まずこの作品を書くきっかけになったのが暗殺教室に再熱する最中に、某バグ大学にハマりつつ逃げ若を読みながら
「刀で暗殺ってめっちゃかっこよくない?」
なんて思ったのがきっかけです。
前日の時間
俺の名前は勝田威武樹。
私立椚ヶ丘中学校に通うしがない中学3年生だ。
俺の通うこの学校は日本有数の名門進学校であり、北は北海道、南は沖縄まで全国から入学希望者が集う。
一方でその反面問題児や素行不良、成績落伍者といった生徒を中学3年になるまでに篩い分け、本校舎から1キロ離れた山奥にある旧校舎ーもとい隔離校舎にて特別強化クラスであるE組ー通称"エンド"のE組とまで呼ばれるクラスに落としたのちに教師や全校生徒から後ろ指を刺され、差別、迫害といった酷い扱いを受ける。
何だったら学費まで平等に分配される事はない。
勉強について行けなくなった者達はとことんまで迫害される。
そのようなシステムで成り立っている学校なのだ。
そしてそれは俺ーーー勝田威武樹も例外ではなかった。
俺は2年の半ばごろに成績不良が目立ってきたタイミングで上級生に絡まれていた友人を助ける為に喧嘩沙汰を起こした。それが原因で停学の後にE組行きが決まったのだが俺はとても清々しかった。
…まぁその時ヘラヘラしてたせいで俺は全校生徒の中でも関わらない方がいい奴と認定されたのだが。
そして事情を話したところ家族全員で理事長室まで殴り込みに行きそうだったので流石に止めた。
血筋柄なのか?親族全員が武闘派なのだろうか?
しかしそんなこと考えているうちに時間は刻々と迫ってくる。
「暇だなぁ…剣でも振るか。」
停学も残り1日だが暇を持て余し、明日久々に登校するのが待ち遠しいという状況になってきた。そう思い彼は木刀を持ち出し、自宅から庭へ出て木刀を振る。風切音がする様な凄まじい剣速だが、それもそのはず。彼は古流剣術の家元の息子で、幼い頃から鍛錬したその剣腕は素人から見ても目を見張るものがある。
素振りを30分程度したのち休憩していると、ある女性が家を訪ねてきた。
「初めまして!明日から君の担任になる雪村あぐりです。よろしくね!」
黒髪ショートの元気な明るい人だった。まぁ…何より気になったのはその服のおかしな絵柄だが。何だよキャビア食べてきたって胃袋にぎっしり詰まったキャビアのイラスト!ちょっとキモいなこの絵。
この人、二枚目気取りの三枚目とかドレスシャツなんてプリントしてあるシャツも持ってそう。
「初めまして。雪村先生…ですよね?先日は連絡もしていただきありがとうございます。…明日からですよね。俺が登校再開するの。馴染めますかね?新しいクラス。」
「大丈夫だよ!皆んな同じ境遇だし、心配しなくても勝田君ならきっと仲良くなれるよ!」
心配事を漏らした生徒を優しく安心させてくれる。それもE組の生徒だからと冷淡に扱うことなく。
「(腐ってると思ったこの学校にも、こういう良い先生がいるんだな。)」
初対面の新任教師とはいえ、威武樹は既に心を開いていた。
「じゃあ明日待ってるね!さようなら!」
「さようなら〜ではまた明日ー」
別れの挨拶を済ませると彼女は去った。
そのまま俺も残りの稽古を終え、時間も夕方になってきたので家に入ろうとしたらまた一人、尋ねてきた人物がいた。
「やっほー!威武樹、久しぶり!相変わらず剣術頑張ってるね。」
茶髪でポニーテールの髪型に女子にしては比較的高い背丈。そして中学生離れした男子ならば誰もが目を惹かれるであろう抜群のスタイル。幼馴染の矢田桃花である。
「おう、桃花かよ久々だな。どうしたんだよ?ウチまで来て何かあったか?」
「明日から停学明けでしょ?だからE組のある旧校舎までの道のりとか色々と教えてあげようと思って来たんだ。」
「マジかありがとう!下手したら山の中で迷子になりかねないからな…」
「あはは。威武樹は昔からよく1人で行動して何処かに行っちゃってたもんね。幼稚園の頃に遠足行った時なんか訳わからない所にいて大泣きしてたし。」
「うわ今聞くと恥ずかしいなそれ。しかも泣いてた事まで覚えてられると余計に。」
他愛もないことを話して笑う俺たち。すると母が買い物から帰ってきた。
「ただいまー…って誰と思えば桃花ちゃんじゃない!」
「こんばんは。ご無沙汰足してますおばさま。」
「本当にいい子だわ桃花ちゃん!どうしたの?ウチの倅がもしかして何かした?ハッ!もしかして告白?」
「してねぇよ、俺も桃花も。明日から同じクラスだから行き方とか教えに来てくれたんだよ。」
「そうだったの!ありがとうねいつも気にかけてくれて。そういえば弟の…桃哉君は元気?」
「はい。最近は容体もだいぶ落ち着いてきたので。ご心配ありがとうございます。」
桃花の弟は生まれつき身体が弱く、よく体調を崩して入退院を繰り返しているのだ。現にE組に落とされた理由も弟の看病で定期テスト等に出席するのができなかったことが理由である。
「それじゃまた明日ね!バイバイ!」
「またな。」
話は終わり、桃花は帰って行った。
「看病で何度も欠席したり…定期テストを受けれなかったとはいえ、なんであんな優しい子を落ちこぼれ呼ばわり出来るのか不思議で仕方ないし理解に苦しむよ。」
「貴方って本当に良い幼馴染を持ったわよね。桃花ちゃんを何処の誰にも取られるんじゃないわよ?」
「今はまだそういうのじゃないんだって!」
「何"今はまだ"って?いつかは自分から行くの?」
こんな話をしていると姉が帰ってきて母への援護射撃をした。
「姉ちゃんもいいってそういうの!全く…それより腹減ったんだけど今日の晩飯なに?」
茶化す母に照れ隠しをしながら家に入る事を促す。
「あぁそうだったわね!今日は威武樹の好きな〜…」
明日から遂に停学明け。中学生最後の1年間はどの様な物になるのだろうかと思っていたがこの時はまだ知る由もなかった。
まさかあんな日々を過ごすことになるなんて。
威武樹の家族紹介
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欲しい!
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いらない