3年E組の剣豪   作:ファヴキール

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お疲れ様です!
遂にUAが10,000を突破していました!そしてお気に入り登録が99件!
嬉しすぎます!感想、評価等も大変励みになり、モチベーションアップに繋がります!これからも頑張っていくので、どうか3年E組の剣豪を何卒よろしくお願いします!

あまりの喜びにテンションが上がり過ぎて執筆してしまい、結局先にあの女教師を登場させることにしました。

理由については暗殺教室のアニメで毒の時間を見ていて、挟み込みたいと思った小話があるからです。

それではどうぞ!


大人の時間

 

◇三人称視点

 

某国某所にてーー

 

ガァン!と小さな銃声が鳴り響くと同時にある大富豪の眉間に風穴が開いている。そう。暗殺されたのだ。

 

誰に?

 

骸となった富豪の上に跨っている下着姿の美女によってである。ご察しの通りこの女は殺し屋であり、近く超生物暗殺任務に赴任する予定の殺し屋だ。しかも世界中で10件の成功実績のある手練の。

 

女は事を終えるとその発砲した小さな拳銃をペロッと舐めた。

まるで終えたあとは毎回行うルーティンのように。

 

 

 

ーーーーー

 

今日も登校する為に家を出ると、すぐ目の前に桃花がいる。3年でクラスが一緒になってから一緒に登校する事が増えたのは

『威武樹が遅刻しないように一緒に行ってあげる!』との事だ。

確かに俺は剣の鍛錬に熱中するあまり遅刻した事が1年と2年の時はよくあったし、3年になってからも何度かしかけた。桃花はそんな俺の事が放っておけなかったのだろう。

 

本当に世話焼きだな、桃花は根っからのお姉ちゃん気質だよ。

まぁでも俺には姉がいるし桃花には弟くんがいるし、案外相性が良いのかもしれないな。

 

「威武樹おはよっ!」

 

「あぁ桃花おはよう。」

 

こんな可愛くて優しくてスタイル抜群の女の子が見れるだけでも眼福なのに、尚且つ一緒に登校できるなんて夢かよ。起きてるけど。

 

可愛らしいシュシュで纏められた綺麗な茶髪はサラサラしてて、めっちゃ甘くていい匂いがしてくる………

 

 

 

………って朝っぱらからなんて事考えてんだ俺!変態かよ!?

そしてそんな俺を気にすることなく、桃花は話しかけてくる。

 

「聞いた?今日から新しい先生が来るって話!」

 

「何でも外国人の女の人らしいけどな。」

 

「でも今頃になって私たちのクラスに普通の先生が来るわけないし、やっぱり殺し屋なのかな?」

 

「……君のような勘のいいガキは嫌いだよ。」

 

「ガキって何!?残念だけど威武樹より私の方がお姉ちゃんなんだからね!」

 

「誕生日が2ヶ月と3日早いだけじゃねぇかよ!」

 

「あ、出た!負け惜しみ〜!」

 

「グボァッ!?」

 

あまりの可愛さに、何ともないはずなのに吐血しかけた。

 

「え!?急にどうしたの!?」

 

「い、いや何でもない…」

「(今の桃花めっちゃ可愛いし下手したら俺なんか倒れるって…)」

 

ーーーーー

 

5月に入り少々気温も高くなってきた頃合いで、今日から新しい先生が来ると聞き、現にHRで烏間先生が紹介してくれているのだが…

 

「…今日から来た外国語の臨時講師を紹介する。」

 

「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!」

 

金髪碧眼の巨乳美女はずっと殺せんせーにベッタリなのである。さっきからずっと腕を絡めているくらいに。

この2人の間に何があったかは知らないが、こんな見た目の生き物に出会って早々ここまでメロメロになるか普通!?

 

てかこの人、声がななこお姉さんにそっくりなんだよな。寺坂に関しては声もポジションも最早ジャイアンだし、このクラスの金曜夜感が急に出てきた。

 

「寺坂君は公式で映画版ジャイアン言われてるしねー」

 

「不破さん?」

 

烏間先生はそのベタベタぶりに少し引きながら説明を続ける。

 

「…ソイツは若干特殊な体つきだが気にしないでやってくれ。」

 

「ヅラです。」

 

「構いません!!」

 

ーーーーー

みんなの心の声

 

「(…スッゲー美人。)」

 

「(おっぱいヤベーなぁ…)」

 

今の心の声、絶対に岡島だろ。

 

「(…で、何故ベッタベタなの?)」

 

「(イラッとするわぁ…)」

 

ーーーーー

 

「本格的な外国語に触れさせたいと学校の意向だ。英語の半分は、彼女の受け持ちで文句はないな?」

 

「…仕方ありませんねぇ。」

 

どうやら本当にこの金髪女性が外国語教師になるようだ。

 

「…なんか凄い先生来たね。しかも殺せんせーにすごく好意あるっぽいし。あと胸…」

 

「…うん。でもこれは暗殺のヒントになるかもよ。タコ型生物の殺せんせーが人間の女の人にベタベタされても戸惑うだけだ。いつも独特の表情見せる殺せんせーが戸惑う時は、どんな顔だ?」

 

渚と茅野がそんな話をしているのを聞いて俺も殺せんせーの方を見る。

 

しかし…

 

「(にゅるふ〜ん)」

 

「「「(((普通にデレデレじゃねーか!!)))」」」

 

殺せんせーは露出の多い服を着たイリーナ先生の谷間を見てピンク色になっている。まさか人間の女のおっぱいにデレデレになるとは思いもしなかった。

 

「何の捻りもない顔だね。」

 

「…うん。人間もありなんだ…」

 

そんな引いている俺たちを他所に2人は話を続ける。

 

「あぁ…見れば見るほど素敵ですわぁ…その正露丸みたいにつぶらな瞳、曖昧な関節。私、虜になってしまいそう♡」

 

「いやぁお恥ずかしい///」

 

「(騙されないで、殺せんせー!!)」

 

「(そこがツボな女なんていないから!!)」

 

女子たちは「そんな女何処にもいないって!」なんて言いたそうな表情をしている。うちの女子はしっかりしているようだ。

 

まぁ、勘の良いガキの俺だけでなく俺たち全員はもう気づいている。この女はどんな立場であれ只者じゃないって事くらい。なんなら僅かながら殺気が漂っている。

 

ーーーーー

◇烏間視点ー

 

俺の名前は烏間惟臣。この3年E組で殺し屋の現場監督および教官を務める、元空挺隊員の防衛省職員だ。

 

そして俺の横にいるのが『イリーナ・イェラビッチ』職業殺し屋。美貌に加え、実に十カ国語を操る対話能力を持ち、いかなる国のターゲットも魅了し、ガードの固い標的も至近距離から容易く殺す。潜入と接近を高度にこなす暗殺者。

だが所詮は教師でもないただの殺し屋なので学校にいるのは流石に問題がある。

なので俺は現場監督者として、イリーナにも表向きでは外国語教師で働くように釘を打っておく。

 

ーーーーー

◇イリーナ視点ー

 

私の名前はイリーナ・イェラビッチ。日本政府に依頼され、今日からこのタコみたいな超生物を暗殺するためにやって来た殺し屋よ。

 

「色々と接近の手段は確保してきたけど…まさか色仕掛けが通用するとは思わなかったわ。」

 

私はライターでタバコに火をつけてタバコを吸う。直後私に烏間はこう話す。ここでの仕事の内容についてね。

 

「だが、ただの殺し屋を学校で雇うのは流石に問題だ。表向きのため、教師の仕事もやってもらうぞ。」

 

「フッ、私はプロよ?授業なんてやる間もなく仕事は終わるわ。」

 

ーーーーー

 

◇威武樹視点ー

 

休み時間。俺たちは暗殺サッカーというレクを殺せんせーと一緒にやっている。パスすると同時に暗殺を仕掛けるという、一見すると難しいが慣れてみると中々に面白い遊びだ。

 

殺せんせーにパスをしたカルマが銃撃する。しかし難なく避けられる。

 

「ヘイパース!」

 

「ヘイ暗殺!」

 

次は岡野がパスをして二刀流ナイフで刺突を放つがやはりこれも避けられた。

 

「ヘイパース!」

 

「ヘイ暗殺!」

 

この様に交互にパスと暗殺をする。次は俺が大刀で斬りかかろうと思い、刀を鞘から抜こうとしたタイミングで殺せんせーを呼ぶ声が聞こえる。さっきの新任教師兼、女アサシンのイリーナさんだ。それもあって暗殺サッカーは一時中断された。

 

「ヘイパー…「殺せんせー!」

 

「ん?」

 

「殺せんせー!烏間先生から聞きましたわ。すっごく足がお早いんですって?」

 

「いやぁそれほどでも///」

 

またピンク色になってデレデレじゃねぇかよ!

しかも目線が下に行ってて、胸の谷間見てるのバレバレだし。

 

「お願いがあるの。一度、本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて。私が英語を教えてる間に買ってきてくださらない?」

 

「おやすいご用です。ベトナムに良い店を知ってますからん!」

 

そう言うと殺せんせーはマッハでベトナムまで一っ飛び。そして丁度良いのかこのタイミングで授業終了のチャイムが鳴った。

 

「で、えーっと…イリーナ…先生?授業始まるし、教室戻ります?」

 

「授業?あぁ、各自適当に自習でもしてなさい。」

 

「えっ?」

 

「それと、ファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる?あのタコの前以外で先生を演じる気もないし、イェラビッチお姉様と呼びなさい。」

 

磯貝が言った普通の先生に対するような言葉に返されたのは先ほどの振る舞いがまるで反転したかのように感じられる程に冷淡な物言いだった。

 

「で、どうすんの?ビッチ姉さん。」

 

「略すな!!」

 

カルマがすかさず『イェラビッチお姉様』を『ビッチ姉さん』と略すと同時にイリーナ先生、もといビッチ姉さんからキレツッコミが入った。だがカルマはそれも気にすることなく軽口を叩く。

 

「アンタ殺し屋なんでしょ?クラス総がかりで殺せないモンスター、ビッチ姉さん1人でやれんの?」

 

「ガキが。大人にはね、大人のやり方があるのよ。潮田渚ってアンタよね?」

 

ビッチ姉さんはそう言って目線を渚の方に向け、歩いていき…………

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま流れるように渚の唇を奪った。

 

 

 

 

 

 

「なあっ!?」「おお〜っ!!」「まじかよ…」「へぇ〜」

 

 

驚く者、頬を赤らめる者、興味津々に見る者、冷ややかな目で見る者、羨ましがる者、唖然とする者。周りの男子や女子の反応は様々である。

てか速水が顔赤らめてるの意外だな。

 

 

「ん、んんんんん〜〜〜///!!」

 

 

超上級のスタイル抜群金髪巨乳美女にディープキスをされている渚は同年代の男子からすると堪らなく羨ましいものなのであろうが、渚にはそんな事を考える余裕はなく意識を奪われまいと必死である。しかし抵抗虚しく、数分後に渚は限界が来たようでビッチ姉さんの胸に挟まれながら意気消沈している。

 

「あとで教員室にいらっしゃい。アンタが調べた奴の情報、聞いてみたいわ。…ま、喋らせる方法なんていくらでもあるけどね。その他も、有力な情報持ってる子は話に来なさい!良いことしてあげるわよ?女子にはオトコだって貸してあげるし。技術も人脈も全てあるのがプロの仕事よ。ガキは外野で大人しくしていなさい。」

 

何処からか体格の良い只者じゃなさそうな男達3人が荷物を持ってやってきた。見るからに屈強そうなこの3人もおそらくはこの3名も殺し屋なのだろう。

因みにエサをちらつかせているが、良いことって言ってもウチの男子は靡く奴も下手したら1人か2人はいそうだけど、女子は結構しっかりしてるしそんな男に飢えてる奴はいないと思うぞ。

 

 

 

「あ、そうそう。少しでも私の暗殺の邪魔したら…殺すわよ。」

 

取り巻きの1人から俗にデリンジャーと呼ばれる小型拳銃を受け取りチラつかせながら、俺たちに向けて殺気を放ちこう言った。その凍りつくような目つきは正に殺し屋の目。何度も命を奪ってきた者が放つ鋭い眼光だ。

 

ーーーーー

 

◇渚視点ー

 

先ほど、僕はこの人にディープキスされ瞬く間に限界が来てしまった。生まれて初めてされたディープキスがこの様な物であったことにも驚いているが、何より僕はほとんど意識が飛んでいた。

 

気絶するほど上手いキス。

 

従えてきた強そうな男たち。

 

『殺す』という言葉の重み。

 

彼女はプロの殺し屋だと実感した。でも、同時にクラスの大半が感じたこと。

 

 

この先生(ひと)は…………嫌いだ!!

 

ーーーーー

 

その後、少しして僕は呼び出された通りに教員室に来ている。

 

「威武樹君。」

 

「おう渚。」

 

「威武樹君も呼び出されたの?」

 

「あのイェラビッチお姉様にな。何でも数少ない触手を生徒の1人だから、話を聞いてみたいんだと。」

 

「成る程ね。ならカルマ君は?」

 

「すっぽかしたんだろ。カルマならいつもの事だ。」

 

「あはは…そうだね。」

 

「そう言えば渚ってあれがファーストキスだったりするの?」

 

「あれをカウントするなら…って感じかな。」

 

「ノーカンにしとく?」

 

「どうだろう…いやそんな事より早く入ろうよ!」

 

「だね。ちょっと緊張ほぐれたし良いぐらいかな。」

 

そう会話をした僕たちは2人でノックをしてから教員室に入る。

 

「「失礼します。」」

 

「あら来たわね。潮田渚と…勝田威武樹ね。」

 

「はい。」

 

「あんた触手を初めて破壊したって聞いたけど、何でも大剣豪と忍者の子孫らしいじゃない?」

 

「まぁ一応。」

 

「サラブレッドじゃないの。流石は初めて触手を弾き飛ばしただけはあるわ。刀が得意らしいならどう?私に力を貸すなら、言葉じゃ言い表せられないほど良い事してあげるわよ?」

 

「まぁハッキリ言ってそれはちょっと楽しみだし、協力もするけどそれは皆もいる時だ。今の俺の剣じゃまだあのタコを斬り殺すなんてことは出来ない。クラスメイトの協力が必要不可欠なんです。でも貴女の邪魔だけは本当にしないから。」

 

「…まぁいいわ。そのうち他の子たちも靡くでしょ、いいタイミングであんたも来なさい。(何ならこの子をハニートラップで落とせば、私の良い手駒になりそうだし。)」

 

威武樹君は毅然とそう言い放ってビッチ姉さんの誘いを断った。

こうも言えるのは凄い精神力の強さだからだと思う。かっこいいなぁ。

 

「青髪のボーヤはちゃんと例のもの持ってきたわね?」

 

「はい、潮田渚です。渚って呼んで下さい。」

 

「じゃあ渚。そのノートに書いてあるあのタコの情報、教えなさい。」

 

そのままビッチ姉さんは僕に壁ドンをしてきた。威武樹君は威武樹君で興味津々に僕たちを見ている。

 

「(マジかよ、こんなとこで生のおねショタが見られるとは思いもしなかったぜ。)」

 

「それで、あのタコの情報や弱点は?」

 

「まぁここに書いてある通りです。カッコつけるとボロが出たり、その時は速度も人並みに落ちたりします。あとはテンパるのが早かったり。パンチがヤワいなんてのも。」

 

「最後のは弱点っていうより特徴ね…」

 

「今日判明したのはおそらくおっぱい…それも貴女の巨乳にデレデレだったんで効果があると思います。」

 

「確かに今朝からやった色仕掛けは効果テキメンだったわね。それだったら私の本領発揮だわ。」

 

「はい。」

 

「あとは身体能力について詳しく知りたいわね、触手を破壊した子が2人もいるなら、それを素人が出来てプロが出来ない道理はないわ。」

 

「確かに触手一本なら破壊できた人はいるけど、その程度じゃ殺せんせーは余裕でした。多分、全ての触手を同時に壊すくらいじゃないと、とどめを指す前に逃げられます。」

 

「あと…闇討ちするならタバコ、やめた方がいいよ。」

 

「?」

 

「殺せんせー鼻ないのに鼻良いから。」

 

僕が放課後に杉野と威武樹君の3人でお菓子を食べていると殺せんせーがよだれを垂らして分けてもらえないか頼んできたことがあるから。派閥争いが続くあのお菓子好みはどうやらたけのこ派らしい。

 

「その程度なら支障は無いしいいわ。そうなってくると今回はあのプランでいこうかしら。アンタ達はもう帰っていいわよ。」

 

「「失礼しました。」」

 

そうして説明が終わった僕達は教員室を後にする。

 

「やっぱ緊張したな。」

 

「そうだね。でも威武樹君も一緒に来てくれて良かった。」

 

「ありがと。実は俺、あの時物凄く揺らいでたんだよな。普通あんな巨乳美女に『良いことしてあげる』なんて俺らの年頃なら言われたら堪らなく嬉しいだろ。」

 

「確かにそうかも。岡島君とかなんてホイホイ付いていきそうだよね…」

 

「だから必死で別の事を考えてたんだよ、このままついていくと手下とかペットの犬みたいにされかねないって。」

 

「それは確かにビッチ姉さんも考えてたかもしれないね。威武樹君は強いし。」

 

「へへっ、ありがとな。」

 

そう話しながら僕たちは教室に戻った。照れくさそうに鼻の下を擦る威武樹君。入ってみると考えていた通りだがやはり自習になっている。

 

ーーーーー

 

◇威武樹視点

 

戻ってくるとやはり自習になっていた。皆んな特段やることがなさそうで暇を持て余しているように見える。無言で入るのもなんなので一応は帰ってきたからこう言っておく。

 

「ただいま〜」

 

「た、ただいま…」

 

俺に続き渚も同じようにこう言った。

 

「おかえり。」

 

「どうだった?」

 

「まぁ普通に話しただけ。」

 

「エロい事して貰えたのか!?」

 

「されてねぇよ。」

 

そんな質問攻めにあいながらも俺は席に着いた。そうすると今度はすっぽかしたカルマが俺に対してこう言ってくる。

 

「おっ、おかえり〜」

 

「ただいま。」

 

「ビッチ姉さんに何聞かれたの?俺はサボっちゃったけど。」

 

「協力するなら良いことしてあげるわよって言われた。」

 

「ふ〜ん。で、どう言ったの?」

 

「今はまだ技量不足だからしないって言った。そしたらビッチ姉さんは『他の子は私についてくるだろうから良いタイミングであんたも私の元に来なさい。』ってさ。」

 

「そりゃ完全に手駒にする気だ、威武樹も下手したらビッチ姉さんの犬にされかねないね。」

 

やっぱり鋭いなコイツ。

 

「見るからにそんな気はしてた。」

 

「ハハッ。気をつけなよ?」

 

「ありがと。」

 

暫くするとビッチ姉さんが教室に戻ってきたがやはり授業をする気は無さそうで教卓のイスに座りながらタブレットを操作していると前原がこう言った。

 

「なービッチ姉さん、授業してくれよ。」

 

「そーだよビッチ姉さん。」

 

「一応ここじゃ先生なんだろ?ビッチ姉さん。」

 

前原に続き中村と菅谷も同じ様にビッチ姉さん呼び。浴びせられる言葉の棘がグサグサと刺さったのかビッチ姉さんがそれにキレた。

 

「あーっ!!ビッチビッチうるさいわね!!まず正確な発音が違う!!あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!!」

 

「全員日本出身の完全な日本人の俺らには難しいっすよ〜」

 

「だったらまとめて正しいVの発音を教えてあげる!まず下唇を軽く噛む!ほら!」

 

言われた通り全員が下唇を噛むのだが…

 

「そうそう。そのまま1時間ずっとそうしていれば静かでいいわ。」

 

「「「(((何なんだこの授業…!?)))」」」

 

着実とクラスの怒りを買うビッチ姉さん。結局授業らしいことをすることなく4時間目は終わってしまった。

 

ーーーーー

 

5時間目は体育で射撃の訓練だ。拳銃のエアガンで狙った的に当てるというもので、烏間先生が分かりやすく丁寧に教えてくれる。俺も右手にエアガンを持ちイメージトレーニングをしている時だった。三村が何かに気付いたようで声を上げる。

 

「…おいおいマジか!2人で倉庫にしけ込んで行くぜ!?」

 

同じ方向を見るとビッチ姉さんとピンク色になっている殺せんせーが2人で倉庫に入っていくのだ。その姿を見た菅谷は殺せんせーにガッカリしている様に見える。

 

「なーんかガッカリだな。殺せんせー、あんな見え見えの女に引っかかって。」

 

「今の今まで俺たちが色々やってきたのって何だったんだろうな。」

 

 

「烏間先生。」

 

「ん?」

 

「私達、あの(ひと)の事好きになれません。」

 

普段人を悪く言うことなんて見たことない片岡さんがこうも言うと本当に好きになれない人なんだと誰にでも伝わる。この言葉は片岡さんだけでなくクラス全員の総意だ。実際あの女のことを好きになれそうなやつなんて今現在このクラスにいなさそうだし。

 

「…すまない。プロの彼女に一任しろと国の指示でな。だが、わずか1日で全ての準備を整える手際。殺し屋として一流なのは確かだろう。」

 

烏間先生の更に上となると日本政府の上層部だろうか。烏間先生でもこう言うとなると本当にお手上げだという気がする。しかし俺もあの女が自分達の扱いの悪さには腹が立っているので少々ある事をしてやる。

 

「烏間先生。」

 

「どうした?」

 

「午前中に暗殺サッカーしてた時の話なんですが、あの人拳銃をチラつかせて『少しでも私の邪魔をしたら…殺すわよ?』って脅してきたんで流石に怖かったです。本物の殺し屋に銃を見せられながらこんな事言われるなんて。」

 

そう、密告だ。所謂チクりである。だが何人も殺してきたプロの殺し屋が中学生相手に銃をチラつかせて『殺すわよ?』と言ってきたのだ。殺し屋なんて言うと聞こえはカッコよく聞こえるが実際に人を殺しているのなら本物の殺人鬼である。

俺や他のみんなも多少の恐怖を感じていただろうし、これぐらいしても良いはずだろ。現に烏間先生も少し顔色を変えて聞いてくる。

 

「何、それは本当なのか?」

 

「本当です。この場にいる全員がその現場にいたので。」

 

「わかった。それについては俺の方から厳重に注意しておこう。」

 

「「「(((ナイス!!)))」」」

 

みんなはこの行動に出た俺の肩を持ってくれている。グッジョブしたりウィンクしたり。普通煙たがられるのに、チクって賞賛されるなんて中々ないよな。

 

ーーーーー

◇イリーナ視点

 

 

上手くこのタコを口車に乗せて倉庫へと誘うことに成功したわ。

 

「それでイリーナ先生、話とは?」

 

潜入暗殺は、ターゲットに応じた柔軟さが要。相手は未知の生物。怪しまれる前に一気に殺るのが上策!!私は上着を脱ぎ胸を見せながら表情を変えてこうせまる。

 

「殺せんせー、私…いつも特別な人を好きになるの…」

 

「にゅやっ!?」

 

「その身体とその能力…特別が溢れるあなたに一目惚れ…そんな私は変な女だと思いますか?」

 

「あっ、いやっ、そのっ!」

 

強引でもいい。私に注意を向けさせて大事なことに気付かせない。この倉庫は一晩で改造済み。あなたを殺す狩場にね…ターゲットさん。

 

「いけない人…殺せんせー…」

 

「にゅやっ、いけませんよこんな場所で///」

 

馬鹿な男。何を期待してるのかしらね、さようなら。

 

「全部脱ぐから1分待ってて…♡」

 

「ぜっ!?」

 

「焦らないで…1分で全部終わるから♡」

 

「ぜっ…」

 

そして私が物陰に隠れた瞬間放れたのは、実弾と本物の銃!!M61バルカン砲、M134ガトリングガン、M249軽機関銃。速度も威力も段違いの実弾を撒き散らし、標的を文字通り蜂の巣にする。この変なおもちゃみたいな弾の出番はまずないわ。だって、この弾幕で死なない奴なんていないもの。全弾撃ち終わるまであと3、2、1、0…!?

 

しかし私は裏から出た時見たものは衝撃的なものだった。そう。ターゲットが何事も無く立っていたのだから。

 

「ヌルフフフフ。残念ですがイリーナ先生、私に鉛の弾は効かないのです。体内で溶けてしまうのでねぇ。そして私の顔をよく見てください。」

 

言われた通り見てみると粒のような目の下にもう一つずつ同じものができていた。

 

「………!?目が…4つに…!?」

 

「いいえ。どれか2つは鼻の穴です。」

 

「紛らわしい!!」

 

「昨日までは倉庫に無かった金属の臭い、成人男性の加齢臭。その違和感に思わず鼻が開いてしまう。」

 

よく見ると私が連れてきた殺し屋達3人もぐったりとしている!?

ハッ!その時私は教員室で渚から聞き出したことを思い出した。

 

「鼻ないのに、鼻良いから。」ということを。一見すると鼻なんて無いものだから完全に忘れていた…!!

 

「罠に掛かれば簡単に暗殺者を炙り出せます。要するに貴女は、プロとして暗殺の常識に囚われ過ぎた!私の生徒達の方が、余程柔軟で手強い暗殺をしますよ?」

 

「そして知っていますか…?私の暗殺者への報復は、手入れだという事を!」

 

目を光らせながら触手をうねらせるその姿は正真正銘本物のモンスターに見えるわ!!たじろぐ私に構うことなく奴は迫ってくる!!

 

 

ーーーーー

 

「いやああああぁぁぁぁ!?」ヌルヌルヌルヌルヌル

 

 

◇威武樹視点

 

先ほど2人が入って行った体育倉庫から物凄い銃声が聞こえたと思ったら、今度は女性の悲鳴とヌルヌルするような音が聞こえてくる!

 

「な、何!?」

 

「銃声の次は、鋭い悲鳴とヌルヌル音が!?」

 

「いやああぁぁぁ」ヌルヌルヌルヌル

 

「「「「……………」」」」(えぇ…?)

 

「いや…あ…あぁ…」ヌルヌルヌルヌル

 

「「「「……………」」」」(うわぁぁ…)

 

クラスの全員が何が起こってるのか気になると同時に引いている。

約1名、頬を赤らめてナニかを想像しているものもいるのだが。

 

 

「めっちゃ執拗にヌルヌルされてるぞ!?」

 

「行ってみようぜ!」

 

こういう物に興味がありそうな前原を筆頭に気になる人達が体育倉庫に駆け寄って行く。勿論だが俺も。すると服が継接ぎだらけになった殺せんせーが倉庫から出てきた。

 

「殺せんせー!」

 

「おっぱいは!?」

 

岡島よ、お前は何を聞いておるのだ?

近くには桃花や茅野といった女子もいるんだぞ?

 

 

…………まぁ岡島にそんなこと今更思っても仕方ないか。殺せんせーはピンク色でニヤけていたがすぐに普段の顔色と表情に戻った。

 

「いやぁ…もう少し楽しみたかったですが、皆さんとの授業の方が楽しみですから。」

 

「中で何があったんですか?」

 

渚がそう聞くと同時にドアからビッチ姉さんが出てきたのだが………

 

 

鉢巻に体操服、そしてブルマという何とも言えない格好だった。刺さる人には刺さりそうな格好である。

 

「ああっ!ビッチ姉さんが、健康的でレトロな服にされている!」

 

渚がわかりやすいようにまとめてくれた。ビッチ姉さんは何をされたのかをうわ言のように喋っている。

 

「まさか…わずか1分であんな事されるなんて…肩と腰のコリをほぐされて…オイルと小顔とリンパのマッサージされて…早着替えさせられて…」

 

ってことは殺せんせー、一回ビッチ姉さんの事を丸裸に剥いたんだ。

まぁ明らかに服装違うし、脱がされてたことはわかってたけど。

 

 

 

「その上まさか…触手とヌルヌルで、あんな事やそんな事に果てはこんな事まで…」

 

世界最高速度の手入れとナニかを経験したビッチ姉さんは体力的にも精神的にも限界が来たようで、そのままうつ伏せに倒れ込んでしまった。

 

 

「「「「「(((どんな事だ!?)))」」」」」

 

「殺せんせー、何したの?」

 

「さぁねぇ。大人には大人の手入れがありますから。」

 

渚に聞かれた殺せんせーは急に真顔になった。

 

「悪い大人の顔だ!!」

 

「渚、なぜ悪い子や悪い人に育っちゃいけないか、その理由わかるか?」

 

「え、威武樹君?」

 

「嘘つき、卑怯者……そういう悪い子供こそ、こういう本当に悪い大人の格好の餌食になるからさ!」

 

「何なのその深い言葉!?」

 

「これ絶対この場面で作者が挟みたかった台詞なんだよねー。」

 

「何言ってるの不破さん!?」

 

「勝田君の大事な言葉も聞けたことですし。さぁ、教室に戻りますよ。」

 

「「「「「はーい。」」」」」

 

そうして俺達は教室に戻った。次は歴史だから、また体操服から制服に着替えないとな。

 

ーーーーー

 

その後、倉庫前にて

 

「許せない…こんな無様な失敗初めてだわ…この屈辱は、プロとして必ず返す!!」

 

イリーナはその美しい顔を怒りに歪ませ、敵愾心に燃えていた。

自身のプロとしてのプライドをズタズタにしたターゲットに対して。





ご覧いただきありがとうございました!最近感想をい何名かからいただいているのですが、原作愛に溢れているような事を書き込んでくださり大変嬉しい限りでございます。
因みに私、学生時代は過激派とも取られかねないほどに暗殺教室は原作とアニメが好きでした。現在は過激と言ったほどではないですがそれでもやはり原作とアニメだけが好きです。

威武樹の家族紹介

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