Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜 作:犬社長
…お待たせしました!
なんかグダグダ書いてたら長くなるし、時間経つし、文書変になるしで難産だった(ヒッヒッフー)
とりあえず、デスクロー・ミュータント戦はこの話で終わらせます!
途中に発電所奪還部隊の視点も混ぜるので、今回は長いですがごゆっくりどうぞ〜〜↓
ーーーーーーーーー視界が引き伸ばされていく。
目の前に浮かぶ、〈機士廻生モード〉の文字と共に。
(き…機士廻生…??なんだソレーーーーー)
……やがてノイズが視界を埋め尽くし、不意に電源が落ちたように全てが真っ暗になった。
……
………
…………
『ーーーーーやあ。頑張っているようだな。ブレーダーカメラマン。』
「ーーーーー!!」
ーーーーーふと脳裏に響く、
同時に、真っ暗だった視界が急速に色付き、目の前にスーツを着たエージェントの姿を映し出した。
……周りの景色もタワーの最上階から一変し、最初にエージェントに出会った不思議な空間に変貌を遂げている。
「エージェント…!」
思わず俺は声を漏らした。……一体今何が起きているのか、それを尋ねたかったのだが、俺が何かを口にする前にエージェントが先手を打って喋りだす。
『おっと。…すまないが、君が今どんな疑問を抱いていようとも、私はソレに答える事が出来ない。ーーーーーなぜなら、コレは圧縮された録画映像なのだよ。』
「録画…?」
エージェントは小さく頷いた。
『君が条件を満たす事で、この録画データが再生されるように私が仕組んだんだ。ーーーーー〈機士廻生モード〉発動の条件を、な。』
そう言ってから、エージェントは顔の前で両手を組んだ。
『条件とは、君自身の成長による〈戦闘モード〉の最適化と、ソレでも潜り抜けられない程の死線を君が経験する事だ。…そうでもしないと、〈機士廻生〉を使いこなせないからな。』
「ーーーー!……そんなモノが仕組まれて…いや、そもそも〈機士廻生〉って何だ??」
録画映像に尋ねても仕方が無いが、思わず俺はそう呟いていた。
すると、エージェントはまるで俺の疑問を予測していたかのように、手を組んだまま答えを述べる。
『ーーーーー簡単に言えば
もっとも、この力も万能では無い。ーーーーー長時間の発動は不可能かつ、解除後には大きな反動が君自身に返ってくる。……つまり、連発不可能な諸刃の剣ーーーーという訳だ。』
ーーーーーそこまで言ってから、彼はふと誰も居ない虚空へと目を向けた。そして、かなり衝撃的な発言をポツリと漏らす。
「
「ーーーーー!!」
〈機士廻生〉の力が、自分を〈7人の機士〉へ導く
そして、彼は『同じ力を持つ者同士』とも言った。……という事はつまりーーーーーーーーー
(この力を……〈7人の機士〉も持っている??)
その結論に俺が達したと同時に、視界が再び引き伸ばされ始めた。そして、この映像が現れた時と同じ様に、ノイズが視界を覆い始める。
『本当はもっと多くを語りたいが…』
ノイズ混じりの視界の先で、エージェントが軽く肩を竦めた。
『いかんせん、録画出来る時間が短過ぎる。ーーーーー悪いが、此処から先は君自身の目で確かめてくれ。』
ーーーーー視界が再び闇に閉ざされる瞬間、エージェントが小さく親指を立てて最後の言葉を俺に掛けた。
『さぁ、これからも戦い続ける事だ。ブレーダーカメラマン。………期待している。』
ーーーーーそして、また電源が落ちたかのように俺の視界は闇に染まった。
ーーーーー立ち塞がるトイレを、ボルトライフルで撃ち抜く。
横からもトイレが迫って来たが、ソレはブラックカメラウーマンが撃ち倒してくれた。
「ありがとう!」
「礼の必要は無いわ!」
短いやり取りを交わしてから、ブルースーツカメラマンは更にトイレ達へ射撃を叩き込んでいく。
少し離れた所では、サプレッサーマンがピストルを駆使してトイレを蹴散らしていた。
「ーーーーーブルースーツさん!こっちッス!……ココに電力供給の復旧ボタンがあるッス!!」
積み重なるトイレ達の亡骸の中で、サプレッサーマンが壁の一箇所を指差し、大きく手を振った。…確かに、壁には幾つかのボタンが嵌め込まれていて、配電盤のようなモノもある。
「……SKIBIDIッ!!!」
そんな彼へ、背後からノーマルスキビディミュータントがナイフを持って襲い掛かかってきた。死角からの奇襲にサプレッサーマンは気付いていない。
「サ、サプレッサー!!」
慌ててブルースーツカメラマンは武器を構えたが、彼が射撃するより先に、ショットガンを持ったスピーカーマンがミュータントを1発で撃ち殺した。
「うお?!…びっくりしたッス!?」
「…気を付けろよ、サプレッサーマン。敵陣の真ん中で浮かれんな。」
「うッス!」
ショットガンをコッキングしながら、スピーカーマンが彼に釘を刺すように話し掛けた。
「ーーーーーでも、もう終わりよ。周りを見なさい。…管理室はほぼ制圧出来たわ。」
ブラックカメラウーマンが横から口を挟んだ。彼女の両腕の銃口は赤熱し、煙を絶えず噴き上げている。それが、どれほど激しい戦いを彼女が繰り広げたかの左証であった。
……言葉通りに周りを見てみれば、殆どの場所で戦いが決着してアライアンス達が勝鬨を上げている。
「………終わったのか…。」
構えていた銃を降ろしてブルースーツカメラマンは呟いた。
「…最後の戦いは案外あっけなかったッスね。」
サプレッサーマンがハンドガンをリロードしつつ、そんな感想を漏らす。そんな彼を横目に、ブルースーツカメラマンは彼が見つけた復旧ボタンへ足を運んだ。
そこへやって来たモノクルを掛けたカメラマンが、隣の配電盤を開いて感心したように唸る。
「ほぉ…素晴らしい保存状態ですね。ーーーーーこの10年間、電力の供給は止まってたのにも関わらず、止まる前に蓄電された電気がまだ残っている。…直ぐにでも動かせますよ。」
「そうか。…なら直ぐに動かそう。ーーーーータワー部隊と連絡は取れそうかな?」
ブルースーツカメラマンの問いかけに、モノクルを掛けたカメラマンは手元のタブレットを手早く操作した。
「…応答が有りませんね…。電波が弱いのか、今手が離せないか、どちらかでしょう。」
「繋がるまでトライしてみてほしい。コッチは目的を達成したと早く伝えないと…!」
そう言いつつ、ブルースーツカメラマンは壁のボタンを次々と押していく。
ーーーーー少しずつ明かりが灯り始める管理室。何人かのアライアンス達も協力して、管理室内の膨大な数のコントロールボタンを起動し始めた。
(こういう時、
ボタンを押しながら、ブルースーツカメラマンは
『彼女』が居れば、こんなモノ一瞬で起動できるだろう。それに、連絡もすぐに取れるだろうし、そもそも最初から連絡網も完璧に構築しておいてくれていた筈だ。
ーーーーーだが、彼女は今は居ない。………
だから、今は自分達だけで何とかしなければーーーーー
「む…!ブレーダーカメラマンさんと繋がりそうです!」
ふと、モノクルを掛けたカメラマンが声を上げた。
思わずサムズアップするブルースーツカメラマン。
「でかした!ーーーーー直ぐに繋いでほしい!」
「承知!」
ーーーーーそして、少しずつ朝へと近付いて来た夜の街を、最初の吉報が駆けて行くーーーーーーーー
……闇の中に、光が差す。
ーーーーー赤い、紅い光が。
「ーーーーーはっ?!」
ーーーーー心地良い夢から急激に引き戻されるが如く、瞬時に自分の意識が戻る。
…最初に、自分の腹に突き刺さるデスクロー・ミュータントの右腕が見えた。そして、瞬時に全ての感覚が戻ってくる。
「…なるほど…ッ!」
若干の混乱があったが、俺は状況を直ぐに理解した。
僅か1秒かそこらで、先程の圧縮録画映像を見せられていたのだろう。……意識が途絶える前と後で、状況の変化は無かった。
いや…変わった事は1つある。
ソレこそ、俺の視界の中央に燦々と輝く〈機士廻生〉の4文字だ。
【最終確認:〈機士廻生モード〉を本当に起動しますか?】
▷【YES】
【NO】
意識を〈機士廻生〉の文字にフォーカスした瞬間、そんなアナウンスが俺の脳内に響き渡る。
ハイリスクな技ゆえ、一応発動前に確認フェーズが入るらしい。
(んなもん……勿論YESに決まってんだろッ!!!!)
俺は迷わず【YES】を選択した。
【報告:最終確認完了………
ーーーーー次の瞬間、激しい落雷のような感覚が脳天から足元まで一気に走る。
そして、俺の全身から溢れんばかりに火花が飛び散った。ーーーーーだがコレはダメージでは無いーーーーーコレは……解放の証だ。
「
突然全身から火花を噴き上げて踏み止まった俺を見て、デスクロー・ミュータントが理解出来ないと言わんばかりに首を振った。
そんな彼の腕をガッシリと掴み、俺は顔をゆっくりと上げる。
「…ッッ!!!」
怯えるように顔を歪ませるミュータント。
ーーーーーその時俺は気付いていなかったが、俺のカメラレンズは炎のように真っ赤に光り輝いていたのだ。
そして、その光はカメラレンズだけでは無く、全身へ広がっていく。
体を火花と共に走る紅い光。ソレはやがて、身体に美しさすら感じさせるライン模様を刻み込む。
そして、翻る俺の黒いコートにも紅い光のラインは纏わり付き、溢れ出した光は周囲に波動となって広がっていった。
「ーーーーー
困惑した叫び声を上げるミュータント。彼は、激しい深紅の閃光の前に目すら碌に開けられない様だ。
「…コレが………〈機士廻生〉…!!」
一方、俺は溢れ出る光の中心に立ち、自分の体を唖然として見下ろしていた。
その体には深紅のラインが電子基板の様に刻まれ、微かに脈打つ様な燐光を放っている。
最初に発生した激しい光の放出こそ収まったが、そのライン模様は消えること無く残っていた。
そして何よりーーーーー
(……体がめっちゃ軽い…!受けた筈のダメージを、何も感じない……今ならどんな事だって出来るぞッ!!)
ーーーーーこの、体の芯から感じる圧倒的解放感。まさに、今ならどんな事でも出来そうな気がしてくる。
「
困惑しつつも、デスクロー・ミュータントは背のクローを構えて臨戦態勢に入った。
寸分の油断も隙も無い構え。その筈だが、不思議と全く負ける気がしない。
…むしろーーーーーこの状況を、楽しんでいられる???
「……よし。ーーーーー
俺は小さく告げると、一歩足を前へと動かした。
ダンッッッッ!!!!
それだけで、俺は霞のようにミュータントの視界から消え去る。
たった1歩の踏み込みが、信じられない程の加速を生み出したのだ。
そして、気が付くと俺の刀がミュータントの腹に深々と突き刺さっていた。
「ーーーーS
状況の理解に1拍…いや、2拍程遅れて反応するミュータント。だが、俺はもうその場に居ない。
「…
ーーーーー既に、赤い残像と共に奴の背後へ回っていたのだ。
「ーーーーーしッッ!!!」
気合を込め、刀を素早く一閃させる。ーーーーー振り抜かれた刀身の先端が音速を超え、鋭い三角錐型のソニックウェーブが生まれたのを俺は見た。
「
神速の斬撃を何とか右腕で受け止める、デスクロー・ミュータント。
しかし、途轍も無いスピードの乗った攻撃は完全に受け止め切れず、彼の右腕は激しい火花と共に肘先から断ち切られて宙を舞った。
「
空を舞う右腕を眺めて呆けるミュータント。
彼のがら空きとなった腹へ、俺は目にも止まらぬ速度の回し蹴りを放つ。
「ーーーー!?!?!」
ドパァンッッ!!とおよそ蹴りから放たれたとは思えない爆音が鳴り響き、ミュータントの腹に突き刺さった俺の足を中心に、円形の衝撃波が何重にも連なって広がった。
そしてそのまま、ミュータントは勢い良く吹き飛ばされる。
(まだだッ!!!)
俺は追撃を与えるべく、更に跳躍。
そのまま空を吹き飛ぶミュータントを空中で追い抜き、彼の落下地点へ先回りする。
ミュータントからは、突然俺が瞬間移動して現れた様にさえ見えただろう。
「
「喰らいやがれぇッ!!!!」
ーーーーー落下地点で構えた刀を、神速で振り下ろす。
真紅の一閃が縦に
「
そして、背中を深々と斬られたデスクロー・ミュータントが、血飛沫を上げて床へ垂直に叩き落とされる。
そして、叩き落とされた衝撃で何度も激しく床の上をバウンドし、部屋の中心まで転がっていった。……体を両断するつもりで斬りつけたが、残念ながらそうはいかなかったようだ。
「…
斬り落とされた右腕から血を流し、背中にも深い傷を付けられたミュータントは、それでも尚立ち上がる。
その体は満身創痍の極みと言っても良かったが、彼はまだ戦うつもりの様だ。
「
「…その栄光を俺達は終わらせに来たんだ。」
紅の残像を微かに残しながら、俺はミュータントへ近付く。
ーーーーすると、ミュータントは背中のクローを構えて身構えた。
クローの先端には紫色のスパークが纏わり付き、限界を超えてエネルギーを込めているのか、周囲に紫紺の雷電が漏れ出している。
その雷電は彼自身の身体すら灼いている様だが、既に全てを賭ける覚悟を決めているらしきミュータントは、まったく意に介していない。
一方俺も、自分の体に倦怠感が少しずつ戻って来るのを自覚していた。…〈機士廻生〉は長時間発動出来ないと言っていたし、そろそろ此方も限界なのかもしれない。
…解除後の反動がどんなものにしろ、碌な事にはならないだろう。
(ーーーーーつまり、次の一撃で全てが決まる…!)
………お互いに、次がラスト。
ソレを理解した俺は、刀を鞘に納めて居合い切りの構えを取る。
俺の神経が研ぎ澄まされると共に、小さくなりかけていた赤い光が再び輝きを増し、最上階の部屋を照らし始めた。
デスクロー・ミュータントも全身に纏う紫紺の雷電を強め、紫色の輝きが周囲に溢れ出す。
ーーーーー部屋に満ちる、真紅と紫紺。
そして、お互いの緊張が最大まで高まりーーーーー
「
ーーーーー弾けた。
空に
ーーーーーギャリィンッッッ!!!!
真紅の刀身と紫紺の雷電を纏うクローが交差し、爆発の如き閃光が最上階で爆ぜる。
ーーーーーガッシャァーーーーンッ!!!!
赤と紫の火花が辺りに激しく吹き荒れ、生まれた衝撃波が最上階全体に広がって、全てのガラス窓が砕け散った。
飛び散ったガラスの破片が、鍔迫り合う両者の姿を映し出す。
更に赤と紫の閃光がガラス片に反射し、一瞬の内に最上階はイルミネーションの様な幻想的な煌めきに包まれた。
「うッッおおおおおおおおおぉッ!!!!!」
渾身の叫びと共に、俺は〈機士廻生〉で得た全ての力を振り絞って刀を振り切る。
すると真紅の閃光が一際激しく瞬き、デスクロー・ミュータントのクローが、先端から火花を激しく散らして砕け散った。
「
バイザーの奥で、驚愕に目を見開くミュータント。
クローを砕いた刀はそこで止まらず、そのままミュータントを肩から足にかけてバッサリと斬り裂く。
ーーーーー瞬間、真っ赤な斬撃の閃光が辺りを染め上げた。
「AAAAAAAAAAAッッッ?!?!」
断末魔を上げて、ミュータントは床に両膝を付く。そして、大量に吐血しながら此方を睨み付けた。
「…
そう負け惜しみのように呟いた後、ミュータントはニヤリと笑った。…まるで、哀れむように。
「………HAHAHAHA……
「…!!」
スキビディ語では無く、俺達の言葉で吐き捨てたデスクロー・ミュータントは、そのままガクッと全身を脱力させて床に倒れ込んだ。
…そしてそのまま血溜まりの中で動かなくなる。彼の瞳から生気は消え失せ、もうその体が起き上がってくる事は無い。ーーーー彼の命は、今此処に潰えたのだ。
「………取り戻せるさ………必ず。」
横たわる彼を見下ろし、俺は小さく呟く。そして、彼の体を斬り裂いた刀を、ゆっくりと鞘に納めた。
ーーーーー今ココに、エネルギータワーを巡る決戦は終わりを迎えたのである。
次回、最終目標の〈アンチトイレバリア起動〉回となります
皆存在を忘れてるかもしれない1章ラスボス〈デスクロー・ギガトンスキビディトイレ〉は、奪還されたタワーと発電所を前に、どのような行動に出るのか!
……乞うご期待ーーーーーせず待っててね()