Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜 作:犬社長
ーーーーー長々と続く階段を登る。
足が一歩を踏み締める度に、金属が立てるような甲高い音が鳴り響いた。
「………此処か。ーーーーー
ーーーーー遂に、最上階へ辿り着いたのだ。
最初は列を成すほど居たアライアンス達も、今は俺1人となっていた。他の仲間達は皆、其々の戦いを其々の場所で繰り広げているだろう。
(皆…先を行く仲間達に全てを託して戦っている…。それを無駄になんて、絶対に出来ない…!)
俺は強く手を握りしめた。
アライアンス達は互いに後を託し合いながら上へ上へと進み、託され続けた果てに俺が居る。
………いわば、俺が全ての期待を背負っている事と同義な訳だ。
だから、何としても負ける訳にはいかない。
「ワンワン!!」
アイボも俺の隣で力強く鳴いている。コイツもコイツで、闘志を燃やしているのだろう。
「アイボ………。」
その小さな犬型ボディが、今はかなり頼もしく思えた。ーーーーーもしも、此処に足を踏み入れたのが完全に俺一人だけだったら、重圧に押し潰されそうになっていたかもしれない。
しかし、アイボが側に居る事で、その重圧も随分と和らいでいる。独りじゃないと言うのは、とても有り難い事だった。
「……一緒に頑張ろうな。アイボ…!」
「バウバウ!!」
俺の声にアイボは答え、先へと進み始める。ーーーーーこの60階は、今までの階層とは違って
そしてその廊下の最奥には、大きな鉄製の扉がある。
「まるで、ボスエリア一歩手前って感じだな。」
もしコレがゲームだったのなら、此処でボス戦前の最後のセーブが出来るに違いない。
そんな事を思いながら俺は廊下を渡り、奥に鎮座する重々しい鉄製の扉に手をかける。
ーーーーーギゴゴゴゴゴ…………!!!
ロックされている可能性も考慮していたが、思いに反して扉はアッサリと開いた。
ーーーーーそして、その先の景色が露わになる。
「ーーーーー外…?いや、
扉の向こうに合ったのは、床以外の全てが大きなガラスで造られた、体育館ほどもある巨大な1室だった。
…太陽が昇っていれば、街の景色が一望出来たのだろう。
そして、部屋の中心には沢山の机と、大きなモニターの付いたコンピューターが大量に並んでいる。
嘗てアライアンスの拠点としてこの塔が使われていた時は、きっと此処が司令室だったに違いない。
しかし今はアライアンスの姿など跡形も無く、使われなくなったデスクの上にはホコリが積もっている。
そして、その部屋の端ーーーーー街を見下ろせる巨大な窓の前で、
「……SKIBIDI SKIBIDI dop dop……!」
コチラを見るなり、ニヤッとした笑みを浮かべて両手を広げる、デスクロー・スキビディミュータント。
まるで、『お前が来るのを待っていた。』とでも言っているかの様だ。
「やっぱりお前か………。」
俺はそう言って刀の柄を握り締める。ーーーーーコイツと街で戦った事は、まだ記憶に新しい。
……あの時は、ヤツの多彩な攻撃と高い機動力に散々苦しめられた物だ。
プランジャーマンが助けに来てくれなければ、彼処で間違いなく俺は死んでいただろう。
(ーーーーーだが、今度はある程度手の内を知っている…!初戦と同じ轍は踏むものか…!)
右手で抜き身の刀を構えつつ、俺はデスクロー・スキビディミュータントを油断なく睨み付けた。
一方のデスクロー・スキビディミュータントも、コチラをジッと睨みながらゆっくりと近付いてくる。
そして、お互いの距離が少し縮まった瞬間ーーーーー
「SKIBIDIッッ!!!」
「!!!」
ーーーーーダンッ!!と床を蹴って、ミュータントが飛び掛かってきた。
俺はソレを刀で迎え撃つーーーーーと見せかけて、空いている左手でハンドガンをホルスターから引き抜き、ミュータント目掛けて発砲する。
パンパンパンッ!!と乾いた音が連続して鳴り響いた。
「ーーーーー!?」
俺が発砲してきた事に驚いたのか、デスクロースキビディミュータントは勢い良く横に跳ぶ。
ーーーーーついさっきまで奴が居た位置を、弾丸が通り抜けて行った。
「初見で弾丸を避けるなよ…!反射神経化け物かッ?」
愚痴りつつ、俺は追いエイムしながら更に射撃を続けた。
「SKIBIDI dop dopッ!!」
デスクロースキビディミュータントは、ガラス窓を蹴って縦横無尽に弾丸を避け続ける。
そして、遂に俺のハンドガンのスライドが後退しきって止まった。
ーーーーーカチンッ…!
(ちッ…弾切れか…!)
俺は心の中で舌打ちする。ーーーーーその瞬間、コチラが弾切れしたタイミングを見計らった様に、デスクロースキビディミュータントが飛び掛かってきた。
「ふんッ!」
リロードをする暇は無い。
俺は、すかさずハンドガンを奴の顔めがけて投げ付けた。
ーーーーーバシッ!!とハンドガンが空中で叩き落される。
だが、一瞬奴の注意をハンドガンへ向ける事が出来た。
その隙を利用して、俺は肩からぶら下げてあったボルトライフルを撃つ。
ーーーーーズドンッ!!
ハンドガンとは違う重々しい音が鳴り、放たれたボルト弾がデスクロー・スキビディミュータントの左足を掠めた。
「ーーーーー!!」
たたらを踏むミュータント目掛けて、俺は更に連続してトリガーを引く。
「…SKIBIDI!!!!」
ソレを見たミュータントが怒気の籠もった声で叫び、背中のクローを目にも止まらぬ速度で振り回した。
ーーーーーズガガガガキィンッッ!!!
俺とミュータントの間で激しい火花が散り、カランカランと音を立てて、床にボルト弾の破片が落ちる。
ーーーーーヤツは、空中でボルト弾を全弾破壊してみせたのだ。
「げ、マジかよ?!」
コレはとんでもない芸当を見せ付けられたモノだが、俺に驚いている暇なぞ無かった。
ーーーーー何故なら、向こうもクローの先端からレーザー弾を放って来たからだ。
「ちッ…!」
俺は素早くその場から飛び退り、レーザー弾を回避する。しかしレーザー弾は1発だけでは無く、無数の弾幕となって俺に襲いかかってきていた。
「なんつー弾幕だよ!!」
俺は素早く左右に駆け回りながら、飛来するレーザー弾を避け続ける。
レーザーが床に着弾する度に爆発が起き、窓ガラスが次々と衝撃で砕けていった。
「
コチラ目掛けてレーザー弾を乱射しながら、デスクロー・スキビディミュータントが挑発するような叫び声を上げる。
「ーーーーーお前の根気が尽きるまで避けてやるよッ!!でも、避けるだけじゃあ、
そう挑発に対して叫び返した俺は、弾丸を避けながらボルトライフルのトリガーを引いた。
ーーーーーズガガガガガッッッ!!!!
放たれたボルト弾は、奴のレーザー攻撃の合間を縫うようにして飛び、うち1発が奴の右肩に軽く突き刺さる。
「SKIBI…ッ?!」
衝撃で怯むデスクロー・スキビディミュータント。
その隙に更にもう1発のボルト弾を、奴の腹に命中させる事に成功する。
「dop dop……!」
奴は撃たれた腹部を押さえ、蹌踉めいた。
此処でボルトライフルも弾切れとなったが、もう十分だろう。
「デスクロー・スキビディミュータント!」
俺は残弾ゼロのボルトライフルを投げ捨て、刀を構える。
「お前等トイレ共の支配も、今日ここで終わりにしてやる!!覚悟しろ!!!」
叫びながら、一気に距離を詰める俺。
一方のデスクロー・スキビディミュータントも、腹と肩に刺さったボルト弾を無理矢理引き抜くと、怒りの籠もった表情で叫び返してきた。
「
次の瞬間、俺の刀と奴の振り回すクローが、最上階の中心で激突し、凄まじい衝撃波が辺りに吹き荒れるのだったーーーーーーーーーー
主人公君、遂にデスクロー・スキビディミュータントと再び激突ッ!
…となった所で、今回は此処までです。
次回は、45階の〈デッキブラシマンVSデュアルチップソー・スキビディトイレ〉をお送りするよ。適当に待っててね〜〜!