器ゼロの使い魔   作:垂直抗力

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16 罵詈雑言の裏側

 

 

 成果ゼロに終わった休日が明け、憂鬱な平日が日の光と共に訪れる。つまらない日常の訪れを認識し、ルイズが窓の外を睨みつける。

 日光を全身に浴びても、睡眠不足による疲労が解消される気配はない。今すぐにでもベッドに寝ころびたい欲求を押さえ、地べたで吞気に眠りこけている存在を目に映す。

 

 昨晩は穏やかな気持ちで眺めたものだったが、今の寝不足のルイズには猛毒だった。自身の心情を知らぬ存ぜぬと言った形で眠る姿に、沸々と怒りが生じ始め――、

 

「レグルス、朝よ。起きなさい。使い魔がご主人様よりも遅くまで寝ていちゃだめじゃない」

 

 だが、そんな理不尽な八つ当たりをしたら、また面倒な舌鋒合戦が始まる。とてもそんな気分じゃなかったので、可能な限り穏やかな起こし方を選んだ。ゆさゆさとレグルスの体を揺らし、彼の意識の覚醒を待つ。

 ルイズにしては、配慮に配慮を重ねたつもりだったが――、

 

「――!」

 

 パシッという音とともに、ルイズの手がレグルスに跳ねのけられた。その一撃に明確な拒絶の意志を感じ、ルイズの体が固まる。昨晩から続く出所不明の悪寒が、彼女の思考に暗い影を落とした。

 

 この一週間は、本当に空白の時間だったのではないかと。

 

 使い魔とのこれ以上ない距離を実感させるには、今のは十分すぎる拒絶だった。会話よりも先に口舌合戦――そんな不毛な一週間が、お互いを知るのに費やされていたと、本当に言えるだろうか。

 口を開けば罵詈雑言、気に食わなければ暴力三昧。この壊れた関係性から、少しの進展があっただろうか。あるはずがない。

 

「……でも、へこたれている場合じゃないわ」

 

 ただでさえ、魔法の腕で他の貴族に後れを取っているのだ。使い魔一つ従えられなくて、何が貴族か。今は会うことができないけど、最低でも姉と幼馴染の二人、ルイズを認めてくれる人間は確かにいる。彼女たちに胸を張れるような貴族に、自分はならないといけない。

 

 そんなルイズの目の前で、レグルスが起き上がり始めた。彼ののっそりとした動きを眺めつつ、彼女は新たに決意を固める。

 レグルスへの歩み寄りに力を注ぐという、彼女にしては低姿勢な決意を。

 

――使い魔からの初の一撃による手の痛みを、できるだけ無視しながら。

 

 

 

 『誰かに触れられる』ことは、『強欲』の大罪司教、レグルス・コルニアスにとって不慣れな感覚だ。権能に守られた百年の歳月は、彼の肉体から人としての当たり前を奪うのに、十分な時間だった。

 故に、睡眠時の外部からの刺激に、レグルスの体は異常なほどの拒否反応を示した。無意識の防衛本能を使い、自身の体に触れた存在を弾き飛ばしたはいいが、その下手人が気になってくる。

 閉じていた彼のまぶたが徐々に開き、視界に映ったのは――、

 

「……はぁ。なんだ君か」

 

 同室のわがまま女、ルイズだった。正直、拍子抜けだ。

 自分より早く起きていることも意外だが、もっと鋭い攻撃を過去に彼女から喰らった身からすれば、さっきの接触は、ささやかすぎて気味が悪い。

 寝ぼけまなこでルイズを見ていたレグルスだったが、じっと自分を見つめている彼女の視線に耐え切れず――、

 

「おはよう。僕より早く起きるなんて、どういう風の吹き回し? やっと、いつも早く起きている僕に敬意を評することを覚えたわけ? それとも、ろくでもない用事に僕を付き合わせるための口実にでもする気か?」

 

「…………そんなこと、しないわ」

 

「は?」

 

「使い魔の意志を尊重することも、ご主人様の務めだもの。ちょっとくらいなら要望はきくわよ。…………で、出来る範囲でね」

 

「…………本当に、何のつもり?」

 

 挙動不審なルイズの態度に、レグルスの中に感激より先に怖気が来る。一体、身勝手を通すこの少女に何が起きたのか、まるで分からない。昨日までの彼女は、自分を労わるような博愛精神を持った人間ではなかったはずだ。

 何か、ろくでもないことでも企んでいるのか。そんな疑念を顔に表すレグルスを、ルイズが不愉快そうに睨みつけ、

 

「変な目を向けてこないで。使い魔がちゃんとしていれば、わたしだって拳以外のものをくれてやるわよ」

 

「開口一番に自身の暴力を正当化するってどういうこと? それに僕が聞きたいことはそんなことじゃ――」

 

「おはようございます! あれ、ミス・ヴァリエールがもうお目覚めとは、珍しいですね」

 

 空気の読めないタイミングで、毒舌メイド――シエスタが入ってきた。それを見るとルイズは立ち上がり、シエスタの方へ向かっていった。

 その不自然な話の切り方に、レグルスの彼女への懐疑心が強くなる。シエスタに髪をとかされているのを見る限り、いつも通りなのだが。

 

 ちなみにルイズの着替えの時間も、レグルスは部屋の外には出されることはない。最低限の常識を考えて出ていこうとしたが、『使い魔だから出ていかなくて良い。見たら殺すけど』の一言でその場待機を命じられた。

 もっとも、レグルスとしては彼女の裸体など興味の外なので、見るという発想すらなかったが。

 

「終わりましたよ、レグルスさん」

 

 シエスタが準備の完了を伝え、レグルスが目を向けると、すっかり元の学生服になったルイズ。しかし、いつもの高圧的な面は鳴りを潜め、居心地の悪いような、距離間を測りかねているような、そんな形容しがたい顔をしている。

 というか、さっきからいつもの傲慢さに陰りが出ている気がする。歓迎すべき状況のはずなのに、やけに癪に障った。

 

「人を測るような目で僕を見ているけど、何のつもり? やましいことがないのなら、もっと自然に人の目を見れると思うんだけど」

 

「何も考えてないわよ」

 

「僕に嘘をつくなよ。もう裏切られるのはごめんだからね」

 

「…………」

 

 レグルスのその言葉に、ルイズの表情が僅かに歪んだ気がした。

 

 

 

 体をふらつかせながら、ルイズは教科書を小脇に抱え、歩き出した。

 レグルスはその様子を訝し気に眺めるも、これでやっと一人になれると胸が躍る思いだったが――、

 

「はあ!? また僕を引っ張り回すつもりか! いい加減、君の傍にいるのも飽きが回る。不変の状態が許されるのは、僕が理不尽さを微塵も感じない時だけだ」

 

「何回も言わせないで。アンタを一人にするつもりはないわ」

 

「さっきは意志を尊重するとか言ったよね? 自身の発言に責任くらい持ってくれない?」

 

「こ、これは、ろくでもない用事じゃないもの。あ、アンタにも必要なことよ!」

 

 反論しがたい正論に、ルイズの言葉から整合性がなくなっていく。そこをレグルスは見逃さない。

 

「僕を君の子どもか何かと勘違いしていない? 君に僕をどうこうする権利も『資格』もないくせに」

 

「ッ――!」

 

 言われたくない所を突かれたように、ルイズが顔を強張らせる。だがレグルスにとっては、今の彼女の事情なんてどうでもよかった。

 さんざん、不毛な日々を送らされてきたのだ。一人で過ごすことの何が悪い。元々、自分は個で完成された人間なのだから。

 しかし、そう思った瞬間、レグルスは見落としていたある事実に気づき――、

 

「うるさいわね! 黙って言うことを聞いてればいいのよ。アンタはわたしの――」

 

「それ以上戯言を抜かすなよ。無敵の理論だと考えているのは君の中だけだ」

 

 どうせ理解不能の超理論が飛び出すだけだ。そんなのをまともに聞くつもりはない。だが、冷静に考えてみれば、平日の女子寮を探し回ってもみんな講義に出ているのだから、理想の女性を見つけられるわけがない。

 

「いい加減分かれよ。君は人を捕まえて使い魔とか言い出す異常者なんだってことをさ。それ以上でもそれ以下でもない。だけど、僕と君の利害は一致している。僕はこれから教室とやらの部屋に向かうけど、それはたまたま行き先が同じなだけだ」

 

 レグルスの目的は、ルイズと同じ行き先にある。

 それなら、彼女の申し出を承諾してやった方がいい。そんな魂胆もあって、レグルスは教室に向かうことにしたのだが――、

 

「何ぼうっと突っ立っているわけ? 限られた時間を無駄にできる程、君は自身を過大評価しているのかな? そもそも僕はその部屋の場所を知らないんだから、さっさと案内してほしいんだけど」

 

「…………なんでもない」

 

 弱々しく返ってきた言葉と共に、ルイズはレグルスの横を抜け、さっさと歩いていく。横切った瞬間のルイズの顔は、髪に隠れて良く見えなかった。そのままこちらを一瞥もせず先行していく彼女を見て、レグルスは首を傾げた。

 

 

 

 ルイズが平日講義を受けている中、レグルスは怪我で看病されていたため、彼が教室に入るのはこれが初である。

 ちなみに、レグルスは知らないことだが、教室は大学の講義室のように、黒板を生徒たちが上から見下ろすような形で設計されている。

 教師を見下ろす形になっている現状に、レグルスは内心満足感を得ていると――、

 

「お、あれは……!」

 

 視界の隅に移った青髪の少女に、興味が向く。

 休日の朝に図書室で出会ったタバサだ。会話に無駄がなく、満たされた自分との会話に付いてこれた素晴らしい人間として、レグルスの脳に記憶されている。完璧な無表情で、本を読み続ける勤勉な少女。

 いつまでも見ていたくなるようなその光景に、レグルスが口角を上げていると、

 

「…………どこ見てんのよレグルス。ちゃんと授業に集中して」

 

 余計なことを言う隣のピンク髪のせいで、この良い気分も台無しになった。見れば、隣の席で授業を受ける桃髪女の姿。そっぽを向いて、レグルスに顔を見せない。

 その姿が癪に障り、レグルスがルイズの頭を軽くはたく。

 

「何すんの馬鹿。貴族の頭を叩くなんて、処刑もんよ」

 

「集中も何も、今講義でやっているのは病室で君が教えた内容じゃないか。それを何でわざわざ聞かなくちゃならない? 時間の使い方は人それぞれだと思うんだけど」

 

「授業態度って知らない? 授業中の振舞いも評価対象よ」

 

「僕を評価できるのはいつだって僕自身だ」

 

「他人のアンタへの評価は、そのままわたしの評価になるんだけど」

 

「何だ、じゃあ利益も不利益を被るのは君だけってことか。一人ぼっちめ」

 

「アンタ……!」

 

「ミス・ヴァリエール」

 

 あと一歩でルイズを屈服させるところで、またぞやレグルスに邪魔が入った。見れば、いつまでも退屈な時間を押し付けてくる女教師だ。彼女の名前には興味がないので、レグルスは知るつもりもないが。

 

「授業中に使い魔とおしゃべりとは、随分余裕ですね」

 

「いえ、これは使い魔が」

 

 使い魔と呼ばれたレグルスだったが、追い込まれているルイズが愉快なので気にしてはいない。人を散々コケにしてきたつけが回ってきたのだ。せいぜい人前で大恥をかくといい。

 すると、その女教師はこんなことを言い出した。

 

「そこまで余裕があるのなら、この『錬金』という魔法を前で実演してみてください」

 

「――は?」

 

 思わず声に出てしまったが、レグルスは彼女の言葉に疑問しかない。

 ルイズは魔法を使えないのではなかったのか。それを知って、なぜあの女教師はそんな無理難題を口に出したのかが分からない。

 そう思い、レグルスが問い詰めようとした瞬間――、

 

「はい」

 

「どうしました、ミス・ツェルプストー」

 

「ルイズに魔法を使わせるなんて危険すぎます。どんな『錬金』が起こるか分かったものじゃない。それならあたしが、ごくシンプルな『錬金』をお見せしますわ」

 

「キュルケ、アンタねえ!」

 

 唐突に何か意味不明なことをキュルケが言いだし、隣のルイズが突発的に反応する。心底憎たらしそうにキュルケを睥睨するルイズには、いつもの彼女とはまるで違った風に見える。

 キュルケの言葉に急き立てられるように、ルイズが勢いよく立ち上がると――、

 

「やります! やらせてください!」

 

 どこか焦燥に満ちた表情で、ルイズが教壇のある階下に降りていく。

 そんな彼女に、レグルスは少なくない違和感を覚えた。同時に、ある種の怒りを覚えた。

 魔法を使えないというのは嘘なのか。彼女は自分に嘘をついたのか。

 そのことにレグルスは、裏切られたような気分になった。

 

 そんなどうでもいいことを気まぐれで隠すほど、自分はどうでもいい存在とみなされていたのか。

 それならば、『使い魔』の呼び名の方がよっぽどマシだ。『ノミ』なんてふざけた蔑称も笑い流してやる。だというのに、これはあんまりではないか。

 そんな彼らしくなく、感傷に浸るレグルスの耳に、周囲の雑音が入ってきた。

 

「ゼロのルイズがそんなことできるわけないだろ」「やめろやめろ」「これで何回目だよ」「どうせまた爆発だよ……ゼロはゼロのまんまでしょ」「無理だ」「時間の無駄でしょ」「いつもと変わんない」「ゼロに何かけてもゼロだろうが」「何で学院にいるの?」「ゼロの主と器ゼロの使い魔、本当にお似合いだな」「貴族として失格ね」「ゼロ」「ゼロのルイズ」「落ちこぼれ」「貴族なのに」「公爵家の生まれが泣くね」「ゼロ」「ゼロ」「落第」「ゼロ」「ゼロ」「ゼロ」…………………………………………………………

…………………………………………

……………………

………………

…………

……要するに。

 ルイズは嘘をついてはいなかったらしい。

 どうやら彼女が魔法を使えないことは事実で、どんな魔法を使おうと爆発に終わるのも本当らしい。自分を吹っ飛ばしたあの出来事も、彼女が自白した通り、『サイレント』という風魔法だったか? の失敗による被害らしい。

 

――ルイズが馬鹿にされる。

――ルイズの魔法が馬鹿にされる。

――ルイズの魔法による爆発が馬鹿にされる。

 

 自分の権能の上を軽々と行き、自分を屈辱で這いつくばらせやがった、あの憎たらしい爆発が、馬鹿にされるということは――。

 

 

 脳裏に、魔法を使えないことを告白したときの、ルイズの顔が浮かんだ。

 

 

――あの女の魔法にまんまと一撃を喰らわされた僕の、僕の権利を侵害する侮辱行為だ。

 

 

「――本当に、救いようのない奴らだよね、君たちは」

 

 つい言い放った。

 驚くほど感情の消え失せたレグルスの声に、水を打ったように教室が静まり返り、周囲の目が彼を串刺しにする。その一つには教卓の前まで来たルイズのものもあった。

 見上げてくるその目は、無理解を示している。そんな彼女に溜飲を下げると、レグルスは周囲の人間を見渡し、出来損ないの烙印を押すように、軽蔑しきった顔へと変えると――、

 

「本当にセンスがない。どいつもこいつも口を開けば『ゼロ』だの『落ちこぼれ』だの『ゼロのルイズ』だの、それしか言えないわけ? それ以外に言うことができないわけ? 貴族のくだらない見栄に囚われ過ぎて、見るべきものを見れてないんじゃないの? …………そんなこと、どうだって良いだろうが。お前らが魔法を使えようと使えなかろうと、どうせ僕の敵になることもできないんだ。そんな火やら水やらといった小手先の手品の出来映えなんかよりも、僕は何個だって彼女の欠点を挙げられる」

 

 そうだ。周囲の馬鹿どもは桃髪女の何を見てきたんだ。たった一週間の短い期間だったが、彼女の欠点はしつこい程に湧き出てくる。

 

 聞け、節穴貴族共。

 これが、個で満たされた人間を使い魔扱いする桃髪女の――全貌だ。

 

「人を痛ぶるときの下種な顔、僕の名前を悲しそうに呼ぶときの不細工な顔、僕を見つけたときの厄介者でも見るような失礼な顔、食べる量が減るだけで意地汚く不満そうにする顔………………顔だけでもこんなにあるぞ! こんなに僕をムカつかせる存在は初めてだ。他にも言えることは沢山――」

 

「やめてっ!」

 

 興が乗ってきたレグルスに、悲鳴のような怒号が突き刺さる。

 最初は、誰の声か分からなかった。いつも聞いていたはずのその怒鳴り声に、彼女らしい強情さが微塵も感じられなかったから。

 呆然と固まるレグルスに、教壇の前のルイズが、これ以上ない程声を荒らげる。

 

「やめなさい、レグルス! これは命令よ!」

 

 レグルスには分からない。いつもなら顔を真っ赤にしてこれでもかと反論する彼女が、どうしてここまで打ちひしがれたような顔をするのか。

 信じていた者に裏切られたような、絶望と悲しさの入り混じった瞳でこちらを見つめるのか。

 

「何が、……何が言いたいんだよお前ぇ! やめてほしいなら、まずその理由を話すところから――」

 

「使い魔のアンタに『庇われる』つもりはないわ! そんなことを許したら、アンタのご主人様でいられないじゃない……!」

 

「――! お前……」

 

 激昂するルイズの瞳から、一筋の涙がこぼれた。そんな彼女の表情の真意がレグルスにはやっと理解できた。

 百年という長い時間を『他者に見下されない』ことのみに費やしてきたレグルスだからこそ、気づくことができた。あれは、自分がどうしようもない人間だと世界に見なされたときの顔だ。

 

 間違いない。彼女は、ルイズは——絶望している。

 取るに足らない存在だと、惨めな存在だと、他者の言動が突き付けてくる痛みが、ルイズを泣かせている。

 

 それをやったのは、誰だ。

 実力不足を揶揄した周囲のクソ貴族? 余計な口を出したキュルケ? 無理を押し付けてきた女教師?

 否、まさか自分だという気か。——レグルス・コルニアスのせいにするのか。

 だが、それを認識しても、レグルスには『庇われる』の意味が分からない。自分のあの行動は、『ルイズ自身』を中傷するものでしかなかったはずなのに。

 ごしごしと、ルイズは涙を腕で雑に拭き取ると、

 

「……やらせてください、ミセス・シュヴルーズ」

 

「え、ええ」

 

 レグルスの罵倒がなかったかのように、教卓の上の石ころに魔法をかけるルイズ。自分に一瞥もくれない彼女の姿が、何だか別の人間に見えた。

 そんな状況に固まっているレグルスの目の前で、教卓の上を爆心地とする、大きな爆発が起こった。

 他の生徒が机の下に避難する中、茫然と立っていたレグルスはもろにその衝撃をくらい、ルイズの魔法に二度目の敗北を喫することになった。

 

 

 そんな状態で、レグルスの初授業は幕を閉じた。彼が次に目を覚ましたとき、そこにルイズの姿はなかった。

 

 

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