機動戦士ガンダムSEED Destiny “M”   作:神谷萌

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注意
:アーサーのネタに関しては、公式のものではなく、SEED DESTINY本放映~放映直後の二次創作ネタとして流行ったものですが、会話の雰囲気を維持したいため、リブート前を引き継ぎました。


燃え上がる炎

「ハァ……ハァ……」

 赤髪をショートカットにした少女 ──── ただし、プラントでは成人 ────、ルナマリア・ホークは、新造艦ミネルバに配備・搭載される予定で、露天で駐機していた自身の機体の元まで走ってきた。ZAFT・レッドの制服を着ての全力疾走で、流石に息が上がり、それをわずかに整える。

「ハァ……あっちゃぁ~」

 ひっくり返っている上に、破壊された設備の残骸が瓦礫となってその上に降り積もっている姿を見て、ルナマリアは手で顔を覆う。

「ルナマリア、いったいどうなっているんだ」

 ほぼ同じ年格好の、金髪の整った顔立ちの少年、レイ・ザ・バレルが、ルナマリアに声をかける。

 同じようにミネルバに配属になる予定のZAFT・レッド組で、ルナマリアともども、教育課程ではマユと同期である。

 その為、彼の機体も、ルナマリア機の隣で仰向けに倒れ、瓦礫まみれになっていた

「私にも解んないわよ」

 ルナマリアは、両手の手のひらを広げて上に向けながら、そう言った。

「そうか……あまりいい状況ではなさそうだが……」

 レイが、眉を(ひそ)め、手で顎を支えるようにして、言う。

 歩哨や整備員が2人の機体に取り付いて、瓦礫の撤去を始めている。

「急いで、乗り込めるだけでいいから……」

 ルナマリアは、自機のコクピットハッチの上に飛び乗り、自身でも瓦礫を払い落とし始める。

 その時。

『そんなに戦争がしたいの!? アナタ達はっ!!』

 MSの外部スピーカー越しの声が、あたりに響く。

 ルナマリアやレイが、軽く驚きつつ、音源の方を向く。

 俗に「Gタイプ」と呼ばれる、特徴的なツインアイの機体2機に、同様のもう1体が、ビームサーベルを構えて、対峙している。

「この声……マユちゃん?」

 

 

「嘘だろ……ステラのやつ、やられちまったっていうのかよ!」

 アウルが、愕然としたような様子で声を上げる。

「コクピットに伏兵でもいたか……乗り込むまで気を抜くべきじゃなかったな……」

 スティングは、怒気を孕みつつも、悔しさを滲ませる声を出す。

 彼らはコントロールルームの襲撃に銃器やコンバットナイフを用いたが、整備員や警備兵を無力化した時点で、それらの武器を放棄してしまっていた。

『直ちに機体を停止させて投稿しなさい。今のうちなら、あなた達の生命の安全は保証します!』

「ちっ……ふざけんなよ!」

 アウルの乗る、VPS装甲が明るい青、両肩に曲面で構成されるフェアリングシールドが備えられた、ZGMF-X31S『アビス』が、ビームランスを片手に構えさせて突進してくる。

「っ!」

 マユは、咄嗟に左腕に取り付けられている機動防盾を構えさせる。

 ── っ!!

 ガイアの反応に戸惑いつつ、バチバチと火花を飛ばしながらビームランスの穂先を受け止めさせる。ガイアとアビスの間合いが詰まる。

「っ!」

 ガイアが、右手のビームサーベルでアビスに斬りつけようとしているのに気が付き、咄嗟にフェアリングシールドで受け止めようとしながら、間合いを取り直そうとアビスの身体を捻ろうとする。

「甘い、こっちだぁっ!」

 ドガァッ!

 ガイアの左脚で、アビスを蹴飛ばす ────

「っあ、まずいまずいまずい、オートバランサーが!!」

 アビスは別のハンガーに突っ込んで、格納されていた、ZGMF-601R『ゲイツR』ともつれ合う。

 一方のマユは、ガイアの腰が沈みすぎて、返って後ろに倒れかけたのを、ペダルを踏み込み、マニュアル操作で踏ん張らせる。

 ── やっぱり初期設定前だと、でも、条件はあっちも同じはず……

「アウル! くそっ……」

 スティングの乗る、ZGMF-X24S『カオス』が、アビスを庇うように動こうとするも、

 ダダダダダダダ……ッ…………

「!」

 カオスの周囲の路面やハンガーの残骸に着弾がある。

 式典用の白銀塗装になっていたZGMF-1017M ジン・ハイマニューバが、コロニー内の地面から離れると急速に弱まる重力の中で、飛行状態を維持しながらカオスに撃ちかけている。

「くそっ!」

「やめなさいよぉっ!」

 ドガァッ!!

「ぐぁっ!」

 カオスがビームライフルを構えてジン・ハイマニューバに撃ちかけようとするが、ガイアがシールドタックルでそのカオスを突き飛ばす。

「!」

 ガイアのコクピットにロックオンアラート。マユはガイアを、カオスを突き飛ばした勢いのまま、4脚形態に切り替え ──── そのまま、前転からの()()()状態になってしまった。

 ガイアが一瞬前にいたところを、飛び上がったアビスのフルバースト射撃が薙ぎ払う。立て続けにビームライフルで撃ってきたが、それはガイアの4脚形態時に腹部に装着される形になるシールドによって凌がれた。その直後、横転させて()()の状態にしてから、2脚形態に戻す。

「だっめだ、調整無しでこのモード(形態)は使い切れない」

 ── でも、だったらあっちは、奪った機体でどーしてここまでできるの?

 声に出して呟き、胸中で疑問の言葉を更に続ける。

『こちらLHM-BB01ミネルバ、ガイアの搭乗者はどなたですか?』

 通信越しに、マユにも聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「っ、このっ!!」

 ロックオンアラート。返答する前にガイアを振り向かせると、そこにカオスがいた。

 ガイアのビームサーベルで斬りかかる体勢に入ると、カオスがジャンプした。

「なっ!?」

「へっ!?」

 マユは反射的にカオスを追って跳び上がったが、その直下をガイアに対してカオスに隠れる位置にいたアビスの、胸部のカリドゥス複相ビーム砲の射撃が薙いだ。

 それが逆に想定外だったため、マユは間の抜けた声を出してしまった、──── が、

「うらぁっ!」

 着地する直前、右手に順手でビームサーベルを握ったまま両手を組ませ、アビスの脳天に打ち下ろした。

 

 

『うらぁっ!』

 ガギッ、ドガァッ!!

 外部スピーカーが入れっぱなしなのだろう、マユの声の直後に、激しい金属音が響く。

「この音……」

「いつも通りだな」

 各々自機の瓦礫撤去をやっていたルナマリアとレイだったが、それを聞いて、ルナマリアが引きつった笑みを浮かべ、レイが無表情を保ちながらそう言った。

「ルナマリアー!」

 自身を呼ぶ声を聞いて、ルナマリアは、反射的な動作で呼びかけた声の方、コクピットハッチの近くまで飛んでいく。

 最低限の瓦礫を退かし、コクピットハッチが開くようにしたところだった。実際に開いたハッチから、ルナマリアが自機に乗り込もうとする。

「機体の状態が解らん。無理だと思ったらすぐ引き返せ」

「解ったわ、ありがとう」

 コクピットハッチの整備員の言葉に、ルナマリアはそう言うと、身体を翻してコクピットのシートに収まった。

「降りて!」

 そう言いながら、ハッチを閉じつつ、起動スイッチを入れる。ディスプレイや計器のバックライトが点灯し、OSの起動画面が表示される。

 

 Jointed

 Enormous device

 Networks and

 Integrate system

 Core

 Element

 

 ZGMF-6017 Jenice-Apparition

 

 PS装甲ではない。横向きスリットのケインの下でモノアイが点灯し、残っていた瓦礫をパラパラと落としつつ、真紅の巨体が、上半身を起こす。

『レイ、退いて!』

 ルナマリアが外部スピーカーで言う。レイと整備員達が、レイ機から飛び降りた。

 ルナマリア機は、腕でレイ機の瓦礫を払うと、立ち上がった。

「とりあえず動力系は大丈夫……軽装なのがちょっと不安だけど、まぁなんとかするか」

 ルナマリアは、そう声に出しつつ、ザッと自機のコンディションをチェックした。

『先に行ってるわよ!』

 スピーカーでそう告げると、スラスターを静圧モードに入れ、3機のMSがもつれ合っている方へと自機を走らせていった。

 

 

「っ!」

 バチバチバチバチッ

 カオスのヴァジュラ・ビームサーベルを、ガイアが機動防盾で受け止める。

「!」

 ロックオンアラート、飛び上がったアビスが上空から狙っている事に気づくと、

「がっ!?」

 目前にいたカオスをシールドタックルで弾き飛ばすと、そのまま手に持っていたビームサーベルをアビスに投げつける。更にビームライフルを右手に持ち、アビスに2発、発射した。

「おわーっ!?」

 アビスが姿勢を崩したところで、マユは先程呼びかけてきた通信に接続する。

「ミネルバ、こちらガイア。搭乗者はアーモリー軍管区MS教練隊マユ・アスカです」

 そう伝えつつ、2機ともが視覚外に出ないようなポジションを取る。

『マユちゃん!? マユちゃんが乗ってるの!?』

 マユの方は気付いていたが、メイリン・ホーク、ルナマリアの妹である彼女は、その返答を聞いて、素っ頓狂な声を返してきた。

 

 

「この場の指揮は誰が採っている!?」

 現・プラント評議会議長、ギルバート・デュランダルは、不快感を伴った声で言う。

 彼は、翌日の式典に備えてアーモリー1入りし、同時に、この基地の司令部建屋で、突如、半ば押しかける形で会談を申し入れてきたオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハと、会談をもっていた。

 事件が発生した時、デュランダルは、カガリとともに基地内を視察しているところだった。

「あの3機に何があったのか、状況を説明できる者を連れてきてくれ」

 宇宙港へのエレベーターシャフトへ向かいつつ、側近にそう指示を出す。

「それと、オーブの姫は、どこに居られるか知らせてくれ!」

 最初にカオスとアビスが火砲を乱射した時の、着弾の爆発で、デュランデルはカガリとはぐれてしまっていた。

「ここは危険です!」

 エレベーターシャフトへの通路の入口で、デュランダルはZAFT士官に呼び止められた。

「宇宙港も攻撃を受け、損害が発生しています! 有毒ガスの濃度も高まっています、議長はシェルターへお入りください!」

 深刻そうな表情で、その士官はデュランダルに進言するが、

「冗談ではない!」

 と、デュランダルは苛立ちを隠さない声でそう言った。

「この事態に、状況も把握できない場所にいられるものか」

「では……せめて、ミネルバへ。装甲艦の中の方が安全です」

 士官はなんとか食い下がるように、そう進言する。

「やむを得ないか……えぇい!」

 

 

 その、ミネルバCIC ────

「あー、あー、マユ・アスカ」

 ZAFT・ブラックを着た、副長のアーサー・トラインが、メイリンが座る通信・艦内システムオペレーター席の傍らに立ち、一時的に借りたヘッドセットのマイクで、ガイアのマユに呼びかける。

「君に与えられた正式な任務を伝える。その試作機、カオスとアビスの捕獲だ」

『捕獲ぅ!?』

 アーサーが伝達した命令に対し、マユは、通信越しに、あからさまに不満そうな、不機嫌そうな声を返してくる。

『やってみますが、相手の機体の保証はしかねます!』

 マユの返事を聞いて、アーサーが軽く驚いた表情になる。

「保証はしかねるって、君、それは我が軍の……────」

 その言葉がマユの怒りを爆発させたのだろう、通信越しに癇癪気味の声が響いてくる。

『こっちは! OSの設定も終わってない機体で! しかも2対1で戦ってるんです! そのうえ生け捕りなんて、無茶だって、ちょっと考えれば解るでしょう、このエロゲ脳!!』

 直接の上官ではないことをいいことに、マシンガンのようにアーサーに怒鳴り返し、ドサクサ紛れに、一部で()()()()()()()()()()()()()()オタク趣味を付け加える。

「マユちゃん、言い過ぎ……」

 オペレーター席のメイリンが思わず言い、ミネルバ艦長、タリア・グラディスが、艦長席で眉間に手を当てるかたちで頭を抱えた。

『本気で生け捕りにしろって言うんなら、ジンやシグーなんて足手まといじゃなくて、もっとまともな応援をください!』

 マユがそこまで言った時、別のチャンネルで通信が入る。

『こちらルナマリア!』

「お姉ちゃ…………はい、こちらミネルバ」

『シルエットフライヤー要請可能ですか!?』

「艦長?」

 ルナマリアの言葉を受けて、メイリンは一旦、艦長席に視線を向ける。

「許可します」

 タリアは、視線をメイリンに向け、そう言った。

「はい、可能です」

 メイリンは、眼の前のコンソールに視線を戻して、言う。

「リクエストは?」

『ファルコン! すぐ出せるならフォースでも!』

「了解、ファルコンシルエット、射出準備!」

 メイリンが操作と格納庫への伝達をしつつ、姉のルナマリアに答えている最中に、ミネルバのCICに、デュランダルが、数人の、側近、SPを伴って、姿を表した。

「失礼するよ」

「ぎ、議長!」

 アーサーが、慌てた声を出して直立不動になる。タリアも、デュランダルを振り返って立ち上がった。

「議長……」

「状況を教えてくれるかね、タリア」

 

 

「一体、何がどうなっているんだ!?」

 デュランダルとはぐれてしまったカガリ・ユラ・アスハは、SP兼随員のアレックス・ディノとともに、少しでも安全な方へと避難している最中だった。

「あ……」

 カガリは、状況を確認しようとして、その光景を見て、立ち尽くしてしまった。

 “Gタイプ” と呼ばれる頭部デザインのMS3機が、2対1に分かれて取っ組み合いを続けている。

 その光景を見て、カガリはデジャヴを覚え、一瞬、呆然としてしまう。

「カガリ!」

 流れ弾が付近に着弾する。その爆風から、アレックスがカガリを抱くようにして庇った。

「ボサッとしないでくれ、君を死なせるわけにはいかないんだ!」

「す、済まない…………」

 カガリは、少し顔を赤らめつつ、申し訳なさそうにそう言った。

「いや、少しキツく言ってしまった。こちらこそ悪かった」

 アレックスは、そう言うものの、サングラスをかけた下の目で、周囲を見渡す。

 ── このままじゃ……

 あちこちに瓦礫が散乱し、鉄骨が散らばり、生身の人間が無事に歩いて避難するのは不可能なように思えた。

 ── あれだ!!

 見渡しているうちに、視界に入った、濃淡のブルーで染められた1体のモビルスーツに注目した。

「行くぞ、カガリ!」

「あ、あぁ……」

 アレックスは手を引いて、そのMSの、無人のコクピットに向かって走る。

「ど、どうする気だ?」

 コクピットの、パイロットシートの傍らに立ち、そのシートに捕まりながら、アレックスに訊ねる。

「起動してくれよ!」

 アレックスは、カガリの言葉には直接答えず、起動スイッチを押した。

 外見は、彼にとっては見慣れたジンだったが、コクピットのレイアウトはだいぶ変わっていた。

 計器類のバックライトが点灯し、ディスプレイにOS起動画面が表示される。

 

 ZGMF/TF-1017M RICK-Ginn Ocher

 

「ジンハイマニューバ……いや、ジンオーカーの宇宙型なのか……エクステンショナルシルエットシステム? 連合のストライカーパックみたいなものか……装着されていないが……」

「う、動かせるか?」

 ブツブツと口に出すアレックスに、わずかに不安そうにカガリが訊ねる。

「ああ、動かすだけなら問題ない!」

 アレックスの言葉を証明するかのように、リック・ジンオーカーは立ち上がる。

「今ここで、君を喪うわけにはいかないんだ!」

 

 

 先の大戦の最中、ZAFTもバッテリー機の稼働時間延長の研究を行っていた。

 しかし、中性子線・電子線阻害装置ニュートロンジャマーの効果を、一定の対象物に対して無効化するN(ニュートロン)J(ジャマー)C(キャンセラー)の実用化により、主体は核エンジン機計画に向けられる。

 この結果、ジンに始まる2足直立歩行型主力モビルスーツ開発の主体である、ハインライン研究所はそちらに動員され、ザウートが失敗作の烙印を押された上に、ZAFT地上軍の壊滅的損害により大気圏内、地上用・水中用モビルスーツの需要がなくなって開店休業状態になった、クラーク設計局に持ち込まれた。

 同局は地上戦の中でも砂漠戦用に作られたTMF/S-3『ジンオーカー』に着目し、稼働時間延長のために、潜熱回収スターリングエンジン併用低温ヴァルタータービン・レンジエクステンダーを搭載した実証機が作成された。

 ところが、この最中に連合-プラント間は休戦、ユニウス条約によってNJCの軍事利用が禁止されると、開発中のZGMF-X999Aが水子になりかけ、バッテリー機のZGMF-X1000のプロジェクトに変更される。

 だが、核エンジン前提で開発が続けられていた換装型バックパックシステムは、連合のストライカーシステムのように追加バッテリー機能がなく、また行動中換装機能も持たなかった。

 行動中換装機能は、出撃中の換装を前提とするとパイロットに高い適応性を求めるために重視しなかったのだが、核エンジンが使えなくなったことにより、追加バッテリー機能と行動中換装機能をもつ換装型バックパックシステムの必要性がある、と、クラーク設計局のレンジエクステンダー搭載型ジンオーカー研究チームが提案した。

 その時、量産型主力MSとは別に、高性能機研究・開発として展開する “セカンドステージシリーズ” の、ZGMF-X56Sの為に開発されていたシルエットシステムのインターフェイスを共有し、その後方互換性を確保した拡張型として、追加バッテリーを搭載可能とした換装型バックパックシステム「エクステショナルシルエットシステム」を用意し、同時にレンジエクステンダー搭載型ジンオーカーの発展形を提示。

 動力の変更による全面的な設計見直しでもたついていた、ZGMF-X1000やZGMF-X2000の “ニューミレニアムシリーズ” のコンペティションに食いんだ ────

 

 

「!?」

 双方に緊張が走る。

 ガイアと、アビス、カオスが対峙している中、アレックスとカガリが乗ったリック・ジンオーカーの立ち上がる姿が、爆煙の向こうに浮かび上がった。

「新手かよッ!」

 アウルが、そう言いながらフェアリングシールド内蔵のバラエーナ改2連装ビーム砲を、そのリック・ジンオーカーに向ける。

「いけないっ!」

 言葉と同時に、マユは、ガイアをアビスとリック・ジンオーカーの間に割り込ませる。

「このっ、踏ん張れっ!!」

 アビスの射撃はガイアのシールドで受け止めたが、その勢いでカオスはリック・ジンオーカーの方へ何歩か、転がるように下がり、リック・ジンオーカーに激突し、一緒に倒れ込んでしまう。

「ぐぅっ!!」

 その衝撃で、リック・ジンオーカーのコクピットで、腕力だけでシートに掴まっていたカガリが、コクピットの壁に身体をぶつけて、くぐもった声を上げてしまう。

「カガリ!」

 アレックスが、慌ててカガリに視線を向け、声をかける。

『ごめんなさいっ、大丈夫ですか!?』

 リック・ジンオーカーのコクピットの、通信用ディスプレイにマユの姿が表示され、慌てた声が聞こえてくる。

「いや……大丈夫だ、助かった」

 アレックスは、一度視線を通信用ディスプレイに向けてそう言うも、

 ── いくらZAFTでも、あんな小さな子が、それも赤服だって!?

 と、サングラスの下で、怪訝そうに眉間に皺を寄せた。

「もらったぁあぁぁ!」

 マユが、目の前のリック・ジンオーカーの搭乗員に詫びている間、ガイアが体勢を立て直しきる前に、アビスがビームランスを構えて突撃してくる。 ────

 ドギャッ

 別の、強烈なタックルがアビスを襲った。そのまま、フェアリングシールドを踏みつけてのしかかる。

 赤いMSは、アビスのフェアリングシールドに踏みつけながら、左肩にマウントされているアンチビームバックラーから、それに収められているタイフーン レーザー対装甲アキナスを抜くと、付属しているストックを伸ばし、西洋長巻(パルチザン)形態にする。

 上胸部の左側に短銃身ビーム・リボルバーカノン、右側にあるオプションスナップにはエクステンショナル・アレスター。

『ごめんマユちゃん、遅れた』

「ルナお姉ちゃん!」

 孤立無援の中に現れたルナマリアの声に、マユは明るい声をだした。

 

 ──── ヴァルタータービン・レンジエクステンダーによる稼働時間延長、追加バッテリー付行動中換装型バックパックシステムなどを採用しつつ、軽装時でも格闘寄りの汎用機としての機能を備えた事で、自身に対する2つの競作機の双方のコンセプトを1機種で満たしうるとして、ZGMF-6017『ジェニス』シリーズは、正式採用を勝ち取った。

 





はっはっは、悪ノリ悪ノリ

本文で説明する余裕があるかどうかわからないのでここで説明しますと、ZGMF/TF-1017M リック・ジンオーカーは、ZGMF-6017の技術を使いつつ、ジンの部品を使ってヴァルター・レンジエクステンダーとエクステショナルシルエットシステムを装備している機体で、ユニウス条約下でのジン、シグー更新用となっています。

次は多分別の作品書きます。


具体的な感想をいただけると、続きを描くことが捗ります。
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