青春ヲカケル旅人   作:物好きな人

25 / 30
お待たせしました。



「オモイ、ハンゲキ」

 ドーモ、マホロアだヨォ。

 

 ボクは今、ホシノと一緒にアビドス高等学校へと帰ってイル。血迷った彼女を連れ戻すのニハ随分苦労シタヨ。

 

 「保険」が一切効かない相手にハッタリだけで勝負スルノハ流石にキツイ。咄嗟に思いついたアノ方法で不利な条件を隠せたケド、最悪見抜かれる可能性もアッタ訳デ。

 

 でも、オカゲで今後使えそうなヤツと契約を結べタシ、結果オーライだヨネ。

 

 帰る途中ズット暗い雰囲気だったホシノを励ましながら、そう考えてイタ。ボクの励ましのおかげで、ホシノも元気を取り戻したラシイ。

 

 その代わり、ジブンの夢を笑われたボクが逆に拗ねて、ホシノに慰められテタケド。

 

 マァ、夢を笑われるコトには慣れてたカラ、半分演技だったんだケドネ。

 

 ソレで、結局ホシノには契約にさり気なく加えた六つ目の条項のコトを話シタ。

 

 その時ホシノがシテタ表情はケッサクだったヨォ。目を見開いて驚いてイタからネ。

 

「トーッテモ衝撃的ダッタみたいだネェ。ボクがソンナに優しいヤツに見エタカイ?先生じゃないんだからサ」

 

「……ううん。マホロアちゃんがアビドスのことを真剣に考えてくれたのが嬉しかったからさ。マホロアちゃん、最初は悪口言ってたしね~」

 

 からかい混じりにホシノがソウ言ってクル。その話はもうカンケーないダロ!

 

「その件はもう終わったと思ってたんだケド」

 

「いや、ちょっとからかってみただけ。……本当にありがとね。マホロアちゃん。私を止めてくれて」

 

「……感謝スルノハもう少し後に取っておいて欲しいナ。マダ全部終わったわけじゃナイカラ」

 

「……それもそうだね~。じゃあ、戻りますか~」

 

 一通り校門の前で会話を終えて、アビドス高等学校の中へと入るボクたち。すっかりいつもの口調に戻ったホシノが前を歩ク。

 

 そうイヤ、先生はちゃんと動いてくれたんだろうカ。「プランB?そんなものはないよ」とか言ってたカラちょっと不安なんだケド。

 

 冗談っぽかったシ大丈夫カ。ア、一つホシノに伝え忘れテタナ。

 

「そうイヤ、キミの退学届。ボクが前もって処理したカラ、ミンナにはまだバレテないヨ。……隠すか言うかは、キミに任セル。黒服のコトは良い感じにごまかすカラ」

 

「…………」

 

 ソウ言うと、ホシノは一瞬歩を止めたケド、そのまま無言で教室へ向かってイッタ。彼女どんな顔だったのかは、後ろから分かる訳も無かッタ。

 

 

 

───

 

 

 

「何か言い訳はありますか?」

 

 とりあえず教室に入ったボクらは、一緒に並んで座らさレタ。まるで裁判の被告人になったかのような気分ダ。ボクたちの対面ニハ、残りの対策委員会のミンナと先生が並んで座ってイル。

 

 全員、怒ってイルヨウだ。事情を知ってイル先生はそこまでじゃないケド、他の皆はそうじゃナイ。……退学の件を揉み消したのが響いてイルネェ。コレじゃ、単純にボクたちが大遅刻をかましたヤツになる。

 

 ちょっと考エル。コノ状況をいかに切り抜けるカ。隠すといった手前、ボクが真実を喋るわけにはいかないカラネェ。……ウン、やっぱりコレしかないヨネ。

 

 ちらり、とホシノを見る。彼女は複雑な表情を浮かべながら俯いてイタ。

 

 マダ話せないカ。

 

 ジャア、ボクが誤魔化しておこうカナ。

 

「イヤァ、ちょっとホシノと近くの公園で昼寝しに行ってたんダヨ。ホシノが寝たりナイってイウからサァ。困ったもんだよネェ。乗ったボクも悪かったケドサ」

 

 昼寝を口実に遅れたことにしてミタケド、ミンナの疑念、というか怒りはまだ収まっていないヨウダ。アヤネが率先して追及してクル。

 

「それなら、書置きくらい残してください!ホシノ先輩たちが突然いなくなって、不安だったんですから!」

 

「一応、先生には連絡してたハズ……」

 

「もう大丈夫だよ、マホロアちゃん。ごまかさなくても」

 

「……ソウカイ」

 

 ボクがさらに誤魔化そうとしているト、決心した顔のホシノがボクの発言を止めてキタ。……話す気になったミタイダネ。こういうのは、先に話しておいた方がいいカラネェ。

 

「えっと……?じゃあ、さっきの昼寝してたっていうのは……?」

 

 突然ホシノから入った横やりに困惑するセリカ。他の皆も困惑気味ダネ。……シロコだけは少し違う雰囲気だケド。

 

「全部嘘。だよね、マホロアちゃん?」

 

「ウン。嘘ダヨ」

 

「じゃあ、どうしてマホロアは嘘をついたの?」

 

 シロコからの質問を受けて、ホシノが対策委員会のミンナに向きなおる。……ここからは、彼女に話させた方がいいダロウね。事情を知っている先生モ、さっきから静観を決め込んでるシ。

 

「それは、私から説明するね~。……実はさ、私、退学するつもりだったんだ。アビドス高等学校を。マホロアちゃんは、それを隠してくれていたのさ」

 

「退学、ですか……?どうして……?」

 

 さらに困惑は加速スル。ノノミが絞り出すように言った言葉に、ホシノは答える。

 

「……私がいなくても、みんななら、アビドスを復興できるって思ったんだ。私は、昔から変な人から勧誘を受けててね~。その勧誘を受け入れたら、アビドスの借金の大半を支払ってくれるっていってたからさ」

 

「そんなの……!先輩、言ったわよね!『そんな方法でアビドスを救っても、何の意味も無い』って!今なら、あの言葉の意味を理解できるわ!だって、そんなことされても、全然嬉しくないんだから!」

 

 こらえきれなくなったのカ、セリカが立ちあがってその勢いのままホシノに言う。対するホシノは、何かを思い出すように目を閉じて、それからゆっくりと目を開いて、セリカの方を感慨深そうに見ル。

 

「そうだね……。自分の言った言葉すら忘れちゃうなんて、どれだけ焦ってたんだか。マホロアちゃんが止めてくれなかったら、きっと私は後悔することになってたと思う。だから、ありがとう、マホロアちゃん。それから、心配かけちゃって本当にごめんね、みんな」

 

 ホシノは、対策委員会のみんなに向かって思いっきり頭を下げた。それから微動だにせず、みんなの返事を待ってイル。

 

 返事があったのは、数秒後。状況をある程度飲み込めたらしいアヤネが最初に返事した。

 

「頭を上げてください、ホシノ先輩。色々と聞きたいことはありますが、ひとまず、戻ってきてくれて良かったです。……それと!私たちは、ホシノ先輩が不要だなんて、一度も思ったことありません!」

 

「えっと?私は、そんなつもりで言ったわけじゃ……」

 

 アヤネがチョット誤解しているのをホシノが訂正しようとスルが、それも他の対策委員会のみんなに阻まれてイル。

 

「そうですよ~☆ホシノ先輩がいてこその対策委員会なんですから、いなくなってもらっては困ります」

 

「先輩が私を拾ってくれたから、今私はここにいる。ホシノ先輩がいなかったら、私はここにいない」

 

「毎晩パトロールしてくれてるの、あれホシノ先輩でしょ?ホシノ先輩がいるから、アビドスの治安は保たれてる。……だから、次いなくなったら、許さないわよ」

 

「……うへ~。ここまで大切に思われてるだなんて、知らなかったなあ」

 

 みんなから必要とされていることを感じて、嬉しそうにするホシノ。……ひとまず、この件はこれで一件落着カナ。先生も、嬉しそうにうなずいてイル。

 

 これまでより、さらに対策委員会の絆が深まったような気がシタ。

 

 

 

───

 

 

 

 ホシノの告白を経て、色々と出てキタ情報を整理し始めた対策委員会。マァでもメインは、「ホシノに契約を迫った人物」になる訳デ。

 

 大体はボクやホシノに質問が飛んでクル。

 

「では、マホロアさんはホシノ先輩の代わりにその黒服の人と契約をしたということですか?」

 

「ウン。その認識で間違いないヨォ」

 

 一通りの経緯を説明した後、アヤネが誤解が無いか確認してきたので、無い旨を伝える。

 

「どんな契約をしたの?」

 

 契約の内容を先生は知らないので、質問をする側に回ってイルヨウダ。契約を隠す条項はわざとつけなかったカラ、大々的に見せれるネェ。

 

「契約書があるカラ、それを見てホシイナ。口頭で言うのもアレだしネ」

 

 ソウ言って、契約書の控えを机の上に置ク。みんな興味津々にのぞき込んで、契約書の内容を読んでイルみたいダ。

 

「この『ハルカンドラ』とか、『マスタークラウン』って何?聞いたことない単語だけど」

 

「『ハルカンドラ』は、かなり昔にキヴォトスと交易していた人々のことですが、『マスタークラウン』については知りませんね。……何か関係が?」

 

 シロコやアヤネが見慣れないであろう単語群について質問する。実際は関係アルケド、今話して混乱させるわけにもいかないシネ。

 

「アア、ソレ、真っ赤な嘘ダヨ。『マスタークラウン』は、ボクが捏造したンダ。『ハルカンドラ』はちょうど使えそうな単語だったから使ったダケダヨ。イヤァ、図書館で勉強したのが役に立ったネェ」

 

「え、嘘なの!?これ!?」

 

 契約書を読んでいたセリカが驚いてイル。

 

「アア、契約したのは事実だから、アビドス高校関連は心配しなくてイイヨ」

 

「そう……あれ、六つ目のやつだけ変な位置に書かれてるわね……普通ならそのまま下に連ねるはずだけど」

 

 そのままセリカが疑問点を述べる。一番気にナルよね、ソコ。それがミソなんだケド。

 

「アア、ソレハね。相手に読ませないためにその位置に書いてルンダヨ。……ホラ、こうしてみると見えないでショ?」

 

 実際に契約書を取って実演スル。六つ目の条項を手で覆って、あたかもそれを無いように見せる。コレ、一番下が「最後に」だから、普通に通るんだよネェ。

 

「そんなことして、大丈夫なんですか……?」

 

 アヤネが最もな疑問を提示スル。確かに、契約前にばれたら結構まずかったケドネ。

 

「後のコトなら、心配ないヨ。アイツらとボクは敵対できないシ、かといって『シャーレ』とは関係ないことにシテルから、先生にも影響はないからネ。契約の棄却も書いてないカラ出来ないシ」

 

「ならいいですけど……」

 

 どうにも、アヤネは今後のコトが不安ラシイ。騙すような真似をしたからカナ。

 

「でも、これなら、今私たちを取り巻いている問題を解決できるかもしれません!その『黒服』さんが、契約の通りに動いてくれればですが……」

 

 ほかの皆も、少し不安を感じてイルラシイ。ノノミが契約をドタキャンされないか不安がってイル。

 

「マァマァ、期限は三日あるんダシ、そこまで根詰めなくてもいいデショ。アイツは契約を守るヤツだと思うしネェ。どうするのか分かってからでも遅くないデショ」

 

「そうだね~。ひとまず、マホロアちゃんの契約については、ここまでにしようか」

 

「マホロア」

 

「ン、何ダイ?」

 

「あとで少し、話そうか」

 

「……オゥ」

 

 ……ひとまず、ホシノがイイ感じに話を区切ってくれた。先生、ちょっと怒っテル?マァデモ、これで先生に話を回せるネェ。……ちゃんとやってくれたカナ?

 

「ソウダネ。ジャア、先生。キミも何かアルデショ?」

 

 しれっと元の位置に戻ってイタ先生に、話を振る。さっきの雰囲気とは裏腹に、明るい感じで答える先生。

 

「うん。砂漠の調査で分かったけど、もしカイザーが武力でアビドスを支配しに来たら、私たちだけでは手に負えなくなっちゃう。そこで、とある所に頼みこんできたんだ。多分、もうそろそろ着くはずだけど……」

 

 先生がそう言うと同時に、ピンポーンと、アビドス高等学校のチャイムが鳴らされる。……タイミング良いネェ。

 

「ちょうど来たみたいだね。じゃあ、出迎えに行こうか。みんなも知ってると思うよ?」

 

「誰なんでしょうか~♧楽しみです!」

 

 先生の一声で、対策委員会は校門に向かい始メタ。……ウン、ちゃんとやってくれたミタイダネ。

 

 

 

───

 

 

 

 そして、校門。

 

 そこでは、対策委員会と再び邂逅する集団がアッタ。

 

「先生の依頼で、あなたたちを護衛しに来たわ。私たちのことは、もう知っているでしょう?」

 

「よ、よろしくお願いします……」

 

 便利屋の皆ダ。ちゃんと引き受けてくれたんダネ。四人全員来ている。

 

「便利屋の子たちじゃ~ん。よろしくね~」

 

 ホシノが代表としてアルに挨拶スル。

 

「ええ、もちろんよ!ちゃんと守りきってみせるから、よく見ておきなさい!」

 

「くふふ~。また会ったね、メガネっ娘ちゃん」

 

「…………」

 

 アルが自身満々にしている一方で、別の所で会話が勃発している気がスルが、それは放ってオコウ。

 

「詳しい契約内容を確認したいから、中に入れてくれる?」

 

「うん、大丈夫だよ~」

 

 白黒のヒトガタの言葉で、再び移動することにナッタ。

 

 みんなが移動を始めた傍らで、アルと先生が会話してイル。……どんな話をしてるのカナ?

 

「先生。さっき、アビドスの前に居た人から、『これを先生に渡して』って頼まれたから、渡しておくわ。中身は少し確認したけど、詳しくは見てないから、安心してちょうだい」

 

「分かった。ちょっと確認するね…………!?」

 

 黒服からの手紙カナ。とりあえず、怪しまれないようにボクも移動しておこうカ。

 

 

 

───

 

 

 

「みんな!!」

 

 何やら焦った様子で先生は教室へかけてキタ。そんなにトンでもないことが書かれてたのカ?

 

「どうしたのさ、先生?」

 

 ホシノの質問を無視して、さっきのヤツを机の上に置く。……ウワァ、分かりやすいナ。まんまアイツの見た目をシタ手紙ダ。

 

「とりあえず読んで!」

 

 中にはたくさん文書が入ってイタケド、一つだけ違う紙がアッタ。

 

 その紙には、こう書かれてイタ。

 

「拝啓、シャーレの先生へ。

 

 とある方との契約により、『カイザーコーポレーションの不祥事』をまとめた文書をお送りします。お確かめください。

 

 敬具

 

 追伸:契約を遂行する過程で、カイザーコーポレーションに契約が露呈しました。」

 

 非常に簡潔な文章だったケド、十分ヤバさは伝わった。恐らく、カイザーが次にする行動ハ……

 

 みんなが読み終わる前に、外で銃声が鳴り響ク。

 

 訂正。

 

 アイツは契約『は』守るヤツだ。

 

 

 

───

 

 

 

 どこかのオフィスビルの一室。一人座る黒服は、不敵に笑う。

 

「ええ、契約は遂行しましたよ。マホロアさん。しかし、我々としてもカイザーとの縁は切りたくはないのです。ですので、少々()()()()()()()()()()

 

「あなた達なら、この困難をどのように解決するのでしょうか?その行く末を、見守るとしましょう」




登場人物紹介等
「マホロア」
 ホシノの告白を見守った。
 契約の内容をミンナに解説したが、黒服には思わぬ形で反撃された模様。

「小鳥遊ホシノ」
 退学しようとしていたことをみんなに打ち明けた。
 みんなから必要とされている旨の言葉を聞いて嬉しかった模様。

「対策委員会の皆さん」
 ホシノの身勝手な行動にはご立腹だったが、ちゃんと仲直りして、さらに絆が深まった。
 契約の内容には終始困惑していた。

「便利屋68の皆さん」
 先生の頼みでアビドスを護衛しに来たらしい。
 来た早々、出番がある模様。

「先生」
 ホシノの成長に繋がるため、あえて助け舟を出さなかった。
 マホロアの勝手な契約には少し叱るつもりでいるが、しっかり労うつもりでもいる。
 裏で色々動いている。

「黒服」
 契約『は』遂行したが、契約外のことは都合のいいように行動する。
 そのことをマホロアたちに伝えたのは単純な興味かららしい。


これから週一投稿に変更します。詳しい内容は活動報告で。

ブルアカのメインストーリーでどの章が一番好きですか?

  • Vol.1 対策委員会編
  • Vol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編
  • Vol.3 エデン条約編
  • Vol.4 カルバノグの兎編
  • Final. あまねく奇跡の始発点編
  • Vol.5 百花繚乱編
  • EX. デカグラマトン編
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。