ここでは、魁人(模倣義体)と女体化フリードことヒルド・セルゼンがキヴォトスを舞台に、とある任務に挑みます。
「ーーーよう、フリード。気分はどうだ?」
「最悪ッスよ、魁人の
これはフリードもといヒルト・セルゼンがキヴォトスに行く数日前のことーーー
コカビエルが起こした事件ーーー『聖剣事変』で祐斗と激闘を繰り広げて敗北したフリードは黒那の手によって確保されたあと、
ただし、ノアから受けた処置によって、短いと言われた自身の寿命を削って強化されたフリードを、簡単に処刑することはできなかった。それ故に、ノアの持つ技術を解明するために魁人を筆頭とした
この時点でフリードは、既に生きることは諦めていた。
データを取れるだけ取って、終わったら処刑だろうなーーー
自身が身を削っても勝てなかった戦いーーーだが、後悔はない。
自身にそう言い聞かせながらもーーー
もっと、身体が保てば、俺っちは木場ちゃんともっと剣の高みに行けたのかなーーー
その思いが、何故か心に残り気持ち悪かった。
「処刑?お前、あの戦いで死んだ事にされてるから処刑なんてないぞ?」
「はぁ?じゃあ、何で
「ーーーお前の身柄は既に
「だけど、俺っちは身体がーーー」
「安心しろーーーお前から採取したデータからノアが受け継いだサタナエルの遺産の正体は、ある程度絞れたーーーあとは、俺がサタナエルに与えられたバベルの遺産及び、ある縁で手にした技術を併用すればーーー俺たちと同等までは長生きできるだろうよ」
「バベルの遺産ーーーもしかして、
「ーーー既に、その片割れが判明している
「ーーー宿しているって、やっぱりあんのかよ。しかも、
「秘密だ。だが、ヒントは挙げよう。
「まじかーーーそれで、結局ーーーバベルの遺産って何だ?その塔じゃなかったらーーー」
そう言って、フリードは魁人を見るーーーバベルの遺産とは何なのか?
少し瞑目し、黙り込む魁人はーーーやがて口を開いた。
「バベルの塔ーーー
「その名は?」
「ーーー
「聞いているだけで規模が凄そうだなーーーもしかして、ここの技術は?」
「ほとんどは、
「はぁあああああ!!!」
フリードはあまりにも大き過ぎるカミングアウトを受けたことで絶叫するのだった。
「ーーー今、思い出しただけでも頭が痛えぜーーー」
「頭が痛いって!!一応、ヒルトちゃんーーー
「ある意味、差別発言ッスよ!!しかも、
黒い制服、黒の
だが、彼女達は失念していた。ここが自分たちがいた世界では無いことをーーー
数時間後、ヴァルキューレ警察学校の牢屋にてーーー
「麻羽魁人くん?又はちゃんかな?あと、ヒルト・セルゼンちゃんだったかな?どうしてーーーヴァルキューレに捕まっているの?」
「あはは、何ででしょ?」
「何ででしょって、あんたが思い切り暴れたからでしょ!!」
「そういうヒルトだって暴れてたじゃねえかーーー」
「うるさいぞ!!せっかく、シャーレの先生がお前たちを引き取りに来たのに、反省が足りんーーーやはり、ここはーーー」
「ごめんね、カンナーーー彼女?達に悪気がある訳では無いんだ」
「いくらスケバンやヘルメット団に囲まれて喧嘩を売られたからってーーーやり過ぎです。この二人、ヘイローも無いのに、無傷で、喧嘩をふっかけてきた者達を病院送りとか、キヴォトスの外の人達は化け物ばかりですか!?」
そう言って、シャーレの先生ーーー元仮面ライダーオーズこと火野映司に詰め寄るヴァルキューレ警察学校の公安局局長の尾刃カンナ
何故、魁人とヒルトがヴァルキューレに捕まっているのか?
それは、今から数時間前のことーーー
「お前等、見慣れねぇ制服だなーーーどこの学校のもんだ!!」
「あたしらのテリトリーにズカズカと入ってきたんだ。ヘイローも無いくせに、喧嘩売ってんのか、コラぁ!!!」
「少し歩いただけでーーーこんな囲まれるなんて、キヴォトスヤベェーな」
「感心してる場合かよ!?」
少し歩いただけでスケバンやヘルメット団と言った不良女子学生たちに囲まれた魁人とヒルト。どうやらキヴォトスでは見慣れない制服、何よりキヴォトスの学生たちでは当たり前であるヘイローが無い事が悪目立ちしてしまい、いつの間にか囲まれていた。
「キヴォトスで銃も持ってないとか、頭は沸いてるんですか?」
「金のモン、置いてけやーーーコラ!!!」
「テンプレートの恫喝だな。あと、目立つように持ってないだけで武器は持ってるよーーー」
そう言って、魁人、ヒルトが
それを見て、不良達はーーー
「おもちゃみてぇな銃だな、撃てるんですか!?」
「ガキみたいな銃だな、家で籠もってなりきりゴッコでもするんですか?」
「舐めやがって、全員掛かれ!!!」
そう言って、襲い掛かるーーー
普通のキヴォトス人でも、ここまで大人数で囲まれたら恐怖で身を震わせて動けなくなるだろう。
だけどーーー例外はいた。
あぁ、禁句を言っちゃったーーー不良生徒、ご愁傷さまーーー
ヒルトは彼女達を憐れんだ。
何故ならーーー
「
こめかみに大きな怒りマークを浮かべる魁人ーーー彼女が最も許せないことーーーそれは、自身の創ったものを馬鹿にされることだった。
魁人は自身の四肢に武装色の覇気を纏わせて、目の前の空気を殴った。
その瞬間、向かってきた不良生徒達がミサイルでも喰らったかのように四方八方にふっ飛ばされた。
「その後、私たちが騒動の起きている所に向った所、山のように積まれた不良生徒を、その頂上で見下ろしていた彼女を発見ーーーどうやら、自分でもやらかしたと自覚していたようで、大人しく我々に捕まりましたがねーーー」
そう言って、シド目で魁人を見るカンナーーー魁人も悪いことをした自覚はあったので乾いた笑いが出る。
「もっと、穏便にできなかったのかな?」
「いやぁ、つい、俺の創った物を馬鹿にされて、頭に血が昇ってしまいーーー何て、
「ーーー演技は、もういいよ。君、魁人くんでは無いだろ?」
そう言って、突然、生徒にも見せないような鋭い眼差しを魁人に向けて語りかける映司ーーー普段、見せない映司の様子に思わずカンナも言葉を失う。
「麻羽魁人ーーー資料によれば『ONEPIECE』の覇気を使えて、それを戦闘に用いて戦う事があるーーーそれは報告書通りだ。だがーーー武装色では無く覇王色の覇気をぶつけて気絶させれば、ヴァルキューレの子達に捕まらずに、そのままシャーレに行けたはずだーーーそう考えると、わざと使わなかったのかーーーそれとも使えなかったのか?」
「ーーーこうして、騒ぎを起こせば、先生が来ると思ったから、あえて使わなかったとは考えないのですか?」
「それは無いね。確かに、イタズラ好きや人をからかうのは好きそうだったけど、こうして大事になることは避けて動く気質を、先刻の極秘会談や、その後に渡された資料から感じ取れた。だからこそ、彼ならあの場面なら躊躇わずに覇王色の覇気を使う筈ーーー幾ら自身が手掛けた武器を馬鹿にされたとしてもねーーー」
そう言って、今度はヒルトに視線を送る。
映司の視線を受けて、ヒルトはーーー
「ーーー流石は
ため息をつきながら、魁人(偽)に視線を送る。
「フフフ、まさかーーー初日でバレるなんてね。流石は、兄さんが念入りに警戒していた人だ。そうだよーーー私は麻羽魁人じゃないーーー」
そう言って、魁人(偽)は、さっき話していた時と違った話し方で、映司に自分が魁人では無いことを告げる。
「兄さんも行きたかったけど、仕事と駒王学園の学業が忙しくて、結局、行けなかった。だから、影武者として造られた私が派遣されることとなったのーーー貴方の護衛兼、このキヴォトスで
改めて、映司を見て、自分自身のことを話し始めた。
「私の名は、麻羽
「同じく、
魁人(偽)こと麻羽魁奈とヒルト・セルゼンは、自身のことを紹介したあと、共に頭を下げた。
それを見て、映司はーーー
「また、濃い人達が来たなーーー」
死んだ目をして笑いながら、頭を抱えるのだった。
今回は、フリードことヒルト、そして、魁人では無く、魁人の影武者としてーーー新しく登場した麻羽魁奈の登場回でした。
魁奈については、次回以降、どんどん詳しい正体を明かしていきますので、お楽しみに!!
そして、ようやく登場したバベルの遺産の正体ーーー古代の超技術を創造にて再現する禁断の神器ーーー禁忌創造。実は、バベルの構想はノアの対比として考えていたのですが、まさか今月の『ジュニアハイスクールD×D』で、それにまつわる神器が出てくるとは思わなかったので、少々、設定を変更しています。
もしかしたら、ノアの方舟にまつわる神器も出てきそうですが一応、この作品では、バベルを含めて、この設定で話を進めていきます。
次回もお楽しみに!