Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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20〈Mutant Again〜ミュータント、再び〜〉

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー長々と続く階段を登る。

 

 

 

 

 足が一歩を踏み締める度に、金属が立てるような甲高い音が鳴り響いた。

 

 

「………此処か。ーーーーー()()()()。」

 

 

()()()()()()()()()()、俺は独りで呟く。

 

ーーーーー遂に、最上階へ辿り着いたのだ。

 

 最初は列を成すほど居たアライアンス達も、今は俺1人となっていた。他の仲間達は皆、其々の戦いを其々の場所で繰り広げているだろう。

 

(皆…先を行く仲間達に全てを託して戦っている…。それを無駄になんて、絶対に出来ない…!)

 

俺は強く手を握りしめた。

 

 アライアンス達は互いに後を託し合いながら上へ上へと進み、託され続けた果てに俺が居る。

 

………いわば、俺が全ての期待を背負っている事と同義な訳だ。

 

だから、何としても負ける訳にはいかない。

 

「ワンワン!!」

 

 アイボも俺の隣で力強く鳴いている。コイツもコイツで、闘志を燃やしているのだろう。

 

「アイボ………。」

 

 その小さな犬型ボディが、今はかなり頼もしく思えた。ーーーーーもしも、此処に足を踏み入れたのが完全に俺一人だけだったら、重圧に押し潰されそうになっていたかもしれない。

 

 しかし、アイボが側に居る事で、その重圧も随分と和らいでいる。独りじゃないと言うのは、とても有り難い事だった。

 

「……一緒に頑張ろうな。アイボ…!」

「バウバウ!!」

 

 俺の声にアイボは答え、先へと進み始める。ーーーーーこの60階は、今までの階層とは違って細々(こまごま)とした部屋が無く、ただ長い1本の廊下が階段からずっと続いているだけの様だ。

 

そしてその廊下の最奥には、大きな鉄製の扉がある。

 

「まるで、ボスエリア一歩手前って感じだな。」

 

 もしコレがゲームだったのなら、此処でボス戦前の最後のセーブが出来るに違いない。

 

 そんな事を思いながら俺は廊下を渡り、奥に鎮座する重々しい鉄製の扉に手をかける。

 

 

ーーーーーギゴゴゴゴゴ…………!!!

 

 

 ロックされている可能性も考慮していたが、思いに反して扉はアッサリと開いた。

 

 

ーーーーーそして、その先の景色が露わになる。

 

 

「ーーーーー外…?いや、()()()()()()()()()…!」

 

 扉の向こうに合ったのは、床以外の全てが大きなガラスで造られた、体育館ほどもある巨大な1室だった。

…太陽が昇っていれば、街の景色が一望出来たのだろう。

 

 そして、部屋の中心には沢山の机と、大きなモニターの付いたコンピューターが大量に並んでいる。

 

 嘗てアライアンスの拠点としてこの塔が使われていた時は、きっと此処が司令室だったに違いない。

 

 しかし今はアライアンスの姿など跡形も無く、使われなくなったデスクの上にはホコリが積もっている。

 

 そして、その部屋の端ーーーーー街を見下ろせる巨大な窓の前で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……SKIBIDI SKIBIDI dop dop……!」

 

 

 コチラを見るなり、ニヤッとした笑みを浮かべて両手を広げる、デスクロー・スキビディミュータント。

 まるで、『お前が来るのを待っていた。』とでも言っているかの様だ。

 

 

「やっぱりお前か………。」

 

 

 俺はそう言って刀の柄を握り締める。ーーーーーコイツと街で戦った事は、まだ記憶に新しい。

 

……あの時は、ヤツの多彩な攻撃と高い機動力に散々苦しめられた物だ。

 プランジャーマンが助けに来てくれなければ、彼処で間違いなく俺は死んでいただろう。

 

(ーーーーーだが、今度はある程度手の内を知っている…!初戦と同じ轍は踏むものか…!)

 

 右手で抜き身の刀を構えつつ、俺はデスクロー・スキビディミュータントを油断なく睨み付けた。

 

 一方のデスクロー・スキビディミュータントも、コチラをジッと睨みながらゆっくりと近付いてくる。

 

そして、お互いの距離が少し縮まった瞬間ーーーーー

 

 

「SKIBIDIッッ!!!」

「!!!」

 

 

ーーーーーダンッ!!と床を蹴って、ミュータントが飛び掛かってきた。

 

 俺はソレを刀で迎え撃つーーーーーと見せかけて、空いている左手でハンドガンをホルスターから引き抜き、ミュータント目掛けて発砲する。

 

パンパンパンッ!!と乾いた音が連続して鳴り響いた。

 

「ーーーーー!?」

 

 俺が発砲してきた事に驚いたのか、デスクロースキビディミュータントは勢い良く横に跳ぶ。

ーーーーーついさっきまで奴が居た位置を、弾丸が通り抜けて行った。

 

「初見で弾丸を避けるなよ…!反射神経化け物かッ?」

 

愚痴りつつ、俺は追いエイムしながら更に射撃を続けた。

 

「SKIBIDI dop dopッ!!」

 

 デスクロースキビディミュータントは、ガラス窓を蹴って縦横無尽に弾丸を避け続ける。

 そして、遂に俺のハンドガンのスライドが後退しきって止まった。

 

ーーーーーカチンッ…!

 

(ちッ…弾切れか…!)

 

 俺は心の中で舌打ちする。ーーーーーその瞬間、コチラが弾切れしたタイミングを見計らった様に、デスクロースキビディミュータントが飛び掛かってきた。

 

「ふんッ!」

 

リロードをする暇は無い。

俺は、すかさずハンドガンを奴の顔めがけて投げ付けた。

 

ーーーーーバシッ!!とハンドガンが空中で叩き落される。

 

だが、一瞬奴の注意をハンドガンへ向ける事が出来た。

 その隙を利用して、俺は肩からぶら下げてあったボルトライフルを撃つ。

 

 

ーーーーーズドンッ!!

 

 ハンドガンとは違う重々しい音が鳴り、放たれたボルト弾がデスクロー・スキビディミュータントの左足を掠めた。

 

「ーーーーー!!」

 

 たたらを踏むミュータント目掛けて、俺は更に連続してトリガーを引く。

 

「…SKIBIDI!!!!」

 

 ソレを見たミュータントが怒気の籠もった声で叫び、背中のクローを目にも止まらぬ速度で振り回した。

 

 

ーーーーーズガガガガキィンッッ!!!

 

 

 俺とミュータントの間で激しい火花が散り、カランカランと音を立てて、床にボルト弾の破片が落ちる。

 

ーーーーーヤツは、空中でボルト弾を全弾破壊してみせたのだ。

 

「げ、マジかよ?!」

 

 コレはとんでもない芸当を見せ付けられたモノだが、俺に驚いている暇なぞ無かった。

ーーーーー何故なら、向こうもクローの先端からレーザー弾を放って来たからだ。

 

「ちッ…!」

 

 俺は素早くその場から飛び退り、レーザー弾を回避する。しかしレーザー弾は1発だけでは無く、無数の弾幕となって俺に襲いかかってきていた。

 

「なんつー弾幕だよ!!」

 

 俺は素早く左右に駆け回りながら、飛来するレーザー弾を避け続ける。

 レーザーが床に着弾する度に爆発が起き、窓ガラスが次々と衝撃で砕けていった。

 

SKIBIDI SKIBIDI yes yes(さぁ、果たして何時まで避けられるかなぁ)?!?!」

 

 コチラ目掛けてレーザー弾を乱射しながら、デスクロー・スキビディミュータントが挑発するような叫び声を上げる。

 

「ーーーーーお前の根気が尽きるまで避けてやるよッ!!でも、避けるだけじゃあ、()()()()()()()()()?!」

 

 そう挑発に対して叫び返した俺は、弾丸を避けながらボルトライフルのトリガーを引いた。

 

ーーーーーズガガガガガッッッ!!!!

 

 放たれたボルト弾は、奴のレーザー攻撃の合間を縫うようにして飛び、うち1発が奴の右肩に軽く突き刺さる。

 

「SKIBI…ッ?!」

 

衝撃で怯むデスクロー・スキビディミュータント。

 その隙に更にもう1発のボルト弾を、奴の腹に命中させる事に成功する。

 

「dop dop……!」

 

奴は撃たれた腹部を押さえ、蹌踉めいた。

此処でボルトライフルも弾切れとなったが、もう十分だろう。

 

「デスクロー・スキビディミュータント!」

 

俺は残弾ゼロのボルトライフルを投げ捨て、刀を構える。

 

「お前等トイレ共の支配も、今日ここで終わりにしてやる!!覚悟しろ!!!」

 

叫びながら、一気に距離を詰める俺。

 

 一方のデスクロー・スキビディミュータントも、腹と肩に刺さったボルト弾を無理矢理引き抜くと、怒りの籠もった表情で叫び返してきた。

 

SKIBIDI SKIBIDI dop dop yes(終わるの貴様らの方だ)!!!」

 

 

 

 次の瞬間、俺の刀と奴の振り回すクローが、最上階の中心で激突し、凄まじい衝撃波が辺りに吹き荒れるのだったーーーーーーーーーー

 

 

 

 








主人公君、遂にデスクロー・スキビディミュータントと再び激突ッ!

…となった所で、今回は此処までです。

次回は、45階の〈デッキブラシマンVSデュアルチップソー・スキビディトイレ〉をお送りするよ。適当に待っててね〜〜!
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