スサノヲから、日本神話で管理していた神器、骨喰藤四郎と三日月宗近が何者かに盗まれてしまったことを聞いた魁人は、とある不安が頭に過ぎった。
「もしかして、神器と一緒に盗まれたデータって・・・」
「足利関係だ。初代の尊氏、三代の義満、そして、十三代の義輝に関するデータが、ごっそりとやられている」
「・・・金閣寺で有名かつ勘合貿易を成功させる程の外交上手の義満は勿論のこと、初代の尊氏は、今話題の『逃げ上手の若君』のラスボスって立ち位置に置かれるほどのカリスマの化け物・・・義輝はBASARAで、その強さが盛られるほどの武芸百般の達人、その要素を組み込んだ敵が創られたら、勝てるビジョンが無い」
「その様子だとサタナエルはーーー」
「えぇ。色々な機関と裏で繋がって様々な偉人の
「教会は知っていたけど、アメリカも、そんな非人道的な機関があったなんてねーーー」
「何処の国もそうだ。当然、俺たち
「日本にも確認された所でも十以上はあるな。悪魔もそうじゃないか?」
「こんなことは認めたくはありませんが、あるでしょうね。おそらく、お兄様も把握している。けど、立場上、そこにメスを入れることができないでいる・・・」
そう言って、リアスは自身の兄であり魔王サーゼクス・ルシファーが苦悶に満ちた表情で、多くの報告とみられる書類と処理していたのを思い出していた。おそらく、中には表にできない案件もあるだろう。その時の兄の思い悩む姿を見て、思わず、こちらも胸が苦しくなっていたのも印象に残っていた一つだろう。
「ーーーあの師匠の遺産が使われば、確実にできるだろう。あの戦いのあと、全て回収できればよかったんだが、その時に起きた爆発で、その痕跡すらも確認できなかった・・・もっと、深く調べるべきだったぜーーー話が逸れてきたな」
「そうだな。とりあえず、警戒は必要だが、今はコカビエルだ。だが、先に言っておく・・・俺からは手が出せん。理由は分かるな?」
「はい。神話間による戦争が勃発してしまうからです。三大勢力や日本神話だけではないーーーギリシャ、北欧、インド、中国といった数多の神話を巻き込んだ、それこそ
「分かったーーー同じ理由で総司も動けん。現在の主であるサーゼクスが、コカビエルに直接相対した時でないと、それこそ、三大勢力の戦争が再開される」
「沖田さんとしては、狙える時に、その首を刎ねるべきですが、今は悪魔としてサーゼクス殿に仕えている身。それと、姫・・・この事は既にサーゼクス殿に伝えています。討伐軍を編成していますが、戦場が日本のため、日本神話及び日本政府との協議で時間を取られるので、しばらくは時間が掛かるでしょう。本来なら狙われている姫やソーナ嬢には後方に下がって欲しいですが・・・」
「私の眷属である祐斗が出陣している以上、無理ね。それに・・・」
「私たちの学校をコカビエル一派に好きにさせる訳にはいきません。直接戦闘はできずともサポート等の支援はさせてくださいーーー」
そう言って、リアスとソーナは総司に食い掛かるように参戦許可を求める。現在、悪魔の序列を考えれば魔王眷属であり最上級悪魔の一人である沖田総司が、ここにいる悪魔勢の中で一番である。総司は、少し考え込んだあと、二人に向けて告げる。
「では、沖田さんが、二人を含めた両眷属の護衛として動きましょう。これならば、もしコカビエルが仕掛けたとしても護衛として、阻止するために動いたと口実ができますのでーーー」
「えぇ、外交面を考えても妥当な落とし所です。そうなると、直接戦闘するのは、俺、佐々木殿、伊織殿、そして・・・」
「教会の私だな・・・イリナも復帰できれば良かったのだが・・・」
「すいません、ゼノヴィアさんと違って、イリナさんが受けた負傷部分が多く・・・力不足ですいません」
アーシアが申し訳無さそうに謝る。
「
「嗚呼、むしろ、ここまで傷を癒してくれたことに感謝する・・・アーシア・アルジェント」
魁人は自身の経験からアーシアを励まし、ゼノヴィアはイリナを治してくれたことに感謝を口にした。
「すまぬ。話を遮るようで申し訳ないが、そのイリナという少女を何処か安全な所に運ばなくてはならないのではないか?」
申し訳なさそうに話に割り込む伊織。魁人は、その疑問に答えようとするがーーー
「それについては、そろそろーーー来たみたいだ」
すると、一台の黒のワンボックスカーが彼らがいる公園の付近に停まった。
そのワンボックスカーから、現れたのは・・・
「補給及び怪我人の回収に来た。それとスサノヲ様、沖田殿、佐々木殿、お久しぶりです」
「マスターか。その様子だと、準備が整ったみたいだな・・・」
「えぇ。日本政府から連絡を受けましてーーーすぐに動けるエージェント及び、ここからだと習志野か。そこから演習という名目で陸自の一部隊が来るそうです。あと、その部隊には医療専門の士官がいるようだから本格的な治療も望めるぞ」
「ーーー習志野だと、もしかして伊丹さんか。あと、エージェントは、おそらく人間やめましたのキンジまたは静刃かな」
そう言って、自身の知る者たちを挙げていく魁人。その姿に・・・
「何で、当然のように政府関係者や自衛隊関係者の名前が挙げられるのかしら?」
「魁人義兄様は、鳶雄兄様と同じく、色々な場所に潜入する任務を多く受けてますので、そこで知り合ったのでしょう」
「確か、俺と初めてあった時は、公安に属してなかったか?確かーーー公安0」
「ストップです、伊織殿。機密に該当しますのでーーー」
「すまない、俺としたことが浅慮だったーーー」
「・・・流石に馬鹿な俺でも分かった。これ口にしてはいけないよな?」
「たぶんーーー口にしてもいけないし、知ろうとしたら駄目な類ですね」
色々な意味で人脈が広い魁人に軽く引いていた。
イリナをワンボックスカーに乗せたあと、マスターから補給物資を受け取る。
内容はーーー
「日本神話及び悪魔政府からは、どんな負傷でも治す『フェニックスの涙』が計6本支給される。それと日本政府からは、エージェント及び陸自との連携を取るための通信端末と、銃の使用も想定した防弾チョッキとヘルメットだ。魁人や、教会の戦士の子はともかく、このような戦闘には慣れていない悪魔勢は重いだろうが、身を護るためにつけてくれ」
治癒系のアイテムで最高級の値段をするがその分、腕とかの欠損すらも治してしまう程の力を持つと言われているフェニックス家が作る『フェニックスの涙』。自衛隊で使用される通信端末一式、そして、ヘルメットや防弾チョッキが支給された。
ちなみに、魁人は自力で対処できるため通信端末以外は支給されていない。あと、ゼノヴィアに関しては、教会の戦士である以上、自身が纏う装束でいいと聞かず、通信端末すらも受け取っていない。
「とりあえず、そんなボロボロになった戦闘装束だと心許ないだろーーーーこれでも纏ってろ」
そう言って、ゼノヴィアに向けて、とある装束のイメージを飛ばす
すると、ゼノヴィアが着ていた装束が虹色の光に包まれていく。
そして、光が消えると・・・
「何だ、この神聖さを感じる制服?というよりかは軍服かーーーこれも
「嗚呼。制服の名は
「遊戯王のエクソシスターじゃねえか!?」
「嗚呼。ゼノヴィアに纏わせたのは、エクソシスターと呼ばれるテーマに登場するエクソシスター・エリスというキャラが聖なる天使の力を纏った形態、エクソシスター・ミカエリスの装束をモデルにしている」
「ミカエリス・・・ミカエル様か。悪の堕天使を討伐するに相応しい装束だな。凄く力が漲ってくる・・・これならば、私の持つーーー」
そう言って、ブツブツと言い始めたゼノヴィア。おそらく、彼女の奥の手であるデュランダルについて言っているのだろうが、ツッコむ時間もないのでスルーする。
そこに、アタッシュケースを持ったマスターが近づいてきた。アタッシュケースのロゴは、
まさか・・・できたのか!?
アタッシュケースを見た魁人は、マスターに聞く。
「もしかして、それって・・・!?」
「嗚呼。君が考案したアイデアを元に完成した君専用の人工
そう言って、マスターはアタッシュケースを開ける。
中には、ガンブレードのようなトリガーがついた大型の刀剣が収納されていた。
それ以外に、カードのような透明な板が5枚入っている。
「遂に、俺専用の
後に、
だが、魁人以外の者は、全員、こう思った。
厨二臭え!!!とーーー
次回から本格的に戦闘回になります。
お楽しみに!