Skibidi_Toilet Multiverse〜Alternative〜 作:犬社長
どうも、31話です。
今回の話は時系列を少し前に戻しまして、スキビディトイレ側の視点で進めていこうかな、って思ってます。
エネルギータワー奪還からの3週間の間、トイレ軍が何をしていたのか……それが明らかになる、かも?
(あと、もう普通にトイレに喋らせる事にしました。SKIBIDIだけ喋らせてルビを振る方が雰囲気出て好きなんだけど、今回の話みたいにトイレ達が喋りまくる回は、無茶苦茶読み辛くなるんですよ………)
…………蒼い光が街全体を覆っている。
シャボン玉の様に薄っすらと街を包むその障壁を、デスクロー・ギガトンスキビディトイレは、恨めしそうに睨み付けていた。
「おのれ………」
範囲内のトイレを強制的に排除するバリアに弾かれ、街の外へと追い出された彼は、今や満身創痍であった。
バリアを止めようとしたクローアームは激しく破損し、トイレにとって毒であるバリアのエネルギーを大量に浴びた事で、彼の体は酷く衰弱している。
「SKIBIDISKIBIDISKIBIDI!」
……街の外に逃げる事が出来たスキビディトイレの残党が、時折バリアを突破しようと光の膜へ突進して行くが、敢え無く弾かれていた。
「無駄な行為はよせ……。ただ体力を消費するだけだ。」
「SKIBIDI……。」
無駄な努力を続ける
…酷い失態を犯したものだが、こうなってしまったからには自分に出来る事など何も無かった。
ーーーーーつまり、事態は
「私とした事が、驕ったな……。奴らを甘く見過ぎていた。」
怒りの感情を抱きながらも、彼は何処か冷静に自らの敗因を振り返り、己を戒める。
ーーーーー丁度その時、背後から声が突然聞こえてきた。
「ーーーーー?!」
振り返ると、何時の間にか背後の空間に黒い靄の様な、ワープポータルが出現している。
そして、声はその向こうから聞こえてきていた。
「迎えに来てやったぞ、最上級監視者。ーーーーー来い。」
ワープポータルの中から彼を誘う声。
そして、不機嫌そうな顔をした彼が返答を返すより先に、ポータルの方が彼を覆い隠す様に広がった。
ーーーーーゴォォォォォォォ……ン
嵐のような音が耳元で鳴り、視界が闇に包まれる。ーーーーー行き先が何処か、彼は何となく分かっていた。
やがて、彼を飲み込んだ闇のポータルは跡形も無く消え去る。そして、デスクロー・ギガトンスキビディトイレもまた、その場から跡形も無く姿を消していたーーーーー。
◇◆◇
ーーーーー次に彼が目を開けると、景色は完全に一変していた。
荒涼とした荒野も、バリアに包まれた憎き街並みも其処には無く、代わりに近未来的な装飾が施された円形の広場が、目の前に広がっている。その広場に天井は無く、何故か空は不自然に歪んでいた。
ーーーーー広場の広さは、タイタンを超えるサイズのデスクロー・ギガトンスキビディトイレが中心に立っても、まだスペースが余るぐらい広く、それぞれ東西南北に値する位置には、巨大な台座が鎮座していた。
(……〈玉座の間〉か。)
広場を見渡し、彼は心の中で呟く。
ーーーーーと、同時に、北に面する台座を除いた3つの台座に、一斉にワープポータルが出現した。
ゴォォォン…と風が鳴る様な音を立て、3つのポータルから3体のスキビディトイレが姿を現す。
そして、どのスキビディトイレも、タイタンに匹敵する巨大な姿をしていた。
「…………!」
…ソレを見て、口を固く引き結ぶデスクロー・ギガトンスキビディトイレ。
ーーーーーそれもその筈。今〈玉座の間〉に現れた3体のトイレは、〈
「……醜態を晒したな、最上級監視者。所詮はデカいだけの無能だったか……!」
デスクロー・ギガトンスキビディトイレから見て右側に現れたトイレが、開口一番に彼を貶す。
ーーーーーそのトイレの名は〈【
トイレの王たる〈G−MANトイレ〉の参謀である〈チーフ・サイエンティストトイレ〉に師事し、彼から直々に〈
彼の
(今ギガトンスキビディトイレの前に現れたのも、そのトイレメカに乗った姿である。)
「よしなさい。………彼を非難した所で、何も変わらないのですよ。」
落ち着いた声でジーニアスを窘めたのは、ギガトンスキビディトイレの左側に現れた、光を纏う真っ白なトイレだ。
ーーーー彼は金の装飾が施された純白の便器を持ち、頭の上には二重の〈
更に、便器の真下には〈魔法陣〉が浮かんでおり、常に黄金の光を周囲に振りまいていた。
眩いばかりに神聖な雰囲気を纏うこのトイレの名は、〈【
…古くからトイレ軍に所属する古参トイレであり、他のトイレとは一線を画す実力者である。
「お前等は事の重大さを分かっているのか!?アライアンスの残党如きに、我々トイレ軍が後れを取ったんだぞ!!ーーーーーコレを王がお聞きになったら、なんと仰るか…!!」
そう言って、ジーニアス・サイエンティストは話にならんと言わんばかりに首を振る。ギガトンスキビディトイレが敗北した事に、彼はかなり苛立っているようだった。
「……………。」
デスクロー・ギガトンスキビディトイレは、ただ黙ってその話を聞いている。今この場において、彼に発言権は無かった。
「|YOYOYO!!ーーーーー皆、取り敢えず仲良くしようぜ!?起きちまったモンは仕方ないんだからよ??」
張り詰めた空気を払拭するかの如く、3体目のトイレが軽いノリで口を開く。
そのトイレは頭にグレーのビーニー帽を被り、耳には紫のヘッドホンを付けていた。そして、目は黒いサングラスで隠している。
ーーーーーそんな彼の便器の周囲には、巨大なターンテーブルが便座を取り囲む様に配置されており、常に心臓を揺さぶるような重低音を響かせていた。
……彼の名は、〈【
「DJ……。」
軽く舌打ちをして、DJトイレを睨み付けるジーニアス。その視線を物ともせず、DJトイレは小刻みな縦ノリを維持したまま、ホーリートイレへと話し掛けた。
「ーーーーで、一人足りないみたいだけど、アイツは何処に居るのかな??」
「……【ジャッジメンター】なら王と共に居ますよ。〈
「…なるほどね。またか。」
DJトイレは納得した様に呟くと、デスクロー・ギガトンスキビディトイレへ顔を向けた。
「ーーーーーってな訳で、デカブツ君!…先ずは、今までお疲れ様!!やられちゃったね、ドンマイ!!」
ギュギュンッとスクラッチを決めながら、DJトイレが笑顔を見せる。
「言うべきはソレじゃ無いだろうDJ!ーーーーーコイツは失敗した!10年間守り通してきた奴らの居城を、奪い返されてしまったんだぞ!?」
その横から割り込んで来たジーニアスが、彼を押しのけながらそう言った。
そして、ギガトンスキビディトイレに向かってロボットアームの先端を向けながら、吐き捨てるように言葉を放つ。
「どいつもこいつも馬鹿の無能ばかりだ!ーーーーーお前の武器である〈デスクロー〉を作ったのも、あの日アライアンスの街にEMPを仕掛けたのも全部、この天ッッッ才である俺様だと言うのに、こうも易易と取り返されるなど愚の骨頂ッ!!!使えない奴め!!!」
腹立たしげにロボットアームを振り回すジーニアス。
その隣からホーリートイレが口を挟んだ。
「ーーーーーまぁ、手痛い失態であったのは事実ですが、まだ巻き返しは効きますよジーニアス。…街1つを取り返された程度で、我々トイレ軍の支配は揺らがない物です。」
今にも怒りで発狂しそうなジーニアスと反対に、彼は非常に落ち着いていた。
「なにせ、此方には洗脳した2体のタイタンが居ますし、他にも数多くの戦力を隠しているのですから。…数でも、質でも、我々がまだ大きくリードしています。ーーーーー街1つ程度、どうとでもなりますよ。」
その言葉を聞いて、多少は落ち着きを取り戻したらしきジーニアスは、振り回していたロボットアームを下に降ろして息を吐く。
そして、デスクロー・ギガトンスキビディトイレの方を睨むように見つめ、口を開いた。
「ーーーーーだが、失敗の責任は取らなければならない。……最上級監視官。お前は今回の件、どう収拾を付けるつもりだ??」
彼からの問いに、デスクロー・ギガトンスキビディトイレは静かに答える。
「…再び街を我等トイレ軍の手に戻すのみです。……そこで、是非とも私に
「ふん…アップグレードか…。」
ジーニアスは小馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
「ソレでやれるんだろうな??ーーーーーお前程のトイレのアップグレードとなると、時間も資源も掛かる。コレで負けるようなら………分かっているな??」
彼からの念押しに、ギガトンスキビディトイレは頷いた。
「私は必ず戻ってくるとあの街に宣言した…。ソレを反故にするつもりは有りません。今度こそ、アライアンスを根絶やしにして見せましょう。それこそ、我が命に代えても…!」
その言葉に、ジーニアスは多少なりとも納得した様だ。彼は頷くと、ワープポータルを開く。
「ーーーーーならば、この俺様がアップグレードをお前に施してやろう…。着いて来い。」
そう言って、ワープポータルの中へ消えて行くジーニアス。
ギガトンスキビディトイレは、残されたホーリートイレとDJトイレへ目で挨拶をすると、ジーニアスの後に続いてポータルの中へと消えて行った。
(待っていろアライアンス…!今度こそ、必ずお前達を消し去ってやる…!!)
ポータルの中に入り、視界が黒い霧へ包まれる瞬間、彼はそう強く心に誓ったのだったーーーーーーーーーーーーーー。
敵幹部が遂に登場!
オリキャラのジーニアストイレ、原作では早い段階で死んじゃったホーリートイレ、そして皆大好き(?)DJトイレの3体です!!
まだ1人明らかになってない【ジャッジメンター】なる奴が居ますが、コイツについてはまた後ほど…。
あと途中のセリフに出て来た〈封域空間〉とは何じゃろな??
…きっと未来の私が上手く説明してくれる筈…って事でまた次回〜!