一発ネタは一発ネタである。
そういうものなのだ。

魚類ここに記す。

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一発ネタオリジナル

「どうしよう」

 

そう呟くのは、かつて自分だったもの。

もっと正確に言えば、かつて自分だったものの心中である。

 

その思考を宿した"物"とは――。

大地に巨人よりも大きな根を張り巡らせ、世界すら支えれそうな巨大な幹と枝葉。

 

今もなお、緑々とした葉を風に揺らし、世界の中心に佇むソレ。

人々は言う。

 

「世界の始まりにはただ一つの木があった」

 

その木こそが、この大樹であり、そして――。

 

「どうしてこうなった」

 

思考を宿したソレそのものであった。

 

 

 

――――

 

 

 

俺は気づけば真っ白な空間にいた。

一次創作、二次創作で有名な展開だ。

そう言ったものを読みふけっていた俺は厨二病と言う不治の病も患っていた為にktkrと思っていた。

 

「お前にチート能力をやろう」

 

「やったぁ!! どんな能力だ!?」

 

「チート能力だ」

 

目の前の神を自称する老人とのやり取りが続く。

しかし、チート能力としか言われない。よくわからない。

 

「まあいいや、じゃあ転生させてくれんだよな!」

 

今思えばここでもっと問いただしておくべきだったんだろう。

だが、俺はこれからの展開に胸を躍らせていた。

 

無論、超かっこいい俺が超かっこいい技や魔法で俺ツエーをしながら、美少女奴隷を買いあさったりだ。

他には王女様を助けて、惚れられてしまったり、そんなテンプレートな最低系主人公最強ハーレム展開を妄想していた。

 

「往くがいい」

 

神を自称する奴に俺は送り出されて、そして――。

 

 

 

端的に言おう。

経緯を大幅に省略すると。

 

世界は滅んで、俺は樹木化した。

 

何があったかを説明しないと分からないだろうが、結果だけを説明するとこうなる。

俺に与えられたチート能力、それはまさしくチート能力であった。

 

全ての物理法則や論理法則、現象や事象、それらを十六進数によってプログラム・エミュレート出来る能力だ。

正に「チート能力」――つまり、正しい意味で、チート(データ改竄)能力であったのだ。

 

はっきり言おう。

何がどのパラメータかもさっぱりわからない。

どの数値が何を司っているのかがさっぱりわからない。プログラミングのプの字もかじってないど素人にこれはきつい。

サポートしてくれるソフトすらない上、ネット検索かければいいってもんでもない。

 

とりあえず俺は適当になんかやらかしてしまったらしく。

俺は、"俺の身体"を失い、結果、"樹木"となってしまった。

そうなってしまえば最早、俺に出来ることはない。

 

仕方ないから俺は、このチート能力の習熟に全てを費やすことにした。

何、今の俺はただの樹木だ。切られるべき時が来るまで時間がたっぷりあるさ。

 

 

そうして、時間を費やし、多大な失敗をしまくり、そして結果――。

 

 

世界は滅びました。

いや、うん。パラメーターミスった。

世界一つをパラメータしてるだけあって流石に膨大過ぎて習熟がかなりきつくいつかやらかすんじゃないかとは思ってた。

そんなわけで3000年ぐらいいじってたけどどうやら今日はその日だったようだ。

 

しかも馬鹿なことに、パラメータ弄りまくってたせいでどうやら俺の樹としての性能は世界崩壊にすら耐えられるらしい。

非常に不味い。3000年もプログラム弄ってたからもうハーレムとかどうでもいいけど世界一つ滅ぼすのはとてもきつい。

 

そんなわけでさらに2000年費やして世界を再生することにした。

 

 

――――

 

 

神話は語る。

 

多くの生命が生きたこの世界。

しかし、生命は欲にまみれ、互いに互いを殺し、奪い、犯し合った。

多くの血が流れ、多くの生命が失われていった。

 

幾つもの国が興り、幾つもの国が戦乱に消え、無辜の民であった者たちですら、罪を犯さずにはいられない。

そんな荒れ果てた世界に果たして、神が粛清を加えたのか。

 

唐突な滅びが起こった。

現在では大破局と伝えられているソレは、世界を余す所なく、悉くを食い破り、滅ぼしていった。

これがこの世界の終焉である。

 

しかし、ある時、一つの生命が芽吹いた。

それはとても大きな木となり、そしてそれは多くの光る種子をばら撒いたのだ。

荒廃した大地は豊かな緑を取り戻し、汚染された湖は清浄な色を取り戻す。

 

さらに種子がばら撒かれれば、それは新たな生命となって芽吹いていく。

こうして世界は再生された。

 

我々は過去の醜い争いを繰り返してはならない。

だからこそ我々は今日も祈りを捧げるのだ――あの"始まりの大樹"に。

 

 

 

 

 

あっれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??

必死になってプログラム組んで世界再生したら礼拝対象になっちまってたよ!!

何を言っているかわかんねぇと思うが俺にもわかんねぇっつーかこれもう人間に戻れねぇじゃねぇか!!

戻ったら信仰対象喪失による終末戦争発端のフラグだよ!! まじどうすんのこれ!!

 

チート能力まじ怖い何が怖いって何弄れば何がどうなるかある程度把握してきたけどまだわからん部分があるのが怖い。

って言うことはあれか、これ。

転生させてくれる神様ってこれ一個一個どうなってんのか理解してんだよね。

 

あ、まじお疲れ様です。ミスるなんてありえないプギャーって言ってた時が懐かしいです。5000年ぐらい前だけど。

なるほど、これはミスるわ。ほんと意味わかんねぇ。

 

皆もチート能力には気を付けような!!

 

"始まりの大樹"の研究はまだ始まったばかりだ!! ――――未完


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