異世界は血と酒と共に   作:くらくらげ

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第1話

「待てっ!」

 ココはニューヨークの外れにある路地。

 そこには血の気が引き真っ青で怯えた警察と既に事切れているであろう男の首筋に歯を立て滴る血をすするヒトとは形容しがたい女がいた。

 

「なに?何か用でもあるの?」

 

 その女は女性にしては大柄で血のように紅く闇に解けるほどの黒髪、そんな髪とは対照的な白い肌。

 女は振り返り拳銃を向けてくる警察に向かって問いかける。

「ば、化物!う、動くk」

 警察が言い終わる前に女は目に見えない早さで警察の首を掴み爪を首に刺す。

「あ""…がぁ」

「あーあ、見て見ぬふりすればいいものを」

 警察は苦しみながら徐々に動かなくなっていった。

「はぁ...、サイアク!」

「酒でも飲みなお…」

 目の端を光が反射した金属をとられる

(刃物!!)

 顔をそらす

 シュッ

 女の頬に紅い線が入り鋭い痛みが目を冷まさせ冷静にさせる。

 頬に日本刀がかすったのだ。

 女は高く飛び次の攻撃からよける。

「日本刀?侍?」

 目の前には黒の衣装に身を包み日本刀を構える女侍?がいた。

「こういう時は…」

 女は横に飛び後ろに走る。

「逃げに限る!!」

 全力疾走としか表せることがないスピードで逃げ、侍が追いかける。

「ウザいなぁ」

 ナイフを取り出し侍に向かって投げる。

「ッ」

 その中の1本が侍の頬をかすり、距離が離れる。

「よっしゃ!」

 もうすぐ大通りという時に

「警察だ!動くな!!」

 目の前には大量の警察、後ろには侍。

「あーあ、ゲームセットですか…」

「仕方ないなぁ、はい捕まえるんでしょ」

 女は両手を挙げ、警察が手錠を付ける。そして振り向き侍の前に行き頬から滴る血液を舐めた。

「なッ」

「何をしているんだ!!」

 警察が後頭部に拳銃を向ける。

 女は振り返り

「何ですか?ただ血を舐めただけですよ?」

 無垢な少女のような笑顔で言う。

「は、早く連行しろ!!」

 両脇を警察に囲まれながらパトカーにつれてかれる。

「あぁ、ごちそうさま。美味しかったよ」

 そう言い残しパトカーに女は乗った。

 

「身分証明はどこだ?」

 警察官は財布をジャケットから取り問いかける

「持ってないわ」

 女は足を組み当たり前のように言う

「はぁ…名前は?」

 警察はあきれながらまた問う

「名前…エリザベートよ」

「ファミリーネームは」

「ないわよ、家族いないもの」

「無駄だ、署にいって確認した方がいい」

 

 女、エリザベートはパトカーの外を見つめている。その目はまるで外がどのような世界なのか憧れるこどものような、なにも知らない無垢な少女のようなその見た目とは釣り合わないいびつな女だ。

 そしてそんなエリザベートがこれから待ち受ける運命がどのようなことかこの時は気づいていない。

 もう、運命の歯車は壊れていた

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