怠け者の天邪鬼 作:一般通行天邪鬼
人里をでてはならない。それを破り探検をしにきた少女が一人。人里をでても基本的には無事であるが、例外も存在する。人食い妖怪。それに出会ってしまったら最後。生きては帰ってこれない。少女は不運にも人食い妖怪に遭遇してしまった。彼女は喰われる。ただ死を待つだけそう思われた。
「よう」
空気を読まないのは天邪鬼。妖怪でありながら人間を守るのは天邪鬼。少女の運命はこの時点で決まった。
「少し、邪魔する」
天邪鬼は能力を発動し、少女と何もない空間をひっくり返した。
「驚いただろ? 空間と人間をひっくり返すことで位置が入れ替わる。荒業にもほどがあるがな」
天邪鬼は笑い、人食い妖怪を見ながら。
「じゃ、邪魔したぜ」
消えた。
「ああ、大丈夫か」
天邪鬼は少女に問いかける。
「う、うん。お姉さんは?」
少女は心配そうに天邪鬼に声をかける。
「へへっ。見てただろ? 私が攻撃に当たることはほぼない。それより、人里まで帰れるか?」
天邪鬼は問う。
「うん」
「なら、送っていこう。襲われないとも限らないものだからな」
天邪鬼は少女を連れて人里に行く。
……
人里にて。
「あの子はいつ見つかるのですか!? 私はすぐに行きます!」
「待ってくれ! それでは貴方も危険だ!」
人里は混沌としていた。一人の少女がいなくなり、必死に捜索していた。
「おーい! 妖怪があの子を連れて!」
「すぐ行く!」
おっと。すこし誤解されてそうだ。言い方が悪い。
「あー。ここか?」
「うん! ありがとう! お姉さん!」
平穏な雰囲気であった。だが空気を読まない先生が一人。
「私の教え子になにをしている!」
一人の天邪鬼が弾幕に囲まれた。だが少女は天邪鬼を庇おうとした!
「な!」
先生は驚いた。当たり前だ。さらに驚くのは。
「ぐがああぁぁ!」
それを庇った天邪鬼だ。天邪鬼の弾幕が当たった腹部から血を出して倒れた。
「お姉さん!」
少女の悲痛な叫び声が聞こえる。
「お姉さん! 起きて! 私の為に、二度も助けてくれたのに!」
「え? そんな!」
悲痛な叫び声が聞こえた。だが天邪鬼は。
「ああ。あんたあれか?人里の先生か?」
普通に生きていた。
「な、なんで? そんなことより治療を!」
「ああ。大丈夫大丈夫。だってこれ」
天邪鬼は笑い。
「ケチャップだから。調味料。すこしもったいないけどね」
とんでもないことを言い放った。血ではなくただの調味料。
「そ、そのすまない。私、焦っていて」
「ああ。気にするな。あのタイミングは誰だってそう思う。私だってそう思う」
天邪鬼は笑いながらそう言う。
「あなたの名前を聞かせてくれないか?」
天邪鬼は笑う。
「ははっ。そうだな。いいぜ。私は」
天邪鬼は笑う。
「働き者の天邪鬼。鬼人正邪だ」
天邪鬼は笑い続ける。
次回「最弱?の天邪鬼」