ホシノ同級生相棒概念   作:洞鼬

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228話 保護者たち

 問題の映像は、先生だけが見る事になった。

 

 シロコ達は不満そうであったが。黒服の”面白いものではない”との一言で撃沈した。黒服の口振りから、あまり愉快なものではないらしいことはよく分かった。

 

 そして、生徒たちから離れた場所で、黒服は機材の準備をしながら口を開く。

 

 

「時に先生。映画はお好きですか? 特に、ホラー映画は」

 

 

 黒服が、そんな事を言うから。思わず先生は聞き返す。

 

 

「そういうの見るんだ?」

 

「おや? 意外ですか?」

 

 

 意外も意外だ。黒服が映画を見る事ではない。先生の中では、ホラーと黒服はどうしても結びつかなかった。

 

 何というか、黒服はそういう物の正体を直ぐに把握してしまいそうなイメージがある。幽霊の正体見たりという奴だ。枯れ尾花だと分かっていれば怖くもなんともないだろう。

 

 ホラーとは恐怖を楽しむ物だ。そう言ったイメージを黒服には抱きにくかったのだ。

 

 

「先生とて、ロボットモノでしょうか。お歳にそぐわない物がお好きでしょう? 色彩襲来の際に、カイテンジャーロボに大騒ぎしていたではないですか」

 

 

 そんな事は承知であるのか、黒服はチクリと先生を言葉で刺してきた。

 

 そこを突かれると痛い。そも、人の趣味に口出しする程風情のない事はなかった。

 

 

「私とて人ですから。趣味くらいあります。幾つか拝借した台詞もありますし、参考にもなります」

 

「参考……?」

 

「先生もご存知のペロロジラ。クリーピーパスタ、所謂都市伝説から崇高に至ったモノ。ゴルゴンダから昔、説明されたでしょう?」

 

止め処無い奇談の図書館(The Library of Lore)だっけ?」

 

 

 止め処無い奇談の図書館(The Library of Lore)。都市伝説がいつのまにか神秘を纏い、実体化するとかしないとか。ゴルゴンダが言っていた、そういったモノたちの総称である。

 

 合っていたのか、黒服は頷く。

 

 

「ペロロジラの大元の噂は、かつて輸送船が沈没し、海の藻屑となったペロログッズがあった。というモノです。ペロロジラとは繋がりませんが……ここが噂の面白いところです」

 

「面白い?」

 

「噂とは口伝に近い。幾らインターネットが発展したところで、やっている事は噂話なのです。聞き間違いや解釈違いで、如何様にも変質する。粗末にされた人形が暴れると言う固定観念。それと先生の大好きな怪獣映画の一説が上手く符合した結果。ペロロジラは誕生したのです」

 

「ああ、だから映画を見るんだね。資料として」

 

 

 確か、ペロロジラは映画になっていたはずだ。ヒフミたち補習組が、テストをさぼってでも見に行くと言ったのを止めた覚えがある。

 

 そういったモノから、黒服たちゲマトリアが求める崇高が生まれた。これからも生まれるかもしれない。担当はゴルゴンダかもしれないが、黒服なら目を通すことくらいはする。

 

 そして、今この話をすると言う事は、映像はそう言う類の物なのだろう。

 

 

「それで、その話をしたってことは……そういう系統なの?」

 

「そうですね。強いて言うなら、POV系でしょうか。外の世界では、一時期流行ったでしょう? 魔女の森を彷徨う物や、ポルターガイストを定点カメラで撮った物が」

 

 

 先生にも覚えがあるタイトルを口ずさんで、黒服は映像の入っているであろうディスクを機械へ放り込んだ。

 

 画面が瞬いて、映像が映り始める。何だか画面が青かった。

 

 

「……先ほどの映像。あれは編集したものだと言いました。どう編集したと思いますか?」

 

「助長な部分はカットしたとか……?」

 

「はい。そのまま流せば、数ヶ月はかかります。カヤツリ君は兎も角、私たちにとって、それは時間の無駄ですからね」

 

 

 間違いだとは、黒服は言わなかった。けれど、正解だとも言わない。

 

 

「先生。私は先ほど、POV系だと言いましたね。POVとは、Point Of View。つまりは登場人物からの視点からの撮影技法を言います」

 

 

 黒服の言葉に、先生は嫌な予感が背中を這い上って来るのが分かった。さっき、全員で見た映像は、第三者から見た客観視点だった。まるで映画みたいな。

 

 

「あの映像は、元々はカヤツリ君の一人称視点なのですよ。今、映っているのもそうです」

 

「青い画面のままだけど……」

 

 

 壊れたパソコンの様なブルースクリーン。そんな画面をひたすら見ていると、一瞬暗転する事にも気がついた。どう見ても壊れているようにしか見えない。

 

 

「映っているでしょう? 赤い部屋ならぬ、青い部屋ですが」

 

「赤い部屋……? 悪戯の?」

 

 

 どこかで聞き覚えがある単語だ。確か、悪戯のフラッシュ動画か何かだったような……

 

 

「いいえ。そちらではなく、寓話の方ですね。覗き穴から隣室を見ていたら、その部屋はいつ見ても真っ赤だった。そして、隣人の目はいつも充血して真っ赤だったと言う」

 

「あ……」

 

 

 先生の背中が冷たくなった。そして先生の頭に浮かんだ答えが、画面の中で証明される。

 

 少しづつ、画面の青が遠くなっていって、先生には見覚えのあまりない顔が映し出された。

 

 

「髪の短い方の、ホシノ……?」

 

 

 不機嫌そうな顔で、短髪ホシノが覗き込んでいる。

 

 

「うわ……」

 

 

 先生は悲鳴とも、呻きともつかない声を上げた。見覚えのある場面が主観視点で続いていくのだが、そのどれにも短髪ホシノがいる。その上、ずっとこちらを見ている。

 

 

「……なんか、こっち見てない?」

 

「お気づきになりましたか……」

 

 

 カヤツリの方を見ているのは分かる。当のカヤツリは全く気がついていないが。ただ時々、短髪ホシノの目の焦点が変わるのだ。目の前のカヤツリではなく、その奥。その奥から覗いている、先生と黒服に焦点があう。

 

 

「……これが、編集した理由ですよ。これでは、ジュブナイルからホラーになってしまいます。先生の得意技であるジャンル変更も甚だしい」

 

 

 恐怖に震えると言うよりも、黒服は困ったような様子だった。

 

 

「何でこんなこと……」

 

「警告でしょうね。余計なことをしたら許さないという」

 

 

 先生は、意味が分からなくなった。それはおかしい。時系列があっていない。こうすることをカヤツリが決めたのは、砂漠横断鉄道の騒動が終わった後のはずだ。

 

 警告も何も、この時点で何がどうなるかは白紙だったはず。カヤツリ自身すら分かっていないのに。どうして、この短髪ホシノはこんなことが出来たのか。

 

 

「そもそも、この短髪のホシノは? 警告って……何が目的なの?」

 

 

 黒服は、深いため息をついた。そして、遠くの生徒たちに分からないような声量で話し出す。

 

 

「セトさんが居るでしょう。それと似たようなものです。……権力は比にならないでしょうが」

 

 

 黒服が、先生を見る目は真剣だった。雰囲気もいつもと違う感じがする。

 

 

「先生は、変わらないでいられますか? ついこの間の事件。あれで世界が終わりかけたのはご存じでしょう? 色彩の時も、それよりずっと前の認識改変もそうです。そして、それらの直接の原因は一体なんでしたか?」

 

 

 先生は答えなかった。分からないわけでは無い。そんな事は分かっているのだ。

 

 今年の春、アビドスの。もしかしたらキヴォトスの全員からカヤツリの記憶が消えかけた。色彩が襲来して世界が終わりかけた。そしてついこの間。ホシノが反転して世界が終わりかけた。

 

 直接の原因は、全部生徒だった。

 

 

「先生。貴方は、薄々気がついているでしょう? それでも、変わらないままで居られますか?」

 

「いられるよ。私は先生だからね」

 

 

 先生は、先生なのだ。生徒が生徒である限り、そうあろうとする限り、そうある事を手助けする。そうしたいと先生は願うのだ。

 

 

「生徒たちがどんな存在だろうとどうでもいい。私にとって、そんな事は重要じゃないんだ。そんな事は、私が先生である事を揺るがす理由にはならない」

 

「ククク……あの時と答えは変わりませんか」

 

 

 先生は、ちらりと騒がしくなった後方を見やる。黒服もそれを見た。

 

 

「……それが、先生の理由ですか」

 

「そうだね」

 

「そうですか」

 

 

 後方ではホシノとカヤツリが戻ってきていた。戻ってきた二人は、後輩たちに色々言われている様子だった。それは嫌な雰囲気では無くて、どこか暖かさを感じられるものだった。

 

 これが、この光景が、先生の理由だった。

 

 そう、はっきりと答える先生に、黒服は短く呟いた。

 

 

「それでは、また会いましょう。先生」

 

「え?」

 

 

 そんなしんみりした雰囲気をぶち壊すような黒服に、先生は困惑する。

 

 黒服はさっきの雰囲気をかなぐり捨てて、意地の悪い笑みを浮かべている。

 

 

「いえ、直ぐに分かると思いますよ? 先生も、理事も、私も呼ばれるでしょうから。ホシノさんは嫌がりそうですが」

 

 

 黒服の言っていることは、先生にはすぐに分かって微妙な顔になる。その場所と黒服の雰囲気が全く合っていない。

 

 それを見た黒服は大笑いする。

 

 もう、今日の騒動は終わろうとしていた。

 

 

 □

 

 

「……一体、何のつもりですか? そもそも、どうしてここに?」

 

 

 セトが振り下ろした雷槍を、涼しい顔で受け止める短髪ホシノが腹立たしかった。槍を仕舞うと、向こうも臨戦態勢を解除した。

 

 

「自覚ないの? その目で大体わかってるでしょう? ここに来た理由も、出来た理由も」

 

「一々目で見るのは疲れるんです……ああ、来れた理由はこれですか。話の邪魔ですし、消しますよ」

 

 

 見覚えのある部屋の中、そこで見ていたモノを消した短髪ホシノに、セトは呆れの感情しか出てこなかった。

 

 

「何が不満なんです? 全部うまく収まったでしょう? 全部元通りで、二人の関係はすっかり元通り、アビドスも復活に近づいている。大変な一日は終わって、もう夜。お休みの時間です」

 

「初めから、そっちの仕事でしょうが……!」

 

 

 セトはそう吐き捨てる。最後にちょろっと出てきて、全部掻っ攫っていった。それも腹立たしいが、一番は違う。

 

 

「何のつもり? 試験とか笑わせる。全部そっちの都合でしょうに。切っ掛けがカヤツリなんて言わせない。大体が全部そっちがちゃんとしなかったからでしょ。今更、姑染みた事なんかしないで」

 

「貴女だって散々したでしょうに」

 

「ハン……言い訳もそっくり。大体、時間の概念なんか、そっちには関係ないでしょ。ホルス。それとも、クソ上司って呼べばいい?」

 

 

 苛立ちのままに、セトは言葉の暴力を浴びせ続ける。昔からコイツは大嫌いなのだ。母親の後ろに隠れているし、全部借り物だし、大した理由もない癖にこっちの邪魔ばかりだ。手段と目的がごっちゃになっているくせに。

 

 そのくせ、全くこちらの暴言は堪えていない。セトの苛立ちが加速する。

 

 

「それで? 何でこんなことしたの。反転を戻すためだけじゃないはず。それなら、カヤツリに対してあんなことをしなくてよかった。梔子ユメと小鳥遊ホシノを天秤にかけさせたりなんて!」

 

 

 最悪だった。アレは、カヤツリの中で整理がついていない問題なのに。時間をかけるべき問題だったのに。ホルスは待てなかった。選択を強制した。

 

 アレは呪いだ。カヤツリの中に呪いとして残ってしまった。もう、カヤツリは小鳥遊ホシノから離れられない。

 

 

「まさか、本当に姑染みたことをしたかっただけじゃないでしょ?」

 

「ああ、そうですね。それはついでですから」

 

 

 あの腹立つ無表情のまま、ホルスは答えた。ついでと言ったかコイツは、とセトの怒りのボルテージが上がる。

 

 

「ついで!? ついでで、あんな面倒なことしたの!? 時間軸を弄りまわした。そのせいで、ループしてる。柔軟性が全くない!」

 

 

 過去は曖昧なものだ。未来への決定的な分岐ポイントは、少なければ少ないほどいい。それなのに、ホルスが介入したせいで滅茶苦茶だ。

 

 

「過去が確定した。もう変えられない。何の意味があるって言うの」

 

 

 カヤツリが時間遡行した過去が確定してしまった。もう、梔子ユメの勘違いとか、偶々の偶然とかで片付けられなくなった。他の可能性が死んでしまった。ルートが確定してしまった。

 

 

「……この世界には無くなった方が良いものがあります」

 

「はぁ……!?」

 

 

 意味の分からない事を言うホルスに、セトは不審者を見る眼差しを向ける。当のホルスはまったく表情を変えないのが不気味だ。

 

 

ゲヘナ(空崎ヒナ)ルート、ミレニアム(調月リオ)ルート、トリニティ(百合園セイア)ルート、ネフティス(十六夜ノノミ)ルート、王女(天童アリス)ルート。この世にはなくなった方が幸せになれるものがたくさんあります」

 

 

 そう言いながら、ホルスは指を何本も立てる。

 

 

「それらを、ホルスパワーで全て消し去ります」

 

 

 そう言ってホルスは、開いた手をぎゅっと握った。力が入り過ぎて、手が白くなっている。

 

 

「ああ……見たの?」

 

「見ましたよ。全部」

 

 

 ホルスはキレていた。無表情なのは、怒りで逆に落ち着いているのかもしれない。

 

 

「ええ、ええ。見ました。見ましたよ。小鳥遊ホシノを放って、アビドスを捨てていくのを。貴女由来ですからね。美人には目が無いのは仕方ないのかもしれないですね」

 

「また逆ギレ……それに、自爆じゃない? 捨てていかない場合もあるでしょうに……しかも、何がついでなの? むしろ本題じゃない。我儘なヤツ」

 

 

 その目を持っていないセトには分からない悩みだ。見ようとしなければ、見なくていいはずだが。そんな事はホルスには関係ないらしい。

 

 

「カヤツリは。アビドスから離れちゃいけないし、他の娘に目移りしちゃいけないし、小鳥遊ホシノの傍に居なくちゃいけないんです」

 

「だから、ルートを固定したの? シンプルにカスの発言だし、この世界じゃ辿らないってだけで、存在はするでしょうに」

 

 

 セトの中で、ホルスの評価は地に墜ちている。それどころか、もう地面を穿孔し始めていた。

 

 

「何が、そんなに気に入った……いや、あそこまですれば、ああもなるか」

 

 

 気持ちは分からないでもない。ホルスには会話をする相手がいない。ここから、小鳥遊ホシノの中から外を覗くしかない。

 

 そしてそこからの光景も、全く面白くない。寧ろ、自身の仕事の不手際を突きつけられているようなものだ。

 

 それを手伝って、そこから見る光景をまともにしたのがカヤツリだ。自分の娘みたいな存在に、あそこ迄よくしてくれたのだ。評価は上がるし気に入りもするだろう。あそこまでしたんだから、はっきりしろよ。その気持ちも分かる。そしてその気に入った相手が、何時までもふらふらしているのだ。見ているしかない側としては腹も立つ。

 

 例えるなら、乙女ゲームだ。ルートに入ったのに、いつまでもルート離脱の危険性が消えない。だが、やり過ぎだ。

 

 このまま放置すれば、まだぞろ何かをやらかすだろう。ホルスは自主的に。自分からはまともに干渉はできない。しかし今回の地下生活者の様な奴の企みに便乗すればできる。

 

 ホルスは、地下生活者のように個人の選択には干渉しないしできない。でも、それを変えられなくしたのだ。

 

 だから、釘差しのために。セトはここまで。小鳥遊ホシノの中までやって来た。タイミングがタイミングだ。セトの気分は最悪である。

 

 

「結局は同担拒否……いや、ミ〇リー? ……微妙に違うか。心の狭いヤツ。それで、何回やったの?」

 

「何回?」

 

 

 とぼけるホルスに、セトは叫んだ。

 

 

「何回やり直したって聞いてる! どうせ、自分が気に入る結果が出るまでリトライしたんでしょう!」

 

 

 何回もあの世界をやり直したに違いないのだ。ホルスはそこまでやるし、出来る権力もある。ラーが混じった今の大ホルスなら猶更だ。自らを信仰する人々が自分を舐めているから、滅ぼしてしまおうとするくらいの耄碌ぶりを引き継いでいる。

 

 でも、怒り狂うセトとは反対に。ホルスは笑っていた。無表情なのに、なぜかそれが良く分かった。

 

 

「何がおかしい!」

 

「いや、貴女でも間違えるんだなと思いまして」

 

「あ゛あ゛!?」

 

 

 煽る様な口調のホルスに、セトは怒鳴ったが。ホルスはセトへと言い放った。

 

 

「やってませんよ」

 

「あ゛……? 自制したってこと? そんなはず……」

 

「いいえ。私は、やる気満々でしたよ」

 

「フフフ……一回で成功したってこと」

 

 

 少し考えて、答えを出したセトは笑い出す。だから、ホルスは最後、あんなあっさり退いたのだ。散々焦らされた挙句に成功されて。梯子を外された気分になって、最後にあんな嫌味を言った。

 

 

「ハハハ……負けたんだ。一杯食わされたわけね」

 

「それだけじゃありませんよ」

 

 

 負け惜しみか、何かは判断はつかないが。ホルスはポツリと呟いた。

 

 

「この世界が好きだと。そう言ってくれたので」

 

「本当に、都合の良い耳と脳みそ」

 

 

 ホルスの気持ちも分からないでもない。このテクスチャを作ったのはホルスだが。誰も感想なんか言ってくれなかっただろう。そこに、カヤツリの言葉が効いたに違いない。

 

 カヤツリとしては全くそんな意図は無いのかもしれないが、ホルスはそう捉えた。本当に都合の良い脳みそをしている。

 

 

「おや。お帰りですか?」

 

「用事は終わったから」

 

 

 もう、セトの用事はない。ホルスのスタンスが分かったから、どう動けばいいかもわかった。どうせカヤツリの視界内に小鳥遊ホシノは居るのだから、監視も容易だ。

 

 そろそろ数時間で夜が明けるから、早く帰らなければ帰り道が無くなってしまう。また明日同じ状況になるとも限らない。

 

 いそいそと帰る準備を始めたセトに、ホルスは機嫌よく声を掛けた。

 

 

「では、これからよろしくお願いしますね。お隣同士ですから」

 

「フン……迷惑は最低限にして」

 

「努力しましょう」

 

 

 そんなホルスの答えに、セトは鼻を鳴らして背中を向けた。

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