青春ヲカケル旅人   作:物好きな人

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 今回はブルアカ要素ほぼ無いです。
 ちょっと短め。


「マホロアとアノトキ」

 ハーイ、アイムマホロア。

 

 マッタク、先生ったらケチだよネェ。昨日、ハルカンドラについての本を読むために抜け出そうとしたらいつの間にか背後に立っテテ止められたンダヨ。

 

 また徹夜するノカって叱られチャッタネ。先生モ仕事が一段落してたミタイデ、その後二人で仲良くオネンネ。明日読めばイイカと思ってアノトキは抵抗セズに引きずられてたネェ。

 

 デ、今日。今日は自由登校日ダカラ、特にこれとイッタ予定もナイ。ツマリ、時間がタップリあるというコト。サッソク、図書館に行くヨォ!

 

 

 

───

 

 

 

 図書館。今日はアヤネはイナイみたいダネ。静かな図書館を歩いて、件の本へと向カウ。……ヨシ、同じ場所にアルネ。コノ本、見た目が地味ダカラ、チョット見つけにクイナ。

 

「ハルカンドラ探究」ヲまた手に取って読み始メル。

 

『……ハルカンドラについての記述は前述したように少ないが、しかしその記述にはある共通点がある。それは、彼らが非常に高いレベルの文明を持っていたと書かれていること。現代の我々が見たら、魔法のように感じる技術を彼らは持ち合わせている。

 曰く、「夢を生み出す泉」「願いが実現する機械」などといった物があったらしい。しかし、学会などではこの内容に適したオーパーツが出土していないこと、そして内容にばらつきがあることなどから認められていない。ゆえに、ハルカンドラはあまり一般に知られない存在となっている。これについて私は……』

 

 ナルホド、どうやらボクが持っている知識とは大差がなさそうな内容ダネ。チョット期待して損したナァ。デモ、この本を読む限リ、今まで出土されてないダケでこれからハルカンドラ由来のモノが発掘される可能性が非常に高イ。

 

 何故ッテ?ソリャ、ハルカンドラ人が取引を行ったノハ事実ダカラ。冒頭ではナンカ否定的に書かれてたケド、記録として確定できるクライには残ってイルラシイ。

 そして、ボクはハルカンドラの機械が今モ動いてイルのヲ見てイル。つまり、その内発見されるんジャネってコト。

 

 これでもボクはハルカンドラを研究してたからネ。それっぽいモノは見分けられるハズ。コレからハ、ニュースにも目を光らせる必要がありそうダネ。

 

 一通り読み終わったコトダシ、ちょっと背伸びシテ外を見ル。外デハ、空一面に広がった雲からポタポタと雨が降り始めてイタ。……ボクが図書館にキタ時は晴れてたんだケドナァ。

 

 トリアエズ本を戻して先生のトコロにデモちょっかいをかけに行こうカナなんて思いツツ、入口へと向カウ。

 

 外の雨ハ、ボクに聞こえてくるグライ強まってイタ。

 

 足が止マル。一人でイル古い図書館、それに、強イ雨。日常デモたまにあり得る状況。ベツに、何かトクベツな訳じゃナイ。ソレなの二。

 

 ボクにはコレが、とても大事な場面のように思エタ。

 

 ドウシテ忘れてイタんだろうカ。ボクが初めて成し遂げたと思うコトが出来たアノ時ヲ。

 

 

 

───

 

 

 

 魔術学校時代。

 

 当時のボクは、成績は良い方ダッタ。デモ、一番じゃナイ。一番ニハ、いつもボクじゃない誰かがイタ。ソイツが誰だったカまでは覚えてナイ。ケド、ボクはソイツをいつか超えてヤルンダと意気込んでた時モアッタコトは覚えテル。

 

 学友にはイタズラを仕掛けつつ、彼らに悟られないヨウに努力してた日々。ケド、ボクが一番になれるコトは無カッタ。

 

 その理由モ、ボクは分かっテタ。

 

「魔術の発展」。

 

 一番だったソイツにできて、ボクを含む大半ニハ出来なカッタコト。小さい時カラ出来るヤツなんて、ソウソウ限られテタ。

 

 デモ、ボクはずっとそれに挑戦し続けてイタ。モチロン、発展は趣味の領域デ、魔術師とかしか使わないんだケド、ボクは納得いかなカッタ。

 

 ナンデ、アイツに出来て、ボクにはできないノカ。

 

「才能」の二文字が頭をよぎル。デモ、スグにその文字を振り払うように、また努力をスル。

 

 ナニモ進展しなカッタ。

 

 ソンナ事バッカリしてたカラ、成績も少し落ちて、ボクは焦っタ。早く何か出来ないト。そう思いながら、図書館に入り浸る日々が続ク。

 

 モチロン、教師モいたヨ。デモ、当時のボクには変なプライドがアッタから、何にも質問シナカッタケド。

 

「魔術の発展」に使われる魔術はどれも基礎を応用しているに過ぎナイ。デモ、基礎を複数で、しかもとても高いレベルで要求サレル。……マァ、全盛期のボクはほとんど使えるようになってたんだケド。

 

 ダケド、さっき言ったヨウに当時のボクは一つモ出来やしなカッタ。タクサンあるノニ、一つモ。

 

 いよいよ焦りが限界に達していたボクは、「発展」に関係スル本だけを読むようにナッタ。当然、基礎が段々おろそかにナルカラ、成績も下がる一方。トンダ悪循環ダネ。

 

 ソレからも、本を漁るように読み続けるボク。いつの間にか図書館には人がいなくなってて、ボク一人だけになってイタ。それに気づいたのは、人の物音がしなくなって、雨の音が聞こえるようになったカラ。

 

 ソンナ時、コンナモノが目に留まッタ。確か、冒頭のトコロだったカナ。

 

『これから記述する魔術は、言ってみれば先人の真似事をしているに過ぎない。真に価値があるのは、たとえ不出来でも自分自身でまず魔術を作ってみることだ。確かに、ほとんどの魔術は既に試されているのかもしれない。上位の魔術があるのかもしれない。

 しかし、作り試す過程こそが糧となるのだ。たとえ、この本の魔術が全部できたからといって、自分で魔術を生み出せないような者は魔術師ではない。

 この本は、そういった者を生み出すために書いたものではない。ここにある魔術を参考にし、未来につなぐ者を生み出すための本である。それを忘れないように』

 

 まさに、今のボクにクリティカルヒットする内容だったネ。それを見てハットしたボクは、自分だけの魔術を生み出そうとシタ。

 

 もちろん、基礎の理論モ大事にナル。再び基礎の勉強から入ったボクには、もう焦りは無カッタ。ボクは出来ル。なんとなくそう思っていたカラ。

 

 ボクはその本に書いてアッタ魔術の一つ「シックス・ボウル」に目をツケタ。これは「魔力球」の発展デ、魔力球を六つ生成して、自分の思うがままに操作できる発展魔術。

 

 当然、並列思考が必要にナルシ、六つも生成スルカラ、魔力の消費も凄いコトにナル。ボクは、その魔術の写しをいじって、生成する魔力球を三つに変更スル。

 

 三つにした理由は、二つダト弱すぎるカラ。魔力球と大差ない威力じゃ、使う意味モ薄いシネ。ソシテ、四つ以上ダト魔力の消費が大きくナル。連発を前提にスルから、使う魔力は少ない方がイイ。

 

 そして、どんどんボクが思うままに書き換えてイク。

 

 自分で操作スルのは多分無理ダカラ、直進スルようにシテ、デモそれだけダト避けられるカラ、惑わすために回転スルようにシヨウ。

 

 ……ソンナ感じで書き換えて、書き換えて。ちょうど閉館時間になった頃に、それは完成シタ。本を棚に戻シテ、すぐさま試しに外に出る。

 

 外は雨がたくさん降ってイタケド、それも気にせずに、雨に打たれながら、自分の魔術を試ス。

 

 成功はシナカッタ。デモ、ボクは諦めたりナンテしなカッタ。魔術の写しも雨で読めなくナルほどにじんでしまったケド、それを完全に暗記してイタボクは、何度も繰り返し続けケル。

 

 小一時間ホド立って、やっとコツをつかんでキタ。プロセスをイメージして、段階を踏みながら魔力球を生成スル。

 

 ……出来タ。見事放たれた三つの魔力球は、回転しながら直進スル。ある程度進んだところデ、ソレハ消滅シタ。

 

 ヤット、カ。まだ持続に難があるケド、これは、正真正銘、「ボクの魔術」。

 

 つまり、ボクが名前を付けられるンダ。クックック、どんな名前にシヨウカナ?せっかくボクが使うんダカラ、強い名前の方が良いに決まってるよネェ。

 

 そうだナァ、これからボクは魔術師に一大ムーブメントを起こすカラ、それをイメージした名前にシヨウ。それと、元にナッタあの魔術の名前モ取らないネ。

 

 ウーン……ア!いいのが思いついたヨ!

 

()()()()()()()()()()()」ッテいう名前にシヨウ!

 

 そうこうしてイルウチに、いつの間にか晴れてイタ空がボクを照らしてイタ。

 

 

 

───

 

 

 

 ……ジブンの在りし日を思い出ス。今のボクも、似たヨウナものかもしれナイ。

 

 魔力を全部失って、何もできなくなったボク。少しずつ取り戻してきているケド、ジブンからまた習得しようとはしていなカッタ。

 

 またいつか出来るようになるデショ、っていう一種の諦めがアッタカラ。

 

 デモ、ソレは間違いダッタって思い出すコトが出来タ。……ヨシ。

 

 すぐさま図書館ヲ出て、校舎から校庭に出ル。雨でずぶぬれになった校庭を傘も無く駆ケル。

 

 そして、アノ時のように、魔法陣を生み出ス。ケド、その魔法陣はすぐさま消失してシマウ。魔力球になる時ダッてアッタ。何度も何度も、失敗シテ、また試して。

 

 ケド、ボクは諦めたりナンテシナイ。「今日はもういいカ」ナンテ思わナイ。今日ココで、やり切ってヤル。降り続ける雨。そんなものに構う余裕は無イ。

 

 三十分、一時間、一時間半、二時間。どれだけ試したダロウ。もう、時間もおぼつかなくなってきた時、アノ時と同じ感覚ヲ掴んだ気がシタ。

 

 今度は、消えたりサセナイ。魔力球にもサセナイ。

 

 そう思って、精一杯叫ブ。

 

「レボリューションボウル!!!」

 

 ソウ言うと共に放たれたのはボクの最初の魔術「レボリューションボウル」。最初ナだけアッテ全盛期のボクの魔術の中では一番簡単ダケド、それでもそんな思い入れがあったモノ。

 

 長年ズットコレを使ってキタ。もちろん、これより何倍も強い魔術だってアッタ。だけどボクは、コイツを強化してそれを上回ったンダヨネ。……いつか、それも使えるようになったらナァ。イヤ、使えるようにするんダヨ。

 

 ナンテ思ってたラ、レボリューションボウルは、結構離れたところにアッタ倉庫の壁をぶち破ッタ。持続性ハあの後チャント強化したからカネ。……ア、ヤベ。老朽化してるトハ言え、壊しチャッタ。

 

 マァ、ボクの魔術の必要経費と思エバ……良くないカ。

 

 コレは、大目玉を食らうコトになりそうダネェ。

 

 ソウ今後を見据えてイルト、ボクのカラダを打ってイタ雨がいつの間にか止んでイテ、虹がかかってイタ。

 

 アノトキのように。




登場人物紹介等
「マホロア」
 圧倒的独自解釈。
 努力家のイメージが強いためこんなエピソードが出来た。
 この後予測通り思いっきり怒られた。
 「レボリューションボウル」を習得した。


 マホロアにも彼なりの青春はあったのかなって。

ブルアカのメインストーリーでどの章が一番好きですか?

  • Vol.1 対策委員会編
  • Vol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編
  • Vol.3 エデン条約編
  • Vol.4 カルバノグの兎編
  • Final. あまねく奇跡の始発点編
  • Vol.5 百花繚乱編
  • EX. デカグラマトン編
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