Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜   作:犬社長

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03〈First Battle〜初陣〜〉

 

 

 

「ーーーーSKIBIDI!! SKIBID!! ISKIBIDI!!!」

 

 

 不気味な歌を歌いながら、顔の生えた5体のトイレが迫ってくる。

 

 

…文字に起こすとネタにしか見えない状況だが、実際のところは到底笑えるモノでは無い。

 

 

ーーーーノーマルトイレ達の攻撃手段は頭部による噛み付きだが、その威力は思いの外強いのだ。

 

 カメラマン達の体は金属で出来ている筈だが、奴らはその体を容易く食い千切ってしまう。

 

故に油断は禁物だ。

 

 特に、今回はこの世界での初陣。ーーーーこの慣れない身体が何処まで動けるのか、まだ自分自身良く把握していない。

 

「…少しぐらい、戦い方とか説明してほしかったよな…。」

 

 恐らく聞こえる事は無いであろう愚痴を呟きながら、俺は一旦距離を取った。

 

 生憎、生まれてこの方『日本刀』なんぞ振ったこともない。勿論、戦いを経験したことも無い。

ーーーーしかし、不思議と刀を握る手は落ち着いていて、恐怖や焦りの感情も湧いては居なかった。

 

…コレは、ついさっき起動した〈戦闘モード〉の恩恵だろうか。良く分からないが、視界に映る全てが鮮明に見える。

 

「ーーーーやるしか無いよな。…良いよ。やってやる…!」

 

 トイレを睨み、俺が覚悟を決めた時、ふと視界に映るトイレの1体に、白く光るサークルが重なって出現した。

 

「…コレは…!」

 

 トイレが動くと、そのサークルも一緒になって動く。そして、意識せずとも視線が自動で、そのトイレを追いかける様になった。

 

(ロックオン機能か!!……ゲームみたいだな!)

 

 コレも戦闘モードの恩恵なのだろう。なら、活かさない手はない。

 

俺はロックオンしたトイレめがけて勢いよく走り寄る。

 

 

ーーーーーーダンッッッ!!!

 

 

 踏み締めたアスファルトに、軽いひび割れが走った。想像以上に、踏み込みの力が強かったらしい。

 

 だが、それに驚いている暇はない。すでにトイレは此方を向いて攻撃の構えに入っている。

 

「だが、俺の方が速い!!」

 

 俺は走り出した勢いそのままに、日本刀をトイレの脳天へ突き刺した。

 

 ドバッと鮮血が舞い、トイレが耳を劈く断末魔を上げて地面に転がる。

 

「1体目!」

 

俺はそう言いながら、刀を抜きつつ振り返った。

 

「SKIBIDI!!!! SKIBIDI!!!!」

「ーーーDOP DOP yes yes!!!!」

 

 続く2体目の攻撃を回避し、すれ違いざまに首を刀で撫ぜるように切り落とす。更に突進してきた3体目の顔面に向かってカウンターの蹴りを放つと、3体目は悲鳴を上げて思いっきり吹っ飛んで行った。

 

そして、特に理由も無く爆発する。

 

「おぉ…。この体…めちゃくちゃ強いぞ…?!」

 

踏み込みだけで道路にヒビを入れる脚力。

一発でトイレをぶっ飛ばす蹴り。

刀の重さをほとんど感じること無く振り回せる腕力。

 

 どれだけ敵が素早く動いても、自動で発動するロックオン機能のお陰で、その動きに翻弄されることすら無い。

 

「まるで……戦う為に作られたみたいだ…。いや、実際そうなのか?」

 

自分の身体能力に驚きつつ、俺は戦いを続けた。

 

 

「SKIBIDI!!!! 」

「ていッ!!」

 

ーーーーパチンッッ!!

 

「S、SKIBIDI……」

「ふんッッ!!」 

 

ーーーーザシュッッ!!

 

 4体目のトイレに平手打ちを食らわせ、突然のビンタに驚いて動きが止まったところを、思いっきり刀を振り抜いて斬り倒す。

 

 こうして4体のトイレを降したところで、少し離れた所から様子を見ていた『デュアルクロートイレ』が、漸く動き出した。

 

 既に俺の戦いを見て実力を察しているのか、その顔には険しい表情が浮かんでいる。

 

 

(コチラを警戒してる感じか………。中々人間臭い奴らじゃないか。)

 

 デュアルクロートイレにロックオンサークルが重なるのを確認しつつ、俺は日本刀を構え直す。

 

 瞬間、相手の持つ二本の鋭い金属の爪が、俺に向かって勢いよく伸びてきた。

 

「ふっ!!」

 

繰り出される初撃を刀で弾いて防ぐ。

 

ーーーーキィンッ、と甲高い音が鳴って火花が飛び散った。

 

(思ったより速い…!コッチも気を引き締める必要有りだな!)

 

 そのまま二撃目、三撃目と連続して刀で弾き、四撃目が放たれる寸前に合いの手を入れる様に切り返す。

 

「…!!」

 

ーーーーガキンッ!!!!

 

 攻撃を中断し、迫る刀を受け止めるデュアルクロートイレ。ひときわ大きく火花が散り、ボロボロのアスファルトの上を焼く。

 

そのまま、殆ど顔と顔をくっつける様に鍔迫り合う両者。

 

「……SKIBIDI!!!!!!」

 

「舐めるな!!」と、デュアルクロートイレが叫んだ気がした。そして、二本のクローが勢いよく上へ持ち上がり、俺の日本刀を弾き上げる。

 

「っと!」

「SKIBIDI!!」

 

 バランスを崩しかけた俺に向かって、トイレの顔面が迫った。ーーーーしかし、自分でも驚く程の体幹で俺は持ちこたえ、逆に足で顔を蹴り飛ばす。

 

「SKIBIDI!!?」

 

 まさかあのバランスを崩した体勢から、蹴りを入れられるとは思っていなかったのか、デュアルクロートイレは完全に無防備な態勢で俺の蹴りを受け、勢い良く吹き飛ばされた。

 

(…っ!!ーーーーなんて体幹の良い体なんだ…!今なら、I字バランスも余裕だな!!)

 

 カメラマンの身体の体幹の良さに驚きつつ、俺は吹き飛ばしたトイレへ駆け寄る。

 

「SKIBIDI!! SKIBIDI!!!!!」

 

 額から血を流しながらも、起き上がるデュアルクロートイレ。そして迫る俺を見て、叫びながら爪を振り回して来た。

 

 しかし、その攻撃は先程に比べて拙く、狙いも良く定まっていない。ただがむしゃらに振り回しているだけの様だ。

 

「ーーーーよっ、ほっ!」

 

 俺は振り回される左右の爪を回避し、一気に近付いて刀を水平に振り抜いた。

 スパンッ!!と何の抵抗も無く便座から斬り落とされた生首が、血を噴き出しながら空を舞う。

 

……そして一瞬の硬直の後、首を斬り落とされたデュアルクロートイレは、便器ごと大地に倒れ伏すのだった。

 

 

 







刀で敵をバッサバッサ斬り倒していくのって気持ちいよね。


……って思ったから書いた。
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