青春ヲカケル旅人   作:物好きな人

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追記:大事故(コピペミス)してたので修正しました。


「ケッチャク」

 マホロア砲。

 

 ボクが以前使ってイタ大技の一つ。習得デキタ当時は盛り上がりすぎて、ジブンの名前を付けチャッタんダッケ。

 

 そんな大技を、ボクは無理やり発動サセタ。

 

 いくらチカラが戻ってイルと言ってモ、今のボクが扱うニハ荷が重すぎる技ダ。その上、魔力もその一部を大気から持ってきてイル。

 

 不安定な供給に、不安定な制御。そんな状態で大技を使おうとすれば、暴走するのは必然ダ。暴走した魔術は、当然照準がブレる。

 

「オオォォォ……!!」

 

 もともとはカイザーの兵士たちが投げた爆弾を少しでも減らすために使ったツモリだった。一緒にカイザーの兵士も巻き込んでネ。それが、気休め程度にしかならないトシテモ。

 

 デモ、奇跡は起こったンダ。不安定でアッタのが功を成したのカ、マホロア砲は放たれた爆弾を薙ぐようにしてすべての爆弾を焼き払ッタ。

 

 まるで花火のように激しい爆発が、ボクらを照らした。見えた景色は、煙まみれで風情のあるモノじゃなかったケド。

 

 ダケド、晴れた煙の先で、以前と変わらないように立っているアビドス校舎を見て、ボクは安心シタ。

 

 最初に来た時ダッタラ、何にも思わなかったダロウ二。厄介ダネェ、「トモダチ」ってノハ。厄介で、デモ、前よりかは心地良イ。

 

 魔力もなくなって、マホロア砲も維持できなくなったケド、最後の意地デ、立ったままの姿勢を保ツ。

 

「ば、化け物……」

 

 ふと、カイザーの兵士たちからそんな声が響ク。他の兵士たちも、少し恐れているヨウだ。

 

 ボロボロなはずの敵が突然大技を放ってキテ、しかも立ち上がったともナレバ、次に何をしてくるか警戒スルよネェ。

 

 それを表現するように、兵士たちはボクが何をしてもいいように銃口をこちらに向ケル。……一斉に狙い撃ちにされたら、さすがのボクも生き残れないナ。

 

 もう騒いだりするような体力モナイ。大人しく、ボクはその運命を受け入れようとしてイタ。

 

 ただ、その銃口から弾が飛び出るようなコトは無カッタ。

 

「……マホロアは、化け物じゃない」

「そーそー、マホロアちゃんはうちの仲間なんだからさ。あんまり悪く言われると、おじさんたちも黙ってみているわけにはいかないよ」

 

 対策委員会のミンナが、ボクが撃たれるよりも先に、カイザーの兵士たちを制圧していたカラ。

 

「あんなもの見せてくれちゃって……馬鹿じゃないの」

「あとは私たちに任せて、ゆっくり休んでくださいね~」

 

 再び立ち上がった四人が、怯んだカイザーの兵士たちを制圧し始める。ミンナ、限界なハズなのに。

 

『マホロアさん、大丈夫ですか?救急キットを置いておきますので、ゆっくり休んでください』

『お疲れ、マホロア。それから……ありがとう』

 

 対策委員会が、立ち上ガル。それに触発されたように、もう一つの集団もゆっくりと起き上ガッタ。

 

「ピンチの時に、もう一回立ち上がってこそのアウトローよ!」

「あんな凄いもの見せられて、寝ているわけにはいかないじゃん?」

「何もしないでいるよりかは……何かしたほうが良いから」

「アル様を傷つけるなんて、許さない、許さない……」

 

 再び、立ち上がったミンナの姿を見て、緊張の糸が切れカケル。デモ、もうひと踏ん張りして、救急キットで最低限の治療をしながら、後方へ退却シタ。

 

 ひとまずの応急処置が終わり、安全圏へと到着したボクは、これまでの無理が祟ったのカ、倒れ込むようにジブンの意識を手放シタ。

 

「アトは任せたヨ、ミンナ」

 

 

 

───

 

 

 

『ナルホド、面白イ』

 

「……マダ、残ってイタノカ」

 

 意識を手放したハズのボクは、ハルカンドラにイタ。

 

 ソウ、以前ボクのニセモノと会った、アノ場所デ。

 

 目の前のコイツは、敵と断じたボクの前に再び姿を現した。前と同じ、ボクの姿で。

 

 ボクの姿をしたコイツは、薄気味悪い笑みを浮かべながら、そう呟いてイタ。

 

 ……ボクって悪だくみしてる時こんな顔だったのカナァ。ナンテ考えてたら、ソイツは続けざまにこう言い放ッタ。

 

『貴様ハ本当二、我ノ敵ノヨウダナ』

 

「言ったダロ、ボクはオマエが望んでるような行動ハしないッテ」

 

『ダカラト言ッテ、我ガ去ル理由モナイ』

 

「ボクとしては、今すぐ出て行ってホシイんだケド……ネッ!」

 

 隙だらけのニセモノに、魔力球を放ツ。ソイツは、難なくそれを弾イタ。意にも介さないような余裕のある笑みデ。……ヤッパリ、効かないカ。

 

『無駄ダ。支配コソ出来ヌガ、我ノチカラハ残ッテイル』

 

「クソッ……!」

 

 ボクのニセモノは、その笑みを崩して、ボクを恨むかのように指差シタ。そこに込められている感情ハ、良いモノではないノハ確かダロウ。

 

『我ノ敵ハ、「貴様」ダ。ソレハ変ワラナイ』

 

「ナラ……敵情視察とデモ?」

 

『貴様ガソウ思ウナラ、ソウ思エバイイ』

 

 はぐらかすネェ。敵に教える情報は無いトデモ?つくづくシャクに障るヤツだヨォ。

 

「アーア―、ソウカイ。ナラ、こんなトコ、さっさとお暇しちゃいたいネ。オマエと居ても、つまらないシ」

 

『言ワレズトモ、ソウナル』

 

 ニセモノがソウ言うと、ボクの視界が揺らイダ。またコノ空間に来ることになるのダロウカ。だとしたら、かな~りめんどくさいヨォ、なんて思っていたら、いつの間にかボクの視界は光に染まってイタ。

 

 

 

 

 

『……ソウダ。我ノ敵ハ「貴様」ノミ。アラユル可能性ノ中デノイレギュラー』

 

『故二、我モイレギュラーノチカラヲ借リルトシヨウ』

 

『……ネズミ、イヤ、狐カ。何シ二ココヘキタ?』

 

 

 

───

 

 

 

「おや、起きられましたか」

 

「マホロア、大丈夫?」

 

 目を覚ましタラ知らない天井二、知らない人カラ声をかけられてイタ。……イヤ、先生は知ってるケド。

 

 どこかの病室ラシイとこで、ボクは眠ってイタラシイ。すでに太陽は無くて、夜空がボクたちを照らしてイタ。

 

「アア、大丈夫ダヨ。ここはどこダイ?」

 

 心配している様子の先生にソウ言って、続けざまに質問スル。ただ、その質問に先生が答える前に、横合いから声が入った。

 

「それは私がお答えしましょう。ここは連邦生徒会保健室直属の病院です。マホロアさんは、今回の事件における重要参考人ということもあり、こちらで観察しているのです」

 

 そう言ったのは、先ほどの知らない人ダッタ。連邦生徒会の制服ラシイ服を着ているあたり、連邦生徒会の人ラシイケド、ボクは出会ったこともナイ。……ってか、キミもピンク髪か。

 

「エーット、キミは?」

 

「ああ、申し遅れました。私は、連邦生徒会防衛室長の不知火カヤと言います。よろしくお願いしますね?」

 

「アア、ヨロシク」

 

 連邦生徒会防衛室長、カ。確か、ヴァルキューレを統括してる所が防衛室だったッケ。ッテコトは……

 

「間に合ったンダネ」

 

「ええ、おかげさまで。急に先生から要請があった時はびっくりしましたが、何とかなってよかったです」

 

「ありがとう、カヤ」

 

 ボクたちが、アノ夜の会議で決めたコト。いくつもの可能性を想定して、

ボクたちは出来うる限りのコトを計画シタ。もちろん、カイザーが全軍で突撃してくるのもその一つの中に入ってイル。単純で、最も危険な手だったカラ。

 

 その時の行動は、「ヴァルキューレに通報して、到着まで待つ」というものダッタ。ゲヘナの風紀委員会とかも考えたケド、電話一本で協力してくれるかは怪しかったノデ、確実に動いてくれるヴァルキューレにナッタ。

 

 結果として、ヴァルキューレは現着シタ。ボクが気絶してから少し経ってのコトだったラシイ。その時の相手のリーダーは、ひどく驚いてイタ、ということを先生から聞いた。

 

「ええ、非常に面倒……いえ、厄介な事件をカイザーは起こしてくれました。連邦生徒会長が失踪して、忙しい時期だというのに……」

 

 そして、学校を企業が潰そうとしたコノ事件ハ、連邦生徒会が動くほどの大事件とナッタラシイ。目の前のカヤが、非常に面倒そうにしていたので間違いないだろう。なんなら、本人の口から言ってるシ。

 

 なんでも、カイザーの方はこれから直々に捜査が入るラシイ。これまでしてきたことの報い、ってやつダネ。

 

 アビドス高校は、無事だったソウダ。

 

 ショージキ、そうだろうなと思ってあえて聞かなかったけど、いざ聞いてミルと安心スルネェ。……心配してると思われたくないから、トカそういうノじゃないヨ。

 

 彼女たちの借金ハまだ残ってイルケド、利子も正当なモノに戻ったカラ、当面は大丈夫ラシイ。

 

「みんな、マホロアに会いたがってたよ」

 

 先生からそう言われた。コノ傷が治っタラ、さっそく会いに行ってやろうかネェ。

 

「……フゥ、色々あったから、疲れたヨォ」

 

「うん。マホロアは凄くがんばったからね」

 

「私としては、少しお話を聞きたいのですが、まあ、明日でもいいでしょう」

 

 なんだか、最初の時を思い出すヨォ。デモ、夕日よりも暗いハズの夜空が、もっと明るく見エタノハ、不思議な感じダッタ。

 

 あの星の向こうに、カービィは居るのカネェ。マァ、ボクの魔力も全然ダシ、帰れるのは当分先になりそうダ。

 

 もう寝る、という意思を込めて布団を被る。二人ともその意を読み取って、病室から出てイク音が聞こえる。

 

「……お休み、マホロア」

 

 先生は、出てイク前にソウ言った。ボクはその言葉を、聞こえなかったフリをスル。

 

 ……一人にナルコトが、少し辛いと思ったカラ。




登場人物紹介等
「マホロア」
 「マホロア砲」を放ったが、実力的にまだ完全には扱えないらしい。
 使えたのは、単なる偶然か、それとも……
 ニセモノとは完全に敵対している様子。

「先生」
 マホロア気絶後も、ヴァルキューレ到着まで持ちこたえた。
 かなり長時間にわたる指揮で流石に疲れていたが、この後も書類が待っている。

「対策委員会の皆さん」
 マホロアの決死の覚悟で再び立ち上がった。マホロア気絶後も、限界を超えた体で奮戦していた。
 逆転の契機をくれたマホロアに感謝しており、また会いたいと思いつつも、しっかり休んでほしいとも思っている。

「便利屋の皆さん」
 こちらもマホロアに触発されて立ち上がった。対策委員会と並んで戦い抜いた精鋭。
 ヴァルキューレ到着後はいつの間にかいなくなっていたらしい。
 後日、先生に請求が届いた。

「ニセモノ」
 敵であるマホロアの所に居座っている。何故かは不明。

「不知火カヤ」
 連邦生徒会防衛室長。
 ヴァルキューレと一緒に来ていた。代表としてカイザーの不祥事に関する書類を受け取っている。

「カイザーPMC理事」
 まさかのナレーション退場。
 特に見せ場は無かった。カヤの登場にひどく狼狽していた。

 という訳で、vol.1はここで一区切りです。
 何かと至らぬ点も多かったですが、ひとまずターニングポイントは超えられたかなぁという感じがしてます。(失踪しかけたりもしましたが……)これから、日常回、vol.2……と長丁場になりますが、読んでいただけると嬉しいです。アイツらも、本格登場できると思います。

ブルアカのメインストーリーでどの章が一番好きですか?

  • Vol.1 対策委員会編
  • Vol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編
  • Vol.3 エデン条約編
  • Vol.4 カルバノグの兎編
  • Final. あまねく奇跡の始発点編
  • Vol.5 百花繚乱編
  • EX. デカグラマトン編
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