【更新一時停止】8人の転生者が大海賊時代を生き抜くお話 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
カントリー島に停泊中に、事件が始まった。
「せ、船長! マイト船長!」
甲板掃除をしていたハルが慌てて新聞を渡してきた。
『オハラ バスターコール』
『悪魔の子ニコ・ロビン 懸賞金7900万ベリー』
オハラが世界を滅ぼす研究をしていたと記載が幾つもあり、その島から唯一脱出した考古学者の少女ニコ・ロビンについて、生死問わずで緊急指名手配がされていた。
「あ、あと···これも」
ハルが差し出した追加の新聞には、オハラ出身者は一律100万ベリーの懸賞金が懸けられると書かれており、情報求むと書かれていた。
「そうか、私達も懸賞金が懸けられたか···」
「名指しではないのでまだ探している段階だと思いますが···ジパン商会の商会登録って」
「バリウッド王国だ。だから一応商会立ち上げはバリウッド王国になる。ただもしバリウッド王国の商会記録まで調べられたら名指しで指名手配をされる可能性がある」
「とりあえず昨日の今日に指名手配されるってことは無いって事ですね」
「まぁそうだが、事がことだ。ほとぼりが冷めるまで潜伏する必要があり、辺境の島のメルヴィユは色々都合が良いんだ」
(本当に大丈夫かな?)
オハラ壊滅の新聞が出回った時には船に食料を満載した状態でカントリー島を出航してメルヴィユに直行することを選択した。
メルヴィユの位置は魔の三角地帯とシャボンディ諸島の間にあり、魔の三角地帯を迂回しながらの遠回りになるが、食料の備蓄的フウカの計算では半年の航海でも大丈夫と言われた。
実際の距離的には1ヶ月で移動可能の距離であるので恐らく大丈夫であると思うが···
とりあえずメルヴィユに向けて出航を始めた。
「ほ、本当に脱獄していた···」
メアリー含めたジパン商会のメンバーはニュース・クーから受け取った新聞に金獅子のシキ脱獄の記事が書かれていたのを読んで転生者以外のメンバーはヨシカゲの話が真実であると確信した。
少し誇張が入っているだろうと思っていたが、オハラバスターコール、オハラ出身者への懸賞金、そして金獅子のシキ脱獄の情報で役満である。
そして幹部メンバー全員が伝説の大海賊である金獅子のシキを殺して能力を奪う事を本気で画策していると知ってトレーニングを更に力が入った。
一応この段階で全員が覇気に目覚めており、メルヴィユに到着したら、専用の武器を作るという約束をライザがしており、パワーアップの為の準備を進めていた。
ちなみにメルヴィユに行く理由は他にもいくつかある。
メルヴィユにはI.Qという生物の進化を促す植物が存在する。
映画ではメルヴィユに生息する動物にこれを戦闘用に改造したS.I.Qを動物達に投薬することで凄まじい戦闘能力を得た動物や昆虫が完成していた。
これを人間用に改良した場合···ビッグ・マムの様な突然変異の人間を量産できる可能性があるとムザンが提案していた。
また動物達が投薬前から独自の進化をしているので修行する場所としても最適である。
住民達(どちらかと言うと原住民だが)も居るので物々交換による取り引きも可能である。
一応準備をしてグランドラインを航海するが、まぁ過酷。
まず天候がヤバい。
西の海の嵐が子供に見えるくらい威力が半端ない。
サイクロンによって海王類が空から雨の様に降ってくる事もあれば、空島から落ちてきた海賊船がクロス号の左コロニーに直撃して左コロニーを切断する羽目にもなった。
海賊とも勿論遭遇する。
船番を残して月歩で空を歩いて海賊船に突入。
「命が惜しければ商売させろー! 物々交換も可!」
色々偽名を使いながら商魂逞しく海賊とも商売を続けて儲けていた。
グランドラインに入ったは良いが、あまりに過酷な環境に心が折れてしまう海賊も多く、月歩で進入すると戦意を喪失してしまう海賊も多かった。
というか海賊稼業が一攫千金を目指すために仲間を集めて飛び出すギャンブルに近い行為になってきており、新規参入者がろくな技術も無いのにグランドラインに突入して金はあるのに船上で真水が切れるというのが多かった。
そういう船にろ過した真水をハシラマの木遁で作った樽に詰めて売るという商売で海賊相手でも普通に稼げてしまっていた。
まぁ場合によっては船長や幹部を見せしめで殺すと投降するというケースもあったが···
マイトの評価であるが
「強くなるなら陸だな」
とのこと。
海上での遭遇戦だと結局相手の船を潰した者勝ちになってしまうので、修行にはあまりならなかった。
というか根性無しが多いのも原因だが。
ジパン商会と名前は出さず、色々な商会名を使い(偽名だけで13名も使い回した)足取りを偽装して隠れきった。
海賊よりも嵐等の悪天候の方がよっぽど怖く、記録指針を無視して航海しているので海軍の巡回ルートに引っかかることも無く、3ヶ月の航海でメルヴィユに到着するのだった。
〜3ヶ月の航海であったプチ事件〜
1つ目、アンの妊娠事件
レントと避妊せずに交わっていた為に普通に妊娠。
アンの体調不良で発覚し、現在妊娠2ヶ月···なお妊娠発覚後も海賊相手にサーベル片手で近接戦闘を普通にやっていた模様。
2つ目、宝の地図(偽)。
海賊と交易した時に他の海賊から奪った宝の地図なんだが鑑定できなくて困っていたのでメアリーが海図と照らし合わせたら海軍の基地の場所であり、同業者を潰す為にしたと思われた。
3つ目、海王類との戦い。
全長50メートル級の海王類と船員全員で戦闘をし、ボッコボコにした事件。
最初は巨体の為にビビったが、戦ってみると案外あっさり倒せた。
4つ目、2週間の嵐。
記録指針から外れた海路を進んでいるため悪天候が続くことが多く、2週間ずっと嵐という場面もあった。
帆を畳んで石炭火力によるボイラーをフル稼働させてこれを突破した。
延々と石炭をボイラーに入れる作業が続き、皆クタクタであった。
5つ目、メインマスト落雷により焼け落ちる。
2週間の嵐とは別の嵐でメインマストに雷が直撃してメインマストが焼け落ちた。
幸いメルヴィユまで近かったこともあり、スクリューを動かすことでメルヴィユにたどり着いた。
「つ、着いた···メルヴィユ···」
「久しぶりの陸地だ···うえ、陸酔いが」
エンゼルとハルは陸に上がると陸酔いでゲロゲロ吐いていた後に、クロス号を見るとボロボロである。
西の海ではキャラック船ながら多くの海賊に恐れられていた偉大な船であるが、見てわかるように限界である。
船から降りた幹部メンバーもクロス号を修理するより次に航海するなら新造した船の方が良いと判断し、ハシラマが木遁の術で船員全員分の木造の家を一瞬で建造し、船の物資や使える施設を陸に移した後、クロス号を目印にオハラ残党探しをされたらまずいので、自沈処分となった。
なんだかんだ2年間ジパン商会を支えてくれた船だったので思い入れもあったが···油をかけた後にマイトが松明を投げてクロス号に別れを告げた。
クロス号は2日間燃えた後に姿を消したのだった。