ホシノ同級生相棒概念 作:洞鼬
「大丈夫かい? 嫌なことを直視させたんだ。無理もないよ……」
先程とは違って、すぐに意識が戻った。そんなホシノを、心配そうにマトが覗き込んでいる。
「誰か……居なかった?」
ホシノの口からは礼の言葉ではなく、疑問の言葉が飛び出した。だって、あの感触は確かにホシノの知るものだったから。
そして、それを受けたマトの顔に心配が更に加わった。
「何の話だい? 極度の緊張からの幻覚か幻聴の類かね? ……これは、時間を置いた方が良いかもしれないね」
立ち上がったマトは嘘を言っているようにも見えない。後輩たちも心配そうにホシノを見ている。ただ、先生だけがホシノの後方をじっと見ていた。
「先生?」
「いや、何でもないよ。ホシノは大丈夫かい? 休みを入れた方が良いようだけど」
「平気だよ。ちょっと、気が動転しただけ」
「ちょっと、ねぇ……」
完全に疑ってかかる目つきで、マトはホシノをじろじろ見ていたが、諦めた様に息を吐いた。
「いいよ。話を続けようじゃないか。だけど、またさっきみたいになるなら、問答無用で保健室に担ぎ込むからね。三回目は流石にあれだし、この後の話は刺激が強い。本当にいいんだね?」
しっかりと頷いたのに、信用していない目で、じろりと見ているのが居心地が悪かった。そのせいか、さっきまでの頭に触れたあの感覚は、もう何であったのかあやふやだ。本当に、マトの言う通りに苦しみが見せた幻覚だったのかもしれない。
「じゃあ話を戻すけれど。これが私の罪。カヤツリから、機会を奪ったんだよ私は」
またまたすっかり落ち込んで。マトは椅子に座り込んだ。
「もし、私がシェマタの話を持ち込まなければこうはならなかった。私だけで対処すべきだったんだ」
自分への苛立ちか、膝の上のマトの拳は真っ白で、戻る様子も見えない。相当に思う所があるらしい。
「そうだったなら、カヤツリはまだここに居たろう。もしかしたら、状況はもっと良かったかもしれない。梔子ユメだって生きていたかもしれない。カヤツリなら、ドローンが使えたんだ。数日も経たずに見つけられただろうさ」
それは、そうかもしれない。ホシノが何度も夢想したもしも、それは本当にあったのかもしれない。
「……でも、おかしくないですか?」
沈黙をアヤネの言葉が再び切り裂いた。アヤネは不思議そうな表情で考え込んでいる。
「今の話で、カヤツリさんの違和感が増していってます」
「流れとしては普通に思えるけど、違和感? アヤネはそう思うの?」
「はい。カヤツリさんは言い方は悪いですが、アビドスから追い出されたんですよね? ホシノ先輩に詰られて、言い返しもせず、そのまま姿を消した」
シロコとアヤネによる容赦ない事実陳列にホシノの胸が締め付けられるが、アヤネの思うだろう違和感とやらが目に付いた。
「なんで、説明しなかったんでしょう。だって悪くないじゃないですか。自分は悪くないと、そう言えば……」
「無理だよ。カヤツリはそういう人間じゃないから。少しでも自分の影響があったなら、そんなこと言えないんだよ……」
もしも、カヤツリが人のせいに出来る人間だったら、ホシノはあそこまで信頼しなかった。それに、ビナーが襲撃した時の件だって、抱え込まずにもっとスムーズにいったろう。
「それに、私はユメ先輩が遭難して死んだって言ったんだよ。だから、私に秘密で出かける用事を作ったカヤツリが悪いって。だからカヤツリはそうだと思ってるんだよ。私がユメ先輩に八つ当たりしたことは、カヤツリは知らないんだ」
「だから、そこなんです。ホシノ先輩」
アヤネには何か考えがあるのだろう。ずいと机に身を乗り出した。
「変なんです。そこまでの事があったんです。梔子ユメ生徒会長やホシノ先輩、アビドスの事を嫌いになって、思い出したくも無くなって、出ていくのならわかるんです。それなら、説明なんかしません。もうそんなことをする義理も理由もありませんから」
そう言いつつ、アヤネはパソコンを操作し始めた。何かの画面を呼び出して、セリカへと回す。その間も口が止まらない。
「でも、今回の動きではアビドスに残っているばかりか、ネフティスを通じて動いている。最初からアビドスを救おうとしています。スオウさんの話からも、それは並大抵の苦労ではないことです。ホシノ先輩への仕返しとしては、あまりにも迂遠です。なら、きっと他の理由があるんですよ」
その理由は理解できた。きっとユメ先輩のためだ。ホシノと同じように、ユメ先輩が残したものを守りたかったと思うのだ。だから、カヤツリは手段を択ばなかった。
「私は書記ですから。カヤツリさんが言った部分を記録してあります。あの人が言ったことは、全部が忠告なんです」
「え? 殆ど悪口じゃない」
セリカへ渡したのはその記録だったのだろう。セリカの顔が渋くなっている。耳に痛い言葉しか書いていないはずだから顔が渋くなるのは仕方のない事だった。
「そう、セリカちゃん。ここに記録されているあの人の発言は殆どが悪口に聞こえる。でもね。悪口にも種類があるんだよ。唯の罵詈雑言とか、あること無いことを言うだけの誹謗中傷とかね。ただ、あの人の発言は指摘なんだよ」
言われて画面を見ればそうでしかなかった。どうしてこれをやらないのか。努力しないのか。目を向けないのか。考えないのか。どうしてそうできないのか。そういった耳に痛すぎる指摘のオンパレード。嘘や出まかせは何一つ存在していない。だからこそ耳に痛く、悪口にしか聞こえない。でも、それは何も思っていない相手にはしないのではないかと思えてくる。
「どうして、今になって私たちへ説明するんでしょうか。あんな敵対しているような態度でやってきて言う言葉が指摘なんでしょうか。目的と態度が一貫していません。あそこまでアビドス高校の問題点を知って理解していた人なら、指摘した問題点の幾つかは二年前に把握していたはず。態々、ネフティスに所属して言わずとも、出て行かずに時間をおいてホシノ先輩に言えばよかったんです。態々、シェマタを使って話を大きくしなくても……」
「無理だよ。アンタたちの都合で、アンタらに都合よく考えすぎさ」
ぴしゃりとマトが無慈悲な答えを叩きつけて、アヤネの疑問を断ち切った。
「今のは、あんたらの視点のお話さ。小鳥遊ホシノと私らの証言を組み合わせた希望的観測。カヤツリの視点で考えれば、そんなことは絶対にできないし、やらないんだよ」
「あの人側の視点? つまりはゲヘナ側の事情を知ってて、ホシノ先輩の事情は知らないってこと? あんまり変わらないように思えるけど」
マトはセリカに残念そうに顔を向けた。
「……全然変わるさ。カヤツリが知っていて、私らが知らないこともあるんだ。私が言った、カヤツリの保護者の名前を忘れたのかい?」
くつくつと、ホシノの呟きにあの特徴的な笑いが答えた。今になって思うと、カヤツリの不審な点も納得がいくのだ。かつて、カヤツリは大人の命令でアビドスに来たと言った。その大人の正体は黒服だったのだろう。そうする理由は簡単だ。何せ、黒服自身がずっとしていたこと。ホシノ自体が目的だった。スパイとしてか、他に何かの目的があったのか。何かの目的のためにカヤツリを潜り込ませたのだろう。
「でも、あの大人はもうアビドスに手出しはできないはず。そうでしょ。先生」
シロコが先生へと視線を送れば、しっかりとした頷きが返る。
「あの黒服だからね。約束は守ると思うよ。でも、マトが言いたいのはそこの部分じゃないんだよね?」
「そうだよ。先生。黒服が問題なんかじゃない。確かに最初は黒服とやらの命令で来たんだろうさ。でも、それは最初だけさ。私の目から見てね。カヤツリは本気であの日常を楽しんでいたし、大事にしていたんだよ。だからこそ、こんな事態になった。私の首をかけてもいい」
「じゃあ、何が問題なのよ。ホシノ先輩との日常が楽しかった人が、なんでこんなことをするのよ。まるっきり真逆じゃない」
マトは、セリカの方を向いて、困ったような笑みを浮かべる。
「アンタのそういう正しいところは好感が持てるけどね。誰しもそうできるわけじゃない。笑っているからって内心で笑っているとは限らない。それは黒服っていう存在を知ったあんたらは理解できるだろう? それで、カヤツリは黒服じみた手段を持っているし、躊躇なく使えるっていう部分が問題なんだよ」
スオウと同じようなことを言われたセリカは、言い返しはしなかった。ただ、悲しそうに眉を下げるだけに留まる。言ったマトもどこか悲しそうに眉間にしわが寄った。
「そういう手段っていうのは、人を騙すとかそういう部分じゃない。もっと根本的な部分さ。アンタとは対極に位置するものだよ」
「セリカちゃんと対極ですか……? 確かに、セリカちゃんは騙されやすいですけど……」
「アヤネちゃん……?」
暗に考えなしと言われていることに、セリカは情けない声を出している。だが、そうではないとマトは首を振った。
「カヤツリはね。人を信用はしても、信頼はしないのさ」
「ん。何が違うの? 似たようなものだと思う」
「シロコ。熟語をよく見てみればわかるよ」
先生は先生らしく、ホワイトボードに文字を書いた。さっきも言った二つの熟語だ。そこに先生はひらがなを追加した。
「信用は信じて用いる。つまりは実績とか、第三者的な物を見ることで。信頼は信じて頼る。その人を信じて任せるってことだよ。だから、信用しても信頼しないってことは、人を人柄じゃなくて、やった事でしか判断しないんだろうね……」
その説明は先生らしく、分かりやすいもので。おかげでマトが言ったことが嫌でも分かった。
カヤツリは誰も信じていないのだ。実績とか目に見えるものを出さない限りは、第一印象から敵扱いなのだろう。つまりは実績が無ければ話すステージにも上がれない。
「何それ……人間扱いしないってことじゃない!」
「前はそうじゃなかったんだよ……」
最初の頃。初めて会った時のカヤツリはそうだった。悪い大人にしか見えないくらい、それを徹底していた。でも、そうではなくなってきていたことをホシノは良く知っているのだ。
「私やユメ先輩にはそうじゃなかった。むしろ優しすぎるくらいだったんだよ。そっちもそうだったんじゃない?」
「アンタたち二人ほどじゃない。でも、アンタたちがカヤツリを変えたから、多少は信頼はしてたんだろうね。そうでなきゃ、出来レースなんて乗って来なかっただろう」
そう言うマトの表情は沈んでいた。それはマトがしてしまったことを思えば仕方のないことだ。マトは結果的にとはいえ、カヤツリを騙し討ちにした。そうされたカヤツリはどうなったのか。答えはついさっきまでのカヤツリを見れば分かる。すっかり前のカヤツリに戻ってしまった。
「出来レースで騙し打ちされた時点で、カヤツリの思考はそちら側へと寄った。いや、戻ったんだろうね。だから、アビドス高校へと急行した。ゲヘナが自分のいない間、二人に何かすると思って、急いで帰ったんだよ」
──何で、こんな遅くにいるんだ。何かあったか? 誰か来たりとか、何かを言われたりしなかったか?
──良かった……
だからこそのあの言葉だった。カヤツリはホシノやユメを心配していた。だから、ホシノが居たのを確認した時、安心していたのだ。あれは、そういう表情だった。
「そして、カヤツリは言われたわけさ。梔子ユメが遭難して死んだとね」
マトの言葉は、ホシノを崖から突き落としたような効果があった。腹の底が嫌に冷える。ついでに、その時の自身の言動を思い出して、ホシノの胸に痛みが走る。ホシノがああ言ったせいで、カヤツリは自分のせいだと思ったに違いない。だから、出ていってしまった。
「どうだい? カヤツリがどう思ったか。大体わかるんじゃないかい?」
「私が、あんなこと言ったから……カヤツリは心配してくれてたのに……」
ホシノの答えを聞いて、マトは言葉を失っている。完全に間違いの答えを言ったらしかった。
「全く……嫌いとか、好きとか。そんな理由じゃないよ。もっと強い理由さ。復讐だよ。カヤツリは復讐するために出て行ったのさ」
「復讐……復讐!?」
血なまぐさい答えをホシノは繰り返す。復讐など穏やかではない。それに復讐といっても、ユメは遭難して死んだのだ。カヤツリが状況を整えてホシノが引き金を引いた。そんな不幸のピタゴラスイッチ。そんな偶然の産物にどうやって復讐しようというのだろう。そこまで考えて、ホシノは自身が致命的なミスを犯したことに大声を上げた。
「いや、待って。カヤツリは知らない。私がユメ先輩とケンカしたことを知らないんだ……」
「そう、カヤツリはその事を知らない。カヤツリ視点では、梔子ユメが何故か予定より早く出発し、遭難した挙句に死んだ。そんな風に見える」
マトの言葉など、断片しか耳に入らなかった。それでも内容は分かる。今のマトが言いたい事が手に取るように分かった。
自分が居ない間にユメが死んだ。居たら助けられたかもしれない。そう出来なかったのは何故か。答えなどバカでも分かる。ゲヘナが不意打ちしたから、そうできなかったのだ。
「カヤツリの目にはゲヘナが裏切ったように見えたろう。砂漠横断鉄道欲しさに、梔子ユメに手を出したようにね」
全員が息を飲む音がした。ホシノも上手く声が出て来ない。
「筋書きはこうさ。カヤツリが居ない間に、梔子ユメを脅す。仕事中のカヤツリがどうなるか分かっているのかとか、アビドス校舎を焼くとか。二人を人質に言う事を聞かせようとした」
騒めきが消えて、マトの声だけが朗々と流れている。マトの言うその内容が、ホシノの頭で再生される。
ユメならついて行くだろう。誰よりも弱くて優しかった先輩は、ホシノとカヤツリを守るために行動するだろう。
しかし、犯人の言う事を聞き続けた被害者の末路は決まっている。
「ゲヘナはシェマタが知られちゃ困る。だから、梔子ユメをそのまま証拠隠滅の為にアビドス砂漠へ置き去りにする。カヤツリは仕事中に騙し討ち。小鳥遊ホシノは何も知らないし手強いから手出し無用。契約もアビドスが無くなるか二年後には無効。アビドスなんていつ滅びてもおかしくないから誰も気にしない。シェマタはネフティスには動かせないから、これでゲヘナの困り事は無くなる。それかアビドスを切ってネフティスと組む選択肢もある。どちらにせよ安心して熟睡できるってわけだね」
マトの冷たい声が終わると、部屋に沈黙が満ちた。それ程までに、マトの声は真に迫っていて、本当に計画したかのようだった。
「そ、想像でしょ? 本当にしたわけじゃないわよね?」
恐る恐るのセリカの声は震えていて、マトは鼻で笑って椅子にもたれた。
「当たり前だよ。殺人なんてキヴォトスでは選択肢に上がる事は、アリウスや大人の間を除けば無いんだ。もっとスマートで良いやり方は沢山あるし、そうする理由はないよ」
「そうよね……安心したわ」
安心するセリカとは真逆に、ホシノの心中にはどんどん焦りが湧いて出る。あの時の言葉に、ようやく得心がいったからだ。
「カヤツリは恨んでるんだね」
「そうさ。私の所為で、カヤツリの環境は滅茶苦茶になった。理由としちゃ十分すぎるだろう? さっきの話し合いの時も殺気が飛んできてマトモに話せなかったんだよ。カヤツリからしたら、またアビドスにすり寄ってるように見えるからね」
「でも、変じゃないですか?」
アヤネの疑問は未だに晴れないのか、難しい顔で画面を睨んでいる。
「それなら、ここまで大掛かりにする必要はありません。シェマタを使わずとも、ゲヘナまで行って、マトさんに直接復讐すればいいのでは?」
「それは短絡的だね。カヤツリはバカじゃない。ちゃんと気づいてもいるんだ。犯人は私だけじゃないかもしれないし、複数人か団体かもしれないし、犯人がいないかもしれないっていう可能性は考えてる。私らやネフティス含め、候補は沢山いるだろうけどね」
マトの答えは最悪だった。ホシノは呻くことしかできない。
カヤツリはきっと何回も考えただろう。それでも犯人を絞り切れなかった。ユメを死に追いやった犯人がいるかもしれない。このいるかもしれないと言うのが最悪なのだ。
「じゃあ、止められないんだ。カヤツリは全部終わるまで、どうしようもないんだね」
「どういう事よ。分からないなら動けないじゃない。無関係の人を巻き込むかもしれないなら、止めるしかないわ。なのに止められないって……」
「セリカちゃんはさ。カヤツリの立場になったら我慢できる?」
ぶっきらぼうにホシノは話す。
「例えば、先生が襲われて入院したとして。その犯人が何人かに絞れたとして。頑張って時間を掛ければ、誰か分かる
セリカは答えなかった。答えられるはずもない。それは対策委員会全員がそうだ。アビドスが復興する僅かな可能性に賭けて日々頑張っている自分たちには。
それに、ホシノは自分のせいだと知っているから落ち着いていられるのだ。これがもし、カヤツリと同じようにユメを殺した犯人がいると確信したなら、カヤツリと同じようにしただろう。
「候補全員に攻撃しないだけ、まだ理性的だよ」
「いや、攻撃はもう起きてるんだ……あの空が赤く染まった騒動からね」
予想外の答えに、ホシノはマトを見る。マトは凭れた姿勢から変わらず、宙を見ていた。
「恐らくは、シェマタの砲撃には幾つかの意味があった。一つはパフォーマンス。資金調達の為に私募ファンドを釣るため。二つ目は……犯人探しさ」
「犯人捜し? だって十分絞って絞り切れないんじゃ……」
「犯人は絞れない。こちらからは判断がつかない。じゃあ、残る方法は一つだけ」
意味はない。そう言おうとしたホシノの言葉を遮ったマトは、ポツリと短く言った。
「向こうから来てもらえばいい。シェマタを大々的に使えば、シェマタを隠したくて、または手に入れたくて、そのために梔子ユメを手に掛けた誰かは必ず顔を出す。もう、この件自体がカヤツリの罠なのさ。参加した全員の動きを、カヤツリは見てるんだろう。怪しい動きを見せたらドボンさ」
ガタリと音がして、執事が身震いしていた。顔の一部分からは冷却液が噴き出ている。
「我々は味方なのですよ!? そもそも、そうする理由はありません! 意味など……」
「ネフティスに行ったのも、ネフティスの人間も犯人候補に入っているからさ。それでも見つからなかったんだろう。犯人なんてそもそも居ないんだから、見つかるはずもないんだけども」
「じゃあ、最後は? 攻撃って言ったよね。それが最後なんでしょ?」
「ああ、もう万魔殿は滅茶苦茶だよ。そのせいでマコトは不機嫌だし、それを抑えるので手一杯さ」
一番の問題だろうそれを、マトはため息とともに吐き出した。
「今のゲヘナは孤立してるんだよ。非常に危うい立場なのさ」