【完結】ギャルに優しいオタク君   作:138ネコ

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第107話「相方の呼びかけに応じ、めちゃ美参上っす!」

「相方の呼びかけに応じ、めちゃ美参上っす!」

 

「呼んでないんだよなぁ……」

 

 リコと家でマリーンカートの特訓をしている事をめちゃ美に伝えたオタク君。

 めちゃ美にアドバイスを貰うつもりだったのだが。

 

『相方、家はどこっすか!? 今から行くっす!!』

 

 めちゃ美は今からオタク君の家に行くの一点張りだった。

 目的はリコに会いたいからである。ギャルが好きなので。

 

 別に何かやましい事があるわけじゃないので、めちゃ美を呼んでも構わない。

 なんなら先ほど近づきすぎて変な空気になってしまったのでめちゃ美が来た方がありがたく感じるオタク君。

 

 だが、リコとしては、もうちょっとオタク君と二人きりを楽しみたい気持ちがあった。

 とはいえ、断ればやましい事、なんならやらしい事があると言っているようなものである。

 それに弟に対して威厳を取り返したいという気持ちもある。

 なので、めちゃ美を呼ぶことに賛成した。

 

「リ、リコ先輩、フヒッこんにちわ。今日も可愛いっすね」

 

 オタク君の部屋に入り、リコを見つけるなり気持ちの悪い声のかけ方をするめちゃ美。

 完全にネトゲーのノリである。

 

「お、おう。久しぶりだな」

 

「そうなんすよ、久しぶりなんっすよ。なので自分としては優愛先輩やリコ先輩からしか得られないギャルネシウムを存分に摂取させてもらいたい所存っすフヘヘ」

 

「そ、そうか」

 

 ギャルネシウムというものがよく分からないが、オタクというものについてはチョバムやエンジン、そしてオタク君との付き合いでなんとなく理解しているリコ。

 それにめちゃ美とは女の子同士だから変な事してこないだろうし大丈夫だろうと考えているが逆である。この手のタイプは同性だからこそグイグイと来るのだ。

 チョバムやエンジンが優愛たちに大人しいのは、その辺を異性として弁えているから大人しいだけで。

 

「めちゃ美」

 

「ん? どうしたっすか?」

 

「今回の目的分かってるか?」

 

「勿論っすよ、リコ先輩が弟にトラウマになるレベルでマリーンカートでボコボコにして煽る特訓っすよね」

 

 トラウマを植え付ける必要も、煽る必要もないが、概ね合っている。

 なので、めちゃ美の返事にうんうんと頷き同意するオタク君。

 

「そうだな。もしリコさんがリコさんの弟に勝てるレベルまで上達したとして、次はどうなると思う?」

 

「次? どういう事っすか?」

 

「年頃の男の子が、マリーンカート一本だと思うか?」

 

「そんなわけないっすね。自分なら『ぶっ飛ばしファイターズ』とかで煽り勝ちしてドヤ顔決めるっす」

 

「リコさんの弟がそこまでするか分からないけど、そうなった時、また助けが必要になるだろ? ここで無様にフヒフヒ言ってたら助っ人に呼ばれなくなるんじゃないか?」

 

 オタク君の発言に、全身を雷が駆け巡ったようなショックを受けるめちゃ美。

 今ココでリコとイチャつけば、その場の幸福は味わえる。

 しかし、その後呼ばれなくなってしまうのはめちゃ美にとっては大きな損失である。

 

「リコ先輩、早速やるっす! とりあえずまだ発見されてない壁抜けから教えるっす!」

 

「あぁ、頼む」

 

 コントローラー片手に、あれこれ抜け道を教えるめちゃ美。

 めちゃ美の潜水艦は、明らかにただの壁ですらホイホイすり抜けていく。

 

「この辺はまだネットでも出回っていないショートカットっすから、覚えておくと良いっすよ」

 

 時折スマホでメモを取ったり、動画を撮影するリコ。

 完全な初心者に教えるなら今日一日では無理だと思っていためちゃ美だが、リコの腕前自体は悪くないため数時間で全て教える事が出来た。

 もちろん全部が全部、完璧に出来るわけではないので、リコの自主練が必要ではあるが。

 

「これだけやれれば、ネット対戦でやってもそうそう負ける事はないっすよ。修正パッチが来なければっすが」

 

 日が落ち始めた夕方ごろ。

 何時間にも及ぶ『リコのマリーンカート特訓』も終わりを迎えていた。

 そう、特訓は終わったのだ。ならば今からリコといちゃついてしまっても問題ない。

 めちゃ美がニチャァと気持ちの悪い笑みを浮かべた時だった。

 

 ドタドタと慌ただしく階段を登る音が響き渡る。

 そして、無遠慮にオタク君の部屋のドアが開かれる。

 

「お兄ちゃん、リコさんとの特訓どうなった?」

 

 オタク君の妹希真理である。

 

「今終わったところだよ」

 

 オタク君の返事に対し、無反応の希真理。

 彼女の目線はめちゃ美を向いていた。

 そして、めちゃ美も希真理をガン見していた。

 

「相方ァ! どういうことっすか!?」

 

 先を制したのはめちゃ美だった。

 驚きのあまり、瞳孔がガン開きである。

 

「どういう事って、何が? 妹がどこでドロップするとか、いくらで売ってたとか言うなよ!」

 

「じゃあなんで妹がいるんすか? 義理っすか? 義理の妹でギリギリシスターっすか!?」

 

「ギリギリシスターってなんだよ!? 血の繋がった正真正銘の妹だよ!」

 

「血の繋がった妹って、ギリギリどころかアウトじゃないっすか!!」

 

「アウトなのはお前の発想だよ!」

 

 希真理はこのやり取りだけで判断した。

 あっ、この人見た目は色黒のギャルだけど、中身は相当残念な人だと。

 そして兄であるオタク君がまともに異性と見ていないので、恋のライバルになる可能性は0だと。

 

「リアルの妹、実在したんすか……」 

 

 後日。

 リコがマリーンカートで弟に勝てるようになるという目標は、何とか達成する事が出来た。

 オタク君の読み通り、マリーンカートで勝てなくなったリコの弟が他のゲームで挑戦するも、大体の対戦ゲームに詳しいめちゃ美がコーチをする事で全て撃退する事に成功していた。

 ゲームがきっかけでリコと仲良くなっためちゃ美。後にリコの家に招かれるのだが、ギャルの家にお呼ばれされたというのに一人で行く勇気がなく、オタク君を呼んで一緒に来てもらうヘタレムーブをするが、それはまた別の話である。

 

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