ゆうしゃとなれ たとえ導きが壊れていても   作:藍色岬

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待たせたな。待ってない?じゃあ待て。
………ヨシ!


取引

「…貴方は、指の巫女様を知っている?」

 

「二本指に仕え、褪せ人を助け、導く存在…」

 

「けれど今、貴方には巫女様がいない」

 

「…私は、その代わりができる」

 

「私は、ルーンを貴方の力にすることができる」

 

「エルデンリングを求めるのなら、きっとそれは、貴方の役に立つ」

 

「…だから、私を連れていってほしい」

 

「あの黄金樹の麓に」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………エフッ」

 

「……………貴方?」

 

「エフッエフッエフッエフッアハッ」

 

「アハハハハハハハハハッハァ!!!!」

 

「…………………ッッ!?」

 

「取引だと???ヌーハハハハハハハハハァ!」

 

「…………………」

 

「ハッハァ!ハッハァ!ハッハァ!ハッハァ!」

 

「………………笑うのを、やめて欲しい」

 

「イッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒー!!!!」

 

「お願いだ。もう、やめてくれないか」

 

 おっと、危ねぇ危ねぇ。あまりにも上手くいってるから、つい。

 

「ごめんごめん。取引だろう?モチロン受けるとも。これからよろしく。ゆうしゃちゃんだホ!」

 

「…………………ギロッ」

 

「うわっ!!!」

 

 〔メリナは いてつく眼光を はなった!〕

 

「いい目をしているな、それに度胸もいい。ますます気に入ったよ!」

 

 〔ゆうしゃは すずしげだ!〕

 

「………………マチガエタカナ…」

 

「君、職業は?とくぎは?じゅもんは?レベルは?弊社が第一志望ですか?」

 

「………オカアサン…トレント………」

 

「どうした。お楽しみはこれからだろう?答えろよ。早く(ハリー)早く早く(ハリーハリー)!!早く早く早く(ハリーハリーハリー)!!!」

 

「……狂っている…」

 

「狂っている???ならば問おう!君の正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね???」

 

「……コントンノオウ…?」

 

「よろしい!!結構だ!!ならばオレを止めてみろ自称巫女の代わり君!」

 

「さようなら、貴方。いつか貴方に運命の…」

 

「ま、待ってくれ!オレが悪かった!悪気はなかったんだ!ただ、ちょっと、魔が差したっていうか…」

 

「…………………」

 

「な、わかるだろ?よくあるだろ?許してくれよ。生きてさえいりゃ、いつだってノーカウントってもんだろ?」

 

「許さない。」

 

 〔ゆうしゃは 土下座を はなった!〕

 

「本当にごめん!オレ、ずっと仲間が欲しかったんだ!それで嬉しすぎてパニクッちゃってさ。頼む!独りぼっちは、寂しいもんだ!」

 

 〔なんと! ゆうしゃが なかまに〕

 〔なりたそうに じめんをみている!〕

 

「………………」

 

 〔仲間に してくれますか?〕

 

「…トレントは自ら貴方を選んだ。私は、その選択を信じる」

 

 ……なんか手に違和感が…。もう顔上げていいかな…………!!!これはッ!

 

 〔ゆうしゃは 霊馬の指笛を 手に入れた!〕

 

「君、そんな可愛い顔して結構大胆なんだね………トゥンク///」

 

「勘違いしないで。それは指笛。トレントという名の、駿馬の霊を呼ぶことができる」

 

「…大切に、してあげてほしい」

 

 なんだぁびっくりした。…ん、それじゃあ…

 

「仲間に、してくれるのかい?」

 

「…私には、貴方の言う仲間が何か分からない。だから仲間には、なれない」

 

「…………………」

 

「けれど、一緒に旅をすることはできるから」

 

「貴方はもう、独りじゃない」

 

「…!ありがとう!本当に…本当にありがとう!」

 

 〔ゆうしゃは 両手で手を にぎった!〕

 

「Share them with me,your thoughts,your ambitions, the principles you would follow」

 

 …!!これは……体にルーンが染み渡って…力が湧いてくる!!

 

 〔ゆうしゃは レベル2に あがった!〕

 

「ルーンの祝福は、生命の生きる力。貴方がこれから、どれだけ人の生命を奪っても」

 

「…貴方と共に、生きるだろう」

 

「…分かった。この力、必ず君の為に…そして、世界の為に役立てよう」

 

「………取引成立、ですね」

 

「あぁ。改めてよろしく、メリナ」

 

「………貴方の、名前は?」

 

「オレ?さっきも言ったけど、オレはゆうしゃだよ。………やっぱり信じられないか。はやく剣を調達しなくっちゃな…」

 

「………勇者とは、称号だろう」

 

「…いいや、違うね。オレの名前はゆうしゃだけど、他人から称された訳じゃない。だからオレは、今の自分を本物の勇者だなんて思ってない。そんなふうに在ろうとしてるんだ」

 

「………………」

 

「使命の元に産まれ、人を救い、人に敬われ、その果てに世界をも救う。オレが思う勇者ってのは

そういう奴さ。でも今のオレは、何者も救えない。何も成していない」

 

「だからオレは、いやオレの名前はゆうしゃ。……唯のゆうしゃだよ、メリナ」

 

「…トレントの気持ちが、少しだけ分かった」

 

「…そっか」

 

「………ゆうしゃ。いい、名前」

 

「ハハハッ。それじゃ、オレはそろそろ旅を再開するけど、メリナは?」

 

「私は、祝福の周りにしか姿を現せない。でも安心して。いつも貴方の側にいるから………」

 

 一陣の風が、吹き止んだ頃。彼女は消えた。夢を見ているようだった。黄金色の、幻を。

 

「………行こう。メリナ」

 

 湧き上がる力が、彼女の存在を伝える。嵌められた指輪が、使命の旅路を導く。

 

 〔ゆうしゃは 霊馬の指笛を 吹いた〕

 

「………ヒヒーン!」

 

「おっと。君がトレントだね。これから世話になるよ。…よし、進め!」

 

 

 

霊馬に跨り、駆け出した一人の旅。それは、だが孤独ではないのだろう。肌を伝う風の全てが、こんなにも温かいのだから。

 




〔ゆうしゃの ステータス 更新!〕

筋力12→13

「…1しか上がってない!?許さん、許さんぞ…」

「たいへんだな〜あんた」

「パッチ!」

「なんで俺!!?」
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