【更新一時停止】8人の転生者が大海賊時代を生き抜くお話   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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仮航海

 皆覚悟を決めた次の日、進水式を行い、無事に船が海上に浮かんだ。

 

 これで失敗したら洒落にならなかっただけに皆ドキドキであったが···

 

「良かった···本当に良かった」

 

「船長、ワシの腕を疑ってたのか?」

 

「いや、ハシラマの腕を疑ってた訳では無いよ」

 

「いや、ワシ自身もハラハラしてた」

 

「してたんかーい!」

 

 ボケとツッコミをしつつ、進水式に来ていたロビンを船に乗せてあげる。

 

「凄い凄い! 船ってこんなに広いんだね!」

 

「実際のところこの船は中型船でも小さい方なんだけどな」

 

「そうなのハシラマ?」

 

「ワシの技量不足で、これ以上は貨物を満載した時の復原力が担保できなくてな。まぁ船員を増やすとしても20人は超えんじゃろうから、当面の輸出入ができる船としてこの大きさにしたんだ」

 

 とハシラマが解説する。

 

 復原力は船が風や波で傾いた時に元の位置に戻る力を示しており、これが足りないと直ぐに転覆する船が出来上がる。

 

 もっとも、復原力の復の字も無いような船で旅していたヤバい海賊も居たけど···(黒ひげのこと)

 

「ロビンも将来海に出るような事があれば、良い船と巡り会える様にな」

 

「えー、ハシラマ達の船に乗りたい」

 

「ワシ達は交易商人だ。ロビンは考古学者として世界を巡るのなら役割が違ってくるじゃろうて」

 

「そうなの?」

 

 ハシラマはワシャワシャとロビンの頭を撫でて

 

「いずれわかるさ」

 

 と声をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロビンを船に乗っけて秘密のドックから港まで船を移動させる。

 

「オーライオーライ」

 

「ハシラマ、グダコは何をしているの?」

 

 ロビンがハシラマにオーライと言っているグダコの事を指差す。

 

「あれは船の帆を操作しているんだ。岸に近いから座礁しないように慎重に操作しているから声をかけてはいけないよ」

 

「はーい!」

 

 そんなこんなで港に到着し、船を桟橋に接岸する。

 

「接岸」

 

 ランが先に船から桟橋に降りてロープを受け取る。

 

 ロープを桟橋の固定する杭に縛りつけてゆっくり岸に船を近づけていく。

 

「前方良し!」

 

 グダコは帆をたたみ、フウカも降りて後方をロープで縛り付ける。

 

「後方も良しです!」

 

 長い板を船から降ろし、行き来できるようにしてからロビンが降りる。

 

「凄い! 皆カッコよかった!」

 

「だろ!」

 

「ハシラマありがとね! 何時出航するの?」

 

「明後日には出航だな」

 

「じゃあ皆と当分お別れか」

 

「おう、直ぐに戻って来るからロビンは考古学の勉強を頑張れよ」

 

「うん! 私頑張るね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぇっ」

 

「大丈夫か、ハシラマ」

 

 船に戻ったハシラマは船のトイレで吐き出していた。

 

「すまん、マイト。ロビンや家族をこれから騙すと思うと···込み上げてくる物がな」

 

「···私も結構来てる。荷物は私が運んでおくから船室で寝てろ」

 

「悪いな」

 

「仲間だろ?」

 

 私ことマイトは船から降りて親達から輸出用の商品を受け取る。

 

「マイト、航海成功させてこいよ!」

 

「皆を頼むわね」

 

「任せてください! このマイトが皆と一緒に稼いできますから!」

 

 親や兄弟達に応援され、荷物を次々に船に運び込んでいく。

 

 他のメンバーも出航に必要な物を買ったり、譲り受けたりしている。

 

 慣らしの為に今夜は船室で泊まり、帰ってきたらパーティーを開いてくれと親達には言ってある。

 

 荷物を運び終わり、船室に戻ると、フウカが料理をテーブルに並べていた。

 

「済まない、遅くなった」

 

「いや、私達も先程戻ったところだ」

 

「···」

 

「···皆もう少しで死ぬんだね」

 

 グダコがそう言うと場の空気が重くなるのを感じる。

 

「皆さん、食事の時くらいは明るく食べましょう! 味が不味くなりますから」

 

 フウカはオハラの郷土料理である海鮮ドリアを出していく。

 

 オハラはエジプトの様な料理が家庭ではよく出された。

 

 米もパンも両方食べる文化であったためにルーツが日本人の転生者達にも受け入れやすい食文化をしていた。

 

「いただきます」

 

「「「いただきます」」」

 

 転生者達が食事をする時は必ず手を合わせて、いただきますと言う。

 

 文化の継承···というわけでもないが、過去を忘れない為に、いただきます、ご馳走様でしたは転生者達だけの時、必ず言っている。

 

 そのままなし崩し的にヨシカゲが私物として持ち込んだギターの様な楽器で前世の懐かしい曲を演奏し始める。

 

 私達は音楽に合わせて歌うのであった。

 

 

 

 

 

 ク──エ

 

 トントン

 

 と扉を叩く音で目が覚めた私ライザは、歌い疲れて食堂で皆と眠ってしまっていたらしい。

 

 まぁ途中からお酒も飲んでいたので仕方がない。

 

 甲板に続く扉を開けると敬礼をした水兵帽を被った大きなカモメが立っていた。

 

 ニュース·クー···世界で新聞を配る存在で、本来金を支払わないと購入できないのだが、号外ということで甲板に新聞の束を置いて

 

「ク──」

 

 と言って飛び立っていった。

 

 新聞を見ると遂にあの日が来たのだと感じた。

 

『海賊王ゴールド・ロジャー逮捕』

 

 世界は大きく動こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 出航を家族達に見送られ、船を出て数時間、甲板でゴールド・ロジャー逮捕の新聞を広げて皆で読んでいた。

 

「処刑は1ヶ月後、ローグタウンにて···か」

 

「いよいよ大海賊時代が始まるのか」

 

 ハシラマとヨシカゲが言い、マイトも

 

「ルフィみたいな海賊ばかりでなく、世界史的に見たら最悪の時代だろうな。制御不能どころか、国によっては海賊の傀儡国家になるんだから」

 

 と言う。

 

 大海賊時代の特に初期は大小様々な海賊が生まれては消える戦国時代の様であり、新世界で大勢力を持っていた金獅子のシキもロジャーの処刑前に海軍本部に殴り込みをかけて捕まえられ、白ひげ海賊団も構成メンバーがまだ若く、力はあれど大勢力とはなっていない。

 

 まさに混沌の時代である。

 

「海賊には興味は無い···が、どうなるんだろうか。オハラの生き残りとバレた日には確実に懸賞金が全員にかけられると思う」

 

 マイトがそう言うとグダコが反応する。

 

「少しでも力を付けるためにやっぱりグランドラインに殴り込みをかけた方が良いんじゃない?」

 

 この言葉に半数が頷く。

 

「ただ先立つにも資金がいる。そして慣らしが必要だ」

 

「慣らし?」

 

 フウカが首を傾げる。

 

「殺しの慣らしだ。嫌な言い方だが、殺さないと殺されるからな」

 

 とマイトが言い切る。

 

「ニュース·クーが近隣の海賊のリストも置いていってくれたから、西の海の海賊を倒して懸賞金を稼ぎましょうって話か」

 

「まあそうなる。あとはグダコの悪魔の実レーダーが反応している場所を目指したい」

 

「オッケー、近くだと動いてないのはここから約800キロ進んだ小島とバリウッド王国内で動いているのがいくつか反応がある。まだ何の実かはわからないけど」

 

「まぁどんな悪魔の実でも平均1億ベリーはするし、使えそうならキープしておけば良いからな。動いているのは誰か持ち主が居るんだろう。今回はバリウッド王国で交易をし、悪魔の実と持ち主によってはカチコミ、価値がなさそうなら小島の方に立ち寄って悪魔の実を回収といこう」

 

 とマイトが締めた。

 

「私的には悪魔の実を回収して複製できれば良いんだけどな。作中でも複製悪魔の実が出てきてるし···何なら改良できれば最高だけどね」

 

「ライザ、でも悪魔の実を駄目にする可能性もあるなら···どうなんだろう。私的には売った方が良い気がするけど」

 

 ライザとフウカの意見が出てくる。

 

 他のメンバーも悪魔の実を食べてみたい反面、変な実を食べてしまったら一生変な能力者になってしまう為、迂闊に食べたいとは言えなかった。

 

「まぁそれは追々考えよう。とりあえずここからバリウッド王国までは船で2日、不意に出てくる海獣と海賊以外は大丈夫だと思うがな」

 

「ハシラマ、それフラグ···」

 

 それから数時間後、海獣の群れとバトルする事となる。

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