ホシノ同級生相棒概念   作:洞鼬

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219話 本当の貴方へ

「どうすればいいの……?」

 

 

 センの部屋で、そうユメは呟いた。眼前の食器は空っぽで、そうなってからもう、数時間経っていた。

 

 もうすぐ昼に差し掛かろうとしているのに、ユメは今朝から何も出来ていない。ただ、ずっと席に座って考え込んでいただけだ。

 

 そんな事をしていても、センは来てくれない。嫌でもユメは理解させられた。胸の中に燻っていた希望の灯は儚く消えた。

 

 

「あ……お腹」

 

 

 こんな時でもお腹は空くらしい。いつか、センの前でやらかしたように、ユメのお腹がくうくう鳴った。

 

 昨日までなら、こんなことにはならなかった。お腹が鳴る前に、センと一緒に昼食をとっていただろう。空腹感がセンの不在をさらに認識させるようで、ユメは辛かった。

 

 

「何か食べないと……」

 

 

 のろのろとユメは席を立つ。自分の部屋の冷蔵庫にはマトモな物は入っていない。食事を全部センに頼っていた弊害が今ここに来ていた。仕方なく、この部屋の冷蔵庫を覗くしかない。

 

 しかし、中には何も入っていなかった。そう言えば、今日は丁度買い物の日だ。この間の不良たちとのやり取りのせいで、買い物のスケジュールがズレていたのだった。

 

 

「作る……? いや、やっぱり……」

 

 

 ユメは自分で作るかと思ったが、止めた。一人で買い物をすると、センが居なくなったことを認めるようで嫌だ。それに、センの料理に調教されたユメの舌では、自分の料理に満足できないだろう。

 

 となれば、外食だ。幸いにも、センが残したお金は沢山ある。以前なら喜べただろうが、今は全く嬉しくない。それに、外食しようにもどこでするか思い浮かばない。

 

 一人では食べたくない。そして、センと一緒に行ったことがある店にも。その事を思い出して、孤独感で死にそうになる。でも、このままという訳にも行かない。

 

 必要に迫られて、ユメは出かける事にした。センの話が無かったら出かける予定だった。だから用意はとっくに出来ていた。

 

 

 □

 

 

「暑い……」

 

 

 外は日差しで茹だるような暑さで、ユメは歩きながら呻き声を上げる。しばらく歩いたが、何の成果もない。良さそうな店は見つからないし、センも見つからない。

 

 ユメは正解が分からなくなっていた。ユメのせいで昨日までの幸せは壊れてしまったのに。ユメが今更足掻いて、何かが変わるのだろうか。寧ろ、事態が悪化する未来しか考えられない。

 

 でも、諦める事もできないのだ。まだ今なら間に合う予感がある。でも、上手くいくと言う確証はない。以前なら、感情のままに突っ走ることが出来た。しかし、今はもうできない。

 

 失敗が恐ろしかった。失敗すれば、センは帰って来ないからだ。センと出会うまでの負の感情が、再び夢の中に蔓延していた。

 

 それを吹き飛ばしてくれていたセンはもういない。ユメは何もできない。

 

 今のユメに出来る事と言えば、外を彷徨うことくらいだ。今の今まで彷徨ったところで、良い考えの一つも浮かばなかった。

 

 そして、そんな当てもなく彷徨い歩くユメに、聞き覚えのある声が掛けられた。

 

 

「どうした……? 嬢ちゃん……?」

 

「あ……店主さん……」

 

 

 そこにいたのは、この間ラーメンを奢ってくれた獣人の店主だった。あの時と同じように屋台を引いていて、もう準備が出来た屋台からは、良い香りが漂ってくる。

 

 

「何か、あったのか?」

 

 

 大人らしからぬ、本当に心配した表情と声色だ。しかし、今朝の事を伝えて何になるというのだ。

 

 

「いえ、何とも、あ……」

 

 

 そう思って断ろうとしたユメの言葉を腹の音が遮った。あまりの恥ずかしさで顔が真っ赤になる。

 

 

「……食べていくかい? こないだの事もあるし、もう一回くらいはタダで良い」

 

「でも……」

 

 

 店主の心配が伝わってきた。その気持ちに嬉しくなるが、先程と答えは同じだ。再び断ろうとしたユメに店主は言う。

 

 

「映画やドラマであるだろ。バーや屋台の店主が客の悩み事を聞くシーン」

 

 

 突然の話題転換にユメは目を白黒させた。

 

 そんなユメに対して、店主は少し笑って、続きを言った。

 

 

「一回やって見たかったんだ。練習台になっちゃくれねえかい?」

 

 

 店主はユメをこのまま行かせるつもりは無いらしかった。尤もらしい理由でユメを引き留める。

 

 それに、ユメの空腹感も限界に近づいていた。さっきまでは暗い考え事のお陰で意識が向かなかったが、屋台の香りと店主の心配がユメにそれを思い出させていた。

 

 無言で頷くユメを見て、店主は安心した様子で笑う。

 

 

「おう。そこに座ってくれ。時間は掛かるが、じきに出来るからな」

 

 

 屋台の席に着くと、店主は慣れた動きで準備を始める。その動作は、この間の時よりも、どこかゆっくりに感じた。

 

 きっと、ユメが話す時間を作ってくれていた。ユメの中には、ポツポツと思いが浮かぶが、上手く言葉に組み立てられなかった。

 

 

「兄ちゃんに関係あるんだろ?」

 

 

 店主の言葉に、ユメは頷く。多分、最初からお見通しだったのだろう。

 

 

「喧嘩したのか? だから、一人でフラフラしてたのか?」

 

 

 これまた頷く。それを聞いた店主は安心した様子で息を吐く。

 

 

「ふぅ……安心したぜ。今にも道路に飛び出しそうな顔してたからな。喧嘩なら大丈夫だ。お互い謝れば元通り……」

 

「無理だよ……」

 

「嬢ちゃん……?」

 

 

 一度溢れ出した言葉は、もう止まらなかった。困惑する店主に、水が流れるように言葉が流れ出す。

 

 今日で終わりだと言われた事。

 

 それはユメのせいでは無く、センの過去のせいだと言われた事。

 

 でも、それを思い出させたのはユメで。センは嫌がっていたのを分かっていたのに強行した事。

 

 全部、ユメのせいなのに。それでも元に戻したいと思うのだ。

 

 でも、どうすればいいのか分からない。怖くて、おかしくなりそうだ。

 

 そんな、煮詰まった想いをユメはぶち撒けてしまう。

 

 

「……悪かったな。嬢ちゃん。事情もよく分かってないのに、気休めの言葉を掛けちまって」

 

 

 ユメが我に返ると、眉を下げた店主が居た。自分のやらかした事に気づいたユメは、慌てて謝ろうとする。

 

 

「あ、ごめんなさ──」

 

「良いんだ。それに嬢ちゃんが吐き出したお陰で、多少は口が出せそうだ。何、悪かったと思うなら、ラーメンが出来るまでの暇つぶしに聞いてくれ。男の俺から見た事を話そう」

 

 

 ユメを制止した店主は、鍋の火力を調整しながら話し出した。

 

 

「嬢ちゃんは自分が悪いからって言うが、兄ちゃんも悪かったと思うぜ。多分、耐えられなかったんだろうが。言い方があるだろって」

 

「耐えられないって、それは当たり前だよ……」

 

 

 センの過去だ。詳しくは知らないが、あそこまで落ち込むのだから相当なものだろう。

 

 しかし、店主は首を横に振った。

 

 

「耐えられないってのは、過去じゃないと思う。兄ちゃんは嬢ちゃんに耐えられなかったんだろうさ」

 

 

 それを聞いて、ユメの顔から熱が引いた。それ程に嫌われたと思うからだ。しかし、店主の言葉はそんな意味ではないようだった。

 

 

「嬢ちゃんは綺麗過ぎるからな。外見の話じゃないぜ?」

 

 

 ユメは首を傾げる。意味が分からない。それを見た店主は言い方を変える。

 

 

「眩しいと言ってもいいかもな。嬢ちゃんは、とても真っ当だから」

 

 

 それは、ユメにとっては当たり前のことだった。それのどこが眩しいのか分からない。

 

 

「……太陽は自分が輝いていることに気付かないって言うだろ。嬢ちゃんにとっては普通の事。それが、兄ちゃんにとっては眩しかった」

 

 

 センにとって、ユメは眩しいのだと言う。その眩しいというのが、ユメの姿勢なのだと店主は言う。

 

 

「嬢ちゃんは、アビドスの生徒会長だろ? だから、こないだみたいに問題を片付けて周ってる。そうだろ?」

 

 

 ユメは頷く。それは自信を持って答えられる。

 

 

「なら、こないだの比じゃ無い問題だってある筈だ」

 

 

 きっと借金のことだろう。店主は曖昧な言い方をしたが、それしかない。

 

 何を言われるのかと身構えるユメに、店主は鍋から立ち昇る湯気の向こう側から言った。

 

 

「そういった事を解決する時、どうしたって過激な手段を選びがちだ。銃とか暴力とか権力とか。キヴォトスでは珍しくない方法よりも、もっと過激なことを」

 

 

 ユメは嫌な気分になる。その手段は嫌いだ。笑顔などどこにもない。

 

 そんなことを他の人に言った時、呆れた顔をされたのを覚えている。

 

 店主の顔は湯気で見えないが、良い顔はしていない気がして気分が暗くなった。

 

 

「でも、お嬢ちゃんはそれでいいのさ。だからこそ、兄ちゃんは嬢ちゃんと一緒にいたんだと思うぜ」

 

 

 湯気が晴れた先の店主の顔は、小気味よい笑顔だった。そして、疑問のままにユメは聞く。

 

 

「どうして?」

 

「過激な手段を取れば、直ぐに状況を変えられる。でも、それは諸刃の剣だ」

 

 

 それは警告だった。そして、やけに実感がこもっているような感じがした。

 

 

「皆がしないからこそ、過激な手段には意味がある。全てをひっくり返せるほどの過激な手段は、多くの人間を傷つけるからだ。だから、みんな考えはしても、しないんだ。……したら、どうなると思う?」

 

「どうなるの?」

 

 

 店主はさっきの顔から、苦々しい表情に変わっていた。

 

 

「最初はいいさ。達成した目的に浮かれていられる。だけど、気づいた時には誰も居なくなってる。いや、残ってほしくない奴等だけが残ってる。本当にいて欲しかった人達は居なくなって、過激な手段を肯定する人間しか残らない。それで、取り返しがつかなくなってから気がつくんだ。手段と目的が逆転していたことに」

 

 

 苦々しい表情から、寂しそうな顔になった店主は、締めくくるように話を切った。

 

 それは、恐ろしい話だった。アビドスに当てはめて考えたら、もっと悪い。ユメがいつか考えたことがあるような事をすれば、ユメの守りたかった人達が全員居なくなると言うのだから。

 

 理屈はよく分かった。もし、ユメに力が。例えば無双の力があったとして。それを振るって問題を片づけたらどうなるか。借金を力で踏み倒して、悪人は全員懲らしめて。人の話を聞かずに問答無用で排除すれば。

 

 きっと、普通の住人は戦闘を恐れていなくなるだろう。だって怖くてたまらない。そんなところに住みたくはないからだ。

 

 そして、問題が無くなってから気がつくのだ。もう、ユメの守りたかったものは、何もなくなっていることに。アビドスの借金を失くすのは手段で、目的は皆に笑ってもらう事のはずだったのに。

 

 

「多分、兄ちゃんはそのことを知ってた。記憶はなくとも、経験則で。あの先日の顛末の解決方法から、それが分かる。アレはそのことが分かっていないとできない方法だった」

 

 

 店主は、屋台の下に潜って声だけで言う。

 

 

「兄ちゃんは俺が考えつくよりも過激な手段を知っているし、取る事も出来ただろう。そして、過去。それをやったのか、やらされたのかもしれない。きっと、どん底を経験したんだろう。それで、記憶を失って逃げ出したのかもしれない。その後に、嬢ちゃんに会った」

 

 

 麺を持って立ち上がった店主は、それを鍋に投入する。湯気がまた勢いよく上がった。

 

 

「きっと、無意識で真っ当な手段をとる嬢ちゃんが眩しかったんだ。だから、嬢ちゃんと一緒に居たし、記憶を取り戻して、一緒に居られないと思ったんだろう。兄ちゃんは奪ってばかりで、与えることが出来ないから。そのままの自分でいることが耐えられなくなった」

 

 

 店主はユメを見ずに、茹で上がろうとしている麺を睨んでいるのが、湯気の向こうでも分かった。

 

 

「だから突き放した。そうしなければ、ズルズルとそのままでいてしまうから。自分の醜さを嬢ちゃんを見るたびに突き付けられるから。嬢ちゃんに嫌われたくないから。だから、自分で自分の退路を断った」

 

 

 茹で上がったと店主は麺を掬って、勢いよく湯切りする。いつの間にか用意されていた湯気を立てる器に麺が盛られ、あっという間にトッピングが乗せられる。

 

 

「丁度、出来上がったな。どうぞ。注文のラーメンだ」

 

 

 店主から受け取ったラーメンは暖かかった。匂いが食欲をそそって、ユメは熱さも気にせずに麺を啜った。啜るスピードは落ちなくて、瞬く間にラーメンがユメの口へと消えていく。

 

 それを嬉しそうに見ている店主は、ユメが食べ終わったのを見計らって声を掛けた。

 

 

「それで、俺の見解だが。まだ何とかなると思うぜ」

 

「本当!」

 

 

 ユメの口から、期待に満ちた声が飛び出す。それに店主は自信満々に頷き返す。

 

 

「ああ、本当さ。それに、嬢ちゃんも腹が膨れて気分が上向いただろ。今ならいい考えも浮かぶはずさ」

 

 

 言われてみれば、さっき迄の陰鬱な気分は少し収まっていた。店主の言う通りかもしれないし、さっきの話のお陰もあるのかもしれなかった。

 

 

「さっき、過激な手段の話をしただろ? どうして、皆は取らないんだと思う?」

 

「やっぱり、分かってるから? 良くないって」

 

「そうさ。それを皆、薄々分かってるんだ。だから、人は話すんだ。意見を交わして着地点を見つける。でも、良くないと思うのは嫌だからさ。その、何が嫌なんだと思うよ?」

 

 

 また、難しい事を聞くものだと思う。ユメはあんまり考えごとが得意ではない。でも、この答えはなんだか分かるような気がした。

 

 

「一人になるのが嫌なのかな……」

 

「そうだな。大まかにはそうだ。人は一人では生きていけないと言うが、俺は真実だって思うね」

 

 

 上手く言葉にできなかった答えを、店主は正解だと言ってくれた。本当の正解は、ユメの言葉そのものではない事は、はっきり分かっていた。

 

 

「本来は、そういう事をほんの小さい時に経験するんだ。家族や、友達との交流の中でな。一人ではないと言う安心感と言うか、物では満たされない豊かさと言うか。そういったモノを与えられて、成長していくんだ。これが、皆と生きていくことだって」

 

 

 店主は気恥ずかしそうに、顔の傷のある部分ポリポリと掻いて言った。

 

 

「そういう事を与える者が大人だと、俺は思う。本当なら、そういった金じゃ買えない、形も無い、でも確かに豊かだと言えるモノ。それを与えなきゃならない。それを与えられた子供が大人になった時、子供の時に自分が与えられた物を与えるんだ。そうして想いは繋がっていく」

 

 

 そして、真剣に店主は告げた。

 

 

「でも兄ちゃんには無かった。いや、十分ではなかったんだろう。だから、奪うばかりで与えられないと思っているし、過去には過激な手段をとれた。失う物を知らなかったからさ。でも、今は違うんじゃないか?」

 

 

 それには心あたりがあった。それはユメが積み上げたものだからだ。

 

 

「私……?」

 

「そうさ。降って湧いたそれ──嬢ちゃんとの日々を諦められない。だから、強引に突き放すことしかできなかった。兄ちゃんには、まだ未練があるのさ」

 

「じゃあ……!」

 

 

 喜びのあまり、立ち上がったユメを店主は窘める。

 

 

「だが、最後のチャンスだ。兄ちゃんを説得するんだ。そのためにしっかり話して、準備をした方が良い」

 

「ありがとう! それと、ご馳走様でした!」

 

「ああ、気をつけて。それと、頑張りな」

 

 

 店主への挨拶もそこそこに、ユメは屋台を飛び出した。

 

 もう何をするべきかは分かっている。ちゃんと店主が教えてくれた。お腹も膨れて気分も上向きになっている。今のユメは無敵だ。

 

 ユメも一緒に居たいし、センもそうなのかもしれない。まだ、かもしれないだが、それだけでユメには十分だった。

 

 自分の、この気持ちをセンにぶつけるのだ。一人よがりだと言われるのかもしれない。でも、それはセンの話を聞いてからだ。いつもユメはそうしてきたのだ。ユメはこの手しか知らない。

 

 そして、勝算はあった。さっき言ったかもしれないではない。ちゃんとした勝算だ。

 

 そもそも、どうしてセンは、ユメを突き放したのだろう。

 

 店主の話は的外れではないと思う。寧ろ核心をついているのではないかとすら思う。考えるべきは、センの反応だった。

 

 失ったから恐れている。どうして失ったか分からないから、自分がそんな日々にふさわしくない人間だから失ったと思っている。

 

 与えられないと思っている。センには何も無いから、ユメには何も与えられないと。

 

 だからユメを突き放した。でも変だ。ユメはセンに与えて貰った物が沢山ある。それなら、センは空っぽではない。つまりは、センはそういった経験をしたことがあるのだ。

 

 考えてみれば当然の話だ。一度経験したから。記憶にはなくとも、それを経験したことをどこかで覚えている。だから、ユメに与える事が出来た。ユメとの日々の前に、何かを経験している。そして、それをセンは覚えていないのだ。

 

 もしかしたらセンですら、本当の自身の事が良く分かっていないんじゃないか。

 

 前提からして、センの記憶は全部戻ったのだろうか。ユメは違うと思う。偶々、今回最悪の記憶が蘇っただけで、そうじゃないモノもあるはずだ。

 

 だったら、全部思い出してもらえばいい。全部思い出して、センが思い込んでいるものじゃなくて、本当のセンを探し出す。そこから、話をするのだ。ありのままの、本物のセンと話すのだ。初めから、ユメのやっていたことを貫き通せばいい。

 

 方法はあの宝石で良いだろう。場所は知っているし、移動手段もある。車も運転できる。

 

 どんなセンだろうとユメは肯定しよう。センは何も与えられない訳じゃなくて、しっかりとユメに与えてくれた事を伝えよう。そして、今度こそ、迷いなく言うのだ。

 

 

 ──私は、セン君と一緒に居たいよ。

 

 

 その言葉を胸の中で反芻しながら、ユメはアビドス本館へと足を進めた。

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