【完結】ギャルに優しいオタク君   作:138ネコ

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第154話(優愛ルート)「めちゃ美ちゃん、マジ最高なんだけど!!」

「オタク君、これやばくね!?」

 

「これは凄いですね」

 

 鏡を見ながら「やばいやばい」とはしゃぐ優愛。

 そのメイクの出来に、オタク君もお世辞抜きで凄いと驚いていた。

 

「ど、どうっすかね?」

 

 自信なさげに上半身を丸め、おずおずと上目遣いでオタク君と優愛を見るめちゃ美。

 優愛の嬉しそうな声色を聞けば、そんな事は聞くまでもないくらい分かるはずである。

 それでも不安になってしまうのは、自意識の低さからだろう。

 

「めちゃ美ちゃん、マジ最高なんだけど!!」

 

 めちゃ美の手を取り、喜びを表す優愛。

 無邪気に笑いかける優愛に対し、めちゃ美は苦笑いを浮かべながら目線を逸らす。

 そんなめちゃ美の態度を気にせず、お礼を言い続ける優愛。

 

(全くめちゃ美のヤツ、反応が人見知りのオタクじゃないか)

 

(そういえば、出会ったばかりの頃のオタク君もこんな反応だったな)

 

 過去のオタク君と同じ反応で、こうやってオタク君やめちゃ美が目を逸らすのは、嫌がっているのではなく照れ隠しだと分かっている優愛。

 なので、優愛は感謝の気持ちを伝えようとグイグイ行くが、グイグイ来られためちゃ美は顔を真っ赤にしてフヒフヒと、既に爆発寸前である。

 

「特に目のメイクが凄いですね」

 

「そうそう。ほら見てよオタク君。私の目めちゃくちゃデカくね!?」 

 

 めちゃ美の反応を楽しんで見ていたオタク君だが、流石に可哀そうに感じたのだろう。

 フォローするためにあえて話題をずらす。

 優愛が特に気に入った部分のメイクだったのだろう。今度はめちゃ美からオタク君に標的を変え、優愛がマシンガンのようにメイクの良さを伝える。

 普段よりも目が大きく見えるようにメイクしたために、眼力が強くなっている優愛。

 そんな優愛の眼力に、オタク君が当然耐えきれるわけもなく、段々と顔が近づいてくる優愛に対し苦笑いを浮かべながら目を逸らす。

 

(相方、その反応キョドってるオタクっすよ)

 

 オタク君の反応をほくそ笑みながら見守るめちゃ美。

 オタク同士の悲しい罵り合いである。

 

「そういえば、オタク君この後行く予定の場所ある?」

 

 一通り興奮し終えた優愛。

 文化祭は始まったばかり。このまま色々と見て周りたいのだろう。

 

「いえ……特には」

 

 元々どこかへ向かう予定の無かったオタク君。

 めちゃ美に頼まれて、めちゃ美のクラスへ来たがそれ以外はノープランである。

 

「それならD組で映えスポットとかやってるっすから、写真撮ってくるのとかどうっすか?」

 

「えっ、何それ!? オタク君それ行こう!!」

 

「あっ、はい。分かりました」

 

 オタク君の返事を待つまでもなく、既に腕を引いて行く気満々の優愛。

 

「良かったら、めちゃ美とその友達も一緒に行く?」

 

「あー、自分達はまだクラスの手伝いがあるっすから、相方と優愛先輩で行ってきてくださいっす」

 

「そうか」

 

 分かったと手を上げて、めちゃ美の教室を出ようとするオタク君。

 そんなオタク君の腕を、優愛がガッチリ掴みながら早く行こうと急かす。まるで散歩を待ちきれない犬である。

 そしてたどり着いた一年D組、そこには列が出来ていた。主に女性の。

 流石映えスポットである。

 教室の入り口や窓には暗幕がかけられているせいでどのような内容かは分からないが、これだけの列が出来ており、教室から出た女性たちが口々に「良かった」と言っているので、映えスポットとしての出来は良いのだろう。

 

「めっちゃ並ぶじゃん……」

 

 写真を撮るだけなら他の場所でも出来るだろう。

 だが、せっかく普段とは違うメイクをしたのだから、良い場所で撮りたいと思うのは当然である。

 とはいえ、優愛一人ならともかく、オタク君も一緒である。

 この手の列で並んでいる際に、カップルの痴話喧嘩を見かけることがある優愛には、男の子には苦痛なんだなというのも理解はしている。

 なので、一旦諦めて、後でリコと一緒に来ようかと悩んでいる時だった。

 

「カップル専用スポットでしたら先に案内出来ますが、如何でしょうか?」

 

「「えっ!?」」

 

 一つ学年下の少女に唐突に声をかけられ、驚くオタク君と優愛。

 驚いたのは声をかけられたからではない。カップルだと言われたからである。

 ただ男女一緒にいただけでカップル扱いはどうよと思うオタク君と優愛だが、オタク君の腕に、両腕を絡ませてる優愛。どこからどう見てもカップルである。

 そして、言われて自分たちの格好に気付いたオタク君と優愛。

 

「ど、どうしようか?」

 

「ぼ、僕は別に構いませんよ?」

 

 カップルと言われ、顔を赤らめる優愛だが、オタク君から腕を離そうとはしない。

 

(ここで離れたら、嫌がってると思われてオタク君が傷つくかもしれないし!)

 

 必死に自分に言い訳をしながら、絡ませた腕に力を入れる。

 

「はーい、それではカップル一組ご案内です」

 

 女生徒の透き通るような声が廊下に響く。

 並んでいた女性達だけでなく、通りがかった人たちもオタク君と優愛を思わず見てしまうのは言うまでもない。

 女生徒の後を視線を斜め上にしたオタク君と、俯く優愛が歩く。

 周りから暖かい目線で見守られながら、D組の教室へ入って行く。

 オタク君と優愛。彼らがどんな写真を撮ったかは、二人だけの秘密である。




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