マンハッタンカフェと。恋と。僕と。怪異と。   作:ハガさん

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パロディが多いので、タグにパロディ注意と書いた方がいいようなきがしてきました。


死。それと恋。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は意識を取り戻す。

 

 目の先にはあの嫌な雰囲気のサンサンとした、青空ではなくどこか薄暗い天井がある。

と言う事はおそらく、彼女は僕を運んで空き家に連れてきたのだろう。

 

 全く、そんな華奢な身体にどこにそんな力がある事やら。

 

 そして、そんな彼女が、涙を目元に浮かべながら僕の手を握っている事を確認する。

 彼女は、僕が目を覚したのを気づいたらしく、その場にしゃがみ込んだ。

 

「よかった………………………」

 

 彼女は僕の事を本気で心配してくれていたらしい。僕はそんなことが嬉しくも、どこかこそばゆくなって照れ隠しに、おちゃらけた事を言う。

 

 

 

「知らない……天井だ」

 

 

 しかし、求めていた返答は帰ってこず、彼女は泣き崩れて『良かった……良かった……』と呟いているいるため、ツッコミが不在だ。

 

 

 滑ったが、どこか悪い気はしなかった。

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

「いやーカフェさんがあんな僕の事を心配してくれるなんて、いや全くもって血の吐きがいがあるってもんだな」

 

「……忘れてください」

 

「カフェさん……いやもう、カフェでいいかもな、これは、倒れて心配されるなんて、実質カップルみたいなもんだろ」

 

「…呼び名はどっちでもいいです、何なら最初から呼び捨ての方が良かったですが、倒れた時の心配は、カップルじゃなくても友達でも…すると思います」

 

「友人!!!!赤の他人から、友人まで、近づけたなんて、いやーなんて嬉し……いたい。カフェさ…いやカフェ痛い」

 

 ポカポカと僕の背中と殴り続けてくるカフェにぼくは弱音をあげる。

 まぁ、彼女にとったら僕なんて両腕で背骨を粉砕できる程度にはか弱い存在なのだが、それでも力を抜いてくれていると思う。しかしそれは嬉しい事であるはずなのに、どこかむず痒い。

 

 

「友人ではなくもっと親密な関係でしょうに…」

 

 と、彼女が何かを言ったがら本当に、僕に聞き取れない様な声であった。

 

 

 僕の体調が奇跡的に復活(だがまだ頭は痛い)したところで、できることは限られているはず。だが彼女は出る事を一旦やめてまで、僕につきっきりで看病してくれた。

 僕はなんて顔で君に向き合えばいいんだろう。

 

 なんて押し黙っていると…

 

「葉月さんって普段ふざけ倒す癖に…肝心な時に黙るんですね…」

 

 

「いや……それは……」

 

 

 その通りであるため何も言えない。言い返しの言葉がこれっぽっちも思いつかない。これは彼女の勝ちである。デレを見せた彼女の。

 そして、デレを勝ち取った僕の勝ちでもある。

 

「そんなヘタレ伊豆葉月さんに、嬉しいニュースがひとつ、悲しいニュースがひとつあります。どっちから聞きたいですか?」

 

「結構アメリカンな言い回しだね…じゃあ嬉しいニュースから」

 

 

「あのスポーツドリンク、後で私が飲んでも平気で、その後何本も出てきました…」

 

 

 

 流石に驚きで僕は吹き出す。

 

「あれ飲んだの…?僕が血を吹き出した後?正気……?」

 

 

「私がこの怪異に当てられて、よくないものを見慣れ、見分けられなかったのが、原因なので、責任は私にあると思い飲みました…けれど伊豆さんに現れたような症状は出ませんでした…」

 

「症状は出なかった……?

おかしいな…僕は確かに…あのスポーツドリンクを飲んでぶっ倒れたはずだぞ?」

 

 

 彼女曰くその後、飲んだ後飲む用ではなく僕を冷やすために。大量のペットボトルを抱え僕のいる家の元に来たとか。自動販売機の為、水は、冷たい。それが未知なるものであろうとも。

 

「しかし僕みたいな症状が出てたら二人ともお陀仏だったって事か…」

 

 僕は怒ろうにも

 僕のためにあんなにも介抱してくれた少女が、僕に罪悪感を持って飲んでくれた事を怒れなかった。怒ることなんて、できなかった。

 

「でも、これで君にはある程度の猶予が出来たって事か安心したぜ」

 

「……はい」

 

 彼女は少し不満気に返事をした。

 何故なのか、はたまた僕は何か機嫌を損ねる様なを踏むような事をしたのだろうか、一体全体重い当たりがない。

 

「しかし貴方にはもう…」

 

 彼女は小さな声で、僕に聞こえない様な声で、か細く言った。

だが、僕はここで気を使って返事をする様なスクールカーストが上の様な人間ではない。

 

 ただ、僕は、昔ながらのお馴染みの主人公が使える最低な技をつかうことにする。

 

 それはあまりに酷く

 卑怯な技

 

「ん?なんてった?」

 

「なんでもないです…」

 

 

 難聴な振り。気づかないふりをする。僕に、時間がない事を。僕が次倒れた時、それは死であることを。

 

______しかし、それはもう来ない。

 

 僕は気づいた。この怪異の法則性に。この怪異の解答に。しかしまだ、確信がない。もう一つぐらいヒントがあれば、この状況なら脱出はずだ。

 

 

 

 

「______それで?あえて後にとっておいた悲しいニュースは?」

 

「それはまた、あのナイフの様なものが__________________」

 

 だいたい想像の通りだ。

 そして、僕の予想が正しければ、それは。

 

 

 と僕達がいた部屋______

どこかの家を怪異が模倣したであろう施設の2階の寝室を後にすると、

 

 1階のキッチンにそれはあった。

 

 

 

 

 

 

__________________天井からぶら下げられた""1つの""首吊り縄が

 

 

 

 

 それはあまりに残酷で

 それはあまりに無邪気な

 まるで子供が虫を潰すかの様な

 まるで化け物が人間の命で遊んでるかの様な

 

 

 

 怪異が人間の命をなんとも思っていない。

 ただの遊びとしか考えていないかの様な品物がそこにはあった。

 なんて残虐なんだろう。なんて無慈悲で快楽的なのだろう。

 

 

 

そして________________________

 

 

それを__________________見て

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕はニヤリと笑った。

 

そして大笑いした。

ビンゴだ。

 

 

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!」

 

 

「びっくりした…‥何なんですか?何がおかしいって言うんですか?もしかして…取り憑かれました?」

 

 カフェはまだ気づいてないみたいだ。

 

ナイフはまだわからない。

 

スポーツドリンクの時に答えは導き出されて

 

"首吊り縄"で確信に至った。

 

 カフェがあの見るからに罠のスポーツドリンクを飲んだあれがファインプレーだ。これがないと僕らは気づけなかったままお陀仏だ。

 

いや………気づけなくても"タイミングさえ合えば"そのままお陀仏でも良かったかもしれない。

 

 

「ひー………ひー……いやー予想通り"1本"しかない。ここまで的中するとはね……」

 

「何ですか……1本しかって…」

 

「ヒントを出してやろう。まず一つ目は…1人しか飲めないペットボトル。二つ目は……1本しか無いナイフ。三つ目は……1本しか無い首吊り縄」

 

 カフェが頭を捻り考える。

 するとハッとした表情で僕の顔を見る。

カフェも気づいたらしい

流石は僕の見込んだ女性、頭の回転も早い。

 

 

 

 

「………なるほど確かに…そうかもしれません…」

 

「カフェもわかったみたいだね。じゃ答えていいよワトソンくん」

 

「何でそんなに偉そうなんですか……」

 

 自分が先に見つけられなかったことに

 少し不満気に彼女は不貞腐れる。

可愛いな全く。

 

「でもカフェは最後まで気づかなかったことを、僕が最初に気づいた。」

 

 

「すごく不服です…と言うかこれが答えなんですかね…少し安直ではないですか…」

 

「まぁそれは、もうこれしか脱出する糸口が見えないしカフェも思いつかないだろ?」

 

「…最終手段ですけどね」

 

 

 何で、片方だけ死なせるのか。

 何で、1本しかナイフがないか。

 何で二人とも倒れそうになった時に

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一人は生き残らせる様な罠を置いたのか

 

 

 何故首吊り縄も2本置かずに"1本しか"ないのか

 

 1つ。争わせることが目的なら、2本ナイフを置いたほうが、もっと高度な心理戦が見れるはずだ。

 

 2つ、死なせることが目的なら、2つ首吊り縄を置けばいい。と言うか首吊り縄の必要性はあまりない。そのまま閉じ込めておけば死ぬ。

 

 3つ、何故一人は毒に、一人は水になる様な、1人だけを弱らせる様な品物を置いたのだろう。

 1人殺したかったら毒をそのまま置けばいい。

 2人とも倒れる。それが一番嫌なことではなかったのではないか?

 

 

 

「じゃ答えを一緒に言おうか」

 

「そうですね…わかりきったことですし…」

 

『""2人同時に死ねばいい""'』

 

 

 そして僕らは無邪気に笑って急いで階段を登り、カフェと一緒に2階から頭から飛び降りた。

 

 

 

 

 

___________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「_______________________________」

 

 

 僕は意識を取り戻す。

 そこはとある古びれた公園の様だった。

 木陰から目に入る夕陽が僕の寝ぼけた頭を甦らせる。

 

 今までの真昼間と打って変わっての夕暮れに僕は驚く、こんなに時間経っていたのかと。

 これまでの、現実とは思えない出来事達の数々。

 

怪異。ウマ娘。告白。飛び降り自殺。

 

 

 

 あーやっぱり、熱中症で見てた夢だったのかなんて僕は冷静にその厨二病拗らせた脳みそで考える。

 あんな痛い台詞の数々思い返すだけで鳥肌が立つ。

 僕はせいぜい教室の隅でジャンプを読む、可愛気な男子高校生その人だぜ、なんて覚めたその頭で、思っていると。

 

 隣には、すぅすぅと寝息をあげる可愛いマンハッタンカフェがいた。

 

 

 瞬間

 

 

 

 思考が止まる

 

 止まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まじか…………」

 

 

 僕はもう一度あの明晰夢と勘違いして告白した時と同レベルの絶望感を味わっている。

 いやもしかしたら、それ以上かもしれない。

 マジで?ウマ娘いるの?僕の孤児院は?

 家族は?友達は?

 

 

「うわー………」

 

 

 僕は絶望で顔に手を覆う。

 そして同時に異世界転移って結構無慈悲じゃないか?とも思う。

 

 あれは創作だから他人事で済んでいいのであって、現実問題にすると、なかなかどうして、笑えないものが多くある物なんだと。

 

「というかカフェ……よく僕のあの推理を信じたな」

 

 正直彼女が僕と一緒に死んでくれる確率なんて5分5分だった。

 何ならあのテンションでいきなり死ぬ僕を眺めるだけというのも確率が高い危ない橋だった。

 

 だから僕は彼女を生かす為に飛んだのだが。

 

 当たらずとも死んでくれぬにせよ、彼女はどちらにしろ生き残る。

 

 それだけで僕は十分すぎる成果なのに。

 

「全く持って……さすが僕が告白した女だよ」

と僕は彼女の髪をそっとなでた。

 

 これでセクハラと言われたら、僕でも流石に泣く。

 

 

 

 

 

 そんな事を思っていると_______

 

 

「カフェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!どこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 とバカみたいな音量のいやおそらく、バカが発した声が聞こえてきた。

 

…何だこの声量

 化け物かよ。

 近くで鳴いてたハトが全員逃げた。カラスも雀も逃げた。応援団でも聞いた事ないこんな声量。

 

「ポッケちゃん!そんな大声出さなくてもカフェちゃんのGPSはわかってるから大丈夫だよ!」

 

「そうじゃ!大声出し過ぎじゃ!」

 

「す、すまねぇナベさん…」

 

 そしてそんなガヤガヤとした声の主達が、徐々に自分のいるこの公園に近づいて来る。

 それは複数人のグループの様だった。

 

『『『カフェ!!』』さん!』ちゃん!』

 

 

 ウマ娘7人とトレーナーと思われる人物が二人。一人はご老人で一人は女の人だ。

 

 あーあここでカフェとの二人っきりもこれでお終いかーなんてバカな事を考えていると。

 

 

 カフェの元にウマ娘2人とトレーナーと思われる人物と……ドス黒い影みたいな何かなんだろあれ?

 もしかしてアレがオトモダチなのかな……??

 

 

 

 寝そべっていた僕の元には、大きな声の持ち主とその後をつく3人のウマ娘が駆け寄ってきた。

 僕を見かけるや一目散に。

 

 

 おいおい。失礼ちゃうぜ。

また僕に惚れちゃった、僕の魅力に気づいちゃったウマ娘が出ちゃったのか?僕はカフェで手一杯だってのに。ただまぁカフェを助けた実績があるから?

 助けちゃった成果があるから?そっちが来るってんなら、僕も考えないこともない。やれやれ、モテる男をするのにも疲れるぜ。

 

 

 

 なんて彼女が向かって来る間にカッコをつけ

よそ見を向く。

 

 そしてそのまま彼女が近づいてきて。

 

 

 

 

 僕に抱きつく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かと思ったら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕の腕をとり体を後ろに回し

 

 

 うつ伏せにした状態で

 

 そのまま首を掴んで

 

 絞めた。

 

 

 

 ワイバーンキャッチである。

 

「このやろぉ!!!!!カフェを誘拐しやがったのはテメェだなぁ!!この俺が捕まえてやったぜ!!!」

 

「ギブギブギブギブギブギブギブギブ!!!!」

 

「ポッケェ!!!!そのまま〆ろぉ!!!!!!」

 

「警察の方がそろそろ来るまでそれで待機でいいっすよ!!」

 

「やれー!!!!ポッケ!!!その変な三つ編みなんかやっつけちまぇえ!!!」

 

 

 

 

 なんで!?何で僕プロレス技にかけられてんの!?!?なんか大声娘の取り巻き3人に実況されてるし!?

 

 というかなんか後ろにプロレス技よりも怖いものがある気がする。

 拳銃向けられてる様な。刃物向けられてる様な。なんかドス黒いオーラが大声ウマ娘とは別に来ている。

 

 もしかしてオトモダチ……??

 

 怖い!怖い!!!怖い!!

 

 なんで!?僕は仮にも命の恩人なのに!?

 

 

「ポッケ!!!急ぎすぎじゃ!!まだ其奴が犯人と決まっておらん!!」

 

 

「そうだよポッケ!!!犯人じゃなかったらどうするの!!」

 

 

 まともな人がいて助かったよ!!

 ってかもう苦しくて死ぬよ!!!ただでさえ今日これ以上ないぐらい死にかけてるのに本当に死んじゃうよ!!!

 

「大丈夫っすよ!!こんな変な三つ編みしてるやつ犯人に違いないっす!!」

 

 

 

 おい!サラッと僕の髪型のことディスったよな!?そういうのが一番傷つくからやめて!!

 

 

「こんな人の女の娘一人に攫われるほど、カフェはやわじゃなかろう!」

 

 

「いやーどっすかね?これ男じゃないっすか?」

 

「いやーどうだろー女っぽくない?」

 

「でもさっきの声若干男性っぽかったよ?」

 

「3人共その人の性別はどうでもいいって!それよりカフェだよ!」

 

 おい、今すごい尊厳破壊が起こった。女と間違われた上に髪型バカにされて最後にはどうでもいい扱いされた。

 

というか、そろそろワイバーンキャッチをやめてくれないだろうか。

 

そろそろ意識が本当に、飛んでしまう。

 

 

「…………脈拍、血圧、体温、共に異常なし。カフェお願いだ起きて……起きてくれ」

 

 

「タキオンちゃん……」

 

「タキオンさん、ダンツさん、大丈夫です。私が指導してきたカフェさんですから、きっと目が覚めてくれます。私は…信じてます。」

 

 

何であっちはあっちで感動医療ドラマみたいなこと起こってるんだ。こっちとの温度差を分けてほしい。

 こっちはたぶんギャグ漫画か、吉本新喜劇か、高羽の領域だ。

 

そして、目を覚ます。これだけの人に心配されて、これだけの人に愛されている彼女が

 

ようやく。

 

「ぅん……………」

 

『『『『カフェ!!』』』ちゃん!』さん』

 

 

 

 

 そして彼女は目を眩しそうに擦りながら、周りの様子を確認し身体を起こす。流石にカフェが目を覚ましたという感動で力が落ちるのか、大声茶髪娘の締める力が落ちる。

 そして、カフェのトレーナーと思われし人が彼女に勢いよく抱きつき、泣きながら謝罪の言葉を述べる。

 

 

「カフェさん……!!ごめんなさい……はぐれさしてしまって……!私はカフェさんのオトモダチらしき人が助けてくれてですね……でもカフェはそばにいなくて……大変でしたね……ごめんなさい私が噂話を退治することに同意してしまって……危険な目に遭わせてしまいましたね…」

 

「……トレーナーさん」

 

「私こそ判断を間違えました…相手の脅威を正常に把握できていなかった…」

 

 

 やはり、カフェに抱きついた黒髪のロングヘアーのメカクレの女性はトレーナーだったらしい。

 

 やれやれ、これで一件落着。

 たぶんおそらく、この信頼度から察するに、僕がいなくたって、僕なんかが間に挟まらなくたって、ましてやオトモダチや封印の道具なんかが無くたって。

 この二人は欲に騙されることなく。『2人で死ぬ』という一件何もなしえていないバッドエンド見せかけたハッピーエンドの選択を取ったのだろう。

 

 そんな信頼関係が、感じられた。感じてしまえた。なんて不肖な僕が格好をつけていると。

 

「何『やれやれよかったな』みてーな面してしてんだ!!元はといえばテメェのせいだろうか!!」

 

 

 

「え!!まだ誘拐犯なの僕!?!?」

 

 

 弁護する暇もなくすぐさま首の締める力が強まる。こうなったらカフェに助けを求めるしかない。というかカフェに助けを求めないと死んでしまう。

 

 

彼女はトレーナーとの御涙頂戴を終えた後、僕の方を向いた。向いてくれた。僕は精一杯の救援信号を口パクで送った。

 

タ・ス・ケ・テ

 

 僕は彼女と一緒に命を共にし最後には共に命を落とした仲だ。正直こんな口パクなんてしなくてもカフェには伝わる。

 もう熟練夫婦など優に越してる信頼関係だ。

 一心同体といっても過言ではない。

 僕がこんな状態になってると知ったら、即座に助けてくれるに違いない。

 

 

 僕は彼女を。

 信じている。

 彼女のトレーナーの様に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ポッケさん面白いのでもう少しそのままでいいですよ…」

 

 

 

「了・解!!!!!!!!!」

 

 

「何でぇ!!!!!!!」

 カフェはすごく簡単に裏切った。熟練夫婦ではなく1ヶ月で別れる恋人チャンネルだった様だ。

 

 というか、これは今までのセクハラが原因な気がする。僕は今までの言動を後になって悔いる。後悔をする。

 

 

「ふふ……冗談です。もう、彼を離していいですよ。」

 

 

「お、おう」

 

 そうやって彼女は僕の頭を離した。そして上に乗るのもやめた。

死ぬかと思った。冗談抜きで三途の川が見えた。

 というか、おばあちゃんが手を振っていた。

 

「悪いなおばあちゃん。まだそっちにはいけないな。」

 

「何言ってるんですか…?首の締まりすぎて頭がおかしく…?すいません元からおかしいですね…」

 

 

 今さっきから僕の尊厳はダメージジーンズみたいにボロボロだよ。

 

「帰ってきてからのこと考えると、おみくじで凶が出たのはやっぱり間違ってなかった気がするよ」

 

 主にポッケとかいうウマ娘のせいで。

 

「へぇ…おみくじ引いたんですね。因みに待ち人の欄はどうでした?」

 

 

「何でいきなり…『来ず 下心ひかえよ』だったぜ?まぁ今年はおみくじの言う通りにして過ごそうかな。」

 

「貴方ならそういうと思ってました………ってあれ?私に告白しないんですか…?」

 

 何故か彼女の中では告白する事前提だったらしい。何でそんなにもカフェの中の僕はナルシストなんだ。

 僕はナルシストではないが。僕はナルシストではないはず。

 

…そしてやたらと周りがガヤガヤとうるさい。

 何なんだお前達は。

 

 

「おいおいあいつ犯人じゃなかったってことかよ!!だったらあいつ何なんだよ!!」

 

「だから言ったろ!犯人じゃないかもしれんと!!お前は焦りすぎじゃ」

 

「まぁまぁ…彼もそこまで気にしてない感じだし…」

 

「ポッケーやりすぎだったぞー」

 

「そーだそーだ」

 

「ポッケさんあたしは止めたっすよ!」

 

「オメーら裏切んかよ!!ノリノリだったじゃねぇか!!!!!」

 

 

 このグループは相変わらずギャグ漫画の世界だ。そこの2人、止めるなら、止めてくれ。そこの4人後でどう調理しようか。

セクハラの大義名分ができて僕は嬉しい。

 

 恨みなどは一切これっぽっちも1mmたりともない。

 

 

「あちらは何やら騒がしいみたいだが……冷静にカフェのバイタルチェックをした私を褒めてほしいよ」

 

「でもタキオンちゃんカフェちゃんがいなくなった時の焦りすごかったよね…半分泣きそu「ダンツくーーーーん!!!?!?だめだよーそれ以上は」

 

 

「あはは…ダンツさんもダンツさんですごかったですけどね……」

 

 

 

 

 どれだけ彼女が愛されてるか、

 どれだけ彼女が大事にされているかがわかる様な会話だった。だが、僕は合意の上とはいえ彼女を殺した。

 

 それは変えられない事実であり、脱出できなかったら、そのまま彼女との永遠の別れであった。

 

 そんな事を僕はしてしまったのだ。

 

 彼女の隣にいる資格など、ない。

 

 なんて思っていると、彼女の口から思いがけない言葉が出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に不思議です葉月さんが告白してこないだなんてありえないと思ってました…」

 

「おいおい僕を何だと________________________」

 

 

 瞬間。僕の頬を、両手で優しく持ってきて。

 

 

 その繊細で可憐な桜色の美しい唇が

 

 

 僕の口に。

 

 

 重なる。

 

 

 そう。

 接吻だ。

 キスだ。

 

 

 そして彼女は僕に目掛けて。

 

「告白の答え。まだ言ってなかったですよね…貴方の言葉で言うならそう______________

 

 

『I love you…』

 

 

というやつ…ですかね。やっと、やっと、言えました。"あの頃"からずっと大好きでした。」

 

 と、言い終わった後、僕の前があまりにも辛すぎたのか、下を向いて顔が赤くなる。

 それはあのまっ白な肌からは想像できないほどに。

 

 

 一瞬の静かさが走る。

 

 

 それはまるで嵐の前の様な

 そして、一気に豪雨の様に、

 それはそうだ。

 あって1日も経たない人間の告白をokするだなんてどうかしてる。というか、告白する人間もどうかしてる。

 

 というか。あの頃って__________まるで初対面じゃないかの様な

 

 

と思っているといきなり、ガヤが、うるさくなる。

 

 

 

 

 

 

 カフェに疑問を問いかける者。

 

 

「はぁぁぁ!!!!?!!?!?!何があったんだよカフェ!!おい!!なんかいえよ!!俺はぜってーあんな女みたいなやろー認めーねーぞ!!おい!!なんか言えよ!!ってか知り合いだったのかよ!!言えよ!!!」

 

「カフェェェェェェェェェ!!!!今の数値を実験として取らせてくれないかい!?ウマ娘の恋愛感情と走りの関係性を数値化して私に見せてほしいんだ何!!ちょっとこの器具をつけるだけさ!!」

 

 

 謎の少年を問い詰める者。

 

 

「少年!どう言った手を使ったんじゃ!?あの万年無愛想なカフェをどうやって落としたんじゃ!?」

 

「ちょっとフジさん血圧上がっちゃうよ!!分かるけど!!分かるけど!!」

 

 

 現実を放棄するもの。

 

「なールー…あたし夢でも見てるのかな」

 

「ルーさんちょっと引っ叩いてくれませんかね」

 

「…何であたしがやるんだよ。自分でやれよ」

 

 

 

 カフェの成長と見守るもの

 

「あははは……すごいなぁカフェちゃんは流石に見習えないかも……」

 

「カフェに恋人ができるとは……今日はお赤飯ですね♪」

 

「……………………♪」

 

 

 

 僕はガ周りの反応を確認し、ようやく、ようやっとこれが現実だと感じることができた。

 

 

 いまだに照れて下を向いている彼女がいる。

 

 

 現実とわからずにぼーっとしている僕がいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして僕の

 

 人生で最も長い1日が終わった。

 

 僕は彼女に恋をして。

 

 彼女は僕に恋をした。

 

 いや、していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________________________

 

 その後の空気が収まった時僕はカフェに質問する。

 

「カフェ…告白とは全く関係無い空気の読めない質問ですまないんだがもしかして、僕の思い違いだったら大変申し訳ないだが。ここって○○県だよな?後……このスマホの機種って分かるか?」

 

 それは、ずっと気になっていた事。

 僕はこの辺の住民のはずなのにここの公園のことが全く"記憶になかった"

 

 もしかしたら

"祭りの日付が全く持って合わない事"と関係してるのか…??

 

それと、このスマホが異世界でも使えるのかどうか、使えるなら林檎さんマークの会社がこっちにもあるって事だし、何かと便利な、はず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ……ここは××県ですけど、というかなんですか…この林檎のマークのスマホ。ウマフォンのニンジンマークとは似てますが……」

 

 

 

 

 終わった。

 

 住所不定中卒無職の誕生である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








カフェさんと葉月さんの過去関係書くまで続かない説が濃厚なんですよ

奥さん。
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