Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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19〈Start of Battle〜其々の開戦〜〉

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

【場面転換】

 

 

〈場所:エネルギータワー内部〉

 

 

〈視点:ブレーダーカメラマン〉

 

 

 

 

 

ーーーーーザシュッッ!!!

 

 

………一閃の下、眼の前に立ち塞がるトイレを斬り捨てる。

 

「S…SKIBI…DI……」

 

 呻きながら崩れ落ちるトイレを横目に、俺は足を前へと動かした。アイボも一緒に隣を駆けて行く。

 

 向かう先は、エネルギータワー最上階。ーーーーープランジャーマン曰く、エネルギータワーの最上階にはアンチトイレバリアを展開する為の〈コントロールルーム〉があり、其処を取り戻す事がタワー奪還部隊の最大の目標であるらしい。

 

だが、問題はタワーの高さだ。

 

…なんと、このエネルギータワー、最上階が60階という中々の高層建築であり、それを1階から順に駆け上がって行かなければならない。

 

 勿論、トイレ達がすんなりと通してくれる筈も無く、各階で毎度の如く激しい戦闘が起きていた。

 

 そのたびに、部隊の人数は少なくなっていく。ーーーーー戦闘で倒されるのもそうだが、仲間達を先に行かせる為に、その階に残って戦っているアライアンスが結構多いのだ。

 

 要は、「此処は俺に任せて先に行け!」がひたすら繰り返された結果である。

 

……そして今、タワーを共に駆け上がるメンバーは、デッキブラシマンとナイフマン、そしてプランジャーマンの3人だけとなっていた。(+アイボ1匹)

 

「ーーーーーなぁ!今何階だ!?」

 

 走りながら、俺は前を進むプランジャーマンへ声を掛ける。…彼は此処に来てからずっと、大きなダメージを負うこともなく、俺たちの前を走り続けていた。

 

「ーーーーー44階だ!そして、この階段を上がれば45階!最上階まであと少しだぞ!」

「オッケー、了解!」

 

 プランジャーマンが、階段を駆け上がりながら答える。俺も後に続いて階段を駆け上った。

 

 意外にも、上へ行けば行くほど立ち塞がるトイレ達の数は、少なくなっている。

 タワー内のトイレ達も、やはり数に限りがあると言う事だろう。

 

…だが、少し違和感を感じる。

 

 なにせ、幾ら数に限りがあると言っても、このまま最上階までアッサリ行かせてくれる筈は無い。

 

ーーーーーそれになにより、現状出てくるトイレ達が皆、ノーマルクラスのトイレばかりで、正直弱すぎるのだ。

 

 敵勢力にも強力なトイレ達がいる事は、あのデスクロー・スキビディミュータントの存在が証明している。

 ミュータントレベルの強者が1人だけとは思えないし、必ず何処かで強力なトイレ達の横槍があっても、おかしくない。

 

ーーーーーその俺の考えは、次の45階に足を踏み入れた瞬間に、的中する事となった。

 

 

「……SKIBIDI SKIBIDI。」

 

 

ーーーーー俺達の前に立ち塞がる、1体のスキビディトイレ。

 

 他のトイレ達より少し大きく、何体かのノーマルトイレ達を兵隊の様に周囲に従えている。

 更に、便器の両側からロボットアームを生やし、その先端には鋭利な輝きを放つチップソーを装着していた。

 

「…なんか…雰囲気違うヤツが出て来たな……。」

 

俺はソイツを睨み付けて呟く。

 するとスキャン能力が発動し、立ち塞がるスキビディトイレの情報を俺の視界に映し出した。

 

【個体名:デュアルチップソー・スキビディトイレ

 状態:正常

 戦闘シュミレーション結果:勝率55%

 概要:2つのチップソーを装備したスキビディトイレ。チップソーから繰り出される攻撃は脅威であり、被弾を避けて戦闘する事が推奨される】

 

(やっぱり今までのヤツとは明らかに違う…!強いッ!)

 

ーーーーー映し出された情報を読み取って、俺は日本刀を構え直す。やはり、敵はまだ戦力を隠していたのだ。

 

「よし……やってやーーーーー」

「…此処は俺がやろう。お前らは先に行け。」

 

俺の言葉は、途中で遮られる。

 そして、デュアルチップソー・スキビディトイレの前に、デッキブラシマンが1人で進み出た。

 

「デッキブラシマン??まさか、1人で戦う気か!?」

 

 俺の言葉に、彼はデッキブラシを勢い良く振り回しながら答える。

 

「コイツは強い。間違いなくな。ーーーーーだが、まだ先は長いぞ。此処は俺に任せ、お前らは早く上を目指せ。」

 

 そう言って、彼はデッキブラシの先端をデュアルチップソー・スキビディトイレへ向けた。

 

「ギガトンスキビディトイレ陽動部隊が、今も時間を稼いでいる筈だ。ーーーーーその時間を、1秒たりとも無駄には出来ん!だから、早く先へ進むんだ!」

「「…!!」」

 

 その言葉を聞いて、プランジャーマンとナイフマンは顔を見合わせ、頷き合う。

 一方の俺は、知らず知らずの内に、刀を握る手に力を込めていた。

 

「デッキブラシマン……!」

 

……正直、心配だ。

 

だが、敢えて俺はその心配する心を押し殺す。ーーーーーデッキブラシマンが、『自分を信じて此処を任せて欲しい』と言ったのだ。

 

 それを断る事は、彼のことを信じていないと言う事と同義では無いか。

 

「任せるぞ!!」

 

こうして、俺も彼に任せて先を行く事を選択した。

 

「任された。」

 

デッキブラシマンは小さくサムズアップを返す。

 

「ーーーーーよし!急ぐぞ、ナイフマン!ブレーダー!あとアイボもな!」

 

 プランジャーマンが指示を飛ばし、俺達は動き出す。ーーーーーノーマルトイレ達を蹴散らし、更に上の階へと。

 

「ーーーーーSKIBIDI!!」

 

 それを止めようと、デュアルチップソー・スキビディトイレが動いたーーーーーが、そうはさせないと言わんばかりに、デッキブラシマンがその前に立ち塞がる。

 

「SKIBIDI dop dop!!!」

 

 『其処を退け!』とでも言う様に叫ぶデュアルチップソー・スキビディトイレ。

 

 しかし、デッキブラシマンは一歩も引かず、ブラシを回転させて身構えた。

 

 

「悪いな。……あいつ等はこの上に用が有るんだ。俺で我慢しろ、丸鋸野郎。」

 

 

ーーーーーこうして、45階で両者の戦いが始まったーーーーー

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

ーーーーー強敵をデッキブラシマンに任せ、上の階へ上がる。

 

 相変わらずノーマルトイレ達が徒党を組んで襲い掛かってくるが、其れ等は全て苦戦すること無く制し、俺達は更に進み続けた。

 

ーーーーーそして、かなりのスピードで50階まで到達する。

 

コレで残り10階。ーーーーーあと少しで頂上だ。

 

 しかし、此処でも新たな強敵トイレが俺たちの目の前に立ちはだかる事となる。

 

 

「ーーーーーSKIBIDI DOP DOP DOP yes yeeees!!!!」

 

「…!!ーーーーーまた、新手か…!!」

 

 50階で俺達の前に現れたのは、片腕が巨大なフックと一体化したスキビディミュータントだった。

 しかも何故か左目に眼帯を付け、唾の広い帽子とボロボロのコートで、海賊のコスプレをしている。

 

【個体名:キャプテンフック・スキビディミュータント

 状態:正常

 戦闘シュミレーション結果:勝率44%

 概要:片手を巨大なフックに換装したスキビディミュータント。なお、なぜ海賊のコスプレをしているのかは不明】

 

(コイツも強いな…!!)

 

 一見、唯の海賊コスプレイヤーにしか見えないが、戦闘シュミレーション結果だけで見るなら、さっきのデュアルチップソー・スキビディトイレよりも強い。

 

「HAHAHA!!! SKIBIDI! SKIBIDI! yes yeeeeees!!」

 

 尚且つテンションも高いのか、彼はコチラを見るなり大袈裟な身振りで襲い掛かってきた。

 

「ーーーーーッ!!」

「させん…!」

 

 俺が反応するより速くナイフマンが前に飛び出し、ナイフを素早く投擲する。

 

「dop dop yeeees!!!!!!」

 

…キィンッ!!!

 

 そのナイフを空中で叩き落とす、キャプテンフック・ミュータント。

そして、そのままフックをナイフマン目掛けて振り下ろした。

 

「ふんッ!!」

 

ーーーーーガキンッッ!!!

 

 上段から振り下ろされたフックを、交差させた2本のナイフで受け止めるナイフマン。そしてそのまま、2人は鍔迫り合いとなる。

 

「ーーーーーナイフマン!」

 

 すかさず、俺はキャプテンフック・ミュータントへ斬り掛かった。

 

「ーーーーーSKIBIDI?」

 

 俺の横薙ぎの一閃を、飛び退って回避するキャプテンフック・ミュータント。……ナイフを空中で叩き落とした技量と言い、かなり身軽に動けるようだ。

 

 そのままヤツは床に滑るように着地し、フックを構えてコチラを油断なく睨み付けてくる。

 

「……ブレーダー、プランジャー。お前ら先に進め。」

 

 ナイフマンがキャプテンフック・ミュータントを睨み返しながら、俺達にそう告げた。

 デッキブラシマンの様に、1人でヤツを足止めするつもりなのだろう。

 

「良いのか?あの身のこなし…アイツは厄介な相手だぞ?」

「ああ。…素早い相手だが、俺は負けるつもりなど無い。」

 

 プランジャーマンがナイフマンへ訊ねたが、彼の答えは変わらないようだ。

 

「そうか。なら任せる。」

 

 ふたつ返事で、アッサリと彼に託すプランジャーマン。彼はかなりナイフマンを信頼をしているようだ。

 

(なら、もう俺が言うことなんてないな…。)

 

ーーーーーデッキブラシマンの様に、俺も彼の事を信じる事に決めた。50階より上に行くのが、俺とプランジャーマンとアイボだけになってしまうが、そこは仕方ない。

 

「じゃ、任せたぞ!ナイフマン!!」

「必ず勝てよ…!」

「ワンワン!」

 

そう言って、俺はプランジャーマンと一緒に先へ進む。

 

 

 

ーーーーーこうして、50階でも戦いが始まった。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「……俺とアンタだけになっちゃったな…!」

「あぁ…そうだな。」

 

 次の階へ上がる階段を駆け登りながら、俺はプランジャーマンと話を交わす。

すると、隣でアイボが『僕も居るよ!』と言わんばかりに鳴いた。

 

「ワン!ワワン!!」

「あぁ!勿論、アイボも忘れてないからな!!」

「ワフン!!」

 

満足気に鳴くアイボ。

 

 そして次の階へ辿り着いたが、その階にはもうトイレ達の姿は無かった。

 

「……誰も居ないな。」

「流石に敵の戦力も尽きたんだろう。…もっとも、まだデスクロー・ミュータントが出て来てない以上、何処かで待ち伏せされてる筈だがな。」

「最終防衛線…ってやつか。」

「あぁ。取り敢えず、雑兵が居ないのは僥倖だ。このまま駆け上がってしまうぞ。」

「ーーーーーおう!」

「ーーーーーワン!」

 

 こうして俺達は無人のエリアを突っ切り、更に上を目指して進む。

 

 

………そして、遂に55階まで辿り着いた。ーーーーーのこり5階。本当にあとちょっとだ。

 

(だけど……45階と50階でトイレ共は待ち伏せてたよな…。ーーーーーって事は…もしかして55階でも………)

 

 

「ーーーーーSKIBIDI SKIBIDI…。」

 

 

 55階に鳴り響くスキビディ讃歌。そして、目の前に新たな【スキビディミュータント】が立ちはだかる。

それは、全くもって俺の予想通りだった。

 

「やっぱり現れるのか…!!律儀に5階毎に現れてくれやがるな…!」

 

『真面目かよ。』と心の中でツッコミつつ、俺は刀を構えた。

 

 目の前に現れた新手のミュータントは、巨大なハンマーを武器にしており、更に全身に頑丈そうな鎧を身に着けている。

 

 正直、今までのどのトイレよりも、重厚感と威圧感が大きい。

 

【スキャン結果

 

 個体名:ヘビーハンマー・フルプレート・スキビディミュータント

 状態:正常

 戦闘シュミレーション結果:勝率20%(戦闘非推奨)

 概要:重装備のスキビディミュータント。ハンマーによる打撃は脅威であり、全身の鎧は防弾耐刃性能に優れる】

 

 

(な…!デスクロー・スキビディミュータントより勝率が低い?!)

 

 スキャン結果を見て、俺は少なからず驚いた。もしかすると、あの鎧が防弾耐刃ーーーーーつまり、俺の刀と相性が絶望的に悪い所為かもしれない。

 

(これは俺と相性悪過ぎるな……。)

 

 刀は構えつつも、俺はどうすべきか悩んでいた。…ハンドガンとボルトライフルは、共にまだ残弾が有るものの、どっちにしろヤツの防弾装甲をぶち抜くのは無理そうだ。

 

「…無理して戦うな、ブレーダー。」

 

スッと、プランジャーマンが俺の隣に立った。

 

「相性の問題なら仕方が無い。ーーーーー此処は俺が引き受けよう。お前はアイボと一緒に最上階を目指せ。」

「……プランジャーマン……良いのか??」

 

俺の声に、彼は振り返って親指を立てる。

 

「俺は負けないさ。……だから、此処は任せろ。その代わり、お前に最上階は任せたぞ?」

「……!」

 

ーーーーー俺は一瞬思案したが、直ぐに頷いた。此処で迷っている暇など無い。最上階へいち早く辿り着かなければ、この作戦自体が失敗してしまうのだから。

 

「任せたぞ!プランジャーマン!!行ってくるッ!!」

「ワンワンッ!!」

 

彼にこの場を託し、俺とアイボは勢い良く駆け出す。

 

 ヘビーハンマー・ミュータントがそれを追いかけようとしたが、間にプランジャーマンが勢い良く割って入った。

 そして、そのままプランジャーでヤツの胸を思いっきり突き飛ばす。

 

……ガンッッ!!!

 

「ーーーーーSKIBIDIッ!!??」

 

 3歩ほど後ろへ押し退けられるヘビーハンマー・ミュータント。そして、胸を押さえながらプランジャーマンをギロリと睨みつけた。

 

「お前の相手は俺だ。……掛かってこい。」

 

 手の指をクイッと曲げて、挑発のジェスチャーを取るプランジャーマン。

 

 

「ーーーーーSKIBIDI!!!!」

 

 

 挑発されたヘビーハンマー・ミュータントが咆哮を上げ、それが55階での戦いのコングとなったのだったーーーーー

 

 

 







死闘、開戦!!



主人公の相手は次回登場です。ま、もうアイツしか残ってないけどね。
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