【更新一時停止】8人の転生者が大海賊時代を生き抜くお話 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
人工島マゴニアは高度3000メートル前後を時速50キロから75キロ前後で雨雲と並走しながら航行していた。
メルヴィユを出発したマゴニアは前に手に入れていたジャヤ行きの永久指針を目標にグランドラインを逆走していた。
まず問題になったのは風である。
農地優先で真っ平らにしたため、移動中台風並みの暴風が吹き荒れ、とても生活できる感じではなかったため、風よけとしてライザが島を取り囲む様に標高2000メートル級の山を連結させてぐるっと山脈を作り、転生者達がその山の至る所に土遁でトンネルを作り、山の麓に居住区を作り上げた。
水は中央の湖から水路を引く事で解決し、山が壁となり問題だった暴風はある程度抑えることにも繋がった。
で、現実世界では一番問題になると思われた気圧の変化による体調不良だが、流石ワンピースの住民。
老人含めて特に問題無しである。
ルフィ達も空島に行った時に高度1万メートルに空気が薄いと言いつつも早々に適応していたので、その3分の1にも満たない高度はワンピース住民は何も問題無いらしい。
それどころか、I.Qの大量栽培によりお茶代わりに気軽に飲める様になった事で、メルヴィユの住民は元々持っていたポテンシャルを開花し、鳥の様に飛行可能となり、島を飛び回って農地の維持や家畜の世話をしていた。
まぁ今島民の人数が約120名なので、活用されている土地の広さは島全域の20分の1ほど···東京都の1区分と言えばわかりやすいかもしれない。
山の中をくり抜いて作った空間(巨大トンネル)は将来鉄道を通す予定であるが、今は涼しいので倉庫として機能していた。
作物も流石I.Qで強化しただけあり、栽培環境が激変したのにも関わらず普通に育ち、より美味しく育っていた。
他に問題は、ニュース・クーが来ない事である。
空にあり、かつ移動している島なので適応範囲外なのだろう。
七武海になって安全が確保できたらカームベルトを低空飛行した方が世界情勢を入手しやすいかもしれない。
マゴニアの農業はモンハンに出てくるガーグァにそっくりな巨大な飛べない鳥を家畜化し、そいつに農地を耕させたり、糞を発酵させて肥料にしたり、馬の代わりに荷車を引かせたりしている。
で、あとは全て手作業。
転生者達···特に前世が農家だったライザがまた酷使され、(ホムンクルス達とエンゼルも巻き込まれて酷使された)様々な農具を作った。
1家族が重機を使わずに管理できる広さが1町···だいたい野球場くらいの広さで、メインとなる米、麦、トウモロコシ、芋、大豆、菜種のどれかプラス3種類くらいの野菜や果実を育てるのが主流となっている。
基本どれも3ヶ月程度で収穫期を迎え、1ヶ月間は土の土壌を整える期間で4ヶ月1サイクルの3毛作を各家が行っていた。
品種改良された作物かつ、ライザが作り上げた農地に理想的な土壌なので収穫量がどれも東南アジアの米並み(あそこはそもそも種を播けば豊かすぎる土壌で何もしなくても現代日本の肥料マシマシの畑の収穫量に匹敵する)である。
ジャヤに到着するまで見つからないように曇に隠れながら移動したので4ヶ月かかり、ちょうど1サイクルしたが、1サイクルだけでも島民が5年は飢えない作物が収穫できた。
必死に加工して保存しているが、売らなければ宝の持ち腐れである。
転生者達はスカイピアで大量売却するしかねぇ! と意気込むのであった。
ちなみにジャヤは昔から無法地帯で交易が成り立たない事で有名であり、食料を売る候補地から外れていた。
ただスカイピアもスカイピアで問題で、通貨が違う問題がある。
ハイウエストという、空島へ続く島々で換金できるらしいが···
まぁジパン商会は空島で養殖されているダイアルを買い占める気満々であり、食料や大地と交換すればいけるだろうと考えていた。
空を飛べるとグランドラインの海流を無視できるのは強く、時々ある大嵐にだけ注意を払えば、大海賊時代とは思えないくらい安全にジャヤ近海に到着し、5日かけてゆっくりと浮上を行い、白海に到達。
白海で記録指針に従い進むとスカイピアの戦士達がダイアルを動力とした船でマゴニアに接触。
世界政府非加盟国かつ、メルヴィユの様に世界情勢と切り離された世界なので堂々とジパン商会と名乗り、スカイピアの神(国王)との面会と商売の許可を求めた。
「へそ(スカイピアでの挨拶)! よく来た青海の商人達よ! 我々スカイピアの民はお前達を歓迎しよう!」
スカイピアの神であるガン・フォールはジパン商会の面々を歓迎し、ジパン商会は空島では貴重な金属の道具を贈り、スカイピアでの商売の許可を求めた。
そして原作知識としてスカイピアで先住民シャンディアとの抗争に頭を悩ませていることを知っていたマイト達転生者は新たな大地を作ることで先住民シャンディアとの和睦を結んではどうかと説明した。
スカイピアの生活は空島では貴重な大地による恵みによって成り立っており、ライザのツチツチの実の力を使えば、新たな大地を作り出すことやハシラマの木遁で緑あふれる場所に変えることが可能である。
ガン・フォールと神の戦士達が見ている前で大地による小さな島を作り、実際に大地だと確認するとガン・フォール達は数百年続く負の連鎖が終わらせられると歓喜し、そのまま宴会となった。
宴会では空島の名物とマゴニアで穫れた作物や家畜の肉や卵の料理をそれぞれ出し合ってスカイピア全体でお祭り騒ぎとなった。
マゴニア側の料理を担当したフウカとホムンクルス達は料理を永遠と作らせられる地獄を見て涙を流していたが···(ホムンクルス達は誕生してから碌な目にあってないので、絶対に独立してやるとの思いが芽生えるのだった)
お祭りの翌日、ガン・フォールは元々和平交渉を続けていたこともあり、ライザが新たな土地とハシラマの木遁で木々を生やした事でガン・フォール達スカイピアの住民は満足し、先住民のシャンディア達にスカイピア側がアッパーヤードから全面撤退するという条件で和平交渉が成立。
こうして長い流血の歴史は幕を降ろすのだった。
仲介者となったジパン商会はスカイピア側、シャンディア側両方に食料や金属を中心に輸出し、大量のダイアルを輸入した。
品種改良した作物の栽培技術と交換でダイアルの養殖技術を交換し、ダイアルの幼虫(ダイアルは死んだ貝殻を使う)は白々海等の雲の海でしか成長しない性質があり、下の海水だと塩分濃度が高すぎて直ぐに死んでしまう。
一応淡水ならば環境変化に強い種類のダイアルは成長できるっぽいので、ムザンがI.Qを与えて進化を促し、淡水に放り込む事で環境変化に適応できる進化を促した。
進化を促したのでダイアルの自己防衛能力が更に強化された危険なダイアルも出来たが、水から雲を作るダイアルは水を浸けている分だけ際限なく雲を作り出す(海水含め)という恐ろしいのもできてしまい、厳重管理をすることとなる。
ガン・フォールとシャンディアの両方から許可を取り、今まで空島で唯一の大地であったアッパーヤードに入らせてもらい、ロジャー海賊団が探索をしていた場所···黄金郷を原作知識を頼りに再発見する。
「す、すげぇ···本当に黄金郷じゃねぇか!」
アンの言葉にイマイチ黄金の価値を理解していないメルヴィユ出身の商会員を除いたメンバーは山のような黄金に大興奮である。
シャンディア側も大地でなければアッパーヤードの物を和解の仲介をしてくれたお礼と足りない分の購入金額分なら持っていっても良いと言われており、金細工を人数分持っていくことが許されていた。
大喜びのメンバーを横目に、転生者達は隠されたポーネグリフとロジャーの残した文字を発見する。
『我ここに至り、この文を最果てへと導く、海賊ゴール・D・ロジャー』
「「「···」」」
転生者達は神妙な顔で原作の大きな出来事であり、光月おでんが掘った文字を眺める。
「何かルフィ達にメッセージを残すか」
マイトの言葉に転生者達は考え、アドバイスを残すことにする。
この時期のルフィは覇気について知らないハズなので覇気についての説明とオハラはまだ死んでは居ない事、ロビンへの謝罪をロビンにわかるようにポーネグリフに書かれている古代文字でロジャーの文とは別の黄金の石板に刻み込んだ。
「···ロビンは許してくれると思うか?」
ヨシカゲの言葉に皆下を向く。
「いつかは出会うだろう。その時にロビンとしっかり話し合おう」
マイトの言葉に皆頷くのだった。
転生者達は次にゴロゴロの実を狙う為に行動を開始するのだった。