「びゃあ゛ぁ゛゛ぁこわひぃ゛ぃぃ゛!!!」
あ、どうも。前回超カッピョイイセリフを連発しクールに去ったゆうしゃです。よろしくおねがいします。
ん?なにがこわいって?なにから逃げているって?決まってんだろ。
「たすけてー!!!ツリーガードに襲われてまーすッッッ!!!!」
いやーなんか目の前におるなーとは思ったんよ。でも歩き出した手前、戻るのもなぁ…
それに、逃げてばかりじゃゆうしゃの名が廃る。オレにやらせてくれ。ここらでおあそびはいいかげんにしろってとこをみせてやりたい。
「オレ襲ったら金になるんかァァァァ!!!」
〔ゆうしゃの こうげき!〕
〔かいしんのミス! ダメージを与えられない!〕
「ちくしょー!完全体に……完全体になれさえすれば……!!!」
伝説の剣と伝説の防具を装備すれば、貴様なんぞにィィィィッッッッ!!!!
「うぐッッッ!!!が、ァ…」
さ、刺さってる………胸が、裂け……
「ァ……ァ……ガ……」
喋れない…息ができない。……あれ、なんで空が見えるんだ…?
「…アァ」
そうか。倒れてんのか。ん、背中がふわふわだ。原っぱに寝転ぶなんていつ以来かな。
…おい。邪魔だよ。そんなに跳び上がったら、空が、見えねぇだろ………ガ………………。
†††
「う──ん、ふとんのなか、あったかいナ…リ?」
ここは…さっきの祝福?また生き返ったのか…いや、もしやこの祝福に、教会のような機能が備わっているとでも?
でも生き返ったというより、死ねなかった。っていうほうがしっくりくる。胸を抉られた感触も、頭が潰れた衝撃も、確かに覚えているのだから。
「…何事もなかったかのように愛馬を乗り回しやがって。いちいち癇に障るヤローだ」
仕方ない。コイツは一旦後回しだ。先ずは力をつける。この世界を生き抜く為の力を。そして仲間を集め、魔王を倒し、平和を取り戻してみせる。
「…ヴァレーさんはもう居ないか」
…あの醜態を見られてなきゃいいが。まぁいい。今度は慎重に進もう……………。
「面白い奴だ気に入った。殺すのは最後にしてやる」
…バレてないよな。……大丈夫。小鳥の囀りより小さな声だから大丈夫だ。そーっと抜けろ。蛇のように。
「なんだ、焚き火か…?」
崩壊した建物の奥に、バチバチと火が音を立てて燃えている。それにあれは、第二村人発見だ!
【エレの教会】
「…あんた、褪せ人か?それに…どうやら、俺を襲う気はなさそうだ」
「襲う気は ない。襲うのは 宿屋の二階にいる時だけ って決めてんだ。あとオレは 確かに褪せ人だが 同時にゆうしゃでも あんだぜ!」
「はっはっは。勇者にしちゃあ寒そうな格好だな、あんた」
「ん、この辺りは暖かそうだけど、もしかして夜は冷えたりすんの?」
「…いや、あんたの人柄くらいには暖かいから大丈夫だ。俺はカーレ。こう見えて商いをしてるんだ」
商い。商売。………つまり、商人!!!!??
「カーレ。オレの仲間になってくれ!!!!」
「よし。なににする………ん?仲間…?」
「そう。一緒に旅をするんだ。時に笑い、時に涙し、一緒にぱふぱふを追い求める。民家のタンスを開け壺を割りお宝を盗……借り、最後には魔王を倒しハッピーエンドを迎える。どうだ、最高の旅だと思わんかね?」
「…あんた、どこかおかしいのかい?」
「…………………うぅ」
「…………………大丈夫か?」
「う〜〜〜あんまりだ…」
「あんた………?」
「H E E E E Y Y Y Y !!!」
「え………?」
「あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア」
「!?」
「AHYYYAHYYYAHYWHOOOOOOOHHHHHHHH!!おおおおおおれェェェェェのォォォォォ むねェェェェェがァァァァァ~~~!!」
「こいつ、まともじゃなかった…早いとことどめを刺そう‼︎」
「………………………………………………」
「うっ!?」
「フ──スッとしたぜ。おれはチと荒っぽい性格でな~〜〜〜激昂してぅっ……トチ狂いそうになると……ひっぐ……泣きわめいて………ぐすっ……頭を冷静にすることにしているのだ…………」
「…………まだ泣いてないか?」
「…………………………………うぅっ」
だって、だって一緒に旅ができると思ったのに………やっとゆうしゃらしく………
「…悪かった。少し言い過ぎた。でもな、俺は放浪の民の出なんだ」
「…うん」
「その一族の掟に『孤独であれ』ってのがあってな。俺たちは狭間の地のいろんな所で商いをしているが、どいつもこいつも人里離れた場所で、こうして楽器を弄ってるのさ」
「…綺麗な音色だ」
「だろう?俺は子供の頃、面倒くさい一族に生まれたことを悔やんだりしたが、この音だけはずっと好きだった………」
あぁ、本当に綺麗だ。あの、遠くに見える黄金樹なんかよりも、ずっと。
「もう少し、聴かせてくれないか?」
「はっはっは。もちろん大歓迎だ、勇者」
「ありがとう。カーレ」
夜闇に響く、寂しくも暖かな調べ。それは鎮魂の歌。これを聴くあらゆる生命に捧げられた、名も無き追憶だったろうか。
さぁ おいで後書き!!