「…大丈夫よ、トレント。まだ、助けられるわ」
う──ん、母ちゃん。今日休みでしょ…?
「やっと見つけたのだから」
う──ん、母ちゃん。頼むからノックしてくれ…
「この人はきっと、エルデンリングを求める」
う──ん、母ちゃん。おなすいたよー
「…黄金律をはずれても」
……おうごんりつ?
†††
う──ん、おはよう母ちゃ…ん?あれ?どこだここ………!!いや、そもそもなんで生きてる?オレは確か、海に落ちて……って、なんだこれ。
〔ゆうしゃは 聖杯瓶を 手に入れた!〕
このいちご味とブルーハワイ味のシロップは一体…もうそんな季節ですね…ってコト!?やかましい!どこに氷があるってんだよ!このやけに白いおじさんにブッカケろってか、アァン!
「…褪せ人よ、飛び降りるがよい。そして学び、思い出すがよい。戦う術を。自らが戦士であることを」
「あせびと…?せんし…?ちょっと待て。なに言ってるのかさっぱりうぉッッッ!!」
コイツ…透けてる!スケスケの透明人間だ!どうしよう服絞って海水かけるか…?
「…褪せ人よ、飛び降りるがよい。そして学び、思」
「
その…褪せ人?ってのは置いておいて。この穴を降りろって…?
「この穴…深いッッッ!!」
足首を挫くに決まってんだろ。常識ねぇのかよ…
「うん。進もう。彼方にこそ栄えあり!」
何故死んだ筈の自分が生きているのか。あの瓶の中身は何なのか。褪せ人とは、戦士とは何なのか。
疑問が山のように積み重なっている。だが一つだけ、ハッキリしていることがある。
「オレは生きている。生きてこの剣を握る限り、やはりオレはゆうしゃなのだ。それ以外は、必要ない」
あの時と同じく、大扉を押しながらそう思う。死の間際に揺らいだ誓いと使命。だが死を乗り越えた今ならば、きっと迷うことはないだろう。
「迷えば、敗れるか…」
ん、雰囲気がガラッと変わったな。石造の空間。乱雑に置かれた蝋燭。敵の気配はないが…階段を登るか。
「この光は…」
祝福。その言葉が何故か頭から離れない。それになんだか、無性に近づきたくなる。もっと近くに。手を伸ばせば…。
「ふぅぅ……」
すごい、全身の疲労が消えていく。まるで休日の朝にする二度寝のようだ。心が安らぎに満ちていく。
「なるほどな。つまりこれは あれだ。回復の泉 のようなもの だろう」
口調をゆうしゃにできるくらいには回復したぞ。HPもMPも満タンだ。欲を言えば宿屋がよかったが…
「そろそろ いくか。」
っとその前に。この霧の壁と石像はなんだァ?
「…通れない。」
奥が見えるのに進めない。資格がないのか、謎解きか。この石像に仕掛けが?
「ふむ。少なくとも 可愛くは ない。」
だが明らかに不自然な穴がある。何かを差し込むのだろうか。
「うーむ・・・うーむ・・・」
分からぬ。分からぬなぁ。近くにハマりそうな物は無いし。もしかしたら魔法の鍵のようなアイテムが必要なのかも。覚えておこう。
「進み続ける。灰になるまで…!」
あれ行き止まり…じゃない!エレベーターだコレ!どうやって動いてるんだ一体…。まぁいいか。進も。
「今度の扉はシャッターみたいだな…っと!」
【リムグレイブ】
「わぁ……」
緑豊かな大地。暖かな光。草花の匂い。此処には初めて来た筈なのに、どこか懐かしく感じるな。
お、早速祝福がある。触れておくか…って!!
「ひ、人がいるッ!スケスケじゃない本物の人だッ」
なんか白い仮面付けてるしちょっと血塗れてるけど、色々話を聞いてみよう。人は見かけによらない。
「…おお、貴方は…褪せ人d」
「いいえ ゆうしゃです」
「勇者………?」
「はい ゆうしゃです」
「………そうですか。まぁ、いいでしょう。その色褪せた瞳。貴方はエルデンリングを求めこの地にやってきた。分かりますよ、そうでしょうとも」
「ナンダッテ?」
「………………ですが、悲しいかな。貴方は『巫女無し』です」
「ゆうしゃです」
「巫女無しです」
「ゆうしゃです」
「巫女無しです」
「貴方は巫女無しです!」
「オレはゆうしゃです!」
「チッレットウガ…」
「ここって列島なんです?」
「…………………………………」
「…………………………………」
「あー巫女無し?でもういいんで。それで?」
「… 祝福を、ご存知ですか?貴方たち褪せ人に休息を与える、黄金の灯を」
「ご存知もなにも、目の前にありますけど……?」
「…貴方、人の話は最後まで聞くものですよ」
「アナタが質問したんですよね…違う?」
「アアアアアアモーグさまたすケテェェェェェェェェェェェェェッ‼︎‼︎」
「うわっ急に大声出さないでくださいよ…常識無いんですか…?」
「グアアアアアアアアアアッッッッッッッッ‼︎」
〔????は こんらんした!〕
「おもしれー男…」
やめて!ゆうしゃの
お願い、死なないでヴァレー!
あんたが今ここで倒れたら、モーグ様との約束はどうなっちゃうの?
体力はまだ残ってる。ここを耐えれば、ゆうしゃに勝てるんだから!
次回「ゆうしゃ死す」デュエルスタンバイ!
お労しや ヴァレー上