青春ヲカケル旅人   作:物好きな人

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 GWなので。


「阿慈谷ヒフミとマスコット」

 ヤァヤァヤァ、寝起きのマホロアダヨォ。

 

 今日もイツモドーリの時間に目を覚まして、心地よい朝日を浴ビル。サンサンとボクのカラダを照らすソレは、寝起きのボクを包み込むようにして元気を湧かせてくレル。起きたらまず光を浴ビルことが、最近のボクの日課ダ。

 

 今日も今日とて、シャーレの業務ダヨネェ。これが日常だからいいんだけどサ。デモここ数日は、シャーレにこもりっぱなしだったネェ。なまじシャーレに住んでるカラ、本当に外出する機会がナイシ。

 

 ちなみに、先生はたまに訪ねてきた生徒トカの対応で外出したりしてたミタイダケド、基本的にボクは留守番ダシ。先生が言うには、一対一の方が話しやすい子が多いミタイ。

 

 残されたボクは当番の子と他愛もない会話をしながら作業をしてた訳ダ。

 

 ア、運動はちゃんとシテルヨ。射撃場で訓練したりシテルカラネ。レボリューションフレイムの練習もしなキャダシ。

 

 ソウソウ、アノ後レボリューションフレイムは安定して使えるヨウになったンダ。まだ魔力の消費は激しいケド、全盛期のボクでも使っていた魔法がやっと復活したってコトダネ。

 

 コノ調子で練習していけば、完全体のスーパーマホロアになれる日も近いダロウネ!

 

 サア、今日もいい調子で過ごせるように朝の支度を済ませようカ。何事もまずは準備カラ、だしネ。

 

 

 

───

 

 

 

 今日もバッチリの準備をしたところで、シャーレのインターホンが鳴ル。

 

 ……かなり早いネェ。まだ先生は出勤してきてないシ、始業まで一時間以上はアル。

 

「ハーイ、今開けるヨォ。ちょっと待ってネ」

 

 玄関へ歩きナガラ誰がインターホンを鳴らしたノカ考える。最も可能性が高いのは当番の子。始業前ダカラ、依頼とかに来テモ意味ないシネ。それに、先生はコンナ早く来ないシ。

 

 エット、確か今日の当番は誰だったカナ。出張で溜まった仕事も落ち着いてきたから、新しくシャーレに入部した生徒たちにも当番を回すコトにしたんだヨネ。今日は……ヒフミだったッケ?真面目だネェ。

 

 そう感心しテイルト、ガラス貼りの玄関の前にツイタ。

 

 まだ暗いシャーレの玄関に差し込む光が来訪者の姿を見セル。見えた人影は、やっぱりヒフミだッタ。光の加減を加味しても、彼女は輝かしい笑顔でコチラを見テイル。……なんか嬉しソウ?とりあえず鍵を開ケル。

 

「お久しぶりです!マホロアさん!お話がしたかったので、早めに来ちゃいました!あの時は色々あって、全然話せませんでしたし……」

 

 鍵を開けた途端に、ヒフミはソウ言いながら元気良く扉を開けて入って来タ。

 

 ガラス越しでも感じてたケド、ホントーに嬉しソウダネ。チョーシ狂うナァ。

 

「オーケー、とりあえずシャーレの執務室に案内するネ。ボクはまだ準備するコトがあるカラ、オハナシできるのはちょっと後になっちゃうカモ。それでもイイ?」

 

「はい。全然大丈夫です!早く来ちゃったのはこっちですし……」

 

 ヒフミはちょっと申し訳なさソウナ顔をシタ。マァ、早く来てくれる方がよっぽどいいよネェ。少なくとも、遅刻するよりかはマシダ。

 

「イヤァ、こっちとしては早く来てくれて大助かりだヨォ。教えることもいっぱいあるシネ。やる気があるのはいい事ダシ」

 

「そ、そうですか?えへへ……」

 

 ソンナ会話をしつつ、シャーレの執務室へ二人一緒に歩いてイッタ。

 

 ……サテ、どうしようカナ。

 

 

 

───

 

 

 

「なるほど、マホロアさんは別の世界からやって来た旅人さん……ということで合ってますか?」

 

「マァ、間違っては無いネ」

 

「ふむふむ……」

 

 トリアエズ、執務の準備も整ったノデ、ソファでゆっくりしながらヒフミと話してイル。ヒフミの方は単純にボクのことを知りたいヨウデ、ボクたちの会話はまずヒフミが色んなコトを質問してボクが答える、というファン向けの質問会ミタイナ形式で始マッタ。

 

 ヒフミは時折ボクが答えたコトを熱心にメモしてくれてるんだケド、メモするほど重要な話なのカナァ。

 

 ボクの事デ、ここまでグイグイ来られたコトは今までナイ。カービィは、何も聞かずに助けてクレタシネ。だから、ボクとしてはヒフミが少しニガテだった。

 

「次はコッチから質問してもイイカナ?」

 

「はい、何でも聞いてください!」

 

 ボクが話かけるト、ヒフミは書く手を止めて顔を上げ、輝く目でこちらを見ル。

 

「キミは、どうしてボクのファンなんかになったノ?」

 

「う~ん、そうですね……」

 

 ソウ質問すると、ヒフミは腕を組んで悩み始メル。

 

 ……実際ボクはあまり好かれるようなタイプではないコトは自覚してイル。今まで旅してキタ世界でも、除け者にサレルコトが多かッタ。

 

 ウラギリモノ。一番ボクが言われたのはその言葉だったカラ。モチロン、これはボクの行動が招いた結果ダ。だから今は反省してるし、もう裏切りをスルつもりなんてナイ。

 

 デモ、この世界ではまだアビドスを助けたクライデ、そんなに好かれるような、ヒーローになるようなコトはしていナイ。

 

 だから、どうしてヒフミはボクなんかのファンになったのか気にナッタンダ。全然知らなかったはずナノニ。

 

 再びヒフミを見ると、結論が出たようデ、ボクを見つめ返して話し始メル。

 

「最初は、単なる興味だったんです。『シャーレに生けるマスコット』がいるっていう噂を聞いて、調べてみたら、マホロアさんの画像が出てきて……」

 

「それで、『かわいいな』なんて思ってたら、いつの間にか虜になってしまって……」

 

「じゃあ、見た目に惹かれたってコトカイ?」

 

「そう……なりますね。でも、今は違うんです」

 

「ホウ……じゃあ何ダイ?」

 

「マホロアさんや先生と実際に会ってみて、分かったんです。銀行襲撃の時、マホロアさんと先生は、アビドスの皆さんのことを第一に考えて動いてました。『シャーレ』がそういう機関だっていうのは知ってますけど、それを差し置いても、二人は本心から助けようとしているというのが分かったんです」

 

「…………」

 

「私には、とてもそれが眩しく見えました。これといった理由が無くても手を差し伸べて、導く姿。『私もあのような人になりたい』って、そう思いました。だから、私は……マホロアさんと先生、いわゆる『()()()()』のファンになったんです」

 

「ナルホド……イヤ、参考になったヨ」

 

 イヤァ、聞いてるコッチが恥ずかしくなるネェ。こうも真っ向から褒められルノ、まだ慣れてないカラサ。デモ、やっぱり見てくれている人がイルっていうのが分かって、少し気分が楽になったよネェ。

 

 ……オット、随分話し込んでしまったヨウダネ。もうそろそろ先生が出勤してクル時間ダ。

 

「今日はココまでにシヨウカ。もうじき先生も来るし、仕事が始まるからネ」

 

「そうですね……。まだまだお話ししたいことはありますけど、それは次の機会にとっておきます」

 

 ヒフミと一緒にソファから立ち上がると、先生を出迎えるために執務室の扉の前へ移動スル。窓から入ってクル光がいつもよりも輝いて見エタ。

 

 執務室の扉が開く。

 

「おはようございます!先生!」

「オハヨウ、先生」

 

 今日もシャーレの一日が、始マル。

 

 

 

───

 

 

 

 それからというモノ、ヒフミは当番の日になると必ず早めに来て、ボクの旅の話を聞きに来てイタ。

 

 別に減ルモンじゃないシ、ボクもそれを了承してたんだケド……。

 

 イイ話の方が少ないので、ちょくちょく悪い話も混じるようになっていッタ。イタズラ程度で、さすがにヤベェコトは話してないケド。

 

「マホロアさんって結構やんちゃしてたタイプなんですね」

 

「昔はそれしかしてなかったカラネェ」

 

 ヒフミはやはり、ボクの言ったコトをメモしてイル。イヤホントに、何をそんなメモすることがアルノ?

 

 そういう性分なんだろうかと無理やり納得しつつ、いつも通り話を続ケタ。

 

 ……ソウソウ、最近のヒフミは先生にもボクのことを聞くようになってた。『シャーレ』のファンだっていうケド、なんでそこまでボクの話を聞きたがってるのカネ?ヒフミがなりたい人物像に一番近いのは、先生のハズなんだケド。

 

 

 

───

 

 

 

 そうして数日後、この日もヒフミが当番の日ダッタ。ヒフミはいつも通り早く来てたんだケド、どことなく緊張していた様子ダッタ。

 

「今日は、マホロアさんに見てもらいたいものがあるんです」

 

 いつものソファに座った後にヒフミが見せてきたのは、ある種の「提案書」ダッタ。

 

 内容としては、

 

『シャーレのマスコットキャラクターに正式にマホロアさんを採用してはどうか』

 

 という内容ダ。

 

 ……いやチョット待て!?

 

「どう……でしょうか?」

 

「イヤ、どうしてコレ書いたノ?」

 

「それは、マホロアさんの可愛さや面白さを知ってもらいたくて……それに、シャーレの広告にもつながると思うんです」

 

「エェ!?」

 

 改めて、ヨク提案書を見てミル。何度も書き直された跡がある紙の上には、ボクをマスコットキャラクターとして採用するとシャーレにどのような利益が得られるのか、キャラクターとしてのボクがどのような性格で、どういう風に演じればよいかといった情報がこれでもかという程敷き詰められてイタ。それでいて、無駄がナイ。

 

 ……ボクのことを聞いてきたのはこのためダッタノカ。

 

 ボクが一通り読み終えたのを見ると、ヒフミが付け加えるように話す。

 

「もし嫌だったら、嫌だって言ってください。これは、ただの私のわがままですから」

 

「モモフレンズは良いノ?これだとボク、ライバルになるかもしれないケド」

 

「好きなものはいくらあってもいいじゃないですか。それに、ライバル関係も、それはそれでオッケーです!」

 

「ソウカイ……」

 

 内容は凄くしっかりシテルシ、ボクの話を元にシテルから、無理なくマスコットとしても活動できるようになってイル。これなら、ボクが拒否する理由は無いカナ。

 

 前に遊園地作った時も、マスコットやってたシ。

 

 一つ懸念があるとすれば、最初の出来事カナ。

 

 忘れかけてたケド、ボクは連邦生徒会、そしてヴァルキューレから危険人物扱いを受けてイル。コッチに来た時に派手にやったカラネェ。全然覚えてないケド。

 

 マァ、そこらへんは先生次第カナ。

 

「とりあえず、先生には提案してみるヨ。こんなに熱意がこもった提案書を渡されチャ、断るに断れないシネ」

 

「っ!ありがとうございます!!」

 

 ヒフミの顔がぱぁっと明るくナル。マッタク、ファンがいるってのも苦労するもんなんだネェ。

 

 その後、出勤してきた先生にヒフミの提案書を出してみたら、かなり驚いテタ。デモ、しっかりボクがオッケーしてることを伝えたら、意外とすんなり了承してクレタヨ。連邦生徒会にも掛け合ってミルってネ。

 

 こうして……

 

 無事、連邦生徒会の承認を得て、シャーレ公式マスコットキャラクター「マホロア」が誕生したンダ。




登場人物紹介等
「マホロア」
 ついにマスコットキャラクターとなった。マスコットキャラクターとしては、イタズラ好きだけど面倒見がいい性格になっている。
 前に遊園地を経営し、マスコットキャラクター兼経営者をしていた経験から、新参にしては人気を獲得している。なお、その遊園地は開業してすぐに潰されている。

「阿慈谷ヒフミ」
 シャーレのファン兼モモフレンズのファン。
 マホロアの話をメモしていたのは大衆受けし、かつマホロアの性格をあまり変えないようにするための解像度が必要だったから。マスコットキャラクターを提案したのはシャーレのグッズがなかったかららしい。

「先生」
 突然マホロアがマスコットキャラクターになりたいと言い出して驚いた。
 内容的にも大丈夫だったので、すんなり了承したが、連邦生徒会の説得には手間がかかったらしい。


 大変お待たせしました。しかし、活動報告でも書いているように、筆者が受験期のため今年中はほぼ投稿できないかもしれません。
 失踪するつもりは全然なく、ちまちま息抜きに書いてってるのでご安心ください。
 GW中にはもう一話あげる予定です。

ブルアカのメインストーリーでどの章が一番好きですか?

  • Vol.1 対策委員会編
  • Vol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編
  • Vol.3 エデン条約編
  • Vol.4 カルバノグの兎編
  • Final. あまねく奇跡の始発点編
  • Vol.5 百花繚乱編
  • EX. デカグラマトン編
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