ーーーこれも因果応報かな。
そう思いながら売られる子達、そして、元
義兄様との初邂逅後、私はーーー自身に埋め込まれていた
私の手から抜け出てーーーそして、新たなノアに渡った。
実はノアの名を受け継いだのは私だけじゃない。私を含めて十三人がノアの名と力ーーーつまり
十三人の中で最もノアに相応しい者は、初代ノアの選定により全ての力を行使することができるーーー所謂、
だが、私の身に起きた事が原因で、全ての力を凍結されーーーそして、排除された。
ーーー私に身に起きた事、それは義兄様の手で悪魔に転生してしまったことだ。聖書の神に降された神託によって方舟を創ったノア、その原因の一つである堕落や欲望の象徴たる悪魔になったことは、初代ノアから拒絶されるのも無理はないだろう。
こうして、力を失った私は革新派のトップを降ろされただけでなく、そのまま私を奴隷として、この闇オークションの会場に流したのだった。
あと、何故ーーオーフィスも、私たちと同じく囚われているのかというとーーー彼女も
その呪いによって、自身の力を解放できなくなった彼女も奴隷として売られることとなった。
私たちの首には力を封じ込める特殊な術式を組み込まれた首輪を掛けられており、この首輪には力を封じ込める以外に、契約者のによって発動した命令を強制的に行使する。例えば、身体を無理やり動かさせて働かせたりーーー場合によっては、意にそぐわない性行為などをさせられたりとーーー考えても嫌になるものばかりだ。
命令に背けば、背いたペナルティとして全身に鎖のような呪詛が絡みつき、発狂してしまう程のダメージを与えられる。
だからこそ、ここにいる奴隷に選ばれた子達は、絶望してーーー監視役の言われたままに囚われている。
私を心配そうに見るオーフィス。組織の長という名の神輿だった彼女だったが、私個人は、彼女を神輿として担ぎ上げる訳ではなく、一人の友として接していた。
だからこそ、彼女の目的である次元の狭間の解放を真剣に目指していた。
だけど、もう彼女の望みを叶えられそうにないーーー
だから、せめて、オーフィスだけでもーーー
「ーーー助けて、義兄様ーーー」
そう小さな声で、震えながら魁人に助けを求めてしまったノア。来るはずも無くーーーそのまま闇オークションの開催の時間が迫っていた。
一方、その頃、魁人達はーーー
『なるほどーーーこの転移魔法陣か。招かれた者以外は、起動できないようになっているか』
闇オークション会場とされるペンション内部に潜入した魁人達は、そのペンションの一室で転移魔法陣を発見した。
『どうしましょ、これじゃーーー闇オークションの会場に行けません』
『ーーーすまない、術式関連はあまり得意ではない』
魁人の
だが、祐斗は魁人が慌ててない事に、気付きーーー
『何か、用意しているみたいですね』
『嗚呼。これは日本政府から託されたものでな。所謂、招待状だーーー参加者は、この招待状と素顔がバレないように仮面をつけることを義務付けられている。なお、本人確認の為に係員が素顔を見るがーーーまぁ、見てなーーー』
そう言って、懐から招待状を取り出す。
招待状を感知したのか魔法陣が起動し、そのまま転移の光が魁人を包む。
そして、光が消えるとーーー魔法陣の近くにいた魁人の姿はなくなっていた。
魁人の意識がハッキリするとーーー
『ここが例のオークション会場か。どうやら、あのペンション以外からも出入り口はあったみたいだな』
そう言って、辺りを見回すと魁人以外にも仮面をつけた者達が談笑しながら、オークションの開催を今か今かと待っていた。
オークション会場は、ホテルにあるようなホールとなっており、談笑できるように立食形式のバイキングとなっている。
それを、確認した瞬間ーーーまるで、透明人間のように魁人の姿が消えていた。ちなみに、魁人の転移直後にもかかわらず係員と思われる者達が近づいて本人確認することなく消えていた為、誰も魁人達がいることに気がついていない。
『!?・・・誰も魁人さんに気がついてない?』
『嗚呼。実は、転移直後に本来の招待状の持ち主に変わって貰ってなーーーまぁ、
そう言って、本来の招待状の持ち主と思われる与党議員を指さす魁人。この議員は、この作戦前に公安0課が用意した招待者で、魁人が軽く暗示を掛けて、意のままに操れるようにした。転移直後に
ちなみに、この透明化も
『なお、この議員も例の汚職で逮捕されるから、まぁ、見方によっては最後の晩餐だなーーー外患誘致罪は確か死罪だった筈だから』
『笑えないですねーーーそれで、どうしますか?』
『とりあえず、俺の仕込みが終わり次第、動くーーーそれに始まるみたいだしなーーー』
そう言って、ホールの中心ーーー舞台の方に動きがあったのか騒々しく、それを見る魁人。
どうやら、商品とやらが現れたみたいだなーーー
視線を集中させる魁人。舞台から首輪に枷、奴隷服を着せられた若い男女ーーー特に子供も多くが係員に歩かされていた。
『あの首輪はーーーまだ残ってたのか!?』
『知ってるんですか?』
『かつて、俺の同胞の一人であり最悪の神器を宿していた子が居てなーーーその力を模した首輪ーーー
『ーーー酷い。これもーーー』
『嗚呼。サタナエルが開発したもので、一時は、俺も着けられて意のままに操られていた』
『魁人さんを!?』
『無論、今は外れているぞーーーあれを外すには特殊な操作が必要でな、ミスればーーー着用者は死ぬーーー』
『!!?・・・奴らは何て物を!!!』
そう言って、普段は冷静な祐斗も怒りで声が荒くなっていた。
奴隷として売られる者達が舞台に上げられたーーー
そんな中ーーー魁人はこの場に居ることがあり得ない者を目撃した。
『ーーー何で、ノアが商品に!?』
『!?・・・
『間違いないーーーあれは、ノアさんじゃなかった・・・義兄様の敵であり、何故か
『それだけじゃねえーーーノアの隣の黒髪の少女分かるか?』
『えぇ・・・彼女が何か?』
『情報部の情報が正しいなら彼女こそーーー
『『『えぇ!!!』』』
『何が、
自身の敵であった少女と、その上司が奴隷として闇オークションに出品されている事に魁人は勿論のこと、剣士組も驚き、頭がおかしくなりそうだった。
『とりあえず、仕込みが終わり次第ーーー派手に動くぞ。準備してくれ』
『分かりました』
『うん』
『任せてもらおう!!』
これより、魁人たちによるド派手な闇オークション壊滅作戦が行われようとしていたーーー各自、意識を研ぎ澄ませた状態で、その刻を待つのだった。
今回は、ここまでーーーノア達が何故奴隷となったのかの経緯を書いてみました。
ストーリーでも触れましたがノアもといノア達が宿している神器は、他の神器と違い特殊なものとなってます。そのため、原作にあったような神器を抜かれても死ぬことはありません。ただ、それに近い形で衰弱はしますがーーーノアが宿していた神器の説明も、設定集はもといストーリー中でもまとめますので、楽しみにしてください。
次回、魁人及び剣士組が暴れます。そして、ノアとの再会ーーーお楽しみに!!