魁人がシトリーの僧侶である憐耶と桃にウィザードタイプの実戦的な戦いを含めて、色々と教えていきます。
魁人とノアの再戦から2日が経過し、いよいよ、駒王学園の学校公開が行われる日にちに迫っていた。
魁人も生徒会役員の一人として、学校公開の受付及び警備等の打ち合わせを、それぞれ担当者と共に行ったあとーーー
「ふぅーーー疲れた」
生徒会室にあるソファーに身体を預けてだらりと座る。それぐらいまで疲弊していた。
「各勢力の要人達が訪れるから普通の学校公開と違って、警備が、それこそサミット並に手厚い。無論、三大勢力や日本神話の関係者も護衛や警備等に関わってくれるから、心強いけど、その分、その折衝で働くこっちに負担が掛かるーーー」
そう言って、魁人は少しでも疲れを取るために短い睡眠を取ろうと、眼を瞑る。
だがーーー
「ちっーーーこんな忙しい時に侵入者かよ」
すぐに閉じかけていた眼を開ける。
実は、魁人は各機関との打ち合わせをしながらも、不審者が校内に侵入しても分かるように、常時、感知結界及び罠を展開してきた。
罠が反応すると魁人に反応が届く仕組みであり、それに気づいた魁人は、直ぐ様ーーー転移した。
「ーーーこれは、大量だね。わざと空けた隙に入ってくれるとはーーー」
そう言って、呆れながら魁人は周りを見渡す。転移した場所は、魁人が特別に作った対侵入者兼訓練用の特殊な戦闘空間で、空間全てが白くなっているのが特徴である。だが、その白い空間には、黒い布のようなものを全身に巻かれた複数の男女達が苦悶の表情を浮かべて倒れていた。
この黒い布は、魁人が元々有していた
一応、毒を用いたり、自身の舌を噛み切って自害しないように猿轡のように侵入者達の口に
魁人は空間内を見渡した後、人一倍、体格が大きい男の侵入者に語り掛ける事にした。
「ーーー雇い主は誰だ?話せば、命だけは助けてやるぞ?」
「・・・・・・・・」
「黙っててもしょうがねえだろ・・・一応、上の許可で、お前達テロリストの扱いは、俺に一任されている。選べ!! 情報吐いて命だけは助かるかーーー何もできずに俺に処分されるかーーー」
魁人は、男に世間話を振るように究極な二択を突き付ける。
しばらく間が空きーーー
「殺せ!俺たちはプロだ。失敗すれば、死ぬことも厭わない!!死んでも雇い主を吐く醜態を晒すことは絶対にしない!!!」
突然、男が魁人を睨みつけながら自身の覚悟を口にする。他の侵入者達も同様に、頑なに喋ろうとせずに、魁人を睨みつけながら沈黙を続けている。
そんな侵入者達にーーー
「これだからプロは嫌いなんだよーーー律儀に依頼主の全てを忠実に護る姿勢、テロリストのくせに真面目すぎるんだよ!!」
苛立ちで頭を掻きながら、魁人はーーー
「そんなに死にてぇなら殺してやるよ!そのくだらねぇーーープライドをよ!!」
指を弾いた。それと同時に
全てが黒いミイラのように全身が包まれるとーーー
「今からお前達は、俺の駒としてーーー元依頼主を害する裏切り者として忠実働いてもらうぜーーーなお、お前達の自我は、この仮面で完全に上書きされ消えるーーーせいぜい、愚かな選択をした自分たちを恨むんだな!!」
『麻羽魁人!!!』
そう言って、魁人に怨嗟の声をぶち撒けながら侵入者たちは、
黒いフードを纏った現代的な黒いトレーニングウェアみたいな姿の男女。それぞれの顔には、烏のような、悪魔のような意図を持った仮面をつけている。
「さしずめ、
報告にあった仮面ライダーガヴに登場する戦闘員ポジの怪人。敵組織であるストマック家の者達が生み出した眷属、通称、エージェントをモデルに作った魁人の
ちなみに、エージェントの服にはストマック社のロゴと、誰の眷属であるかと判別する為に、それぞれの主を象徴する色のリボンがついており、魁人の
『ーーーご命令を、
大柄の男の侵入者だった
他の
「しばらく、俺の影の中で待機。必要になったら声を掛ける」
『御意』
魁人の命令を受諾した
全部の
「ーーーこのように非道な事も必要であれば、取るようなクソ野郎だぞーーー本当に、俺から術を学びたいのか?」
そう言って、魁人は、誰もいない筈の空間に語り掛ける。
するとーーー
『ーーー私は、既に貴方の伴侶として
魁人の声に反応して、声が返ってきた。その次の瞬間、戦闘空間に突風が吹き、それが収まるとーーー
前々から魁人に魔術を含めた術式等を本格的に学ぼうと頼み込んでいた二人に対し、魁人はあんまり乗り気ではなかった。その理由を教える為に、今回の侵入者の対処を見せていたのだ。二人は、その様子を見るために、
魁人が本格的に教えたがらない理由ーーーそれは、あまりにも対人に特化した魔術しかない為である。つまり、直接的に人を殺めることに特化又は、今のように人の人格に干渉しての洗脳まがいーーーとてもじゃないが、これを人に教えること、特に新たに仲間や身内となった者に教えるなんて心情的に嫌だった。
「俺的には、さっきの
そう言って、魁人は自分が知る術者達の名を挙げてお勧めしてみる。ちなみに、ヴァーリーチームは、チームリーダーのヴァーリーが
なお、黒歌は表向きははぐれ悪魔として手配されたままなので、しばらくは、
「一応、ルフェイさんや黒歌さんにも聞いてみました。すると、二人とも口を揃えてーーー」
「魁人さんの方が詳しいので、そっちに教わってと、なお、ルフェイさんはむしろ教わりたがってましたよ。なお、黒歌さんはーーー『懲罰って面倒な作業させているのに、面倒事を増やすにゃー』と言ってました」
「ルフェイはともかく、黒歌は本来受ける罪を減刑させる為の処置だと言うのにーーー後で、仕置きをしておくか」
そう言って、黒歌の仕置きを決意した魁人はーーーしばらく考えてーーー
「分かっていると思うが、俺が持つ魔術等の技術は効率よく人に干渉する為の技術、つまり、殺傷能力が高いものばかりだ。最大規模であれば、一国を落としかねない程の戦略級魔法も含まれているーーーそんな血に塗れた闇の塊みたいな術を学びたいのか?」
「どちらにしろ、私たちが魔力弾を人に当てれば、ダメージを与えてしまいます。それに何の神秘も持たない一般人なら死ぬことだってありえます。それに、どんなに素晴らしい道具でも使い方を誤ってしまえば、人を殺しえてしまう殺人道具になります」
「だったら、その対処方法を知り、自身を、仲間の身を護るために役立てるのは当然の摂理では?」
そう言って、真剣な眼差しで魁人を見据える憐耶と桃。その二人の覚悟を見て、魁人はーーー
「ーーー
魔法戦に特化した制服、
「君たちには、トレーニング中、俺が着ている
「つまり!!」
「教えるからには、泣き言は許さないーーー俺が持つ魔導技術を君たちには一から叩き込む。それとーーー」
突如、通信用の魔法陣を展開し、誰かと連絡を取り始める魁人。しばらくするとーーー
「すまないな、どうせなら君の知恵も借りられたと連絡した。その対価として、俺が知る魔術や
「ありがとうございます!それにしても、あの方は、またちょっかいを出しているのですねーーーご先祖様に言って、お説教してもらわないとーーー」
転移してきたルフェイは嬉しそうな表情で魁人の頼みを受け入れていた。
だがーーー
「けど、すいませんーーー黒歌さんに話すとーーー」
「それは大丈夫。
魁人が念じた瞬間ーーー
「にゃにゃ!!何で、魁人ちんがいるにゃ!!」
「お前が、黒の
「魁人ちんの悪魔!!!」
「お前も悪魔だろうがーーー」
その後、黒歌の絶叫が戦闘空間に木霊した。
「ーーーさて、アホ猫の仕置きもすんだ所で、さっそくトレーニングを始めるかーーー」
「あの黒歌さんを一方的に圧倒するなんて、ヴァーリーさんの自慢していた以上ですね」
「うーん、魁人ちん、私が、この制服によって力を出せないよう細工していたでしょーーーずるいニャ!!」
「言っておくが、制服の制限を解放してもお前を圧倒できるし、仕置きにならないしなーーー」
「くっ、まさか漫画やゲームに出てくる魔法をポンポンと撃つとか、どれだけの魔力量にゃーーー下手すると魔王を凌駕しかねない程あるんじゃない?」
「買い被り過ぎだ。呪いの影響もあるが、使った魔力がすぐに回復する体質でな、このお蔭で道具が無いと威力を抑える事もままならない」
そう言って、人差し指の先にごく小さな黒い魔力球を生成する。それを見たルフェイと黒歌は絶句する。
「どんだけ膨大な魔力にゃーーーそれとーーー」
「これだけ膨大な魔力のここまで小さくする圧縮技術ーーーこれでも威力はーーー」
「少なくとも一地方は灰燼と化すほどだ。だから、俺自身が展開した戦闘空間か、次元の狭間みたいな周りに被害を出しても問題ない空間でない限り、自由自在に魔力や魔術が使えんーーー」
そう言って、魔力球を別の場所に転移させた。
場所は変わりーーー次元の狭間。
突然、黒い小さな魔力球が現れると膨張し、やがて、
それをーーー
『次元の狭間を太陽の光のように照らすとはーーー流石は、
その感想を抱きながら自由自在に次元の狭間を飛ぶ赤い巨大なドラゴンーーー
『それは、そうと妾の領域に魔力球の不当投棄するなと抗議するかの、ちょうどあの者達の学校公開とやらがあるみたいじゃし、人間に擬態して行ってみるかーーー力を奪われたオーフィスもいるようじゃから挨拶でもしておくかーーー』
その後、グレートレッドは次元の狭間から姿を消した。
すいません。思った以上の話になりそうだったので、話を分けました。
次回、憐耶、桃のトレーニング回Part2です
お楽しみに!!