どうやら、俺の隣人はアイドルだったらしい。   作:クウト

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ドーン。
前回より先は続ける気なかったけどこんなに多くの人が読んでくれてるなら……更新しないとなぁなんて。
メインの方は原作がどうなるか次第で進め方変わっちゃうところだし……。
タイミング的にこっち進めることにしました。


高校入学

義指を手に入れた俺。

あの時は騒がしくなったよなぁ。誰にも義指の発注をしているなんてのは黙っていたし、ある日帰ってきたアクアとルビーに右手を振りながら迎えたらアクアは呆然とした顔で持っていた荷物を落としたし、ルビーなんて理解した途端に大泣きだった。

だが二人は俺が義指をつけたことに対して喜んでもくれたのだ。別に今までつけなかったことに深い意味もないし、ただ忙しくてタイミングが合わなかったというだけ。

ルビーの笑顔を守りたいってのもあったけど、それも全てはタイミングが良かったから出来たこと。何でもかんでも全部できてしまうほど俺は要領がいいわけでないのだ。

 

「アイさんも大泣きだったっけ?」

 

ルビーの様にギャン泣きって訳でもなかったが、俺の右手を抱きしめつつ静かに泣いていた。数分程度で治るかと思っていたがずっと続くものだから焦ったよなぁ。

 

「手袋手袋〜あれ?何処だ?」

 

パッと見ではちゃんと手に見えるけどよくみたら義指ってわかるしな。誰かと会う時は手袋をつけて目立たない様にしているのだ。ちょっと怪我してて〜とか言えば相手も取れとは言わないしね。

一度大御所の人に取れと言われて取ったけど義指なのを見て居心地悪そうにしてたのは正直面白かった。あれだけふんぞりかえってたのが嘘の様におとなしくなったしな。

ちなみにもちろんそこからはNGである。

 

「さてと、そろそろかな」

 

インターホンがなる。

俺は準備を済ませておいたのもあり、スムーズに玄関へと移動。

ドアを開けるとアクアとルビー、それにアイさんがいた。

 

「おはようカナお兄ちゃん!」

 

「おはよう兄さん」

 

「おはようルビー、アクア。高校入学おめでとう」

 

「「ありがとう!」」

 

「はいこれ。プレゼントね」

 

いつかを思い出すな。なんて思いながら二人に入学祝いを渡す。

アクアにはまた新作を。

今回はホラーサスペンスだからちょっとお祝いにってなると微妙なのだが、出版される前の物だし誰よりも早く読めるという特別感があるって事で許してね。

ちなみにタイトルは扉の向こう。俺が散々与えられたトラウマを元に作ったせいで結構リアルに書けてると思う。映像化するならキャストにアイさんは確実に入るだろうな。

ルビーには化粧セットを。

高校生だし、アイドル志望だからメイクに興味も出てきているみたいだしね。アイさんに聞いて一式揃えたけど、本当に苦労したよ……。

 

「……なぁ、アイさん。これ狙ってるの?」

 

「ふふふ。どうなんだろうね?」

 

目の前で本を広げ出すアクア。

これ新作のだぁ!っと喜びながらメイク道具を広げようとするルビー。

 

「彼方くん。ありがとう」

 

はぁ、まだこの人はこんな事を言って来る。

それを言われるたびに俺が恥ずかしくなるのをわかっているのだ。だから何かあるたびこうしてお礼を言って来る。

はぁ、とりあえず話を逸らすためにもアクアとルビーの対処でもしよう。

 

「……没収!!」

 

「「あぁ!!」」

 

「あはは!」

 

「まったくお前らなぁ。このくだり小学生の頃から何一つ変わってないぞ?」

 

「……」

 

「目を逸らすなアクア」

 

「ちょっ!もうちょっとだけ!」

 

「時間がありませんルビーさん」

 

ほらほら、さっさと出るぞ!

二人の背中を押してエレベーターへと向かう。

後ろからアイさんがくすくすと笑いながらついてきているのがわかる。……そしてあの時とは違い俺もエレベーターに乗ったのをみて二人が固まった。

 

「え?カナお兄ちゃんも?」

 

「もしかして来るのか?」

 

「ざんねーん。仕事でーす」

 

「「チッ」」

 

「君たちは俺をどうしたいわけ?」

 

昨日の晩も思ったけど本当にどうしたいの?

最近特にその辺に関してはなりふり構ってない感すごいよ?

 

「彼方くんにも来てほしいんだよ。ね?アクア、ルビー」

 

「俺は別に」

 

「私は来てほしいです!」

 

「残念ダメです」

 

「けちぃ!」

 

ケチとはなんだケチとは!

まったく。本当にこの子達は……。

エレベーターが一階に着く。いつも通り斉藤夫妻が星野家の登場を今か今かと待っていることだろう。

そして予想通り俺まで出てきたことに驚かれた。もちろん仕事だからついて行くわけではないがな。

 

「じゃあみんなでいい入学式にしておいで」

 

「はーい。カナお兄ちゃんも仕事頑張って!」

 

「行ってきます」

 

「じゃあまた後でお邪魔してるね彼方くん」

 

「はいはい。行ってらっしゃい」

 

斉藤夫妻とも軽く話してからみんなを見送る。

アクアとルビーから軽く聞こえてきた会話だが大学の入学式なら来そうだねとか言うな。聞こえてるわ。確かに今回は外まで一緒にきたけど、次はもっと距離伸びるね。って事は次は学校まで来そうだねってそんな方式で動いてるわけじゃないんだよ?

 

 

 

仕事の打ち合わせを終えて帰宅。

外で飯も食ってきているし、今書いている新作の方も順調。唯一の問題点を挙げるとすれば……。

 

「うぅぅぅ……」

 

「ルビー。足痺れてきたんだけど」

 

俺の膝の上で泣いているルビーである。

どうやら入学式で不知火フリルと出会ったらしい。その際に新しい友達とかアクアだけ認知されていて自分は何も知られていなかったのがショックだった様だ。……いや、仕方なくない?実際なんの活動実績もないんだから。

 

「何もやってないのに知られてたら驚きだよ」

 

「言い方ぁ!!」

 

「はいはい。ルビーは大器晩成型なんだよ」

 

「大気……?」

 

「勉強も頑張ろうね」

 

「ぅうううううう!!!!!カナお兄ちゃんが虐めるぅぅうう!!!」

 

泣くな暴れるな。

まったく……。斉藤さんとこの苺プロでのアイドルデビューは決まったらしい。ただ決まったとは言えすぐにデビューなんて話にはならず、それなりの準備期間が必要なのだ。

芸能科に入ったからにはなんらかの活動をしてないと肩身が狭いよなぁ。だからと言って俺が何かしらの手助けをしてあげる事はできないし……。

 

「ルビーがアイドルとして大きくなったら、いつか俺が書いた物語に出てよ」

 

「……いつになるかわかんないもん」

 

「なら俺がルビーにあったお話を書くよ。お前しかハマり役いないって話ならすぐにいくだろ?」

 

「……本当に?」

 

「あぁ」

 

まぁ演技力が必要だってのはこの際言ってあげない方がいいだろう。今はとにかく元気を出してくれないと……俺の足が痺れてきたから早く退いてほしいのだ。

 

「でも、演技力が必要だよね……私にできる?」

 

「勘の良いガキだな」

 

「もう!!!」

 

「あだぁ!!おま!足はやめろバカ!」

 

ジンジンするだろう!?

まぁとにかくだ。アイドル活動に関しては俺は頑張れと言ってあげるしかできないよ。

だから頑張れルビー。いつも応援してるから。

 

「にしても不知火さんか」

 

「カナお兄ちゃんの作品にも何個か出てるよね」

 

「うん。あっと、確か〜」

 

ゴソゴソと机の中を漁る。

あれぇ?確か書類と一緒にぶち込んだ気がするけどなぁ。確かこの辺に……っと、あったあった。

 

「何?」

 

「サイン貰ったんだよね」

 

貰ったと言うより押し付けられた感じだが。

 

「はぁ!?不知火フリルのサイン!?てか今ゴミ漁るみたいに出て来なかった!?」

 

「いやぁ、書類なおすときに紛れててね。取ろうと思ったけど面倒でついそのまま」

 

「これが超売れっ子作家……!!」

 

「いや、俺が抜けてるだけ」

 

「納得」

 

おい。納得するな。

俺は仕返しをしてやろうと思ってルビーを見たが、ルビーは少し考える様な表情で黙り込んでいた。

 

「どした?」

 

「ねぇ、カナお兄ちゃん」

 

「ん?」

 

神妙な顔だ。

一体なんだと言うのだ?

 

「なんか、こう。フリーでアイドルに向いてそうないい感じの人とか知らない?ほら、案外勧誘簡単そうな人」

 

「えー?……」

 

考えてみる。

……居たかなぁ?そんな人。

 

「うーん…………」

 

「誰かいないのぉ?」

 

「有馬かなさん?」

 

「……それだぁ!!!」

 

あ、いかん。

つい口から出てしまったが、これはルビーのダメな火をつけてしまった気がする。アイさんが主演になったドラマで仕事をして以来たまーに俺の物語に出てもらってるし、あの子フリーだったよなぁなんて思い出して思わず出てきてしまっただけなのに……ごめんかなさん。

だが先ほどまでの落ち込んだルビーが吹っ飛んだのをみてとりあえずはコレでいいかと思った俺でした。

 

 

 

「ごめんなさいカナお兄ちゃん」

 

「……まぁ、うん。一度痛い目みな」

 

「うぇぇええん!!!カナお兄ちゃん怒ってるじゃん!!」

 

「そりゃそうでしょうよ」

 

「今回は擁護できないかなぁ。アクアもだよ〜」

 

「うぐっ!!」

 

現在俺の家では会議が行われている。

どうもルビーは俺と知り合いだと言う事を餌に有馬かなさんをアイドルにするべく苺プロの所属にしたらしい。行動力化け物すぎん?

そしてそんなルビーのためにアクアも協力を惜しまず、ゴリ押しでお願いしてたと。シスコンすぎん?

そんな子供達にアイさんはちょっと怒り気味だし、俺もそんな風に餌にされたのはちょっとだけ気に食わない部分もあるのだ。

後アクア、お前だけ俺の部屋に逃げようとするな。

 

「まぁとにかく……やってしまった事は仕方ないけどさ」

 

「ごめんね。彼方くん」

 

「いえ、弟と妹みたいなもんですから……今回は見逃します」

 

「ありがとう。ちなみに弟と妹でなくてもいいよ?」

 

「何言ってんだこの人」

 

ぷくーっと膨れるアイさんは放っておこう。

さて、救われた!とばかりにこっちを見るルビーだが、何も罰がないなんて事はしない。

という訳で。

 

「ルビーは一週間俺の家の家事やってね」

 

「えぇ!?」

 

「アクアは〜」

 

「っ!」

 

「アクアが今度出る恋愛リアリティショーあるよね?俺の隣でゆっくり見てね!」

 

「嫌だ!!」

 

「そんな必死なお前久々に見たよ……」

 

「くっ!母さ「それすっごくいいね!!」んなっ!!」

 

お?アイさんも乗り気だ。

そんな訳でルビーは俺の家で馬車馬の如く働かせるし、アクアは俺とアイさんの間で羞恥に悶えてもらうことにしよう。これにて罰は決定である。

 

「いやぁ、それにしてもアクアが恋愛かぁ。大きくなってくれたなぁ。私は嬉しいよ」

 

「ビジネスだから」

 

「ですねぇ。あんなに小さかった頃を知っているからこそ……こう……大きくなったなぁアクア」

 

「だから!」

 

「うぅ……!!これも全部彼方くんが助けてくれたからだね……!!」

 

「まだ言うかこの人は」

 

「ッッッ!!帰る!」

 

「あ、お兄ちゃんが逃げた。あの兄もママとカナお兄ちゃんには敵わないか」

 

逃げられた。

ポロポロと嘘泣きをしていたアイさんと目が合う。

そしてニヤリと笑う俺たち。

 

「ルビーがアイドルになるのか。あんなにチンチクリンだったのに」

 

「チンチクリン!?」

 

「ママの後を追ってくれるなんて……!大きくなったね!ルビー!」

 

「……!ママァ!!」

 

あらら。

アクアと違ってルビーはアイさんに飛びついてしまった。これではイジるにイジれない。

 

「よしよし。これからも頑張れ」

 

「うん。絶対に私もドームで歌ってみせるからね」

 

「楽しみにしてるよ」

 

「カナお兄ちゃんも観に来てね」

 

「あぁ、その時が来れば絶対に行くよ」

 

だから頑張れルビー。

後アクアもね。

大丈夫。何処に出しても胸を張れるほどの自慢の弟と妹なのだ。お前らなら絶対に芸能界でも輝けるよ。




安心してほしい。
指に関しての特殊な知識を持ってなくても感想書いていいのよ?
むしろ待ってるくらいだから。粉かけると繋がる様なのもあるって知らんよ誰も。人類ってそんな魔法の粉みたいなの作れる様になってたんだなって。
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