対為朝戦です。
さる要人からの密書を受けて、ヴァン・アークライド、鬼方カヨコ、左翔太郎、フィリップ、加藤段蔵と共に駒王学園の地下に造られた会議場に向かっていた魁人は、要人達が待つ部屋の入り口の側で、待機状態で待ち構えていた大きな白い絡繰武者ーーー鎮西八郎為朝こと源為朝と遭遇する。
そして、少し会話をしたあと、試練と称してーーー襲い掛かってきた。
『ーーー当機に勝てないようでは、この先の戦いには、無事に生き残れると思うな!!』
とても大きな巨軀とは思えないほど、滑らかつ、自身の腕を弓に変形されて矢を番え、放つ。先ほどよりも威力が低いがーーーそれでも直撃すれば、即死するであろう高速で放たれた一矢を皮切りに戦闘が始まった。
「さっきよりも威力は低いが、当たれば一撃で戦闘不能になる!!」
『確認するが彼の動力は魔力で相違ないか?』
「嗚呼、間違いない。だからーーー」
「魔力切れを狙うしかねぇーーーだが、向こうも織り込み済みだろうーーー」
放たれた矢を躱しながら、為朝をどう攻略するか考える一同・・・そんな中、鬼方カヨコは、何か気づいた様子で口を開き始める。
「確か、ここって駒王学園の地下何だよねーーー確か、霊脈がーーー」
「なるほど、霊脈から魔力を供給している・・・間違いない。おそらく、この空間にある供給機構を停止すれば!!」
そう言いかけた魁人に目掛けて矢が連続で3発も飛んでくる。見聞色の覇気をフルに使い、武装色の覇気で身体の一部を硬化させながらギリギリで回避する。
「どうやら、間違いなさそうだーーーおそらく、あの為朝が護る門が供給源ーーーしかも、その門自体も侵入者を防ぐために霊脈の魔力を利用して障壁を展開していると見た・・・生半可な攻撃は通らない。かと言って・・・」
ヴァンは走って回避しながら門を観察、分析をする。
「あまりにも威力が高い攻撃は余波で、この空間を破壊し、その瓦礫が俺たちに落ちる可能性がある。そうなってくると・・・」
「障壁をハッキング又はジャミングして効力を一時的に停止させるーーー」
カヨコが、そう言いかけた時だったーーー
『カヨコ〜!無事!!!』
突然、アルの声が聞こえた。
「!?・・・社長!!どうして、ここに!!?」
『まずは、一人ーーー』
アルの声が聞こえた瞬間、カヨコの意識が為朝から逸れた。その隙を見逃す程、為朝は甘くなかったーーー
カヨコに矢が集中して放たれる。カヨコも反応して回避しようとするが、矢の速度が速く、直撃するーーーその瞬間だった。
「!?・・・この光ーーー」
突然、カヨコの身体が光に包まれる。
その時ーーー彼女の近くで、何かの音声が聞こえた。
その内容は『Terror!』と悍ましい男性の声だった。
「ここは、何処?さっきの矢でーーー」
突如、発生した光に思わず眼を瞑ってしまったカヨコだったが、何も起きなかったので、眼を開けるーーーすると、全体が真っ白な何も無い空間にいた。
「私は死んだの?それにしては、何のダメージも無いーーーこれは夢?」
『否、ここは座と呼ばれている所だ。そして、君はまだ生きているーーー精神だけが、ここに喚ばれたという形でねーーー』
「声がする?貴方は何者?」
『これはいけないーーーはじめまして、鬼方カヨコ君。私の名は園咲琉兵衛ーーー君たちと一緒に行動している仮面ライダーWの片割れ、フィリップこと園咲来人の父だーーー』
カヨコの目の前に現れたのは、壮年の男性だった。この男性は、ガイアメモリの密造、そして、密売をして、風都に広めてーーー様々な凶悪な事件が起きる原因となった『ミュージアム』のボスにして、最悪のメモリーーー『恐怖』の記憶を宿したガイアメモリで、最強最悪のドーパントと呼ばれた男、テラー・ドーパントこと園咲琉兵衛その人であった。
「貴方がフィリップさんが言っていた人。幾ら人類を救うためとは言え、故郷であった風都を自分の実験施設のようにガイアメモリを広めて、そこで様々な凶悪事件が起きる原因となった男ーーーその人が、私に何の用なの?」
そう言って、警戒心をフルに活かせて、いつでも発砲できるように、自身の愛銃ーーー銃口を下に向けた状態で構える。
その様子を見て、愛しそうに微笑みながらーーー琉兵衛は口を開く。
『ーーー私はある意味、虚像だ。麻羽魁人が私の、テラー・ドーパントの力を再現して造った制服ーーー
「答えてーーー何故、私を呼び出した?近くには貴方の息子がいたのにも関わらずーーー」
そう言って、下に銃口を向けていた銃ーーー琉兵衛に突き付ける。
『君に宿る神秘ーーーそれが私の
「私に宿る神秘ーーー考えたくは無いけど、否定できる要素が見当たらないーーー」
『君は優秀だなーーー普通の者、例えばーーー君が仰ぐ社長とやらはーーー動揺して白目を剥くというのにーーー』
「社長は、そうだろうねーーーけど、幾ら大義があったとは言え、
そう言って、琉兵衛に何発も弾丸を放つ。だがーーー虚像と称するように、直撃した所が蜃気楼のように歪み通過する。その様子に、思わず恐怖仕掛けるが、自身の最後の拠り所ーーー便利屋68の可愛い後輩、そしてーーー社長を護るためにその恐怖を心の奥に押し止める。
カヨコの様子を察した琉兵衛は、彼女に拍手して近づく。
『恐怖を自身に留め、そして、己が護りたいもの為に立ち上がるかーーーかつて、私に挑んだ来人の相棒、左翔太郎のようにーーー見事だーーー君にならーーー』
そう言いながら、テラー・ドーパントの姿となる琉兵衛。そして、カヨコを撫でるとーーー
『私の力ーーー今度こそ人類の為に使ってくれーーー無論、君が護りたいもの為にもねーーー』
そう言って、姿を消していく。彼が消えるとーーー
「くっ、何かが私にーーー」
その瞬間、再度光に包みこまれた。
再び、眼を開くとーーー
『あれって、まさかーーー父さんの!?』
『どう言うことだよ、フィリップ!?お前の親父さん、園咲琉兵衛は、もうーーー』
動揺するWーーーそれもそうだろう。矢に晒されたカヨコを庇おうとすぐさまルナメタルと化し、その武器であるメタルシャフトをルナメモリの『幻想』の力でムチ化させて払おうとした時ーーー
カヨコを起点にーーーどす黒いオーラが発生し大きな水たまりもとい沼のように広がった。そこから黒い大きな影が現れ、矢を全て薙ぎ払うように落としていく。
それに伴う形で、カヨコの姿が変わっていく。かつて、便利屋68が大きな仕事を受けた時にカヨコが纏ったドレス姿となっていた。
『話は後。あと、魁人さんはーーーフィリップさんにぶん殴られるといいーーー』
「ーーーやっぱり、俺が創った制服かーーーまさか、君の神秘に引き寄せられるなんてーーー」
カヨコの発言で、全てを察した魁人。その様子を見てWはーーー
『あとで、話を聞かせてくれるね?何故、カヨコ君が父さんの力を使えるのか?』
フィリップが、出したこともないようなドスを聞かせた声で魁人の肩を思いきり鷲掴みしながら詰めてくる。
それもそうだろうーーー父が使った力を無断で再現しているのだからーーー
「ったくーーー
『フィリップがーーー感情を剥き出しにして怒るのは、珍しいぜーーーまぁ、妥当と言えば妥当なんだがーーー』
ヴァンは、かつて戦った結社の執行者No.VIIーーー
「!?・・・カヨコ?その姿、以前のオペラハウスで着てたドレスって・・・その黒いオーラって、何!?物凄くカッコいいじゃない!!」
そんな中、何故かアルが眼を輝かせながらーーーこの場に来ていた。
「君は、何故ここに?駒王学園で待ってたんじゃ無いのか?」
「嗚呼ーーー実は、私の種族が悪魔だと言うこともあって、リアスやソーナから何か魔法が使えないかと色々と教えてもらってたのよ。確か、転移魔方陣の構成を教えてもらって、気がついたらここに居たわーーー」
「まさかの転移事故かーーーそれにしても魔力が使えたのか、君はーーー」
「社長らしいねーーー無事で良かった」
何かに巻き込まれたのでは無いかと考えていたカヨコはアルの話を聞いて安堵する。
そんな中、魁人の
「ーーーそのカードは?」
「嗚呼。カヨコ君が纏っている
「ベリアル?何だろうーーー初めて、聞いたのに何故か親近感が湧くというのかしら?」
そう言って、魁人から、その
その瞬間、カードが共鳴するように、青白い焔が現れ、アルを包み込むーーー
「ちょっ!!アレ?・・・熱くない?」
思わず、白目になりかけたアルだったがーーーその焔が自身を焼き尽くすものでは無いと分かると、まるで自身から元からあったとものと受け入れ、身を委ねる。
焔がアルを全て包み込むーーー
『脅威度大ーーー優先して迎撃ーーー』
「させるか!!ーーー
アルに狙いを定めた為朝ーーーそれを察知した魁人は、自身が着ている制服に、別の制服の力を付与するーーーコカビエル戦で、新たに得た技法ーーー
赤い龍を彷彿とさせる鉢金、
「
魁人が纏ったクリーチャーの名はボルベルグ・龍覇・ドラゴンーーー背景ストーリーでは、
その力で呼び出したーーー禁断の
銀河の終焉を意味する銘を冠した刀だけあってーーー
アルに意識を割いていた為朝が即座に意識を、こちらに向け直す程、刀身に禍々しいオーラを纏っていた。
「チェスーーートォォォォォォ!!!」
魁人は、それを上段に構えた後、即座に、為朝の頭上に転移し、振り下ろす。
振り下ろす直前に、近接形態となった為朝は、その太刀を受け止めるーーー
『あまりにも大きい一撃、ミサイルと同等又は、それ以上の威力と推定ーーーだが、舐めるな!!!』
太刀を受け止めた為朝は、そのまま返す太刀で、魁人を薙ぎ払う。薙ぎ払われた魁人は、そのままふっ飛ばされるもーーー笑みを浮かべていた。
それを、不可解に思った為朝だったがーーー答えはすぐに分かった。
「これでも、喰らいなさいーーーデカブツがぁ!!!!」
カヨコ同様にーーーある仕事で纏った赤いドレスを纏っていたアルが、為朝に向けて、ライフルをぶっ放す。だが、放たれるのは弾丸ではなくーーー銃口から便利屋68のマークが描かれた魔方陣が展開され、そこから青白い極大の焔がレーザーの様に収束し放たれた。
即回避行動を取ろうとするが、先ほどの魁人の打ち込みで足が地面に食い込んでおり、思うように身動きが取れずーーーまともに喰らった。
『見事ーーー試練踏破を確認、門を解錠するーーー』
そう称して、膝をついた為朝は機能が停止したような形で、そのまま倒れ込むーーー
「イテテテーーーそれにしても、『無価値』の力を付与した焔のレーザーかーーー効果は一定時間、相手の力の完全無力化ってとこかーーー喰らいたくねぇーーー」
そう言って、アルの力を見て戦慄する魁人ーーー
「ふぅ~とりあえず、一段落と言ったとこかしらーーー」
力の行使後、疲労したのかーーー元の制服に戻るアル。そんなアルに同じように元の制服の姿となっていたカヨコが近づきーーー
「お疲れ様、社長ーーー」
「えぇ、カヨコ課長もお疲れ様ーーー」
疲労したアルに肩を貸す。カヨコの肩に身を預けたアルは恥ずかしがりながらも満足感に浸っていた。
「何か、良い光景だなーーー」
『満足そうにしてるようで悪いけど・・・一発、行くね!』
そう言って、Wもといフィリップ。それを見て察した魁人は、自身が犯した罪を内心数えてーーー
「どうぞ、遠慮なくやってくださいーーー甘んじて、受けます」
『いい覚悟だーーーフン!!!』
フィリップの本気のストレートを顔面で喰らい、物凄い距離、ふっ飛ばされた魁人は、そのまま激突した壁で仰け反って地面に叩きつけられた。
そしてーーーしばらく、為朝と同じように動かくなっていた。
魁人が目を覚ました後、そのまま解錠された門から一同、有力者が待つ会議場に入っていた。
アル、カヨコパワーアップ回兼フィリップの鉄拳による魁人回でした。
次回は、有力者達と魁人達による会談ーーーこの回でも色々なクロスオーバーキャラが登場します。
先に予告しておきます・・・シャーレの先生(便利屋漫画仕様)が登場します。ただし、その内面はーーー
詳しくは、次回!!お楽しみに!!!