最初に言っておく!前回よりもかーなーり、長い!
はいお疲れ様です。区切りがわからなくなった結果今回はかなり長くなってしまいました申し訳ございません。
実は桃花ちゃんが威武樹を呼ぶ呼び名で今も悩んでいたりします。
呼び捨てか、ちゃん付か、君付けか…
今のところ呼び捨てにしてます。
因みに陽菜乃ちゃんから威武樹の呼び名は無事かっちゃんから威武りんに変わりました。
因みに威武樹にはモデルとなっているキャラクターが複数いて、そのキャラクターにも幼馴染の女の子ヒロインがいます。
お気づきの方はいるでしょうか?また後日に言及していきますね。
威武樹「長くなりましたけど第2話、どうぞー」
◇威武樹視点
3月某日。この日は椚ヶ丘中学校の卒業式があった日の翌日だ。そしてこの日は前までいた先人達が去り、新たな劣等生がE組にやって来る日だ。
停学明けでいよいよE組に初登校する日になったが噂にはすぐに馴染めると聞いていたが果たして本当に大丈夫だろうか。そんな進級してクラスが変わると誰でも思い浮かべるような心配と緊張に駆られるのは彼も例外ではなかった。
「えーっと…ここだな。見せしめとはいえこんな山奥にあるんだよ。」
そんなことをボヤきながら山道を歩くこと20分弱。昨日、幼馴染の矢田桃花から貰った案内図をもとに旧校舎に到着した。女の子らしく可愛らしい絵と綺麗な字で書かれており、とてもわかりやすい。辺りを見てみるともう既に殆どの生徒が登校済みだった。
「(昔はE組と言えば問題児や劣等生の詰め合わせなんて聞いてたのに、そんなに目立って悪そうなのはいないっぽいな。寧ろ何故ここに居るんだ?と聞きたくなる様な、優等生もいる。)」
どれ程悪者扱いされてたんだ今までの人達は。
本当に汚いのはお前らじゃないのか?
そんな事を考えて歩いていると桃花が駆け寄り、声を掛けてきた。
「おはよっ!威武樹がここまで迷わず来れて良かったよ。」
「おはよ。昨日はこんな地図までありがとうな桃花。」
「全く、おばさんから停学のこと聞いた時は本当にびっくりしちゃったよ…もう喧嘩なんかしちゃダメだからね?」
そういや俺の数多の喧嘩沙汰もお袋から聞いたって言ってたっけ。
「はーい。でも勿論中にはやむを得ないこともあって、その時は喧嘩するのも仕方な(((「駄目ったら駄目!!私との約束ね?」
「…わかりました。」
昔から怒ると怖いんだよな桃花。こうなると俺は桃花に逆らうことが出来なくなるので、そんな時は素直に言う事を聞く。
普段優しい人が怒ると怖いというが、それは本当なのだ。
「絶対守ってね。威武樹に約束破られたら私、泣いちゃうよ?」
「わかったよ絶対守るから!泣かないでよ!」
「じゃあ指切りしよ?私達昔からこうやってお約束してるでしょ?」
「わかったよ。」
恥ずかしいですが、これが昔から、俺たち2人の約束する時の決まりなんです。
「「指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます 指切った!」」
仮に泣かせたが最後、俺は罪悪感で針千本飲むどころか自刃しかねない。
(※自刃とは切腹などの刃物を使っての自決のことを言います。)
え?重い?それにも理由がある。
昔、一度だけ桃花と喧嘩した時に一度だけ泣かせてしまった事があった。俺はその時罪悪感で自分の方から謝ってたし結局自分の方が大泣きして桃花に慰められていた。
そんな話をしていると2人の女子生徒が近づいてきた。
「矢田っち泣かせたら私が許さないよ?極刑だよ?」
背が低めのショートヘアの女子、岡野ひなただ。元体操部で運動神経が良く、考えるより体が先に動くタイプらしい。もしかしたらトップヒーローの器なのかも。
「いや怖ぇよ!なんでほぼ初対面の女子にいきなり刑の宣告されてんだよ!」
「あっ、そういえば話すの初めてだったごめん!1年間よろしく!」
「軽いな。思った以上に。」
「まぁひなたはそういうタイプだしね、私も1年間よろしくね勝田君。」
「メグ!メグもE組だったんだ。1年間よろしくね!」
「ありがとう片岡さん。俺からも1年間よろしく!」
背が高くかっこいい印象を受ける女子。片岡メグだ。この子は前から面識がある。そのかっこよすぎる振る舞いの為か、女子から貰ったラブレターは数え切れないらしい。現に桃花も一度本気で好きになりかけた事があるらしいし…
「「おいおい何だよ勝田ぁ!早々に女子と距離縮めてんのよかよぉ!」」
「うわっ岡島に前原!?いきなりだなおい!」
大声でいきなり現れた坊主頭の男子。岡島大河だ。彼はエロい。兎に角エロい。見ていて逆に笑えるほどにエロい。だが男子の心をしっかり掴んでおり、クラスが一緒になると彼と仲の良くない男子は存在しない。
此方も岡島と同じタイミングで現れた、何処かチャラい印象を受けるイケメン男子。前原陽斗だ。彼は確かにモテるのだが女子を取っ替え引っ替えしているだけにいつか恨みを買い過ぎないか心配だ。しかもエロさで言えば岡島にも引けを取らないし…
「違うって!桃花と話してたらこの2人が来たからその足で話してただけだよ!」
「「矢田を下の名前で呼んでる!?お前もしかして矢田の彼氏かぁ!?」」
「違うよ幼馴染だよ!あとお前ら2人とも一回落ち着けよ!」
「「幼馴染ィ!?それ聞いて尚更落ち着いてられるかァァァ!!」」
「それ体の何処から湧いて出てる感情なんだよ!」
それにしても感情昂り過ぎだろこの2人。どうしたものか…と思っていると2人を落ち着かせてくれる救世主が来た。
「止めろって2人とも。大丈夫か?大変だな勝田も。」
絵に描いたような黒髪のイケメン男子。磯貝悠馬だ。彼は文武両道の秀才なのだが、一年生の時に父親が交通事故で他界。家系の手助けをする為無断でアルバイトをしていたところが校則違反となり、E組に転級することになったと聞いている。その話を聞いてからは俺は釣りに行くたびに魚を持って行ってるし、母の田舎から野菜が届いたらお裾分けしている。
「へへっありがと。磯貝、1年間よろしくな。」
「ああ、よろしくな!それより勝田、この前うちにくれた冬瓜凄い美味かったよ!」
「あぁ良かったよ。また今度ー「釣りはいつ行く予定なんだ!?」
「え」
「また大漁祈願してるからな!何だったら空いてる日は俺も一緒に行こうかと思ってるし「食材目当てかよ!」
「当たり前だろ!?磯貝家が何度、勝田家に助けられてるか知ってるのか!?」
「まさかウチがここまで頼りにされてるとは思ってもみなかったよ!」
ーーーーー
この混沌の中で男子は男子、女子は女子で話している。まるで見えない境界線があるかの様に。
「ねぇ矢田っち。喧嘩沙汰を起こしたって聞いてどんな奴かと思ったけど、なんか面白いね、勝田って。」
「でしょ?結構面白いんだよ威武樹って。」
「勝田君見てるとこの一年間、退屈はしなさそうだよね。」
全くお前らは、なんの話してるんだよ。まぁでもクラスメイトがこんな感じなら此処にいる時は少なくとも楽しい一年になりそうだな。
校舎に入り上履きに履き替えて教室に入り、黒板を見ると座席表が貼ってあった。俺の席は…奥田愛美っていう女子の後ろか。右隣は赤羽業だが、彼はまだ停学が明けていないらしい。というか何で喧嘩沙汰で停学食らった生徒が2人も居るんだよ。爆弾2つも抱えてるのかこのクラス。
…………あれ?俺って自分で自分のこと爆弾って言ってる?
そんな訳で俺は席に着いた。目の前を見ると眼鏡をかけた三つ編みの女子が前の席に座ろうと歩いて来た。この子が奥田愛美なのだろう。真面目そうな見た目をしているが立ち振る舞いから見て学級委員長の様なタイプではなく、寧ろ性格は慎重、いや臆病そうな印象を受ける。攻撃性や凶暴性といったものが全く無いのだろう。
「初めまして。俺の名前は勝田威武樹!1年間よろしく頼むな!」
「は、初めまして!奥田愛美って言います!1年間、よろしくお願いします!」
前の席の子とも挨拶を済ませたし、折角だし何か話そうかと思っていたら、始業のチャイムが鳴った。そして昨日会った白衣を着た女性が入ってくる。雪村先生だ。矢張り白衣の下の服が気になる。先生は黒板に名前を書き終わった後で話し始める。
「初めまして!今日から皆んなの担任になる雪村あぐりです。1年間、よろしくお願いします!」
担任がこれだけやる気に満ちた先生なら俺も少しは有意義な一年になるのかもしれない。
「じゃあまずは出席番号順に自己紹介から始めようか!1人1分程度でね!えーっと赤羽君はまだお休みだから…その次の磯貝君から!」
「はい。磯貝悠馬です。前にいたクラスはーー」
十数分後…
「じゃあ次は勝田くん!」
俺の番が来た。黒板の前に出て自己紹介を始める。関わりがない同級生が多かったのでかなり緊張する。
「初めまして。勝田威武樹です。前にいたクラスはD組でした。E組に来た理由は成績不振に加えてご存知の方もいると思いますが喧嘩沙汰です。特技は剣術で物心着いた時からやっていましたので、興味ある人だけでなくこのクラス全員と仲良くなれると嬉しいです。」
拍手が起こり鳴りやんだ後で全員に向けて軽くお辞儀をした。
「うん、ありがとう!じゃあ次は勝田くんに質問ある人はいる?」
「はい!」
「じゃあ倉橋さんから!」
元気のいい声で手を挙げたのは、ゆるく可愛い感じのする女の子。倉橋陽菜乃だ。
「倉橋陽菜乃です。よろしくね!かっちゃんは動物は好き?犬派?それとも猫派?」
初手からあだ名で呼ばれた。しかも聞いたことがあるあだ名で。
「まぁ好きだよ。犬か猫かって言われると両方好きだしあんまりわからないかな。でも俺大型犬が結構好きだよ!あと、かっちゃんってあだ名はなんか違和感あるなぁ…」
「それだと中の人的にはカルマくんになっちゃうもんねー」
「不破さん?」
ボブカットの漫画大好きっ娘の不破優月の謎の独り言に青い髪の中性的な男子、潮田渚がすかさずツッコミを入れた。
「じゃあ次の人は…渚くん!」
「はい。勝田くんは映画とか興味あったりする?僕はアクション映画とか好きなんだけど。」
「映画好きだよ!アクション映画もよく見るけど、特にSFとか戦争映画が好きかな。」
ーーーーーーーーーー
そんなこんなで自己紹介は全員分終了し、今日は新しいE組の件について職員会議があるということで昼前に午前終わりとなった。事前に通達されていたとはいえ、午前終わりというのはテンションが上がる物である。
というわけで足早に帰ろうと鞄を右肩に背負うと
「威武樹!一緒に帰ろ!」
桃花が声を掛けてきた。
(「桃花、悪いけど今日の俺は午前終わりでテンションが最高にブチ上がってるから全速力で帰るんだ。今日は一緒に帰ることは出来な(((」)
こんな事言えるわけがない。
「えっ?良いよ。」
二つ返事でOKした。というか誘われた時点で全力で首を縦に振りたかったし。
「丁度昼時だし帰りなんか食べてく?」
「うん!じゃあ威武樹お昼ご飯奢ってよ!」
まぁこちらから誘ったし。近い未来に気になりそうな女の子とご飯行くってなったらそりゃ奢らないといけないよな。
「「昼食デートかよぉぉぉぉ!!??爆裂しろこのリア充が!!」」
また岡島と前原のコンビがこっちに来た。
「デートって…ただ昼メシ2人で食うだけだよ?これぐらい今までも何回もあったし。別に俺リア充じゃねぇし。」
「あと帰りに2人で昔よく遊んだ公園とかで一息ついたりしてるよね。」
「ベンチなんかに座ったりしてな。」
「「楽しそうじゃねぇか!!」」
「でも威武樹がリア充じゃないのはホントだよ。今までバレンタインに私以外の女の子からチョコ貰った事なんて無いし。」
「「え」」
「失礼だな。姉ちゃんからは貰ったことあるよ!」
「お前、矢田から毎年チョコ貰ってたのか!?男前なのに全くモテる話聞かない奴だなとは思っていたがまさか…」
しょうもない反論をよそに前原が驚きながら聞いてくる。何だか褒められた直後に失礼なことを言われてる気がするが…まぁ今はいいか。
「う、うん。先月も貰ったから一応は毎年貰ってる。」
「マジかよ!?これが俗に言う幼馴染マウントってやつか!?くぅ〜!」
岡島が歯を食いしばりながら羨んでくる。幼馴染マウントって……
「…ねえ、幼稚園の時のこと、覚えてる?」みたいな感じ?
コレ桃花がやるならまだしも俺がやるとただの重いメンヘラ系男子だぞ。
嫌われるリスクあり過ぎじゃねぇか。やりたくねぇ。
「威武樹は毎年ホワイトデーにバレンタインのお返しくれるよね。」
因みに彼は律儀である。
「なんなら桃花は毎年人数分の義理チョコ配ってるぞ、クラスでも部活でも。確か磯貝が同じ元テニス部だったから知ってる筈だよな…って居ない!?」
「磯貝君バイトの面接があるからって早くに帰ったよ。」
片岡さんが磯貝の行方を教えてくれる。そういえばE組に来た理由も校則違反のバイトがバレたからって言ってたっけ。
「ほら!アンタらは勝田と矢田っちに絡むのやめなって!」
「「イデデデデデ!!」」
岡野もやって来て2人の首根っこを掴んで引き離してくれた。これはチャンス。
「なぁ桃花、片岡と岡野が2人を止めてくれてる今のうちに行こうぜ。」
俺は咄嗟に左手で桃花の右手を握り、一緒に教室を出ることを促した。
「えっ?///」
なんか赤くなってる…?いや待って小さな可愛らしい手がめっちゃ柔らかくて温かい。桃花と手を繋ぐなんていつ以来か忘れたけど久々に握ったら別格の握り心地何ですけど。朝よりも近くにいるからか、髪から凄く甘くて良い匂いするし///
(変態?うるせぇよ!俺が言うのも何だけど、お前14歳健全男子の可愛くて発育良過ぎる幼馴染の女子に対する興味舐めんなよ!?)
鼓動がさっきより早いし、なんだか身体が熱くなってきた気がする。
「そうそう、早く勝田君と矢田さんは行って!」
「ありがとう。ひなたちゃん、メグ!」
「ありがとうね2人とも!」
こうして2人の協力もあり、無事抜け出すことに成功した。片岡と岡野。まるで映画のワンシーンだと思ったが、去り際にこっちを見ていた顔が2人とも何だかニヤついてた気がする…
「ふふっ。早くも皆んな青春してキラキラ輝いてるなぁ。」
その様子を本校舎に向かう前のあぐりは微笑ましく見ていた。
ーーーーーーーーーーーー
「2人に助けてもらえて良かったな!」
「そうだね。明日改めてメグとひなたちゃんにお礼言わなくちゃね。」
そうして2人で山道を下り、町に出てきた時に聞いた。
「因みにサイベリアで良いか?近いし今だと学割効くし。」
「いいよ!その代わりデザートも奢ってね?」
「勿論だよ。じゃあ行きますか。」
そうして2人で店に着いた時だった。今は満員だった。
「まさか今席が空いて無いとはな。」
「皆んなお昼ご飯時だから仕方ないよ。ちょっと待ってれば空くだろうし2人で待ってようか。」
「オッケー、俺ちょっと紙に名前書いてくるわ。あと手洗ってくる。」
「うん。威武樹が戻ってきたら次私が行くね。」
そうして俺が少し待合のソファーから席を外し、戻って来た時だった。
「「あれ?お前、矢田じゃないか?」」
そう言って桃花に声を掛けていたのは同級生の二人組だった。
…まぁコイツらのことなんて特に覚える必要もないが。
名前を紹介しないのもそういう理由だ。
「…こんにちは。」
まるで見つかりたくない人に見つかったという様な、とても嫌そうな顔をしている。
「お前、今年からE組行きになったらしいな?病弱な弟の看病でテストに出れなくてE組行きになるなんて、全く惨めだよな。」
「本当だよ。弱くて情けない奴に気を割いた結果がお前も弱い奴に落ちぶれるだなんて、全く救えないというか何というか…」
「ま、元々が救えない程に弱い弟なのかもしれないけどな!」
「「ハハハハハハハ!!!!」」
「ううっ…」
桃花は悔しくて悲しくて、今にも涙が出そうだった。
それを見て俺は目の前が真っ赤になるほどの怒りに支配された。
2人に殴りかかろうと思った矢先
『威武樹に約束破られたら私、泣いちゃうよ?』
すんでのところでこれを思い出せた。ありがとう、桃花。
「でも、お前が俺等どちらかの女になるって言うんだったら本校舎に復帰できるよう俺らが掛け合ってやる事も考えてやらなくもな「おい。」
俺は気配を消し、今にもコイツらに殴りかかりそうな怒りを必死に抑えて2人の背後を取った。
「「うわっ!?何だお前…って勝田!?」」
「お前ら、何俺の大切な連れ泣かそうとしてるんだ?」
「な、何だよヒーロー気取りか?別に泣かそうだなんてしてねぇよ!ただ本校舎に復帰させてやろうかと掛け合ってやろうかと言ってただけで…」
「ほう…彼女になる事を強要していたようにも聞こえたが?」
「そ、それはっ…!」
矢張りというか、大事なところは隠そうとしたがるんだな。
「おい。お前らが桃花の事をどう思っていようがお前らの勝手だが、ここは公共の場だ。こんな良い制服着てるんだから、下手に騒いだりしたら店から学校に通報される。そうなるとお前らも危ういぞ。もう少し行動と発言には気をつけた方がいいんじゃないか?」
というと悔しそうな顔をして舌打ちをした。
「大体、お前は矢田の何なんだよ!」
1人が去り際にこんなことを聞いてきたので、折角だから少し揶揄ってやる事にした。
「俺か?俺は桃花の幼馴染で…彼氏だよ。唯一無二のな。」
これ言えば近寄らないと思ったとはいえ、言っちまった…やべぇよこれ…
「「なっ!?」」
「威武樹…///」
「コイツはその…俺の彼女なんだよ!わかったら金輪際、2度と桃花に近寄るんじゃねぇぞ。」
そう言うと足早に去っていった。もし次こんな事しやがったら真剣に斬り伏せてやる。まぁでも俺って本校舎で大分ヤバいやつ扱いされてるらしいし、俺が桃花の男避けになれば結果オーライかな?
「ごめんな桃花、俺が席立たなきゃこうはならなかったのにな。でもこれ言っときゃもう近寄らなくなるだろ?本当は別に違うのに、ハハっ。」
そういってハンカチを渡してやると桃花は少しの涙を拭いた。
「うん…大丈夫。助けてくれてありがとう。」
「しかし彼奴の『ヒーロー気取りか?』って…まぁ実は年甲斐もなく少しは未だに憧れてたりするんだけどなー」
「…私にとって威武樹は昔からずっと、私のヒーローだよ。」ボソッ
「なんて?」
「何も?」
『2名でお待ちの勝田様、お席の方へどうぞ!』
「空いたね。ほら早く行こ!」
席も空いたので座ることにした。桃花が何を呟いてたのか気になるが…
ーーーーー
料理も運ばれてきたので2人で食べていた。
「良かったらこれ一口食べる?」
「良いのか?ありがとう!」
桃花は自分の食べているパスタをフォークでクルクル巻いてくれた。
おそらくここで俺にフォークを渡してくれるんだろう、と思っていたのだが……
「はい、あーん♡」
…………………………え?????
理解するのに少し時間がかかった。
そう、男の子なら誰もが一度はされてみたいと思ったであろう女の子からの「あーん」である。
「…あの、桃花さん?これは一体?」
わかってはいるが念の為に聞いてみる。
「何って「あーん。」だよ?ほら威武樹、あーん♡」
そう言って桃花はもう一度パスタを口に運ぼうとしてきた。
「いや、こういう公共の場でそういう事するのは何か恥ずかしいっていうかなんかな…」
「昔は2人でお弁当食べた時によくやったでしょ?」
「それ幼稚園とか小学校低学年の時だよな!?俺ら2人とも今中2で、もう来月には中3だよ!?」
「…威武樹は私からのあーんは嫌なの…?」
桃花は目を少しだけ涙目にしながらこう言ってきた。
俺も男だ。女の子にこんな事されて耐えられるわけがない。
「あっ!わかったから!ほら、今口開けて待ってるから!」
「ふふっ。正直になれば良いのに。はい、あーん♡」
そう言って桃花は俺にあーんをしてきた。そして俺は口に入れられたパスタを咀嚼するが、思っていたよりも恥ずかしくて味が中々わからなかった。なので今度はやり返してやる。
「桃花。」
「ん?何?」
「ほら、あーん♡」
俺は自分のドリアをスプーンで掬うと、先ほどされた様に桃花の前に差し出した。
「ふふっ。いただきまーす♡」
可愛らしい笑みをこぼすと桃花は嬉しそうに俺が差し出したドリアを食べていた。
「余裕だな。」
「うん。幼馴染だもん。」
………ん?ちょっと待てよ。俺が桃花の使ってるフォークであーんして貰って、桃花が俺の使ってるスプーンであーんしてあげるって…………
コレってお互いに間接キスしてるんじゃないか?
なんて事一瞬考えたら桃花も同じような事を思った様で少し頬を赤らめている。やっぱりそこは同い年の幼馴染なんだな。
「…それ食い終わったらデザート好きなの頼んで良いよ。」
「あっ、ありがとう…///」
そう言ってお互い食べ終わったのでデザートをすぐに食べて支払いすることにした。行く時に行った様に俺の奢り。店を出たところで話しかけた。
「どうする?このまま一緒に帰るか?」
「そうだね!」
店でも何やら絡まられたし、そんな事があった年頃の女子を1人で帰らせたくない。
ーーーーーーーーーーーー
2人で一緒に歩き、桃花の家に着いた。
「威武樹、今日はありがとう!」
「礼を言いたいのはこっちだよ。一時は嫌な思いまでさせちゃって悪かったな。」
「大丈夫だよ!寧ろあの時、威武樹が助けてくれてかっこいいと思ったし、嬉しかったよ///」
「そ、そうか?なんか褒められると照れるな…/// じゃ、また明日学校でな。」
「うん!また明日ね!バイバイ!」
「おう、じゃあな。」
「あ、ちょっと待って!」
そうして俺も家に帰ろうとした時に桃花が俺の肩を掴んで引き留めてきた。
「何だよ?」
「威武樹、私が辛くて悲しんでる時に助けてくれてありがとう。大好きだよ。私のヒーロー。」
「!?」
「じゃ、またね〜!」
そう言って桃花は家に帰って行った。
「…何だよあの小悪魔感、ズルいだろ。」
そう呟くと踵を返し、俺も家に帰った。俺と桃花の家は近所であり、かなり近い。ものの数分で家に着いた。
「ただいま。」
「おかえり!お昼は友達と食べてきたって言ってたけど、相手はもしかして桃花ちゃん?」
「なんでわかった!?」
オカンって凄い。そしてこわい。
「大体わかるわよ!しっかりアプローチ出来た?」
「してねぇよ!別に今回そういう目的じゃないから!」
「なら、桃花ちゃんをどっかの誰かに取られても良いっての?」
「それは…嫌だな。特にどこの馬の骨かも分からない奴には絶対。」
「…アンタも相当デカい感情持ってるわよね。」
俺が桃花に?でも何処の誰かに取られることを考えると胸が苦しくなる。
この感情に俺が気付くのはいつになるんだろうか。
そう思いながら俺は自室に入った。
ご覧いただきありがとうございます!
基本的に更新ペースは週一か週二で出来れば良いなと思っています。
近日中、本編の回想シーンに入っていくところがあります。
その前に次回はE組のみんなと少し打ち解けるオリジナルの話を投稿します。
それではまた次回!
威武樹の家族紹介
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欲しい!
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いらない