Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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21〈BATTLE①〜デッキブラシカメラマンVSデュアルチップソー・スキビディトイレ〜〉

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

ーーーーー場面は、45階へと切り替わる。

 

 

 

「ーーーーーSKIBIDI SKIBIDI SKIBIDI!!!!!」

 

 

ーーーーー迫りくる2つの回転するチップソー。

 

 火花を散らしながら迫るソレを、デッキブラシマンは後ろに大きく飛んで回避した。

 

ーーーーーギュインッ!と、ついさっきまで彼が居た位置を、チップソーが掠めていく。

 そして空振ったチップソーは、床に大きな傷跡を刻み込んで止まった。

 

(冷や汗が出る気分だよ…。)

 

 体勢を立て直し、デッキブラシマンは張り詰めていた肩の力を、少し抜く。

 緊張のしすぎは、戦闘に大きな影響を与えるのだ。ーーーーー故に戦いでは程よい脱力が求められるーーーーーそう、彼は信じている。

 

「HAHAHA…!!」

 

 身構えるデッキブラシマンの前で、デュアルチップソートイレが誇示するようにチップソーを再度構えた。

 

そして、再び両者の間に緊張が走る。

 

「ーーーーー疾ッッ!!!」

 

…今度動いたのは、デッキブラシマンだった。

 彼は目にも止まらぬ速度で床を蹴ると、一気にデュアルチップソートイレとの距離を詰める。

 

そして、勢い良くデッキブラシを突き出した。

 

 

ーーーーーガキィンッッ!!!

 

 

 デュアルチップソートイレが、チップソーでブラシの先端を受け止める。

 すると、激しく火花が飛び散り、デッキブラシが弾かれた。…しかし、先端は無傷のままだ。

 

ーーーーー実はデッキブラシマンのブラシは、先端が鋼鉄の針で出来ていて、非常に頑丈かつ殺傷能力の高い武器となっているのである。

 

「まだまだぁッ!!」

 

弾かれたブラシを引き戻し、彼は攻撃を続けた。

 

ーーーーーギャリンッ!!ギャリィンッッ!!!

 

 振り回されるチップソーを避け、床材とソーの刃が擦り合うことで生まれる火花を掻い潜り、デッキブラシマンはデッキブラシを連続で叩き付ける。

 

「ーーーーーSKIBIDI SKIBIDIッ!!!」

 

 しかしデュアルチップソートイレは滑るような動きで回避し、攻撃の合間を縫って、チップソーを繰り出して来た。

 

「……ッ!」

 

 自分の頸を狙い放たれる斬撃を避け、今度は腰を両断しようと迫る攻撃を転がって回避する。

 起き上がり際を狙って上からチップソーが振り下ろされて来たが、ソレは横からブラシで弾いて軌道を逸らし、なんとか回避した。

 

「一筋縄では…行かないようだな!」

 

 跳ぶようにして起き上がりながら、デッキブラシマンは体制を整える。

そして、再びデュアルチップソートイレへと挑みかかった。

 

「ーーーーーSKIBIDIッッ!!!」

「ーーーーーしゃぁッ!!」

 

ーーーーーバキンッ!!ーーーーーガキンッッ!!

 

幾度となくぶつかり合う、デッキブラシとチップソー。

 そのたびに灼熱の火花が飛び散り、両者の体を明るく照らし出した。

 

「この程度でッ!立ち止まっていられるものか!!」

 

鬼気迫る気迫で攻撃を続けるデッキブラシマン。

 

「自分を信じてくれた仲間たちの為にッ、俺は勝つッ!!」

 

 

ーーーーーバキィッ!!!

 

 

 そして遂に、デッキブラシの先端がデュアルチップソートイレの左頬を捉えた。

 

「dop dop…ッ!!!」

 

 飛び散る鮮血。ーーーーー鋭いブラシの先端で傷つけられ、デュアルチップソートイレの動きが鈍る。

 更にすかさず反対の右頬にも、デッキブラシが叩き付けられた。

 

ーーーーーメキッ!!!!

 

「SKIBIDIィ?!?!」

 

 顔右半分への重い殴打によって、デュアルチップソートイレは床に激しく叩き付けられる。

 

其処へ更にデッキブラシマンは追撃を叩き込むべく、ブラシを大きく振り被り、そしてーーーーー

 

SKIBIDI(調子のってんじゃねぇ)!!!」

 

ーーーーー刹那、デュアルチップソートイレが床へチップソーを叩き付けた。

 

…ギャリィン!と耳障りな音が鳴り響き、床に大きな傷が入る。

 

 

ビキビキビキ……ッ!!!

 

 

 そして、無数の亀裂が部屋の床全体へ広がっていった。

 

(床に亀裂がーーーーーッ?!)

 

 思えば、さっきからやけに床をチップソーで傷付けているように見えたが、まさかコレを狙っていたのだろうか?

 

「マズい…!落ちるーーーーー」

 

 

ガラガラガラガラッ!!!

 

 

 あっという間に亀裂の入った床は崩れ去り、デッキブラシマンはデュアルチップソートイレと一緒に、1つ下の階の部屋へ落下した。

 そして、瓦礫と粉塵を撒き散らしながら、44階の埃まみれの床へ叩き付けられる。

 

「ぐっ…!」

 

 嘗ては倉庫として使われていたであろうその1室は、天井付近まで古びたコンテナが山積みになっていた。

 いくつかのコンテナは瓦礫によって潰れ、中身が床に零れ落ちている。

 

…その殆どが、ネジや金属板の様な金物類の様だ。

 

(…タワーの中に…まだこれほどの物資が残っていたのか…!)

 

 資材が常に不足気味の現アライアンス陣営にとっては、正に宝の山と言っても過言では無いが、今はそれに気を取られている場合では無い。

 

「ーーーーーSKIBIDI yes yes(斬り刻んでやるよぉ)!!!」

 

何故なら、今は戦いの真っ最中なのだから。

 

「…ちっ!」

 

 軽く舌打ちをして、迫りくるチップソー攻撃を回避する。ーーーーー空振ったチップソーが近くのコンテナを斬り裂いて、中身が激しく飛び散った。

 

Yes yes yes yes yes(オラオラオラオラオラァ)!!!!!」

 

尚も振り回されるチップソー。

 

 デッキブラシマンは、積み重なるコンテナの隙間をアクロバティックな動きで飛び回りながら、乱雑に振り回される凶器を避けていく。

その度にコンテナが斬り裂かれて、火花が散った。

床に転がる大小様々な部品類。

 

……静かに埃を被っていた倉庫が、どんどん滅茶苦茶になっていく。

 

(これ以上、奴の好き勝手にさせておく訳にはいかないな…!)

 

 追い詰められながらも、デッキブラシマンは頭を回転させて勝利への道筋を探す。

 

 奴のチップソーは言わずもがな脅威であり、また、耐久力も他のトイレに比べ優れている。何か、優位をひっくり返す物が有れば…………。

 

(…いや、有るぞ…!!)

 

 デッキブラシマンの目線が、周りの山積みのコンテナへ向けられた。

 

(あの積み上がったコンテナ…。奴のチップソーで下の段のコンテナが壊れ、不安定になっている。ーーーーーつまり、上手く奴を崩れかけたコンテナの下へ誘導出来れば…!!)

 

 そう素早く思考を巡らせたデッキブラシマンは、近くのコンテナへ向かって走り出した。…そのコンテナは、既にチップソーによって傷付き、あと一押しで壊れそうになっている。

 

「……SKIBIDI(何処へ行くんだぁ)???」

 

 彼が逃げ出したとでも思ったのか、デュアルチップソートイレは下劣な笑みを浮かべて、彼の後を追いかけ始めた。

 

(掛かったな…!)

 

心の中でほくそ笑むデッキブラシマン。

 

 そして、壊れかけのコンテナを背にして振り返る。すると、デュアルチップソートイレが目と鼻の先まで近付いて来ていた。

 

SKIBIDI dop dop yes(さぁ、コレで終わりだぁ)!!!」

 

 彼を追い詰めたデュアルチップソートイレが、笑みを浮かべながらチップソーを此方へ振り下ろす。

 

 空気を裂いて、回転する2つの凶刃がデッキブラシマンに迫りーーーーー

 

「ココだッッ!!」

 

ーーーーー次の瞬間、彼はデュアルチップソートイレの懐へ潜り込むようにして、チップソーによる攻撃を回避した。

 

 

ーーーーーギャリィンッッッ!!!

 

 

 デッキブラシマンがついさっきまで背にしていたコンテナが、空振ったチップソーによって斬り裂かれる。

 

 そして、火花と共にコンテナに傷が入り、元々壊れかけだったコンテナは、その一撃がトドメとなって破壊された。

 

 そして、下を支えていたコンテナが壊れた事で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

SKIBI(なんだと)ーーーーー」

 

 デュアルチップソートイレが、落下してくるコンテナに気付いた。ーーーーーだが、もう遅い。

 

 

 

ガシャーーーーンッッ!!!!

 

 

 

 中に大量の金属類が入っている重たいコンテナが、デュアルチップソートイレの頭に直撃した。

 

 もちろん1個では無く、2個3個と立て続けにコンテナは降ってきて、哀れなデュアルチップソートイレを押し潰す。

 

 

ガシャーーンッ!!ズドーーンッ!ガランガラーーンッ!!

 

 

鳴り響く金属音。

散らばるコンテナの中身。

立ち込める埃。

 

 

………そしてコンテナの雪崩が収まった後には、デュアルチップソートイレは完全にコンテナの下敷きになっていた。

 

 

 じわり…とコンテナと床の隙間から、赤黒い血が滲み出てくる。コレは間違いなく死んだだろう。

 

 

「………終わったのはお前の方だったな、丸鋸野郎…。」

 

 

 コートに付いた埃を払い落としながら、デッキブラシマンは小さく呟くのだったーーーーー

 

 

 

 

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