3年E組の剣豪   作:ファヴキール

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大変お待たせしました………


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ここまで来れたのは皆様のおかげです。いつもご愛読ありがとうございます!!


自律の時間

 

その日の晩、俺は剣術の鍛錬に励んでいた。律の今後の事も気になるが今は日課通りに剣を振るう。

 

「フッ!シュッ!!」

 

「精が出るな、威武樹よ」

 

「爺ちゃん…否、師匠!」

 

「今の儂はお前に稽古をつけておらんのだが…まぁ固くならんでもよい。自学研鑽とは流石だな」

 

「はい」

 

そう言って俺達は2人で対面した。この時は何かしらの話をされる時で、悩みがあると見透かされ相談する時である。

 

「威武樹、先程から見ていたが今のお前の剣には何かしらの気負いが見えた。お前が剣を振る時にその様な考えがあるのはすぐに分かる。何か考え事があるんだろう?」

 

「……何でわかったの?」

 

「お前が生まれて以来ずっと見てきているんだ、その程度すぐに分かるぞ」

 

「実は同級生のことで」

 

「お、なんだ好きな女子(おなご)でも出来たか?あの娘だろ、桃花だろう?」

 

先ほどの威厳溢れる姿とは打って変わって一気にお調子者のジジイといった話し方と笑顔でこちらに詰め寄ってくる、なんで俺の家族はこうなんだよ!!

 

「違えよ!!ハァ…転校生のこと何だけど、その子は女子で昨日まで機械的だったのに今日になって急に感情豊かになってきたんだよ」

 

「………今時の女学生は随分と変わっているのだな」

 

いやいねぇよ。そんな女の子普通はな。だが俺の通っているクラスはご存知の通り普通では無いし、担任に至っては人外の標的である。

 

「昨日までその子は本当にアンドロイドみたいだったんだよ。生まれ育ってきた環境?っていうのか分からないけど、簡単に人格ってもんは変わらないだろうから思うところが俺にもあるんだよ」

 

「だがお前がその級友の事を杞憂に思っている気持ちは本当だろう」

 

「まぁ確かにそうだけどさ」

 

俺は心残りに思うことがありながら道場を後にした。

 

 

ーーーーー

ーーー

ーー

 

 

翌朝。

 

「は?」

 

元に戻っていた。近くには分解修復されたであろう部品が散らばっている。

 

『おはようございます皆さん』

 

「(((((元に戻っちゃった)))))」

 

「"生徒に危害を加えない"という契約だが…『今後は改良行為も危害と見なす』と言ってきた」

 

「君たちもだ。"彼女"を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」

 

「…チッ」

 

そう言って寺坂がまた用意していたガムテープを取り上げる烏間先生とバツが悪そうに舌打ちする寺坂。烏間先生のため息をついた表情は苦労の絶えない感じがした。

 

「持ち主の意向だ。従うしかない」

 

「持ち主とはこれまた厄介で…親よりも生徒の気持ちを尊重したいんですがねぇ」

 

モンスターペアレントの国家版か…

 

『…………攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入って下さい、殺せんせー』

 

 

暫くするとまた発光を始め何かが展開された。来るぞ!とばかりに身構える級友たち。

 

だが出された物は機銃の類ではなく、大輪に咲き誇る精巧に美しく作られた花束であった。

 

「…?花?」

 

『花を作る約束をしていていました』

 

言われてみると昨日は桃花とそんな話をしていたな。俺が暗器を作ってくれと言った前に花が作れるか言っていたっけ。

 

『殺せんせーは私のボディに計985点の改良を施しました、そのほとんどは…開発者(マスター)が「暗殺には不要」と判断し削除・撤去・初期化してしまいましたが、学習したE組の状況から私個人(・・・)は「協調能力」が暗殺に必要不可欠な要素と判断し、消される前に関連ソフトをメモリの隅に隠しました』

 

その言葉を聞いて明るい表情になる殺せんせー。

 

「………素晴らしい。つまり"律"さん、あなたは」

 

『はい。私の意思で生みの親であるマスターに逆らいました』

 

『殺せんせー、こう言った行動を世間一般に"反抗期"と言うのですよね。"律"は悪い子でしょうか?』

 

「とんでもない。中学三年生らしくて大いに結構です」

 

顔に丸を浮かべながら笑う殺せんせー。まぁ中学生と言えば反抗期だもんな。

俺?俺だって親に反抗することはあるよ。

 

休み時間に律と一緒にジェンガで遊ぶ俺たち。こうして紆余曲折はあったものの、E組に仲間がまた1人増えた。

俺たちは28人で殺せんせーを殺す為に日々学び鍛錬を積んでいく。

 

◇職員室

 

「ん?」

 

職員室を通りがかると何故かビッチ先生が烏間先生におかしな事を聞いていた。

 

「カラスマカラスマ、顔描いたら人気者になるって本当?」

 

「……お前は何処に迷走しているんだ」

 

何故か胸に顔を描いて人気者になろうとしているビッチ先生を見たが、あの人一体何を目指しているんだろう。

お色気キャラかいじられキャラから脱却したいのかな?

 

ーーーー

ーーー

ーー

 

◇放課後ー

 

俺は律に言っていた暗器が出来上がっているか聞きにいくと女子が何人か集まっている中に花の出来栄えを喜んでいる桃花がいた。

 

「良かったな桃花、立派な花束作ってもらえて」

 

「うん!花瓶立てて廊下に飾ろうと思ってるんだ」

 

「しっかしこんなよく出来てて造花とは初見では思うまい」

 

「本当だよね〜」

 

「花瓶はあるけど立てるお花が無かったからね」

 

「野花くらいならその辺から俺が摘んでくるぞ。桃花、昔に生花習ってたろ?」

 

「でも今はこれあるからいいよ」

 

「そうあえば勝田君は何しにここへ?」

 

「ちょっと律にな。律、ちょっといいか?」

 

『はい!何でしょう勝田さん?』

 

「昨日言ってた暗器、出来上がってるか?」

 

『苦無と手裏剣ですね、完成しています!』

 

そう言って律が出してくれたのは数本の苦無と峨眉刺(がびし)、そして手裏剣。これらは全て対先生物質で出来ているため柔らかく人体には無害である。

 

「この針みたいなのは?」

 

「峨眉刺という中国拳法で使われていた暗器だ。隠し持ち不意を突いて刺す事に適している」

 

「こっちは一般的な手裏剣と苦無だね〜」

 

「なんか忍者みたい」

 

現にここにあるのは刀も含めて忍者が持っていた武器が多いからな。すると桃花が何か分からない物を持って聞いてくる。

 

「ねぇ威武樹、この鉛筆みたいなのは?」

 

「六角手裏剣だな。これも隠し持って不意打ちしたりする事に向いている、峨眉刺より小さいし投げやすい」

 

あれ?俺六角手裏剣はリクエストしていなかった気がするが…?

 

『こちらについては私から試作として提案させていただきました!』

 

何ともまぁ頼り甲斐のあるクラスメイトだ。前線でも後方でも活躍出来るとは、これは俺としても仲良くしておいて損は無いだろう。

 

こうして俺はまた1人、かけがえの無い仲間を手に入れた。





ご覧いただきありがとうございました!

これから更に更新が遅くなってしまうと思います。でも完全に止まってしまわないようには頑張ります!

威武樹の家族紹介

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