「(眩しい)」
それが、俺が最初に抱いた感想だった。ただ白く、そして呆れるほどになにもない
寝ているときに近い感覚が体を襲い、満足に声を出すことも辺りの音を聞くこともできないのにもかかわらず意識がハッキリとしており、全て見え、全て感じるような錯覚に陥ってしまいそうな、不思議な感覚
幸い目は見えるようで、辺りを見回してみるが何も無い空間、世界から色が消えかのような、、、ただ、何もなく、そして地平線の果てまで白一色
俺はここがどこだかわからずひたすらに困惑していた。いや、まだハッキリと体に慣れていなかったのかもしれない、あまり思考が纏まらず唖然としていた
だがその時、音が、声が聞こえた
「ーーー」
「、、、?」
どこから聞こえたかと疑問に思っていれば、今度は先程より鮮明に、ハッキリとこう聞こえた
「おーい、先程からキョロキョロと、、、上だぞ上ー!聞こえているかー?」
「(、、、、、、え?)」
上を見上げる。そうすれば目線の先、数メートルは離れている場所にある玉座にザ・神様みたいな格好をしている老人が座っており、目が合う
「(、、、えー、あの格好は無いわ、ってか誰あれ)」
俺は思わず心のなかでそう呟く。声が出せたのなら声に出ていたであろうそれに、少なくとも今は感謝した
すると、その老人の表情が苦笑いをするような表情に変わる。何故に?と思っていたが、その疑問も次の一言で完全に消え去ることとなる
「あーえっと、、、うむ、言いづらいのだがな?、、、、、、聞こえておるぞ」
「(、、、あぇ?)」
「いやだから、聞こえておるぞ?心の声、、、まぁ今回は見逃すとしよう」
儂の寛大な心に感謝するが良い、と目の前の老人は言い放ち笑う
「(え???あ、えっと、聞こえて、、、ます?)」
「あぁバッチリと」
「(あ、、、その、、、えっと、、、、、、すんません)」
俺はとりあえず謝罪をした、心のなかで。けして声は出しておらず、本来なら相手に伝わるはずのない無意味な謝罪だが、老人は良い良いと言って笑った
とりあえず俺の頭はショートした。もうそういうもんだと強引に納得する
「(ありがとう、ござい、、、ます?なのか?まぁいいか、、、これ聞こえてるんだったよな、、、んじゃそれで、、、質問なんですけど、貴方は一体?)」
「あーそうじゃな、まあ見れば分かる通り、お前さん等の言う神様というやつじゃな。それと話し方は素の話し方でいいぞ、そのほうが楽じゃろ」
「(なら、、、お言葉に甘えて、、、っと、それで神様?だったか。聞きたいんだが何故俺はここにいる?というよりここは何処だ?)」
俺はずっと気になっていたことを聞く。正直なことを言うともう脳のキャパが限界でいち早く家に帰って休みたかった。すると神様と名乗る老人は俺の思考を読み取ったのか、少し困惑した表情のまま俺に言葉を投げかけてきた
「もしかして、、、覚えておらんのか?お主、もう死んでおるぞ?」
「(は?)」
は???(困惑)は???(思考停止)、、、はあァァァァァァ????(理不尽な怒り)
なんやそれ知らんぞ、ってかなに?え?死んだん俺??えっと、、、、、、、、、、あ
その時、記憶がクリアになり様々な記憶が呼び起こされる。たしか俺は、、、友人と繁華街を歩いていて、、、そしたら急に心臓痛くなって倒れ込んで、、、?、、、、、、、、、、え?
「(え?うそ俺あのまま死んだの?)」
今世紀最大の衝撃である(死んでるから文字通り今世紀最後)。俺はどうやらあのままぽっくり逝ってしまったらしい
「いや〜すまんな、儂がうっかり間違えてお主を殺してしまってのぅ、、、本来であればあのときすれ違った老人が死ぬはずだったんじゃが、、、手違いでお主を殺してしまったわい」
「(てめこらクソ神)」
すごいよさっきまで「いや〜俺の人生あっけねぇな〜」とか思って感傷に浸ってた俺の気持ち返せやまじで、、、はーーーー(呆れ)、やっぱ神って碌な奴いねえ、ハッキリ分かんだね
すると神様(笑)が慌てて弁解しようと口早に言葉をまくし立てるが、ハッキリ言って言い訳にしか聞こえにのでガン無視をする。そこは人間と変わんねぇのな。その時、気になる言葉が聞こえてくる
「ーーーだからさ?儂だって悪いと思ってるのよ?だからよくある異世界転生ってやつをやってあげちゃおっかなー?とか思ってたわけで!!」
「(、、、転生?)」
「ーーーお?なになに転生したい?」
俺が食いついたとわかった途端、ものすごい勢いで反応する神。ってかなんか口調変わってね?そう思ったがどうやらこっちが素で、最初は貫禄というか、威厳を出そうとしていたらしい。おいおいおめーのせいで俺の神様に対する評価ダダ下がりだが??
だがそんなことは気にも止めず、しつこく「どこ転生したい?」とか「折角だし転生特典とかも付けちゃう?」だとか聞いてくる。ハッキリ言ってウザいうるさい鬱陶しいの三段コンボを決められ、少しテンションが下がったが、取り敢えず聞きたいことがあるので聞いてみることにする
「(これって自分でそういうの決めちゃっていいの?)」
「あーなんだそんなことか?いいぞ。ただし、転生特典はやりすぎるとある程度の弱体化食らうからのー、そこんとこ気をつけてくれ」
まじか、自分で決めれるんだ、、、ならどうしよ
俺は数十秒悩んだ末、自分の希望を口にする
「(、、、なら転生先は『僕のヒーローアカデミア』で、個性は、、、呪術廻戦の呪力にしてほしいな)」
「転生先は別にいいとして、、、そんなのでいいのか?特典は」
神様は少し意外そうな顔をして聞き返してくるが、これでいい。
「(いいんだよ、だって初めから強いとか面白みがないじゃん。だから可能性と成長がしっかり見込めて、尚且つ極めてもそんなに強くならないような、、、これがいい)」
俺はゲームでもコツコツと地道な作業が好きなタイプだ。呪力はわかりやすく伸びしろがあるエネルギー単体、使い所は様々でそれなりに応用も効くだろう、、、実をいうと最近呪術廻戦にハマってたから色々やってみたいのが本音なんだけどね?それにサイキョーチートは柄じゃないし。
そんな俺の考えを読み取ったのか、神様は頷く
「わかった、ではそのようにしよう。では、、、準備はいいか?」
俺はもちろんと返すと、突如として体が浮遊感に包まれ落ちていくような感覚になり、意識が段々と薄くなっていく
「では、達者でな」
どこか慈愛に満ち、優しげな表情をする神様の顔を最後に、俺は意識を手放した、、、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「、、、ん」
俺は目を覚ます。少し目を擦り、体を起き上がらせる
、、、あれ?今の俺の声?なんか高くね?
自分の声に違和感を感じていると、ふと近くに立てかけてあった鏡に反射した自身の姿を目にする、、、見慣れた、いつの通りの俺、、、ではなかった。自分の体を見て、思わず二度見する
腰までかかった長い白髪に少し小柄な体系、幼さを感じる顔に透き通るように白い肌。引きずり込まれそうなほど青く澄んだ瞳。そしてそれは誰がどう見ても
「女の子じゃねぇか!ふざけんな!?」
あのクソ神やりやがった。あーニヤニヤしたあいつの顔が見える見える、、、
と、そこで鏡の横にあった少し小さめの棚の上に手紙らしきものを見つけ、吸い取られるようにその紙を手に取り、開く。
「〈やあ儂だよ、神様だ。おそらく今君は困惑、もしくは怒り狂っているだろうね、なんせ勝手に肉体を弄ったのだから〉」
おうその通りだよくわかったなこの野郎。
今にもあのクソ神の顔面をぶん殴りたいところだが、まだ続きがあるようなので一旦怒りを鎮めて読み進める。
「〈その体は詫びと言っては何だけど、少し特殊な加工をしてあるよ。君にわかりやすく説明するとしたら、、、呪術廻戦の虎杖悠仁みたいなもんだと思っておいてくれ。それと転生特典が味気なかったから呪力量を乙骨並にしてるからね〉」
「は?」
「〈まあなにはともあれ、頑張り給えよ!応援しているから by神様〉」
「、、、、、、は???」
あの野郎とんでもねぇ置き土産をしていきやがった
続くかは不明です。ここまで読んでくださってありがとうございました!