【更新一時停止】8人の転生者が大海賊時代を生き抜くお話 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「まずアメと蜜の性質についてしりましょうね!」
料理に詳しいフウカと錬金術師として色々な知識を持っているライザ、そして栄養学の観点からムザンが先生となり、飴人間になったミラと蜜人間になったコノに知識としてそれぞれの性質を教えていく。
ライザが原作知識を含めて言うには
「まず悪魔の実って自由なんだよね。飴は自由に形を変えられると本気で思えばどんな形にもなるし、味だって変えられる。ただ自然系と違って超人系は能力が筋肉と同じで激しく使えば疲れるし、鍛えれば鍛えるだけ効果が大きい悪魔の実でもある」
「「へぇ···」」
「ミラはフウカと一緒に自身の飴の料理を作ったり形状の変化を、コノは私と一緒に様々な蜜を作り出そうか」
「「はい!」」
と修行方針が決められた。
まずは何ができるかわからないと困るからである。
「せっかくの飴なんだから味を変化させられるようにしようか(性質の変化 ちなみに原作の映画だとこの飴はルフィが不味いと言っている)」
とフウカの案で味について探求してみることにした。
飴化した指先を伸ばして包丁で切ると手頃なサイズの飴ができる。
食べてみたがただ甘いだけ···雑味たっぷりでとても美味しくはない。
「実際に味わいながら味の再現をする方法が良いのかな?」
と思ったフウカは船内にある材料を集めてベッコウ飴やあんず飴、のど飴、味噌飴、塩飴、米飴などを作り方を含めて再現してみると先程よりは味が良くなった。
「うーんこれは今後の課題だね。そしたら次はどれくらい飴を体から生み出せるかだね」
と甲板で飴を手から出してもらう。
「うん、体重の5倍ってところかな」
ミラの体重が30キロなので150キロほど生み出したことになる。
質量の法則が乱れているが、悪魔の実なんてこんなもんである。
「も、もう無理です」
「何が理由で無理かわかる?」
「まず体中が痛いし、修行後みたいに疲労感が凄いのと空腹も酷いです」
とのこと···
「やっぱり超人系は本人の才覚によって大きく能力の限界値が左右されるみたいだね。寝たい? 食べたい?」
「食事を食べたいです···そしたら眠りたいです」
「わかった」
フウカに抱えられてミラは食事をとってこの日は眠るのだった。
生み出された飴は海に捨てられた。
不味いし、邪魔なので。
一方コノの方は蜜で直ぐに蜂蜜と糖蜜を体から分けて出すことに成功し、本人的には樹液も蜜としていけるのではないかと思っていたが、流石にそれはできなかった。
しかし、恐ろしいのは副産物も作り出す事が出来る点である。
蜂蜜の場合蜜蝋が、糖蜜の場合は廃糖蜜を出すことができ、それを体内で更に変化させることでエタノールを生成できるのだ。
つまり?
エタノールを大量にばらまいて火打ち石とかで着火すれば相手の船を火の海にできるということである。
まぁエタノールなので直ぐに気化してしまうが、蜜蝋と組み合わせると船の木材と蝋によって船が沈むまで燃え続けるという恐ろしい技の完成である。
蜜蝋と蝋の種類は限定されるがMr.3のドルドルの実と同じことができる。
出された蜜はライザの錬金術が加わることでこの世界では万能薬に等しい抗生物質等の薬品の量産もできるし、ラム酒の製造もできる活用の幅は広い。
で、コノの才覚なのか、ハニハニの実が上位種の悪魔の実であるからか、アメアメの様な体重の5倍みたいな制限は無く、本人が疲れるまでは出し続けることができた。
ハシラマに木製の大樽(1000リットル)を作ってもらい、出せるだけ出してもらったが、50樽分貯めることができた。
初期でこれなので成長したらどうなるか恐ろしいところである。
ムザンは抗生物質がほぼ無制限に製造可能に喜んでいた。
栄養剤と抗生物質で大抵の熱病はなんとかなるからだ。
グランドラインを安全に航海できると喜んでいた。
あと大いに喜んだのはトリガーハッピーのハルで、紙製薬莢に蜜蝋で防水と装填をスムーズにする効果があるので、雨の日でも銃が打ち放題と歓喜していた。
あれはもう病気である。
「あー、バカリャウ海賊団があれ程の船と船団を揃えられた理由がこれか」
とムザンは納得した。
糖蜜をよくわかってなくても蜂蜜を樽で売るだけで結構な金額になる。
薬物で気を狂わせて蜂蜜製造機にして、場合によっては最終兵器として運用していたのなら···ガレオン船5隻揃えられる資金力を持つことはできるだろう。
「ライザの錬金術と同じだな。無から有を生む錬金だ」
2人とも要修行が必要である。
···そしてこの時に歴史が壊れた瞬間であった。
本来日の目を浴びることがなかった野生の天才コノと原作に出てこないハニハニの実の万能性···戦闘向きとは言いにくい(アメアメの方が戦闘向き)悪魔の実であったが、コノは後々転生者達や船長であるマイトを差し置いて最速で懸賞金が10億を超えることになるのだが···それはまだ先のお話。
総懸賞額5500万の大物海賊団を壊滅させたジパン商会の噂は西の海を震撼させた。
しかも海賊団側は生存者無しで主要幹部メンバーは生首になってバビエカにて晒し首にされたのでジパン商会を格下狩りと罵っていた連中も船の装備が8門以下で船員も15名の少数精鋭。
バカリャウ海賊団との戦闘でもジパン商会は死者が出てないという話も伝わるとバビエカを経由しないでグランドラインに入ろうとしたり、そもそも海賊の立ち上げを辞めたり、西の海の他の島を縄張りにしたりとバビエカ近海での海賊が激減する結果となった。
こうなると徐々に火薬の相場が下がり始め、海賊狩りや火薬販売の利益が悪い為、皆で相談したうえで、バビエカのドックを借りて船の大改造を行うことが決定した。
参考にした船は後々悪名高くなる黒ひげの丸太船である。
正気かと思われるかもしれないが、2年後以降は大きな丸太2本の間に本船を挟むという構造をしており、この丸太部分がバラストの役割を担い、船の安定化に繋がるのである。
転生者達は丸太部分がガンダムのコロニーに似ているからコロニーと呼び、船の中腹部分に固定した。
コロニーは完全密閉式で基本真っ暗。
最初の予定では貨物室をこちらに移設して本船の貨物室部分を第二冷凍室にする予定であったが、トリオンを用いた太陽灯が完成したため予定を変更。
コロニーはライザに土を敷いてもらい、スプリンクラーを設置して野菜の栽培スペースへと生まれ変わった。
左右両方のコロニーの耕地面積を合算すると田んぼ4枚分位になり、ライザとハシラマがせっせと品種改良したバイオ野菜を植えれば10日前後で土地の栄養をほぼ吸い取る代わりに収穫できる作物が育つ。
ライザが定期的に肥料を投入しないと駄目な畑であるが、長期航海中に新鮮な野菜を食べられるというのは凄まじい贅沢である。
またトリオンが太陽灯で使われるため、推進するための動力を石炭に変更、スクリューも1機から3機に増設し、理論値32ノット(時速60キロ)をメンテナンス無しで3ヶ月航行可能(燃料はライザがいるので無補給でどこまでもいける計算)となっていた。
改造自体は2ヶ月で終わり、試験航海が終わったある日、遂に物語が動き始める。
新聞で元海軍中将のサウロが指名手配されたのだ。
運命の日は刻一刻と近づいていた。