

 

コナン「山尾さんが起こした事故と同じ日に起こったの?」

 

ああ、と武藤は神妙な顔で頷く。

 

武藤「のんびりとした平和そのものの村で、同じ日に2つの大きな事件が起きたんで村中大騒ぎだったんだ」

 

正邪「確かに、そんなのが立て続けて起きたら大騒ぎになるよな」

 

バディア「特に都会から離れた地ではその騒ぎも大きかっただろう」

 

うーむと唸る正邪にバディアも同意しながらチラリと気づかれない様に氷川と山尾を見る。

 

バディア「(どうするべきか…)」

 

これまた展開を知っているのでどうするべきかとバディアは困り果てる。

 

バディア「(本来なら止めたほうが良いのだか……)」

 

知ってるのならば止めれば良いと思うだろう。

 

だが、物証がないのだ。

 

バディアの知る奴ではあるのはあるのだが、今の状況だと取りに行くのが厳しいのだ。

 

ここから先起こる事を止めるべきだろうが、どこらへんで起こるかも分かってないのだ。

 

バディア「(うーむ…)」

 

小五郎「冬馬君の方の事件性は?」

 

武藤「警察の調べでは事故と判断されました。その崖は、冬馬が好きな白鳥のいる湖の近くで、発見当時、冬馬は首から双眼鏡を下げていたので見に行く途中で誤って滑り落ちたと当時の警察が判断したんです」

 

ホントどうするべきか……とバディアが悩んでいる間に小五郎が冬馬の事故はもしかしたら何者かの手で起こったのではと思ったのか確認し、武藤から聞いた事にそうですか……と呟く。

 

勇儀「聞いた感じ、よく見つけて貰ったもんだね……」

 

つみき「…雪山でそれは危なかったわね」

 

武藤「見つけてくれたのは当時住んでいた家の隣で飼われて冬馬が可愛がっていた犬だったんですよ」

 

冬馬が発見された事に触れる勇儀とつみきに武藤は発見した者について答える。

 

なるほど……と榊は納得してから伊御を見る。

 

榊「縁の深さのお陰で助かったんだな」

 

伊御「なぜそこで俺を見ながら言うんだ榊?」

 

真宵「さぁ~、なんでじゃろうなー」

 

佳奈「なんでだろうね~」

 

コナン「(確かに伊御なら普通に動物達に助けられそうだよな;)」

 

白々しい面々のにコナンは半笑いになる。

 

阿笠「所で、その時は冬美さんとご主人は?」

 

武藤「……冬美は当時、勤務していた麓の病院に急患が入ったと言う事で呼ばれて家を出ていたんです……」

 

小五郎「それじゃあ旦那さんは?」

 

氷川「もういなかったんですよ。冬馬君が産まれる前にね」

 

聞いた阿笠の言葉に武藤は苦い顔で返し、そんな武藤の様子に小五郎は気になりながら聞いて黙って見ていた氷川の言葉にえ?となる。

 

氷川「19歳の時、ちょうど冬美が冬馬君を妊娠してる時に、あいつ……柊馬(しゅうま)は雪崩に遭った冬美の両親を助けようとして巻き添えを喰っちまって、そのまま冬美の両親と共にご臨終ですよ……」

 

姫「雪崩に…」

 

告げられた事に誰もが言葉を失くす。

 

バディアは自分の記憶と少し違うのに驚く。

 

知る歴史のでは、柊馬という人物はいなかった。

 

氷川「ホントバカな奴だよ」

 

武藤「!氷川!!!」

 

毒づく様に出た言葉に武藤は激昂して氷川の胸元を掴む。

 

氷川「まだ産まれていなかった冬馬や冬美に、兄弟同然に育ったお前を置いて逝く奴を馬鹿と言う以外何がある!!」

 

武藤「だからと言って!!」

 

山尾「お、お前ら落ち着けよ」

 

昨日の時と違い、声を荒げて怒鳴る氷川と武藤に山尾は慌てて止めに入る。

 

コナン「柊馬さんって人も同級生なの?」

 

みずき「ええ……山の中に捨てられていたのを武藤君の両親に保護されて、武藤君とも仲良く育って、一緒に遊んだわ」

 

山尾「特に氷川の奴は馬が合って良くつるんでいたから、結婚の約束をしてた冬美や家族の武藤を置いて逝っちまったあいつを許せないんだ」

 

確認するコナンにみずきは悲しい顔で言い、険悪な空気から距離を取った山尾も睨み合っている武藤と氷川を見ながら続く。

 

真宵「ん~複雑な心境ってとこじゃねぇ」

 

榊「だな……見つかるまで時間がかかったんですか?」

 

山尾「ああ、3人が発見されたのは雪崩に遭った30分後で……もう15分早ければ3人とも助かったかもしれないって当時の救助に出てた人が言ってたぜ」

 

阿笠「雪崩に巻き込まれた場合、助け出せれるタイムリミットは約15分と言うからのう……その15分が生死を分けるんじゃ……」

 

光彦「15分ですか?」

 

歩美「15分じゃあ短いね……」

 

針妙丸「たった15分…」

 

チルノ「ええっとこういう時はたかが15分されど15分って言う感じ?」

 

小五郎「そうだな……埋まった場所が分かるならまだ15分ある。だが、分からない状況なら後15分になる……厄介な自然現象だよ雪雪崩は……」

 

誰もが聞いた事の重さと武藤と氷川の嫌悪な空気に言葉が出ない中、家から冬美と共に駐在と医者が出て来て、医者は冬美へと暫く冬馬の傍にいてあげなさい、と言って駐在と共に帰って行く。

 

それを見送ってみずきと武藤が冬美へと近寄る。

 

みずき「どうだった冬美?」

 

冬美「みずき……武藤くん……取りあえず、冬馬の体には問題ないって……ただ……」

 

武藤「?」

 

問題ないと聞いて安堵しかけた武藤とみずきは言葉を続けた冬美に怪訝となる。

 

冬美「……心がね……崖(・)か(・)ら(・)落(・)ち(・)た(・)日(・)の(・)記(・)憶(・)が(・)な(・)い(・)の(・)よ(・)」

 

武藤「……えっ!?」

 

みずき「記憶がない?」

 

頷いて冬美は先ほど冬馬に聞いた事を思い出しながら寂しげに言う。

 

冬美「なんで自分が8年間も眠り続けていたのか、理解できないみたいなの……」

 

武藤「そうか……」

 

正邪「(やっぱりか。チルノの言ってたのはおそらく魂の状態だな)」

 

冬美達の会話を聞いて正邪はチルノの言った事を思い返す。

 

正邪「(おそらく冬馬の魂は事故に遭った時から状態がそのまま…つまり小学一年生のままだったからチルノは冬馬を見た瞬間、元太達と同年代の子供だと認識した。そりゃそうだ。意識を失ってる間体はともかく、精神が成長なんて出来る訳ないもんな)」

 

みずき「でも良かったね……冬美……ホントに良かった……」

 

嬉しそうに涙ぐんで眼鏡を外して涙を拭うみずきに冬美もうんと頷く。

 

勇儀「……」

 

そんなみずきを勇儀は眉を潜めて見ていた。

 

コナン「……」

 

哀「気になっているみたいね。冬馬くんと山尾さんの事故が同じ日だったことが……」

 

伊御「気になるかもしれないけど偶然って可能性も忘れないようにね」

 

そんな中、コナンも考え込んでおり、哀が察して声をかけ、伊御がそう付け加える。

 

コナン「けれどな、気になるんだよ……ホントに偶然なのか、それとも……」

 

言葉を切るコナンの姿に伊御もああは言ったが気になる気持ちは同じだ。

 

伊御「(……まさかね……)」

 

チラッと落ち着いた氷川と話す山尾を見る中、おばさーん!という声にした方へ顔を向けると男女2人ずつの4人組が立っていた。

 

年齢も冬馬と今の外見から見て同い年に見える。

 

チルノ「誰?」

 

武藤「冬馬の小学校の同級生だよ」

 

レティ「……そうなのね」

 

4人組が何者かを答える武藤に、レティは心配そうに冬美と親し気に話しながら中に入る4人を見る。

 

哀「彼、大丈夫かしら?」

 

針妙丸「…多分ダメだと思う」

 

正邪「…だよなぁ」

 

コナン「確かに、目覚めたばかりの人に同級生だと言ってもすぐに受け入れられないからな……」

 

心配そうに呟く哀と針妙丸に正邪は微妙な顔をし、コナンも不安げに呟く。

 

意識不明になっていたのが1年や2年ならまだ受け入れられるだろう。

 

だが、長い期間、しかも子供にとっては受け入れられるのは難しい。

 

伊御「(…つらいだろうけどそれを受け入れないと…)」

 

冬美に案内されて入って行く4人を見ながら冬馬が歪まない事を伊御は願うしかなかった。

 

 

☆

 

 

それから暫くして伊御達はみずきを案内人としてスノーシュートレッキングで沢尻湖に来ていた。

 

湖前まで来た所でみずきが少し休憩しましょう、と言う。

 

勇儀「壮観だね~」

 

姫「辺り一面真っ白です~」

 

咲「白鳥もいっぱいいるわね~」

 

誰もが声を漏らした後になんとも言えない顔で伊御を見る。

 

白鳥ズ「「「(ズラッ!!)」」」

 

伊御の前に整列する様に並ぶ白鳥達を見て榊はフッと笑って伊御の肩を叩く。

 

榊「流石だな伊御」

 

伊御「流石じゃないんだが;」

 

みずき「す、凄いね君;」

 

頭に猫を、腕にペンギンを抱っこしながらツッコミを入れる伊御にみずきは少し引いている。

 

姫「か、可愛すぎますー!」

 

つみき「こうやって間近で見れるのは良いわね」

 

はうーと興奮する姫の隣でつみきも興味津々で白鳥を見る。

 

その間にみずきは帽子とゴーグルを外し、その際、みいこはみずきが眼鏡をかけておらず、ポニーテールに纏めていた髪を降ろしているのに気づく。

 

みいこ「あら?みずきさん。メガネなくても大丈夫なのかしら?」

 

みずき「ええ。コンタクトに変えたんです。毛利さんにアドバイスしてくれたので」

 

キクヱ「あ、そうだったんでしたの~眼鏡の時もそうでしたがそちらでも綺麗ですわね~」

 

照れ臭そうに笑うみずきにキクヱは微笑ましそうに見る。

 

真宵「毛利さんもいいアドバイスするんじゃねぇ」

 

正邪「……微妙に邪なのも入ってるだろうけどもな」

 

少しデレっとした顔をした小五郎が見えたので呆れ気味に言う正邪に真宵はあははと苦笑する。

 

コナン「ねえねえみずきさん。この湖ってここだよね?」

 

するとコナンがみずきに対し、地図を指さしながらそう問う。

 

コナンの指し示した湖にみずきは確認してそうよ、と肯定する。

 

勇儀「なあ、冬馬って子が倒れていたのってどこらへんなんだい?」

 

みずき「冬馬くん?えーっと……地図のここですね」

 

その後に勇儀がそう問い、みずきは少し戸惑いながら地図のダムへ続く道路を指す。

 

コナン「え?変だなぁ……この道から来たんなら、ちょっと方向が違うよ?」

 

勇儀「確かに、時期的にまだ昔の村にいたのなら、方向的に間違ってる感じだねぇ」

 

伊御「迷ったって可能性はないかな?」

 

みずきの指した場所を見て横から覗き込んで訝しむコナンに勇儀も同意する中、伊御が指摘する。

 

勇儀「けど、地図を見る限り、迷いそうな感じには見えないけどね……」

 

コナン「みずきさん。山尾さんが事故を起こした場所ってこのカーブ辺り?」

 

うーむと唸る勇儀の後にコナンはみずきが指さした道路から少し先の曲がった道路を指さし、そうだけど……と聞かれると思わなかったのか戸惑い気味に返される。

 

榊「何か気になるのか?」

 

真宵「確かに気になるんじゃね。冬馬くんが倒れていた所と山尾さんが事故を起こした所はそこまで離れてない……もしかしたら冬馬くんは事故じゃなくて事件に巻き込まれたんじゃ……」

 

言われてみれば……と真宵の言葉に榊もありえそうだと思っていると小五郎が手をパンパンさせる。

 

小五郎「あのな、今はスノーシュートレッキングに来てるんだぞ。そういう話をしたら楽しさが薄れるだろうが」

 

咲「あ、そうだった」

 

京谷「ついコナンの話に夢中になっちゃったな」

 

小五郎に指摘されてそうだったと思いだしていると視線に白いのが通り過ぎる。

 

元太「あ、雪だ」

 

光彦「ホントですね!」

 

佳奈「これは積もるかな?」

 

針妙丸「吹雪にならないといいけど…」

 

心配する針妙丸に大丈夫よ、とみずきは安心させる。

 

みずき「じきに止むからそんなに心配しなくても良いわ」

 

チルノ「お、わかるのか?」

 

ええ、とみずきが頷いた後、少しして雪は止む。

 

姫「あ、ホントに止みました~」

 

正邪「流石地元住民ってことか」

 

感嘆の声を漏らした2人にみずきはくすっと笑って行きましょう、と歩くのを再開する。

 

勇儀「しっかし、改めて冬馬って子は白鳥を見に行って事故に遭ったのかねぇ……」

 

伊御「そう言えば冬馬くん、あの時気になること言ってたな」

 

榊「気になること?」

 

言ってたか?と首を傾げる榊のにコナンは伊御の気になる事を察する。

 

コナン「あの時、冬馬くんは【お(・)母(・)さ(・)ん(・)に(・)会(・)え(・)た(・)】って喜んでいた……普通なら最初に出る言葉じゃないな ……」

 

伊御「あのセリフから考えるとお母さんである冬美さんに会いに行こうとしたってことになるんだけど…」

 

勇儀「そう考えると通った道にも納得が行くさね。病院に行った母親に会いに行くなら道路を通った方が迷わないね」

 

それが正解かもしれない……とコナンは呟いてから頭を掻く

 

コナン「と言ってもそれを確定させるのにはまだ情報が足りないからな……」

 

榊「今んところはここまでだな」

 

伊御「ああ……ん?」

 

詰まったので唸る榊に伊御も頷いてから前を歩いていた蘭達が止まっていたので止まる。

 

先頭を歩いていたみずきが何かに気づいて止まったのだ。

 

小五郎「どうしましたみずきさん?」

 

みずき「あのジャケット、氷川君のじゃないかしら?」

 

声をかける小五郎にみずきはある方を見て呟く。

 

正邪「ん?あれか……」

 

誰もがみずきの見ている方へと顔を向けると確かに雪原の中に座り込んでいる人物が見えた。

 

姫「なんで座っているんでしょうか…?」

 

針妙丸「声かけてみる?」

 

みずき「そうね……氷川く~~~ん!!」

 

大声で呼びかけるみずきだが、その人物は微動だにしない。

 

哀「ねえ、なんかヘンじゃない?」

 

コナン「ああ」

 

伊御「…まさか……」

 

勇儀「……どうやらそのまさかみたいさね……」

 

まさかと思った伊御に顔を強張った勇儀が肯定する。

 

勇儀「毛利探偵、こりゃあヤバいよ」

 

小五郎「!みずきさん。ここで待っててください。お前等も動くな」

 

その言葉に小五郎は顔色を変えて近寄ろうとしたみずきを止めて、氷川へと近づく。

 

小五郎「氷川さん、大丈夫ですか?」

 

声をかけながら小五郎は微動だにしない氷川に嫌な予感がますます増しながらも彼の肩に触れる。

 

その瞬間、氷川は体勢を崩し、雪に崩れ落ちる。

 

真宵「うえ!?」

 

姫&咲&みずき「きゃああああああ!?」

 

誰もが崩れ落ちた氷川に驚く。

 

そんなメンバーへと小五郎は離れてろ!と叫んで左手の手袋を外して氷川の脈を確認する。

 

その間にコナンと勇儀、伊御、レティは静かに近寄る。

 

少しして小五郎は残念そうに首を横に振る。

 

小五郎「ダメだ、死んでる……」

 

レティ「かなり冷たくなってるわね。いつから居たのかしら…」

 

伊御「……ない」

 

同じ様に触ったレティは顔を顰める中、氷川のジャケットの懐を探っていた伊御はある物が無くなってるのに気づく。

 

小五郎「何がないんだ音無君?」

 

伊御「氷川さんが護身用に持っていた筈のスタンガンがなくなってるんです」

 

レティ「スタンガンって…ああ、あの」

 

コナン「氷川さんは護身用にいつもスタンガンをポケットに入れてるって言ってたんだよ。役所で地図を貰った時に役員さんに答えていたのを僕や伊御さんにレティさんも聞いてるよ」

 

思い出して呟くレティの後にコナンは小五郎に伝える。

 

小五郎「誰かと一緒に来てたのか……だが、それにしては足跡が氷川さんのしかないぞ」

 

佳奈「雪で消えちゃったのかな?」

 

正邪「それだと氷川さんのも消えるだろ」

 

首を傾げる佳奈のに正邪は指摘する。

 

コナン「あ、これは超簡単なトリックだよ」

 

チルノ「超簡単?」

 

バディア「どういうことだコナン」

 

トリックは知っているが敢えてバディアはコナンに問う。

 

コナン「ほら、さっき雪が降ってたじゃない?氷川さんをこの場所で凍死か心臓発作に見せかけて殺した犯人は雪で2人分の足跡が消えたのを確認して、雪がやむのを待ってから予め用意しておいた氷川さんが履いてるのと同じ長靴に履き替えて歩幅を気にしないで逆向きに歩いて沢に戻ったんじゃないかな?みずきさん。氷川さんって心臓が弱かったの?」

 

みずき「え、ええ……子供の頃から心臓が……」

 

確認するコナンにみずきは同級生の死に青ざめながらもなんとか答える。

 

伊御「待ってコナンくん。そうなるとこの犯人って氷川さんが心臓が弱いってことを知ってたってことになるよね?」

 

レティ「……という事は、犯人はそれを知ってる知人って事になるわよね」

 

伊御とレティの指摘に歩美達はあっと声を漏らす。

 

小五郎「そうなると……みずきさんを除いた3人が……」

 

蘭「待ってお父さん。このトリックって私達がすぐに遺体を見つけないと成立しないんじゃない?そのまま放っとかれて、また雪が降ったら折角付けた足跡も消えちゃうよ?」

 

姫「あ、確かに…」

 

キクヱ「でも私たちがここに来ることを知っている人が犯人ってことになっちゃいません?」

 

呟いた小五郎は蘭やキクヱの指摘にむむ……と眉を顰めるとみずきが申し訳なさそうに述べる

 

みずき「あの、私達がここを通るのは、スノーシュートレッキングの案内を見れば大体分かると思いますけど……」

 

勇儀「あーー成程」

 

榊「その方法があったか…」

 

誰もが納得した後にコナンがみずきに足跡の続いてる方向を見ながら問う。

 

コナン「ねえねえ、みずきさん。この足跡が向かっている先には何があるの?」

 

みずき「この方向は……武藤君の山小屋があるわ」

 

伊御「武藤さんの?」

 

つみき「……行ってみる?」

 

いや……と小五郎はつみきの提案に首を横に振る。

 

小五郎「確証がない以上、俺達だけで聞くのは無理がある。ここは警察に連絡して事情聴取をして貰う方が良いだろう。蘭、警察に連絡だ」

 

蘭「うん、分かった!」

 

指示に蘭は頷いて連絡を行っている間、伊御は氷川を見る。

 

伊御「(まさか…これも爆破事件と関わっているのか…?)」

 

なんとも言えない不気味さに伊御は頭に乗っている猫やペンギンを大事そうに抱き抱える。

 

バディアは悔し気な顔で氷川を見ていた。

 

バディア「(……原作通りになってしまったか…)」

 

絶対に犯人を捕まえなければな……とバディアは誓う。




正邪「次回、事情聴取と西の探偵からの助言。西ってことはあいつか……」
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