3年E組の剣豪   作:ファヴキール

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第二の刃の時間

 

今日も昨日に引き続きこの時間はテスト勉強だ。

 

「「「「「更に頑張って増えてみました」」」」」

 

「「「「「さぁ、授業開始です」」」」」

 

 

殺せんせーの分身は更に増えていたのだが…流石に多過ぎるだろ!多過ぎて残像が雑になってきてるし…そもそも別のキャラになってる!?木村のとこにはミッ○ーとかド○えもんとかいないか!?一方で俺のとこにはサスケやカカシの格好してるのが出てきて、同じくNARUTOハチマキの寺坂の前にはペイン六道みたいなのがいる。

 

このやる気を不思議がった茅野が殺せんせーに聞く。

 

「…どうしたの殺せんせー?なんか普段にも増して気合い入り過ぎじゃない?」

 

「「んん?そんな事はないですよ?」」

 

「やる気を焚き付けるような事があったんだよね?先生」

 

「ええ。ではいきましょう。折角なので勝田君、今日は教科書のこの範囲をやってみませんか?」

 

そうしてめくられたのはテスト範囲とは関係のない、出題はされないと思われるページだった。

 

「ここってテストとは関係ない範囲ですよね?何故に?」

 

「おそらく君は昨日やったところは昨日の勉強と自宅での復習で理解したでしょう。なのでよければやってみませんか?カルマ君も同じように少し先を教えているんですよ」

 

そう言われて俺はカルマの方を見ると殺せんせーがカルマに先の範囲を教えようとしていた。カルマはカルマでそれを少し鬱陶している。カルマも大変だな。

 

「折角だからもう少し先いってみましょう!」

 

「もうちょい!」

 

「ね、ね、いいじゃないですか!」

 

「…………」

 

何故俺なのだろう。カルマなら兎も角、何で俺???疑問しかない。

 

「でも、カルマと俺じゃ成績が天地ほどの差があるよ?」

 

「先生は生徒を成績の良し悪しで区別する気は有りません。それに勝田君は思慮深く向上心にも満ちています、仮にテストに出ずとも期末テストには出る可能性が高いでしょう。なのでこの範囲を勉強しても決して無駄にはなりません」

 

「…やります」

 

「ヌルフフフフ、その心意気です」

 

殺せんせーは○を浮かべるとこう言った。ここまで言われたんだ、俺もやれるだけ応えないとな。

 

 

ーーーーー

 

\\キーンコーンカーンコーン//

 

 

チャイムが鳴りこの時間も終わった。殺せんせーは流石に疲れたようで息を激しく切らしながらうちわを扇いでいる。

 

「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」

 

「………流石に相当疲れたみたいだな」

 

「無理もないだろ」

 

「今ならやれるかな?」

 

ナイフを持ちながらそう言った中村のその台詞を聞いて俺は直ぐに刀を抜き、強烈な唐竹割りを殺せんせーの首目掛けて落とすが、若干掠っただけで避けられてしまった。

 

「ダメか…」

 

「なんでここまで一生懸命先生をすんのかね〜」

 

岡島の問いに対して殺せんせーは笑いながらこう答える。

 

「ヌルフフフ、全ては君たちのテストの点を上げるためです。そうすれば…」

 

ーーーーー

 

◇妄想

 

↓高得点を取れた生徒からの尊敬の眼差し

 

「殺せんせ〜!!先生が勉強教えてくれたおかげで良い点取れたよ!!」

 

「もう先生の授業なしじゃいられない!」

 

「殺すなんてとても出来ないよ!」

 

 

↓評判を聞いてやって来た近所の巨乳女子大生

 

「素敵!殺せんせー!」

 

「先生!!私達にも勉強を教えて♡」

 

「おねがぁい♡」

 

ーーーーー

 

「…となって、殺される危険も無くなって先生には良いことずくめに」

 

「殺せんせー国家機密だからその巨乳女子大生?にはきっと会えないだろ。烏間先生が許さないと思うけど。」

 

「にゅやっ!?勝田君、一言で先生の夢のある想像を壊すのはやめてください!」

 

俺が発した現実を突きつける無慈悲な一言で殺せんせーは妄想から我に返る。すると少しの間クラスに沈黙が続き、三村が偶々横にいた桃花にこんな事を話した。

 

「…いや、勉強の方はそこそこでいいよな」

 

「…うん。なんたって暗殺すれば賞金百億だし」

 

「「「百億あれば仮に成績悪くても、その後の人生バラ色だしさ」」」

 

「にゅやっ!?そ、そういう考えをしますか皆さん!!」

 

全員が相当な劣等感に苛まれているのであろう。大金があれば人生逆転して悠々自適に暮らせる、という意識の低さ。

まだ全員が10代半ばで若いのに、もう人生が終わったとまで思わせてしまうこの学校の制度に憤りを覚えたが、ほぼ全員がそれを受け入れているのだろう。驚く殺せんせーに対して岡島と三村が話す。

 

「俺達エンドのE組だぜ?殺せんせー」

 

「テストや勉強なんかより…暗殺の方がよっぽど身近なチャンスなんだよ」

 

良くない空気だ。ジメジメとした湿っぽさ。正に『エンドのE組』と言わんばかりに、自分たちの成績の悪さから目を背けている。勉強に関して低い目標しか掲げない生徒達を見た殺せんせーの声色と雰囲気が明らかに変わり、顔に×を浮かべながらこう言った。

 

「なるほど、よくわかりました」

 

「え?何が?」

 

「今の君達には…暗殺者の資格はありませんねぇ。全員校庭へ出なさい。勝田君は烏間先生とイリーナ先生のお二人も呼んで来てください」

 

「はい」

 

そう言って扉を開けて校庭へと向かう殺せんせー。

 

「…?急にどうしたんだ?殺せんせー」

 

「さぁ…?なんかわからないけど、いきなり不機嫌になったよね」

 

そして皆は殺せんせーの後を追うように校庭に出始め、俺は教員室へ二人の先生を呼びに行った。

 

「失礼します」

 

「勝田君か」

 

「烏間先生、イリーナ先生、殺せんせーがお二人に校庭に出てきて欲しいとのことで呼びに参りました」

 

「何でよ?」

 

「殺せんせーが今クラス全員を校庭に出なさいって言ってて、お二人も来て欲しいとのことだったんです」

 

「何考えてるのかしら?」

 

「さぁな。だが奴の事だから何かしらの考えはあるのだろう」

 

そう言って椅子から立ち上がる烏間先生。同じようにイリーナ先生も立ち上がり、俺にこのままついてきてくれる事になった。

 

 

 

 

 

折角だから少し話そう。このE組システムは一応の救済処置が用意されており、決して落伍者であれど見捨てられる事はない。

定期テストで学年186人中50位以内を取り、元のクラスの担任の復帰許可を得ることが出来ればE組から本校舎へと抜け出すことが出来る。

しかし殆どが成績下位に落ちぶれてきた人間の上、おまけに山奥のこのボロい校舎という劣悪な学習環境では、その条件を満たすことは極めて困難だ。

 

なので毎年ほとんどのE組生徒は救済の手を掴むどころかそれに手を伸ばす事も無く生徒はおろか教師すら加担するエグい差別や迫害も受け入れてしまう。

尤も、俺は荒木の野郎みたいに度を越した者にはキレるのだが。きっと本校舎では決まりや掟を守らない獣のように思われているのだろうな。

 

なら俺は獣でいい。自分の信念に背くくらいなら。

 

 

そうして全員が付いていくがままに校庭へ出ると、何故かサッカーゴールをどかす殺せんせーの姿が。何かをしようとしているのは明白だが、それが何なのかはよくわからない。

 

「何するつもりだよ?殺せんせー」

 

「サッカーゴールとかどけたりして」

 

サッカーゴールをどかした殺せんせーはイリーナ先生にある事を問う。

 

「イリーナ先生。プロの殺し屋として伺いますが」

 

「……?何よ?いきなり」

 

「貴女はいつも仕事をする時…用意するプランは一つだけですか?」

 

「…いいえ。本命のプランなんて、思った通りに行くことの方が少ないわ。不測の事態に備えて、予備のプランをより綿密に、いくつも作っておくのが暗殺の基本よ。ま、アンタの場合は規格外にも程があってプランは全部狂ったけどね。でも見てなさい次こそは必ず(

 

「無理ですねぇ。では次に烏間先生」

 

「………くっ!!」

 

「ナイフ術を生徒に教える時、重要なのは第一撃だけですか?」

 

「………第一撃はもちろん最重要だが、次の動きも大切だ。強敵相手では第一撃は高確率でかわされるか、防がれる。その後の第二撃第三撃を…いかに高精度で繰り出すかが勝敗を決める。」

 

これには俺もよく納得できる。袈裟斬りを落としたその返す刀で燕返しを放ったりということはよくあるからな。

 

「結局何が言いたんだよ?」

 

殺せんせーは徐々に回転が高速になりながら話を続ける。砂塵が巻き起こり突風が吹く。あまりの風の強さに女子はスカートを押さえるほどだ。

 

 

「先生方のおっしゃるように、自信を持てる次の手があるから、自信に満ちた暗殺者になれる。対して君たちはどうでしょうか?

『俺らには暗殺があるからそれでいいや』

『殺せたら一生遊んで暮らせるし』…と考えて勉強の目標を低くしている。それは…劣等感の原因から目を背け、逃げているだけです。

もし先生がこの教室から逃げ去ったら?もし他の殺し屋が先に先生を殺したら?暗殺という拠り所を失った君たちには…E組の劣等感しか残らない。そんなとても危うい君達に…先生からのアドバイスです」

 

 

 

 

 

「第二の刃を持たざる者は…

 

 

 

 

         暗殺者を名乗る資格なし!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

風は勢いを増し続け、校庭には巨大な竜巻が発生した。

 

 

 

 

ーーーーー

 

◇本校舎

 

「うわっ!?」

 

「なんだぁ!?E組の山に巨大竜巻!?」

 

「(フ、全く派手なことを…きっとあの方なのでしょうが)」

 

理事長は不敵に、そして少し呆れながら、裏山に発生した巨大竜巻を見ていた。

 

ーーーーー

 

「……校庭に雑草や凸凹、小石が多かったのでね。少し手入れをしておきました」

 

「「「「「「「!!」」」」」」」

 

見渡すとそこにはさっきまでの荒れ果てた校庭が見る影もなく綺麗に整備されており、なんならほぼ風化して見えなかった300mトラックまで現れていた。

 

「先生は地球を消せる超生物。この一帯を平にすることなど容易いことです」

 

文字通り人智を超えた力だな。

 

「もしも君達が自信を持てる第二の刃を示さなければ、相手に値する暗殺者はこの教室にはいないと見なし、校舎もろとも平にして先生は立ち去ります」

 

「第二の刃…いつまでに?」

 

「決まっています、明日です。明日の中間テスト…クラス全員50位以内を取りなさい」

 

「「「「「はぁ!!?」」」」」

 

突如としてされた殺せんせーからの無茶振りとしか言えないこの条件。

俺は勿論だが、皆も『そんなこと出来るわけがない!』という反応だ。

 

「君達の第二の刃は先生が既に育てています。本校舎の教師たちに劣るほど…先生はトロい教え方をしていません。自信を持ってその刃を思う存分に振るって来なさい。仕事(ミッション)を成功させ、恥じる事なく笑顔で胸を張るのです。自分達が暗殺者(アサシン)であり…E組である事に!!」

 

 

自分が持てる最上の得物を持って、テストという任務をこなせと言うことか。中々に上手い例えじゃん、殺せんせー。俺も心に刀を携えて臨むとするかと思ったら口を開いたのは寺坂。

 

 

「おいタコ冗談じゃねぇぞ!ンな1週間とちょっと勉強したからって、元が成績底辺な劣等生の詰め合わせが全員50位以内を取れるとでも思ってんのか?テメーの先公としての自信かは知らねぇけどよ、どう考えても無茶振りだろうがこんなモン」

 

「じゃあ寺坂はまた誰かと最下位争いをする気か?俺はしないけど」

 

「ンだと勝田!」

 

「一緒にNARUTOせんせーに教えてもらったんだし、俺もお前もお互いにまぁまぁ良い点取れると思うんだけど」

 

「ハッ、どーだかな」

 

「少なくともE組に来る前よりは絶対良い筈だぞ」

 

「テメーは何で言い切れんだよ。ちょっと前までビリだったろうが」

 

「ほぼ最下位だったな。でもあのテスト勉強の手厚さから考えたら、ここにいる全員高得点ならあると思うぞ」

 

寺坂と俺が話しているときに再び前へ出てこう話すのは殺せんせー。

 

「勝田君の言う通りです、先生は君達全員にその順位を取れるという教え方で接してきました。全員が今までの君達とは違うはずです。万全の状態で臨みなさい!」

 

最後に殺せんせーは俺達に応援(エール)を送った。しかしそれでも納得しないのか寺坂はまだ俺に突っかかってくる。

 

「勝田、そこまで言うなら見せてもらおうじゃねーか。俺らとテメーでどっちがやれんのか、勝負といこうぜ」

 

「勝負?」

 

「テメーらも参加しろ!もし俺たちの中で誰かが勝田の順位を上回れば勝田の負け、テメー(勝田)が誰にも抜かされなきゃテメー(勝田)の勝ち。負けたら俺に土下座しろや!」

 

「おい寺坂!」

 

「流石にそれは勝田が可哀想だろ(「良いぞ。何なら裸で土下座してやる」

 

「「勝田!?」」

 

「その代わり、俺が勝ったら俺の頼みを一つだけ聞いてもらう。これで良いな?」

 

「良いぜ?ま、せいぜい頭地面につける練習でもしとけや」

 

寺坂の俺に対する憂さ晴らしとしか思えない発言。参加者全員と順位を競い、負けたら土下座するというもの。見かねた磯貝と前原が寺坂を咎めるが、俺はよりリスクを背負って条件を飲んだ。

 

ーーーーー

 

 

放課後帰る支度をしたタイミングで桃花と倉橋さんが俺のところにやって来た。

 

「威武樹、さっきは発破掛けてたけど大丈夫そうなの?しかも負けたら裸で土下座するなんて…」

 

「私たち含めた女子は皆あれに参画する気はないけど、威武りんがもし負けちゃったら嫌だよ〜…」

 

「良いんだ、勝てる算段はある。これで負けたら寺坂のやつも多少は大人しくなるだろ」

 

「そうかなぁ…?」

 

「まぁ、頑張ろうな」

 

「「うん。バイバイ」」

 

「じゃーなー」

 

そう言って2人は先に帰った。俺は寺坂よりも他の誰かに負けない事を考えながら帰路に着いた。

 





ご覧いただきありがとうございました!

やっぱりR-18スピンオフ見たい人結構多いんですね。でも書くとしてもまだ後になると思います。

「ま、まだアレやるのには早いから!!」

威武樹の家族紹介

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