knock emotions   作:クロウト

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ゼンレスゾーンゼロおもろいです。結


knock start hollow

 

____ 貴方は夢を見ていた。

 

白と黒のモノクロで彩られる雨が降っている世界、そしてその中に唯一つの色として貴方の足元に河を成す様に流れている緋色の鮮血。そして傘も差さずに貴方はただ雨が降るその地面に立ち尽くしており手に握られているのは逆手持ちを前提として作られた奇妙な形状をしている特殊な剣の様な物であり、その湾曲の刃には自分の血か若しくは他の誰かの

血かも分からなくなってしまう様な大量の返り血がこびり付いている。

 

 

そして貴方は力無く立ち尽くしている中、朧げな視界て捉えた目の前の景色はホロウの中に生み出される怪物であるエーテリアス達の死骸の山が形成されており、その山の中には幾人かの人間の姿も確認出来、その光景は正に地獄絵図として認識せざるを得ず。普通の人間ならば吐き気がするような光景であるにも関わらず、貴方はただその場の景色をただ茫然と眺めているだけであり、それ以上もそれ以外も出来なかった。

 

 

『 お前が殺したんだ。』 

 

 

暫くすると、声が聞こえて来た。茫然と立ち尽くしてる貴方の耳元に囁く様に耳に纏わりつくような不快な声色の男の声が貴方の神経を逆撫でする様に姿無き姿で愉悦に身を捩らせる様な声色で語り続ける。

 

 

『 お前が助けたと思った人間は、全部この怪物共に殺された。自分が傷付きながら必死こいて手を伸ばし続けた救いたい人間共は全部、お前自身で殺したんだ。』

 

 

その男の声を聞いた瞬間、貴方の視界が更にぐらついて行く様な感覚に襲われる。それと同時に夢ならば感じない筈の妙な吐き気までも催す様になり貴方はその声から逃れようと怒号と共に自分の手に握りしめられていた剣で虚を斬る様に渾身の一振りをモノクロの世界に振り翳す。

 

 

『___お前は、これまでもこれからもずっと虚偽の善意を振り翳さなきゃならないんだよ。お前が殺した人の分まで、お前の背負った命の分までお前の犯してきた罪の分まで、一生。血で贖い続けなければならないんだよお前はな_____。』

 

 

男の愉快な声は止まらない。何処か無機質さも感じさせるような虚を斬っても消えないその声に貴方は頭を抱える事だろう。存在しない頭痛が

その男の声によって貴方の頭はガンッ!!!と誰かに殴られた様な感覚さえも覚えてしまうのだから。そして男の無機質な声が壊れかけた貴方の精神に止めを刺す様に再び語りを始め

 

 

 

『 ____ 罰は消えない。』

 

 

その言葉に貴方はとうとう立つ力も失せて来たのかコンクリートと少しの小石が転がる地面に溜まっていた濁った色をしていた水溜りに向かって倒れ込んでしまう。勢い良く水音が鳴り響いた後、貴方の視界が水に侵食されて行くと同時に視界が真っ白に染まって行き、貴方の身体がふと楽になる様な感覚を覚えて行くだろう。その白い視界は即ち貴方の夢からの回帰であり、貴方にとって悪夢の様なこの時間は何れ醒める事になるのを示している。そしていつの間にか不愉快な口調で喋り続けていた男の声が消えており、貴方のその身体が楽になる様な感覚を邪魔する者は誰一人としていない。そして貴方の視界が一面絶え間ない白に包まれていったその時。

 

 

_____貴方はその悪夢から解放される。

 


 

 

 

 

バッッ!!!

 

 

貴方は勢いよく寝床から身体を起き上がらせる。額には冷や汗が流れており、貴方が着ていた服にもぐっしょりと汗がこびり付いているのが良く分かるぐらい少しだけその汗の感触が気持ち悪く思今ながらも貴方は

悪夢から覚めたばかりの血走った様に見開かれた眼を手汗が滲んだ手で覆い隠しながら高鳴る自分の心臓を落ち着かせる様にゆっくりと息を吸って吐いて行く。貴方は最近、悪夢に苛まれている所為かこの一連の行動も最早慣れてしまった様に機械的に行う様になっていってしまいいつの間にかこうして最悪の朝を過ごす事にももう既に慣れてしまった。貴方はいつかこの悪夢を克服しないととは思っているものの、何度寝ても

背後から纒わり付く様に響くあの男の声から逃れる事は叶わず、こうしてベットから何度も飛び起きる羽目になってしまうのだった。

 

そうして朝の日差しに当てられた貴方の身体が漸く落ち着いて来た頃、

貴方は自分のベッドの脇で充電していた自分のスマートフォンを何の意味も無く手に取ってみれば開かれたホーム画面にはびっしりと知人からのメッセージからの通知音が来ており、それも複数人から来ているので

不在着信の物と合わせれば多分30件は軽く来ているのだろうか。

 

貴方は思わず頭を抱えながら渋々、自分のDMの画面を見ると生存確認をしようとするメッセージや早朝から遊びに行こうと不在着信を掛けまくる腐れ縁からの連絡だったりと貴方が夢から飛び起きてこの大量のメッセージを確認してそれらに全て返信するのが最早、貴方のルーティンと成ってしまった事に本当にこれで良いのか___。と貴方は今の自分のあり方に疑問を感じてしまった。

 

____ そして、貴方がその数えきれない程に送られて来たメッセージを返し切ろうとそのスマホに言葉を打ち込もうとした瞬間 。

 

 

 

ピンポーン

 

 

貴方の家のインターホンが鳴り響く。貴方は突然鳴ったインターホンに

少しばかり驚いてしまうが特に疑う様子も無く言葉を打ち込もうとしていたスマホをベッドの上に適当に置けば玄関の方へと向かって行く。

 

時刻は早朝より後、昼時より少し前と言った感じの時間帯であり。早起きでも寝坊でも無い様な微妙な時間でありその時に貴方は丁度、悪夢から目覚めた。貴方は基本これより早く起きるのが毎日のルーティンだったが溜まっていた疲労が爆発したのか、それとも偶々寝坊しただけだったのか今日は大幅に遅れて起きてしまい貴方も少しばかり損をした様な気持ちになってしまった。

 

 

それはそうと、貴方は玄関の方へと向かう途中。こんな時間に宅急便でも頼んだ居たか?と鳴り響いたインターホンに少しだけ疑問が思い浮かぶ。貴方は宅急便を頼む事が余り無いので此処に来る者は決まって知人か迷惑セールスマンの二択だったりするのだが、貴方は知人ならば何か用かを聞けば良いだけの話であり。セールスマンの類ならば適当にあしらえばそれで良いと貴方は深く考えはり事はせずに玄関の扉に手を掛ける。そして掛けてあった鍵を外して扉を開き、その客人の姿を見ようとすると_______________。

 

 

「 おおぉおぉっっ!!! 相棒 !! 生きてたんだなぁっ!!! いつもの時間にメッセージ送っても返信帰って来ねぇから滅茶苦茶心配したんだぞぉっ!! 」

 

「 ビリー、五月蝿い。近所迷惑 」

 

 

 

バタン___。

 

貴方は速攻で扉を閉じた。今、貴方の眼にはとても起きたばかりの頭が回らない思考の中では会っちゃいけない様な人が約二名映った気がするが多分気のせいだろう。もう一度、貴方は自分の視界に捉えた景色がただの幻想であったと自分に思い聞かせる様にまた扉をゆっくりと開けてみればそこには何も無い空間が広がって居ると思って居たのだが。

 

 

「 ちょいちょいちょいっ !!!! なんでいきなりドア閉めるんだよ!非道いじゃねぇか!! 」

 

 

_____ 貴方は頭を抱えた。(2回目)

 

 

 

 


 

 

邪兎屋__。其処は金さえ払えばどんな依頼でも引き受けてくれる何でも屋として知られており。現実世界と対を成す異形が溢れる地であるホロウにも何度か入った事もあるホロウレイダーとしても名が知られていおり、ホロウへの侵入により治安局からのお偉いさんには酷くお目付けを喰らって居る事もあるのか。半ば闇営業としての顔としてやっている様にも感じる。そして貴方はその邪兎屋の従業員...では無いがホロウレイダーとして貴方もホロウへと入り浸っている人間なので邪兎屋ともそれなりに深い関係を築いているという自負があった。

 

 

「 なぁなぁ!今度、GOD FINGERに新作が来るらしいぜ !!! これは俺らが最初のプレイヤーになるしかねぇなっ !!! 」

 

先程から貴方にやけに酷く絡んで来るこの男、ビリー・キッドも邪兎屋の一員であり、全身が機械で出来てる機械人間でもあるのだ。顔から脚に至るまで人が肉体として構成される皮膚や筋肉、骨が全て機械に置き換えられているという。簡単に言えば全身サイボーグとも言えば分かりやすいだろう。二丁拳銃を巧みに操るガンマンでもあり、貴方も度々ビリーと共に仕事をした事があるのだが彼の二丁拳銃の圧倒的なエイムセンスには脱帽するばかりである。これでもう少し落ち着きがあったら完璧だったのにと貴方は心の中で思ったがビリーのその突き抜ける様な陽気さはそう簡単に取り除けるモノでは無く、邪兎屋と知り合ってから

貴方がゲーム好きである事もあるのか今の様にこうしてやけに貴方に絡んで来るのだ。

 

「 ___ビリー 、ゲームセンターの新作なんていつでもプレイ出来るわ。それより、この間一緒に見た映画の続編が出るらしいからそれこそ早いうちに見ないと ... 勿論、貴方も一緒で 」

 

そして、家に置いてある少し大きめなソファーで貴方の隣に陣取っている白髪の少女__、アンビー・デマラ も貴方がビリーと知り合った時とほぼ同時期に知り合った人であり趣味が映画鑑賞と中々お洒落な趣味をしている女の子である。冷静沈着で合理的かつ慎重派、ビリーとは対を成す様にクールで余り感情を表に出さない彼女だが好きな食べ物がハンバーガーという中々に現代的な一面も持っている。彼女曰くハンバーガーとは完全リーズナブルな完全食らしい。加えて、彼女は度々貴方に新作の映画を勧めようとしているのだがこれもまた貴方にとっては最早

見慣れた光景になってしまった。

 

____ 貴方が突然の客人二人に幾ばくかの困惑を指し示しながらも

二人を拒む事は無く、貴方は二人を家に招き入れて暫くしないうちに貴方は邪兎屋の内の後一人が家に来ていないのでは無いかとビリーに聞いてみれば直ぐに返答が返ってきた。

 

「 ニコの親分なら、今はプロキシの所に居る筈だぜ。依頼で持ってくる筈だったもんがある所をエーテリアスが占拠しちまってな。プロキシ先生の協力が必要不可欠って訳。 」

 

「 私達も行こうとしたんだけど、ニコが一人で行くから良いって....。私とビリーもこの後は特に予定も入って無いからこうして貴方の所に来てるのよ。 」

 

いつの間にか、貴方の家が暇を潰す為の場所だと認識されてる様な言葉が聞こえた気がするがそれは聞こえない事にする。だが貴方はプロキシという単語を聞いて納得するのと同時にまた邪兎屋が何かをやらかしたのだろうなと半ば確定事項の様な事案に眉を顰めそうになったが貴方は大方の事情が分かればそれで良かったのでそれ以上は何も追求はしないでおいた。

 

_____ プロキシ、それはホロウレイダーと同じくして闇稼業紛いの事をしている者も居ればビデオ屋と兼任して情報屋として活躍する者とその存在はとても多岐に渡っている。中でも貴方が知り合いとしてプロキシを名乗っている通称 パエトーンと呼ばれる者はプロキシ業界の中でもかなりの手練れとして名が通っている人物であり。中にはパエトーンの熱狂的なファンも居る程だ。

 

 

 

貴方がそうこうして、ビリーとアンビーと喋っていると。貴方のベッドに置かれていたスマホから軽快な通知音が鳴り響いた。貴方はまたDMか迷惑メールじゃ無いかと思いながらスマホを手に取ってみる。そして

そのスマホの中を覗いて見ると_____。その通知の中には「 リン 」という人からのDMが届いており。貴方がその中を覗いてみれば 、次の様に書かれていたのだった。

 

『 ビリーとアンビーを連れて、ウチに来てくれない? 』

 

___なるほど、と貴方はそのDMを見るとすぐさま。自分の家に置いてあるクローゼットの中から適当に服を引っ張り出せばすぐさま出かける準備をし始めた。それを見ていたビリーとアンビーは貴方のその行動に懐疑的な印象を持った中ビリーが貴方に向けて疑問を問い掛ける。

 

「お、どっかに出掛けるのか?God fingerならオレも一緒に行くぜ!!!!! 」

 

貴方はビリーの言葉に即座に違うと否定の意を示しながら今あった出来事を伝える。ビリーとアンビーを連れながらリンという人物の元に一緒に赴くと伝えれば二人も何が起こったのかを理解し、その後にこれから何が起こるのかも同時に理解していた。貴方は漆黒のロングコートを身体に羽織れば 仕事の時間だ、とそれだけをただ告げながらクローゼットに立て掛けてあった革の鞘に仕舞われた坂手の湾曲剣を手に取りながら腰のベルトに差し、寝起きの頭を完全に覚ますのだった。

 

_____ 朝焼けが、新エリー都の新たな始まりといつかあったかもしれない有りし日の物語を照らすのだった。

 

 

 





続きはあるかもしれないです(不確定)
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