コカビエルと魁人が対峙している頃ーーー
「くっ!まさか、小娘共にやられるとはなーーー」
「皆殺しの大司教バルパー・ガリレイーー貴方の野望は、ここ迄ですーーー」
「ちょっと、物足りないけど、カイくんの命令だから仕方ないねーーー」
駒王学園の内部にある保健室で、血塗れ状態で壁に倒れ込むように座っている老人ーーー聖剣計画の首謀者バルパー・ガリレイと、彼に銃口を向けている
駒王学園突入の際に、コカビエル及びバルパーの捜索を命じられた二人は、乱戦時に乗じて駒王学園内部に侵入ーーー術式の残滓等を発見後、その大元である保健室を割り出して、突入した。
彼女たちが纏っている制服は、
「それにしても、私たちが突入する前に膝をついて絶望していたけど、何かコカビエルに吹き込まれた?それともーーー」
「自力で、至ったところでしょうか?恐らく、主の不在についてーー」
「何故、貴様たち、小娘が知っている!?」
そう言って、バルパーは驚きのあまり血反吐をさらに吐く。
そう、バルパー・ガリレイは知ってしまったのだ。
聖書の神の死についてーーー
通常の信徒は勿論のこと、教会の暗部にいたバルパーですらも知らなかった
「ーーー私は魁人同様に、元アビスチームのメンバー、つまりサタナエルの弟子です。
「私は、この
そう言って、マドカは平然としている理由を淡々と述べて、伽羅は、今関係ない自分たちが纏っている制服の由縁を世間話のように微笑みながらバルパーに語る。
その二人の様子を見て、バルパーは肉体に込めていた力が抜けるような感覚になった。
「因果応報かーーーまぁ、かの聖剣の完成と、その聖剣士ができただけでも御の字かーーー」
「ーーーなぁに、満足して逝こうとしているのかな?」
「えぇ。貴方には話してもらいたいことが沢山あります。特に、スポンサーについてーーー」
そう言って、喋れるように応急処置をしようとするマドカ。だが、それをバルパーは手で制す。
「無駄じゃーーー恐らく、儂の中に埋め込まれた自壊術式が作動した。もうすぐ、儂は消滅する。だからーーー」
そう言って、手元に小型の魔法陣を展開する。そこから幾つかの書類、記憶媒体と光の結晶を取り出す。
「儂の研究成果及び例のスポンサーとの取引記録等じゃーーーそれと、この結晶を、イザイアーーー木場祐斗に渡せーーー」
「ーーー貴方は、被験者を
「ーーー最初はな。だが、あの子達と接する内に、その感情は無くなってきた。だが、儂の部下を含め、教会の暗部達は、そうとは思わなかったーーーだからこそ、真の聖剣エクスカリバーを完成させる必要があった。何の為に、あの子達が死んでしまったのか忘れられないようになーーー」
「それは、おじさんの自己満足だよ。結局、子供達は犠牲になったーーーそこから目を背ける為の自己満足ーーー」
「だろうなーーーだが、それでいい。それが、私なりの罰だ。その結晶は彼らの生きた証ーーーそれを、あの子にーーー」
そう言って、バルパーは静かに目を閉じた。
そしてーーー
「ーーー今は亡き主よ。地獄の炎に焼かれるのは私だけで十分、辺獄にいる子達には天の門をーーー今を生きるイザイア、そして、フリードには祝福を、どうか与え給えーーー」
その言葉を最後にバルパー・ガリレイは自壊術式により、身体が崩壊し塵となっていった。
「ーーー最後に人の心を取り戻し咎人に、慈悲をーーーAmenーー」
マドカは、バルパーに向けて、追悼を示したあと、小型の魔方陣を複数展開する。収納術式と転移術式ーー収納術式には、バルパーの研究資料やスポンサーとの取引記録等を、そして、転移術式には、例の結晶を入れて、術式を起動する。
起動した術式が刻まれた魔方陣は青白い光を帯びて発光する。光が消えると、例の資料と結晶が消えていた。
それを確認するとーーー
「さて、旧校舎で例の人物に接触後、魁人の応援に行きましょう」
「はーい♡」
そして、二人は保健室を後にした。
覇王色の覇気をぶつけ合う魁人とコカビエル。覇気の衝突は、駒王学園全体に伝播して、その場にあった物が破壊されたり、人に関しては、覇気の影響を受けて、泡を吹いて倒れたりした。
「ーーー流石に、限界か」
そう言って、
ここまでの連戦で、受けた負荷がだいぶ掛かった結果だろう。
そう判断した魁人は、収納術式が刻まれた魔方陣を展開させる。
「ここまで、よく耐えてくれたーーー」
そう言って、魔方陣に
その瞬間、駒王学園の外部から様々な聖なるオーラが、天を貫く塔のように昇っていくのを見た。
「ーーーこのオーラは木場佑斗とフリードか!」
「嗚呼。フリードは、余興の一環として、リアス・グレモリーの『
「ーーーこの戦いに生き残れる程度の細工はさせてもらった。だが、フリードのオーラ・・・まさか、サタナエルの研究が流用されているとはーーーそのスポンサーとやらは、それほどまでにサタナエルに近かったのか?」
「貴様が知らぬのも無理はない。俺も驚きはしているーーーさぁ、こちらも始めようかーーー我が愛弟子よ!!」
「ーーーどうしても、止まらないだな、叔父貴ーーー」
「無論だ!!さぁ、再び、開戦の狼煙を上げろ!!!」
そう言って、戦闘態勢に入るコカビエル。歴戦を潜り抜けてきた漢から発生する
ゼノヴィアは、デュランダルを構えながらも身体を震わせて硬直している。その隙を狙おうと刺客達は襲いかかるが、沖田総司、佐々木小次郎、宮本伊織の手で阻まれて倒されていた。
「ーーー流石に、出し惜しみはできないか。
展開した魔方陣を閉じる。そして、自身の右手を胸に添えて、自身の、
直後、青黒い魔法陣のようなものが魁人の頭上に展開され、そこから、先程の聖なるオーラに匹敵する巨大な黒い閃光が放たれる。
黒い閃光を浴びる魁人ーーーそして、その光が消えるとーーー
「
黒い禍々しい鎧とひび割れた顔を全て隠す仮面を纏い、闇夜を彷彿とさせる黒い翼を展開した魁人が立っていた。
『さぁ、いくぞーーーコカビエル!!!』
「こい、
互いに拳に武装色の覇気を纏わせた魁人とコカビエルが激突した。再度、覇気の衝突で駒王学園の内部が爆風で吹き荒れる。
その影響で、コカビエルの配下のほとんどは巻き込まれて倒れていく。グレモリー眷属は、武装色の覇気を自身の得物に纏わせた剣の達人たち、そしてーーー
「ーーー無事ですか、皆さん?」
「間一髪だったね!それにしても、鎧を纏ったカイくんも格好イイね♡」
仮面ライダーを彷彿とさせる黒のライダースーツを纏ったマドカと伽羅が、グレモリー眷属の前に転移し、防御障壁を展開したことで、爆風を完全に防いでいた。
「まさか、あの爆風を完全に防ぐなんてーーーどんな高等の障壁魔法なの?」
あれほど、吹き荒れていた爆風が意図も簡単に防ぐことができる障壁を展開する魔法を操る二人に戦慄する。
「まぁ、この銃のお陰かな?」
そう言って、伽羅が持っている銃を掲げる。先程、バルパーを撃った銃であり、特撮に登場しそうな形状をしている。
「何か、『仮面ライダーギーツ』のレイザーレイズライザーに似てないか?」
そう言って、興味深そうに、その銃を見る一誠。それに驚きを見せたのはマドカだった。
「当たりです、レイザーレイズライザーをモデルしたと魁人は言ってました」
「マジかよ~ちなみに、この銃の名前は何?」
「確か、
「伽羅、これは
そう言って、伽羅を睨むマドカーーー伽羅も、その姿を見て、ハイハイと応じて口を噤む。
「ーーー皆様、今のことは忘れてください。特に、リアス殿ーーーこの銃の詳細は
「分かったわ、今のことは見なかったことにするわーーー」
リアスは眷属たちにも忘れるように目配せをしながら、今のやりとりは聞かなったことにした。
「まぁ、魁人の
リアスの対応に満足したマドカは、上空でコカビエルと戦う魁人の様子を見てーーー静かに呟いた。
顔を隠すように仮面を被り、鎧を纏った魁人は、コカビエルと激しい格闘戦を空中で繰り広げていた。
拳に武装色の覇気を纏わせて戦う二人。特に、拳同士がぶつかり合った時は、衝撃波で駒王学園の校舎の窓ガラスが全て吹っ飛び、バラバラになっていた。
「クククッーーーその鎧を見ていると、アザゼルが纏っていたことを思い出す。やはり、貴様とアザゼルは親子だ!!」
「今は、嬉しくない賞賛だ!!本来なら使いたくなかったのに!!!」
魁人は、苦悶の表情になるも顔を仮面で隠しているので、周りには伝わらない。
本来、魁人はーーー
この
「
「ーーー朱乃ちゃんと違って、俺は順当に呪われていてねーーー人の姿を保った状態で
「そうだったなーーーならば、
「ーーー何処で、それを知った!?」
驚愕のあまり、攻撃の手を止める。そう、その制服は父のアザゼルですらも知らないもので、その存在を知っているのは、直接力を披露した伽羅、そしてーーー
「ーーーサタナエル。あの人は、あのことまで!!!」
既に、亡き自身の憎むべき師匠ーーーサタナエル。
「やはり、例のスポンサーとやらは、サタナエルの遺産を受け継いだ者か!?」
「嗚呼。この情報を知ったときは笑いが止まらなかった。何せ、最大の禁忌とも呼べる存在と貴様はなったのだから!!!」
「さっきから、何をごちゃごちゃ言っている!?」
そう言って、震えながらコカビエルにデュランダルの切っ先を向けて、激昂するゼノヴィア。
その様子を見てコカビエルが悪い笑みを浮かべる。
「そろそろ、頃合いだなーーー」
そう言って、指を弾くコカビエル。するとーーー駒王学園全体に複数の魔方陣が展開される。
「あれば、通信の魔方陣!?何をする気だ!!?」
悪い予感が頭を過ぎった魁人は、コカビエルに肉薄するもーーー
「少し、大人しくしていろ!!!」
突如、自身の翼から黒い刀身の太刀を出現させて、一振りする。
するとーーー
「グハァ!!!ま、まさか重力を!!?」
突然、空中から地面に叩きつけられた魁人。立ち上がろうとするも、あまりにも大きい目には見えない力ーーー重力に押しつぶされそうになる。
「忘れたか、俺の名はコカビエル。星の運行を司る堕天使だぞーーー重力を操作できなくてなんとする。だが、感謝しようーーー貴様がくれた覇気という概念のお陰で、こちらも再現できた」
「まさか、自力で悪魔の実の力を再現するとはーーー」
「マジかよ!!」
魁人の一言に驚愕する一誠。それもそうだろうーーー『ONEPIECE』で最も有名な力ーーーそれは悪魔の実という果実を食べて、その身に蓄えられた力を使える特殊人間、ゴムの力ならゴムゴムの実、炎の力を操るならメラメラの実というように、全世界のアニメ・漫画ファンなら一度でも聞いたことがある特殊アイテムかつ特殊異能ーーー呪いにより泳げなくなるというデメリットはあるが、食べた実次第で、国を、世界を、または歴史すらも支配しかねない程のポテンシャルを持つ。
「俺が自力で再現できたのは、海軍大将黄猿のピカピカの実と藤虎のズシズシの実だ。光力は天使又は堕天使にとっては生まれつきある能力だーーーそれをひたすら研鑽し、悪魔の実と同等に高めたまでのことーーー重力は、星の運行を司る関係上、俺にはなくてはならないものだーーーまぁ、貴様の再現できた力に比べたら、微々たるものだ」
そう言って、先程展開した魔方陣に近づくコカビエル。
「この放送を観ているものに伝えるーーー各神話勢力及び各国の首脳陣ーーーそして、全世界の人類たちよ!!私の名は、コカビエルーーー古の刻から生きる堕天使だ」
そう言って、改めて、六対十二翼の黒き翼を展開する。
「ちなみに、この映像は合成ではない。場所は、日本の駒王市にある駒王学園ーーー私は、そこである真実を告げる為に、行動させてもらった」
各メディアが強制的にジャックされており、破壊された駒王学園の内部及び、重力によって動けなくなっている魁人が映し出されている。
一通り、全てが映し終わると、再びコカビエルが映し出される。
「私の目的は、ただ1つ。かつて、天使、堕天使、悪魔で行なわれていた大戦の再開だ。そのために、天界が管理している聖剣エクスカリバーを奪取し、この地に潜伏したーーー」
そう言って、コカビエルは魔方陣を、再度動かした。
今度、映し出されたのはリアスの姿だった。
「この地に管理者として、留学している魔王サーゼクス・ルシファーの妹、リアス・グレモリーを人質にしようと襲撃も掛けているーーー」
そしてーーー再度、魁人が映し出される。
「この者の名は麻羽魁人ーーー古の堕天使にして、それを統率する総督アザゼルの実子、そして、今から明かす真実を裏付ける禁忌とも呼べる力に目覚めた者だ!!!」
「コカビエルを止めろ!!!」
それを聞いた瞬間、魁人は重力で押し潰されそうになった状態でマドカたちに向けて叫ぶーーー
マドカ達も察したのかーーーコカビエルを止めようとするが、遅かったーーー
「聖書における唯一神の不在、教会で崇めている神は、かつての大戦時、当時の四大魔王と共に戦死したーーー」
各神話勢力を含めた全世界に、神の不在が言及された瞬間だった。
最後、とんでもない展開となりました。
何故、このような展開になったのかと言うと、これは、今後物語に関わっていく敵と大いに関係があるのですが、話が進んていく内に明らかにしていきます。
遂に、魁人の禁手が明らかになりました。まぁ、コカビエルのインパクトが強いので、何とも言えないでしょうが、次回、さらに深掘りしていきます!
次回もお楽しみに!!