Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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そして 夜が来た。






15〈Rush〜突入!!〜〉

 

 

 

 

 

 

〈A.D2033/11/14 PM22:00(UTC)〉

 

 

 

 

ーーーーーーーー太陽が地平線の向こうに沈んでから数刻。

 

 

 夜の闇に閉ざされた街の中に、その暗闇に紛れるようにして動く無数の影があった。

 

 

ーーーーーカメラマンと、スピーカーマン達だ。

 

 

今宵は新月。

 

 空には分厚い雲が垂れ込め、街は一切の明かりを欠いている。闇に隠れ動くには、まさに絶好のチャンスだ。

 

『…エネルギータワー奪還部隊、出撃を開始。そちらは?』

 

微かなノイズと共に、闇の中を進むカメラ軍へ通信が入る。

 

「了解。発電所奪還部隊(コッチ)も既に進軍中。トイレ陽動部隊を出して欲しい。…あと、コレで通信は最後にしよう。敵に気付かれる可能性は、ミリでも潰しておきたい。」

 

 カメラ軍の先頭を走るブルースーツカメラマンが、通信の向こうへ指示を出す。

すると直ぐに返事が返ってきた。

 

『ーーーーー了解。では、御武運を。』

 

…プツッ、と通信が切れ、闇に静寂が戻る。

 

「どう?上手くやれそうかしら?」

 

 ブルースーツカメラマンの直ぐ隣を進むブラックカメラウーマンが、彼にそう囁いた。

 

「やるさ。なんとしてでも。」

 

 ブルースーツカメラマンは、手に持つライフルを握り締める。そして、自分達の後に続く数多のアライアンス達を引き連れ、街の郊外ーーーーー発電所を目指すのだった。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

場面は変わり、アライアンス基地内。

 

 

「ーーーーー通信が来た。陽動部隊は出撃だ。」

 

 

 基地内に待機していたラージカメラマンやラージスピーカーマン達は、通信係のカメラマンから出撃指令を受け取っていた。

 

「よっしゃ!!遂に来たな、この時が!!」

 

力強く拳を打ち付けるラージスピーカーマン。

 他のラージカメラマン達も、次々と武器を構えて立ち上がった。

 

 彼等の武器は、ロケットランチャーに火炎放射器や重機関銃など、どれも強力な物ばかり揃えてある。

 

 しかし今から彼等が相手にするのは、この街を実質的に支配している【デスクロー・ギガトンスキビディトイレ】だ。

 重火器類がこれだけあっても、正直安心は出来ない。むしろ、殆ど効かないだろう。

 

ーーーーーだが、かと言って彼等は『無駄な足掻き』をするつもりは無かった。

 

 

「お前ら!装甲車に乗り込め!あのデカブツへカチコミと行こうじゃないか!!」

「おうよ!!!」

「やってやるぜぇ!!!」

 

 戦意を滾らせ、次々とラージカメラマンとラージスピーカーマン達が、装甲車へ乗り込む。

 乗れなかった者達は、背中にジェットパックを装着して、空から進軍する選択を取った。

 

「じゃ、行ってくる!」

「俺も行くぜ!!」

「出撃だぁぁ!!!」

 

ーーーーーそして、準備が出来た者達から次々と出撃して行く。

 

 かくして、彼等は自らの命を賭けた大作戦へと向かうのだった。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

同時刻

 

 

〈POV ブレーダー・カメラマン〉

 

 

 

ーーーーー夜の闇の中を、仲間達と共に駆ける。

 

 月明かりも星明かりも無いが、カメラに付いていた〈暗視機能〉のお陰で、足を取られる心配は無い。(この機能は、他のカメラマン達も持っているようだ。)

 

 向かう先にあるのは、恰も魔王城の様に威圧感を放ちながら夜空に聳え立つ〈エネルギータワー〉。

 

 周辺は暗闇に閉ざされ、タワーの外壁に等間隔で設置された赤色の航空障害灯だけが、闇の中で光り輝いていた。

 

(……流石に…緊張するな。)

 

 聳え立つタワーを睨みながら、俺は心を落ち着けようと刀の柄を握り締める。

 

「ワフ…!」

 

 そんな俺を心配してくれたのか、隣を走るアイボが小さく応援するように鳴いた。

 

 暗闇の中でも光を失わない青いアイレンズが、コチラへ視線を向けている。

そんなアイボへ、俺は軽く頷いてみせた。

 

「……あぁ。大丈夫さ、アイボ。ーーーーー俺はやれる。」

「ワン♪」

 

 笑う様に鳴くアイボを傍らに、俺は走り続ける。……これから必ず起こる、戦いへの覚悟を決めて。

 

 

ーーーーーそして、遂に俺達はタワーの真下まで辿り着いたのだった。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「……ココが…エネルギータワー、の前か。」

 

そう呟いて、俺は足を止める。

 仲間達も歩みを止め、俺と一緒に黒く聳えるタワーを見上げた。

 

 タワーの前は大きなロータリーになっていて、街にあれほど有った瓦礫なども、タワーの前では見かけられない。…トイレ達が除去したのだろうか?

 

 そして肝心のタワーはと言うと、大きな鉄製の扉が閉ざされていて、完全に静まり返っていた。

 

「…良いぞ。昼は扉の前にも見張りのトイレが居るが、夜はやはり居ないな。」

 

扉を見たプランジャーマンが、微かに頷く。

 

「…でも、あの扉開くのか?」

「いやーーーーー」

 

俺の問いに、隣のデッキブラシマンが答えた。

 

「ーーーーーあの扉は電子ロックされていて、普通の方法じゃ開かないな。」

「…じゃあ、どうやって開ける??」

「そりゃあ………」

 

 俺のその言葉に、その場に居た全員が同時に同じセリフで答える。

 

「「「ーーーーーぶっ壊すしか無いだろ。」」」

 

「脳筋?!」

 

 まさかのゴリ押し戦法。…でもまぁ、結局のところ、タワーに入ってしまえば良いのだから、それはそれで有りなのかもしれない。

 

「じゃ、グレネードを。」

 

 プランジャーマンが差し出した手の上に、別のカメラマンがトイレットペーパーの形をした手榴弾を乗せる。

 

(トイレットペーパーの形をしてるグレネードって、結構見た目シュールだよな………。)

 

 そんな事をぼんやりと思っている俺の横で、プランジャーマンはグレネードを振りかぶると、思いっきり扉へ投げつけた。

 更に他のカメラマン達も何人かが、立て続けにグレネードを投げつけ、其れ等が扉に同時に当たって瞬時に爆ぜる。

 

 

ーーーーー夜の闇を真っ赤な爆炎が照らし、爆音が辺りに轟いた。

 そして、目の前で鋼鉄の扉がひしゃげて内側へ倒れていく。

 

 

「扉が壊れたぞ!!ーーーーー突入しろッ!!!」

 

 それを見たプランジャーマンが、部隊の全員へ指示を出した。

 

『『ウオオオオオオオオオ!!!!!!』』

 

 雄叫びと共に、アライアンス達がタワー入口へと殺到する。

 

「よし、行くぞ…!」

「あぁ…!」

 

 それに続いて、プランジャーマンとナイフマンが走り出す。そのすぐ後に、俺とデッキブラシマンが続いた。

 

「……死ぬなよ。ブレーダー。」

 

隣を並走しながら、デッキブラシマンが俺へそう告げる。

 

「……アンタもな。」

 

俺は微かに笑って、そう言葉を返した。

 

 

 

 そして、俺達は遂にタワー内部へと足を踏み入れるーーーーー。

 

 

 







今回も待たせた割には短くなってしまい、申し訳無いです…!!

リアルとの折り合いも付けつつ、なるべく早く書けるよう頑張りますので、許して………。

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