大富豪になったけど周囲から狙われてます   作:見た目は大人、中身も大人

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まさか一話目からここまで見てくれるとは思いませんでしたという
おかげさまでルーキーで19位になることが出来ました!
これからもよろしくお願いします!


第二話「人生ハードモード」

 名探偵コナン。

 それは30年にわたり連載されている人気漫画の名前である。

 ある日、主人公の工藤新一が黒ずくめの男たちの怪しげな取引現場を目撃したことで怪しい薬を飲まされた結果、小学生にまで体が縮んでしまっていた。そして、それがバレれば周囲の人間に危害が及ぶとして身分を偽り、幼馴染の毛利蘭の父が探偵をしている毛利探偵事務所に転がりこんだ。そして、へっぽこ探偵である毛利小五郎を支え、黒ずくめの男の情報を得る為に持ち前の頭脳を生かして数々の事件を解決していく。

 それが物語の大まかなあらすじだ。とはいえ俺はそこまで詳しく読んでいたわけではないから主人公の周辺人物までしか知らない。何ならその人物のプロフィールさえ知らない。

 だが、それがまさかこんなところで弊害として出てくるとは思わなかった。成程、現代なら名探偵コナンというのもあり得るだろう。だが、現代が世界観の作品なんていくらでもあるのに寄りにもよってコナンの世界かよ! つまりあれだろ? 30年の連載によっていつの間にか携帯を持ち、スマホに変わり、色々とハイテクになっていくんだろ? ぶっちゃけコナンの世界が時間通りに進むとは思えない。もし、全ての話通りに進むなら何か考えてはいけない事が起こりそうだ。

 

 まぁいい。今はそんなことを考える必要はない。それよりも、今は目の前の事を考えないと。

 

「怖いわね。殺人なんて」

「亮。お前も気を付けるんだぞ」

「分かっているよ。父さん母さん。二人も気を付けてね」

 

 親孝行を兼ねた旅行先の旅館でまさかの殺人事件が発生した。日本で殺人事件なんて珍しいなと思っていたがその現場付近にいるメンバーをみて納得してしまった。

 そう、名探偵コナンの主要人物が勢ぞろいしていたのだ。残念ながら知らないエピソードだったがそれでも主要メンバーの顔を見間違えるはずがない。

 どうやら同窓会中にメンバーの一人が射殺されたらしい。両親は怖いわぁと言って自分の部屋に戻ってしまったが俺は衝撃で暫くその場を動けなかった。そうしている間に犯人が分かったようだが俺は頭を抱えるしかなかった。

 

「名探偵コナンの世界って人が死にまくる世界じゃん。俺絶対狙われる!」

 

 ぶっちゃけ俺も結構強引な事をしていた時がある。小規模企業を買収したり、金を貸していたりと殺人に繋がりそうな恨みを買っている事が多々あった。そう考えるとここまで平穏無事に過ごすことが出来たのはまぐれだったのか。それとも物語が始まっていなかったから無事にいられたのか。どちらにしろこれまでも警戒はしていたが今まで以上に警戒を厳にしないといけなくなったわけだ。不意打ちを防いでくれそうな“直感”や“気配感知”はもう二度とオフにする事は出来なくなったわけだ。俺だってまだ死にたくはないからな。

 そんなわけで旅行はコナン君に会ったせいで最悪の気分で終了した。両親は殺人事件があったことで気分を害したようだが最終的には楽しんでくれた事が幸いだな。旅行から戻った後はしばらく平穏な暮らしが続いたが早速、それらしいことが発生したのだ。

 

「お願いします! もう少しだけ待ってください!」

「そういってもねぇ……」

「お願いします!」

 

 俺は屋敷の応接室で土下座をする人物を見ながらため息をつく。目の前の男は荒木という男性で俺が個人的に金を貸している相手だ。一応型月グループは金貸しもしているがこいつは俺の知り合いで俺と直接やり取りをしている人物だ。

 

「もう少し! もう少しで金がたまるんです! お願いします!」

「そうは言ってもねぇ? あんた前回も同じこと言ってたじゃない。それで待ったらまた同じ事を言っている。これで何を信用しろっていうの?」

「それは……!」

 

 ちなみに、こいつの借金の理由は会社の経営難からだ。理由は単純で俺が作った会社の一つがこいつの会社で作った物よりもいい製品を作ったせいで売れなくなったというものだ。んで、恥を忍び、こうして俺に頼んでいるわけだが……。うん、どう考えても動機がありすぎる。こいつには注意を払っておかないとな。

 

「こ、今度は本当なんです!」

「それだと前回は嘘の発言って事になるね。もういいや。時間の無駄」

「そんな……!」

「こちらとしてもそちらの経営難の原因の一端はあるからこうして金を貸していたがここまでされるとそうもいっていられないよ。どんな手を使ってでもお金は返してね」

「……!」

 

 ああ、そんなに殺意のこもった眼で見ないでよ。俺殺されちゃうじゃん。畜生、こういうのを切り抜けられるスキルって何かあったかなぁ?

 

「さぁ、早く帰って。俺も忙しいのよ」

「……失礼、しました」

 

 うむ。マジでどうするか。追い出したところで頭の中はこちらをどう殺すかでいっぱいになっているだろう。コナンの世界だと殺人事件の被害者はほぼ死んでいた。流石にそれは嫌だしなぁ。ああ、毒を盛られた時用に“耐毒”のスキルもオンにしておかないと。はぁ、億劫だ。これから外出するたびに命が狙われる心配をしないといけない。こうなったら警備でも雇うか? いや、お金だけは大量にあるんだ。荒事にも対応でき、こちらの指示に従ってくれそうなやつを個人的に雇った方が良いだろう。もちろん、きちんと信頼出来るのかを確認してね。

 

 

 

 

 

 

 そんな風に考えていた一週間後、俺は荒木に殺されかけた。行きつけのファミレスのトイレに入ったところをナイフで刺されそうになったのだが“直感”と“気配感知”で事前に判明したうえで“皇帝特権”によって戦闘スキルを付与して返り討ちにした。その後はナイフを手が届かない所に蹴り、拘束。店員に警察を呼んでもらって事件は収束した。ちなみに荒木曰く、

 

「あいつが自分達より性能が良い製品を作ったせいで経営難になったのに恩着せがましく金を貸してきたのが許せなかった!」

 

との事。本当にこの世界の人間は殺害に対する沸点が低すぎるよ。これじゃいくら警戒しても足りなさそうだ。……と、思っていたせいだろうか? 俺はこの日より様々な人間から命を狙われ、心休まる日が次第に少なくなっていくのだった。

 




主人公紹介
小澤亮
物語開始時点で30歳。型月グループ会長。Fateの全スキルを持っているが本人は”黄金律”と”直感”のみを想定していたために全く把握できていない為ほぼ宝の持ち腐れと化している。
金持ちになりたいという欲に従い10年で大富豪となる。が、そのせいで多方面に恨みを買っており、名探偵コナンの世界における殺害の手軽さと相まって人生のお先が真っ暗な状態となっている。
原作はほぼ知らない。どのくらい無知かというと鈴木園子が金持ちという事すら知らない(ただの蘭の同級生だと思っている)。
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