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はい、修学旅行1日目です。それではどうぞ!
いよいよ迎えた修学旅行の出発日、俺たちは東京駅から新幹線に乗るために駅のホーム内で貸切の新幹線にE組以外のクラスがグリーン車に乗り込むのを見ていた。まぁ乗り物だけに通常運転のE組冷遇である。
「うわ…A組からD組まではグリーン車だぜ」
「ウチらE組だけ普通車、いつもの感じね」
「うちの学校はそういう校則だからな、入学時に説明しただろう」
「学費の用途は成績優秀者に優先される」
「おやおや君達からは貧乏の香りがしてくるねえ」
D組担任の大野からそんな忘れていた事を教えられるとドアから態々顔を見せたのは田中と高田のペア。この小物臭が漂う2人より俺の方が前回の中間テストの順位は上そうだけど、貧乏の香りと言われたのでちょっと絡んでみる。
「え、マジでわかったの?」
「な、何がだよ?」
「なんで俺が3日風呂入ってないってわかったの?」
「「「「「汚ねえ!?」」」」」
当然俺は毎日風呂に入ってるし、今朝に剣の素振りを終えた後にシャワーを浴びたから嘘なのだが。そう、合理的虚偽である。
そんな矢先現れたイリーナ先生がまるでハリウッドセレブのようにこちらは歩いてきた。引いている木村からの指摘に自慢しながら説明する。
「ごめんあそばせ。ごきげんよう生徒達」
「ビッチ先生、何だよそのハリウッドセレブみたいな格好はよ」
「フッフッフッ、女を駆使する暗殺者としては当然の心得よ。狙ってるターゲットにバカンスに誘われるって結構あるの。ダサい格好で幻滅されたらせっかくのチャンスを逃しかねないでしょ?良い女は旅ファッションにこそ気を遣うのよ」
「目立ちすぎだ着替えろ。どう考えても引率の先生の格好じゃない」
「堅いこと言ってんじゃないわよカラスマ!!ガキどもに大人の旅のイロハってもんを…」
「……脱げ…着替えろ…!」
額に血管を浮かべ鬼の形相の今にもキレそうな烏間先生に凄まれたイリーナ先生は何処かで寝巻きに着替えて座席の上でいじけていた。
「誰が引率かわかりゃしない」
「金持ちばっか殺してきたから庶民感覚がズレてんだろうな…」
「さて、俺らも乗ろうぜ渚……ん?」
よく見ると先程まで近くにいた菅谷や中村級友たちが俺から離れている。
それも鼻か口元を押さえながら。
「どったの皆?」
「いやその…」
「威武樹君さっき3日風呂入ってないって…」
「嘘だよ!毎日入ってるわ!!」
自分で掘った墓穴とはいえ流石に傷ついた。
そうこうしながらも電車は出発し、俺たちは各々の時間を過ごした。暗殺の計画を練るもの、持ち込んだ人生ゲームをして楽しむもの、カメラや望遠鏡を確認するもの、京都での旅行を楽しもうと計画するものと様々だ。かく言う俺は一班の何人かと一緒に計画を練っている。
だが駅を出発してある程度経っているのだが、一向に殺せんせーの姿が見えない。
「あれ、殺せんせーは?」
「見当たらないな…ってうわっ!?」
窓を見るとそこにいたのは新幹線に張り付く殺せんせー!?
渚が外の殺せんせーに電話で話しながら何があったのかを聞く。
「何で窓に張り付いてんだよ殺せんせー!!」
「いやぁ…駅中スウィーツを買っていたら乗り遅れました。次の駅までこの状態で一緒に行きます。あ、ご心配なく。保護色にしてますから、服と荷物が張り付いてるように見えるだけです」
「それはそれで不自然だよ!!」
紆余曲折はあったものの殺せんせーはなんとか新幹線に乗り込む事が出来たが、変装してもやはり人ではないことは丸わかりだ。
「いやぁ疲れました。目立たないように旅するのも大変ですねぇ」
「そんなクソデカい荷物持ってくるなよ殺せんせー」
「ただでさえ殺せんせー目立つのに」
「てか、外で国家機密がこんなに目立っちゃヤバくない?」
「にゅやっ!?」
「その変装も、近くで見ると人じゃないってバレバレだし」
岡島、速水、中村、倉橋、桃花といった面々からのダメ出しに狼狽する殺せんせーを他所に菅谷が付け鼻をカッターやヤスリで削っていたらしく手を加えた物を殺せんせーに投げ渡す。完成した物は団子っ鼻であり、超丸顔の殺せんせーにはとても合った物だ。現に本人も気に入っているし。
「殺せんせー!ほれっ。まずそのすぐ落ちる付け鼻から変えようぜ!」
「おお〜!!すごいフィット感!!」
「顔の曲面と雰囲気に合うように削ったんだよ。俺、そんなん作るの得意だから」
「すげーな菅谷!」
「うん、焼け石に水くらいにはなった!」
「一意専心。どの様な事も極めれば己にとって最高の刃となる」
「勝田は勝田でどうしたんだ?」
「筆者が昔からハマってる漫画動画に影響されてるねー」
「不破さん?」
「あはっ、面白いね渚。旅行になると皆のちょっと意外な面が見れるね」
「うん。これからの旅の出来事次第で…もっと皆の色んな顔が見れるかも」
トランプをしながらそんな会話をする渚と茅野の2人。確かに修学旅行というのは数日間の間寝食を共にするわけだし、普段は見ない生活感ある一面を見て知ることになるんだろう。
しかし喉が渇いたな。この新幹線車内販売あっただろうし、何か飲み物でも買いに行くか。
そして出たら出たで何だかガラの悪い高校生達が何人もいる、やだ恐い。こんな事なら誰か誘っていくべきだったかも。でもカルマはダメだし…ガタイが良い寺坂とか。しかし運良く絡まれる事も無かったので、俺はそのままそそくさと前の車両へと向かう。おっ、あのカチカチアイスもあるのか…食べたい一品ではある。
すると俺の後ろ側から女子何人かの声が聞こえてき、振り向くとそこにいたのは4班の女子3人。
「楽しみだね京都」
「うん!」
「お、神崎さんに茅野に奥田」
「勝田君。勝田君も飲み物買いに?」
「そうだよ、でもカッチカチのアイスも捨て難いよな〜って思って。3人は大丈夫だったかい?」
「何が?」
「ドア出たとこにゴロツキみたいな連中がいただろ」
「特に何とも無かったから大丈夫だったよ」
「それは良かった。京都でもああいうのには気をつけなよ?」
「今は勝田君がいるから安心かな」
「おおお、照れるね」
神崎さんにこんな事言われて照れない男は多分このクラスにいないだろ。
しかし俺は後に後悔する。この子達がとっくにあの連中に目をつけられていたなんて、思いもしていなかったんだ。
ーーーーー
◇3人称視点
新幹線の車内で神崎達3人は既に狙いをつけられていた。
「あれどこの学校だよ?」
「さっきの男とあの女達…たぶん椚ヶ丘の中学だな」
「へー、頭のいい坊ちゃん嬢ちゃんばっかのとこじゃん」
「へへへ、アイツらだけ俺らみてーなオバカ高校と隣の車両かよ」
「しかもよ、なんかイケてなかった?今の?」
「黒髪ロングの子か?」
「知的っつーの?そういう感じ」
「なぁ、あの娘らに京都で勉強教えてやろうぜ」
「ぎゃはは。俺たちみたいな筋金入りのバカが、一体何を教えんだよ?」
「バカってさぁ、実は結構何でも知ってんだぜ?」
リーダー格の不良少年、リュウキの片手に握られていたのは修学旅行の日程帳。
そしてその手帳の表紙には"神崎有希子''と書かれていた。
ーーーーー
無事京都へと辿り着いた俺たちは旅館に着いた。A組からD組は高級ホテルで一人一人に個室があるそうなのだが、俺たちE組は寂れた旅館での大部屋である。しかしこれはこれで風情があっていいな、アイツらにも雰囲気を分けてやりたいくらいだぜ。
そして殺せんせーは新幹線とバスの乗り物酔いでダウンしている。
「新幹線とバスで酔ってグロッキーとは」
「大丈夫?寝室で休んだら?」
岡野が提案すると同時に一突き。片岡さんと磯貝も同じように暗殺しようとするが殺せんせーはへたばりながらもひらりひらりと避けている。
でも熟睡してる殺せんせーって見た事ないな。文字通り寝首を掻けるのか試してみたいところではある。
「いえ、ご心配なく。先生一度これから東京に戻りますし、枕を忘れてしまいまして」
「あんだけ荷物あって忘れ物かよ!?」
すかさず飛ぶ三村のツッコミ。要らないものを持ってきて要るものを忘れてしまうとはな。隣を見ると神崎さんが何かを探しているようであり、カバンの中を探している。
「どう、神崎さん?日程表見つかった?」
「…ううん」
「神崎さんは真面目ですからねぇ。独自に日程をまとめていたとは感心です。でも大丈夫、先生の手作りしおりを持てば全て安心」
「「それ持って歩きたくないから纏めてんだよ!!」」
あんな広辞苑みたいなもん持ち歩くとかあまり考えたくないな、そもそも本ってある程度の重さあるし。
「確かにバッグに入れてたのに。何処かで落としたのかなぁ…?」
「…心配だな」
ご覧いただきありがとうございました!!
はい。結構かかりそうですね。
威武樹の家族紹介
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