ゆうしゃとなれ たとえ導きが壊れていても   作:藍色岬

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温州みかん。


教会に復讐鬼は哭く

「トレントの走り気持ちよすぎだろ!」

 

 風を切って進むのがこんなに気持ち良いなんてな。目覚めた心も走り出しそうだ!…目の前の敵さえ居なければ。

 

 

 【ゴドリックの軍勢が あらわれた!】

 

 

 正面には巨大な大楯と槍を持った騎士、左右にそれぞれ剣と槍の兵士、あとは…狼か?数が多い。正面から戦うのは無理だ。

 

「どうすっかな…っと!」

 

 

 【MAP FOUND】

 

 

【ゆうしゃは 地図断片を 手に入れた!】

 

 なんだこれ、地図か。後で見よう………っ!

 

「……!」

 

 【ゴドリック騎士の こうげき!】

 

「くお〜!! ぶつかる〜!! ここでアクセル全開、ゴドリック騎士を右に!」

 

 【トレントは ひらりと身をかわした!】

 

「ハッ!槍兵(ランサー)にしちゃあ速さが足りねぇな!」

 

 このまま直進し未来を描きたいところだが、先ずは探索を優先する。このスピードなら、戦いを避けて移動できる。向かう場所は当然、さっき目星をつけたあの階段の下よ!

 

「頼むぞトレント、一気に駆け下れ!」

 

「……ヒヒーン!」

 

「痛ったぁぁぁあたまぶつけたァァァァァ!!」

 

 なんで地面に階段を埋めんだよ!教えはどうなってんだ教えは!!!

 

「…!一旦戻れ、トレント!」

 

 このどう考えても宝のある箱は…たからばこ!人生初のたからばこだコレ!ちょっと外見はみすぼらしいが、大切なのは中身よな!!!

 

「開けるよ開けるよ開けるよ開けるよ、あーけーるーよ──!!」

 

 【ゆうしゃは たからばこを あけた!】

 

 ………え?

 

 【なんと 砥石の小刀を みつけた!】

 

「ちっっっっっっっさ!!!!」

 

 ちっさくねぇって?いやちっさいよ!その小刀しまえってか!!!もうへし折っちゃうよ!!!

 

「…グゥ!!!」

 

 【ゴドリック兵は ゆうしゃの 急所♂を】

 【ねらった!】

 

「アッ────────♂♂♂♂!!!!!」

 

 【ゆうしゃの 急所♂を ちょくげき!】

 

「ごれ゛む゛りふ゛っと゛…………………」

 

 【ゆうしゃの いきのねを とめた!】

 

「……………………………」

 

 【ゆうしゃの 急所♂ DIED】

 

 

 

 

†††

 

 

 

「…全て、長い槍の夢だったよ…………」

 

 まだ尻が落ち着かない。祝福は身体を元通りにしてくれるが、心までは治してくれないようだ。

 

「…これが、お宝………?」

 

 掌に収まるほど小さな小刀。刀身に謎の模様が刻まれてはいるが、この大きさだ。使い途など、ないだろう。

 

「…いい夜だ」

 

 蘇る間に周囲は暗くなっており、兵士の松明の灯が遠くで揺らめいている。

 

「こんな夜には 恩讐の炎が よく似合う。」

 

「…貴方、何を言って…」

 

「いや、いい。いいんだ、メリナ。今だけは、オレはゆうしゃに非ず。復讐の、鬼なれば…」

 

 【ゆうしゃは 霊馬の指笛を 吹いた!】

 

「…ブルルッ」

 

「目指すは教会、逢うべきは放浪商人カーレ!釣りの用意をしておくがいい!お宝の虚言、そして我が貞操は高く付くぞ!」

 

「でも貴方、夜では視界が…」

 

「共に征くは地獄の果て、恩讐の彼方!」

 

「……………………はぁ。」

 

「クハハハハハハ!!!!!」

 

 この真夜中に、森の中だ。駆け抜ければ、兵士達も反応できない。ひたすらに、駆ける……見えてきた。

 

「あれは、霧…?」

 

 建物の周囲にのみ、不自然と霧が立ち込めている。その異様な雰囲気に背筋が凍る。…だがその程度の冷気では、我が恩讐の炎、掻き消すこと能わず!

 

「褪せ人よ、こ」

 

「アララララーイ!!!!」

 

「…あぁ、問いかける手間が省けたな」

 

 声の聞こえる方へ目をやる。青に白。とんがり帽子が視界に映る。

 

「久しぶりだな、トレントよ。息災なようで何よりだ」

 

「…ブルルッ」

 

「君は…魔法使いなのか?」

 

 その格好は、まるで絵本の中から飛び出したような、誰もが認めるであろう魔女の姿だ。顔の右側に更に顔があること以外は。

 

「魔法か。…少し違うな。私の力は、生命の熱を奪い去る術。…どこまでも冷たい、夜風のような力だとも」

 

 そう言って彼女は冷たい笑みを浮かべた。

 

「私は魔女、レナ。霊馬を駆る、褪せ人がいるときいてな。少し探していたのだが… どうやら、お前のことらしい」

 

「どうして、トレントのことを?」

 

「トレントの古い主と、かつて親しくてな。その主は、お前への預かりものを私に託したのだ」

 

「…ちょっと待ってくれ。今降りる…」

 

「あぁ………さぁ、手を伸ばすがい……い?」

 

「褪せ人よ、何処へ……?」

 

「……すぅぅぅぅぅぅぅぅ…」

 

「カ──────レ─────!!!!」

 

「なに眠ってんだオマエェェェェェェ!!!!!」

 

【ゆうしゃは カーレに 巴投げを かけた!】

 

「ぐおおおお痛ってぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」

 

【ゆうしゃは カーレを 投げとばした!】

 

「って勇者!?いきなりなにすんだよ痛ェじゃねぇか!!!」

 

「痛いか!そうかそうか!オレァその何倍も痛かったけどなァァァァァァ!!!!!??」

 

【ゆうしゃは カーレに 足払いを かけた!】

 

「ぐぅうッッッ!!??なに言ってんだよ!なんのことか分っかんねぇよ!!!」

 

「オメェが言ったんだろうが!!!宝が眠ってるって!!!!えぇ!??お陰様で見つかったさ、コイツがな!!!!!その礼を支払いにきたのよ!!!」

 

【ゆうしゃは 砥石の小刀を 掲げた!】

 

「コイツを今からテメェの急所♂にブチ込んで

ヤる!!!!今から3つ数える!!!!それまでにさっさと懺悔しろ!!!マリカ様に謝れ!!!!」

 

「まっ、待って!!!俺があるかもしれねぇって思ったのはそれじゃねぇ!遠くから野営地の馬車の中に大剣があるのを見たんだ!!!」

 

「………………………大剣だと?」

 

「あぁ、本当だ!たぶん扱える兵士が居なかったんだろう!!!だが状態は良かった!!!商人として誓う!!!あれはお宝だ!!!」

 

「………………………」

 

「な、もういいだろう!!伝えられることは全部伝えたし、ほらそこに人もいるしさ!!!!」

 

「だったら最初からそれ言えヤァァァァァァ!!!ひとぉつ!!!!!!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!そこのあんた、助けてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

「……………………」

 

「ふたぁつ!!!!!!!!!」

 

「嫌だァァァァォァァ!!!!!!」

 

「… トレントは、こんな匹夫を選んだのか…」

 

「みっっツゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!そ──────れ、ハッスルハッスルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」

 

「アッ───────♂♂♂♂♂♂♂!!!!」

 

「……………………………うんざりだ。」

 

「ヒヒーン………」

 

「…奴を庇うか、トレントよ」

 

「ブルル…………」

 

「…そうか。お前が庇うなら、少なくとも…………匹夫は言い過ぎたな」

 

「…これを、後で渡してやってくれ。霊にまで好かれる男だ。苦労するだろうが、根気よく仕えるんだぞ」

 

「ブルルッ!ヒヒーン!!」

 

「フフッ。では、達者でな………」

 

「………ヒヒ────ン!」

 

 

 

月に吼える、一匹の従者の姿。それは郷愁の追憶。懐かしい顔を見て、ふと思い出した、幼い主の手の温もりだったろうか。




「今回も頑張ったなー!」

「様子のおかしい人です」
「素敵だ…」
「イラつくぜ…」
「その選択は、笑える」
「君がゲイ♂ブンか」
「排除する…」
「害獣ゥ!」

「なんでさ…」
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